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2章.Kyrie
上手くやった裏目
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ここ数日でわかったのは、講義中に鞭を受ける生徒はそこそこいること。生徒にとって、鞭を振るわれるのは日常的な光景らしいこと。
それから、暴力を受ける生徒の存在。
「なあ、なんであいつ蹴られてんだ?」
「歩いてたら肩がぶつかったとか、すれ違うときの態度が気に入らなかったとか?」
「は?」
放課後、寮へ戻る途中、ミカエルは建物の影の中にそれを見た。
「君もわかるだろ。ここでの生活はストレスが溜まる。そのはけ口の一つがあれさ」
「バレたら罰があるんじゃねえの」
「バレたらね。告げ口する人はそういないし、君も体験したと思うけど、貴族を優遇する教師がいるから」
ミカエルは顔をしかめて前を向いた。
寮に着き、エントランスに足を踏み入れる。ファロエルの気配を感じて目をやれば、大きな顔をして階段を上っていた。ミカエルはそっと隅っこを歩いて観葉植物の影に身を隠す。
「何してるの?」
「しっ。あいつに見つかったら厄介だ」
コソコソしているミカエルを不審げに見ていたサリエルは、ファロエルを見つけて「ああ、」と溢した。
「彼、よく共有スペースで寛いでるよ」
「ああ? 部屋に戻んねえのか」
「王様気分を味わうには、寮部屋より共有スペースのほうがうってつけさ」
部屋に戻るには、共有スペースの前を通らねばならない。
声を掛けられたら面倒だ。
「どこにいるか、ちょっと見てくるね」
偵察に行ったサリエルが戻ってくる。
「あれは廊下を通る人にも声をかけやすい位置取りだよ。なぜか鞭を持ってるし。どうする?」
「……風になる」
「うん?」
「駆け抜ける」
サリエルはしばし固まり、「僕がおしゃべりして気をそらすよ」と言った。
作戦通り、先に階段を上がったサリエルがファロエルに話しかける。ファロエルは警戒するような表情をしていたが、サリエルを邪険に扱うことはない。
その様子を階段の途中からこっそり確認したミカエルは、痛むお尻を励まして一気に階段を駆け上がり、部屋までダッシュした。
「何かいま…」
「それで、その鞭はペネムエル先生から?」
「ああ、そうとも。俺は期待されてるんだ。この鞭で――」
部屋に入ってホッと息を吐く。
あとは補講だ。ミカエルはサリエルが貸してくれた巻物を参考に、古語で書かれた聖典を頭に入れる作業を続ける。
五ページほど進んだところで、サリエルが帰還した。
「やれやれ。無事に通れてよかったね」
「おう、助かった。おまえ、あいつと仲良いのか」
「ううん。こんなに話したのは初めてだよ」
サリエルは上着の襟元を寛げ、椅子に座った。
「彼、ペネムエル先生から君を罰する権利を得たこと、自慢げに話してた」
「ケッ」
「君を鞭で打つのが楽しみで仕方ないって」
「ぜってー会わねえ」
聖典に意識を戻そうとしたミカエルの背中に声がかかる。
「君が禁書で得たい知識は、学校を覆う結界のこと?」
「……なんでだよ」
「だって君、まえに聞いただろ。出られないって本当かって。君は試したんだね。それで、本当に出られなかったから、何か方法を探してるんだ」
ミカエルは髪をガシガシ掻いて振り返る。
「おーおーそうだ。おまえはその方法、知ってんのか?」
サリエルは目を瞬いて、眉を下げ、苦笑した。
「知らないよ。だけど、結界についてなら、少し話せる」
「聞かせろよ」
「うん…。結界はね、結界を作ったときの力より大きな力なら壊せるよ」
「力を使えたら、壊せるかもしれねえ?」
「結界を一人で作ったとは限らないし、君の力が強くても、君一人の力で壊せるかわからない」
ミカエルは睫毛を伏せて考える。
「結界のせいで力が使えなくてよ、それ壊すために力が必要って言われてもよ、」
「卒業まで待てないの? 来たときから最高学年なんて、君、ラッキーだよ」
「待てねーーー」
駄々を捏ねるように首を振り、本に向き直る。この瞬間にも、補講の時間が迫っていた。
晩飯を終えて歩いていたら、なんだかお腹が気持ち悪くなった。
ミカエルは眉根を寄せてお腹を擦る。
「トイレ寄ってく?」
「そういう感じじゃねえ」
するとサリエルは、会得したような顔をした。
「ペネムエル先生のところに行きたくないんだね」
「それで腹がヘンになるのか?」
「なるよ。君、これまで本当にイヤな思いをすることなかったんだ」
感心するような、呆れたような声音で言われ、ますます眉根が寄る。
「だからって、行かなかったらまた酷い目に遭うからね。ファイトっ。じゃあ、僕は行くね」
サラッと言って行ってしまったサリエルを半目で見送り、ミカエルはペネムエルの待つ部屋に向かった。
ノックをして「しつれーシマス」でペネムエルの元へ行き、差し出された手を取りキスをする。彼の手は無骨なバラキエルと大違いだ。骨張った、冷たい手である。
「座りたまえ」
そこでようやくミカエルはソファに腰を落ち着ける。
「では始めよう」
「ヨロシクオネガイシマス。心を、魂を、力を尽くし、我が神、主を愛しマス。隣人も自分のように愛しマス」
こうして順調に補講は進んだ。
「毎日皆で唱える言葉くらい覚えているだろう。朝の祈りから言ってみたまえ」
これはいつか問われると思い、あらかじめしっかり練習したため、きちんと答えられた。ここまで鞭を食らうようなことは一つもない。
ペネムエルがどこか不満げな表情をしている。
そろそろ終わっても良い時間だが、ペネムエルはなかなか補講の時間を終わらせようとはしなかった。
「今日は一度も会わなかったとファロエルから聞いたぞ。君たちは同じ教室で講義を受け、同じ寮で生活している。にわかに信じがたい」
ミカエルは沈黙を貫く。そこでペネムエルは、思いついたように言った。
「ファロエルは由緒正しき貴族の家柄だ。古語も幼いころより学んでいる。礼儀や古語について、彼から学びたまえ」
「は? イ」
「ファロエルには私から伝えておこう」
「……俺は、」
「頭を下げて教えを乞え。さすれば、快く応じてくれることだろう。わかったな」
「……ハイ、センセー」
ミカエルはなんとか答えた。
廊下を進む足取りは重い。
時間が遅いため、共有スペースに誰もいないのがせめてもの救いだ。
部屋に戻ると、こちらを向いたサリエルが心配そうな顔をした。
「おかえり。また鞭で打たれたの?」
「今日は打たれてねぇ」
「それにしては暗い顔だね」
「明日を思うとな」
「……また明日?」
そういえば、こっ酷く鞭を振るわれた日も、前日に「明日」と言われていたのだった。
ミカエルは息を吐き、ファロエルの件を話す。
「学ぶってンなら、首席のおまえといる方がいいはずだろ」
「僕は貴族じゃないから」
サリエルは脱力して同情の眼差しを向けてきた。ミカエルは椅子にドカリと座り、上向いて口を開く。
「イヤだと思うことを避けて通ろうとすると、倍になって返ってきやがる」
「……教師は、君を思い通りにしたいんだ。反発すればより強く上から押さえつけようとするし、逃げようとすれば逃げ道を塞ぐ」
「かわす方法はねえのか」
「ここにいる限り、無理だと思う」
ペネムエルもファロエルも、決して恐ろしい存在ではない。ミカエルは闘ったら勝つ自信がある。こんな閉鎖空間で力を封じられていなければ、取るに足らない存在なのだ。それが権力を笠に着て、ミカエルを痛みで脅す。拒めば、最後に待ち受けているのはラファエルで、記憶の抹消なのである。
「あークソッ。風呂行く」
「その手で? お尻は大丈夫?」
ミカエルは全てを忘れて頭から熱いお湯を浴びたい気分だった。
それから、暴力を受ける生徒の存在。
「なあ、なんであいつ蹴られてんだ?」
「歩いてたら肩がぶつかったとか、すれ違うときの態度が気に入らなかったとか?」
「は?」
放課後、寮へ戻る途中、ミカエルは建物の影の中にそれを見た。
「君もわかるだろ。ここでの生活はストレスが溜まる。そのはけ口の一つがあれさ」
「バレたら罰があるんじゃねえの」
「バレたらね。告げ口する人はそういないし、君も体験したと思うけど、貴族を優遇する教師がいるから」
ミカエルは顔をしかめて前を向いた。
寮に着き、エントランスに足を踏み入れる。ファロエルの気配を感じて目をやれば、大きな顔をして階段を上っていた。ミカエルはそっと隅っこを歩いて観葉植物の影に身を隠す。
「何してるの?」
「しっ。あいつに見つかったら厄介だ」
コソコソしているミカエルを不審げに見ていたサリエルは、ファロエルを見つけて「ああ、」と溢した。
「彼、よく共有スペースで寛いでるよ」
「ああ? 部屋に戻んねえのか」
「王様気分を味わうには、寮部屋より共有スペースのほうがうってつけさ」
部屋に戻るには、共有スペースの前を通らねばならない。
声を掛けられたら面倒だ。
「どこにいるか、ちょっと見てくるね」
偵察に行ったサリエルが戻ってくる。
「あれは廊下を通る人にも声をかけやすい位置取りだよ。なぜか鞭を持ってるし。どうする?」
「……風になる」
「うん?」
「駆け抜ける」
サリエルはしばし固まり、「僕がおしゃべりして気をそらすよ」と言った。
作戦通り、先に階段を上がったサリエルがファロエルに話しかける。ファロエルは警戒するような表情をしていたが、サリエルを邪険に扱うことはない。
その様子を階段の途中からこっそり確認したミカエルは、痛むお尻を励まして一気に階段を駆け上がり、部屋までダッシュした。
「何かいま…」
「それで、その鞭はペネムエル先生から?」
「ああ、そうとも。俺は期待されてるんだ。この鞭で――」
部屋に入ってホッと息を吐く。
あとは補講だ。ミカエルはサリエルが貸してくれた巻物を参考に、古語で書かれた聖典を頭に入れる作業を続ける。
五ページほど進んだところで、サリエルが帰還した。
「やれやれ。無事に通れてよかったね」
「おう、助かった。おまえ、あいつと仲良いのか」
「ううん。こんなに話したのは初めてだよ」
サリエルは上着の襟元を寛げ、椅子に座った。
「彼、ペネムエル先生から君を罰する権利を得たこと、自慢げに話してた」
「ケッ」
「君を鞭で打つのが楽しみで仕方ないって」
「ぜってー会わねえ」
聖典に意識を戻そうとしたミカエルの背中に声がかかる。
「君が禁書で得たい知識は、学校を覆う結界のこと?」
「……なんでだよ」
「だって君、まえに聞いただろ。出られないって本当かって。君は試したんだね。それで、本当に出られなかったから、何か方法を探してるんだ」
ミカエルは髪をガシガシ掻いて振り返る。
「おーおーそうだ。おまえはその方法、知ってんのか?」
サリエルは目を瞬いて、眉を下げ、苦笑した。
「知らないよ。だけど、結界についてなら、少し話せる」
「聞かせろよ」
「うん…。結界はね、結界を作ったときの力より大きな力なら壊せるよ」
「力を使えたら、壊せるかもしれねえ?」
「結界を一人で作ったとは限らないし、君の力が強くても、君一人の力で壊せるかわからない」
ミカエルは睫毛を伏せて考える。
「結界のせいで力が使えなくてよ、それ壊すために力が必要って言われてもよ、」
「卒業まで待てないの? 来たときから最高学年なんて、君、ラッキーだよ」
「待てねーーー」
駄々を捏ねるように首を振り、本に向き直る。この瞬間にも、補講の時間が迫っていた。
晩飯を終えて歩いていたら、なんだかお腹が気持ち悪くなった。
ミカエルは眉根を寄せてお腹を擦る。
「トイレ寄ってく?」
「そういう感じじゃねえ」
するとサリエルは、会得したような顔をした。
「ペネムエル先生のところに行きたくないんだね」
「それで腹がヘンになるのか?」
「なるよ。君、これまで本当にイヤな思いをすることなかったんだ」
感心するような、呆れたような声音で言われ、ますます眉根が寄る。
「だからって、行かなかったらまた酷い目に遭うからね。ファイトっ。じゃあ、僕は行くね」
サラッと言って行ってしまったサリエルを半目で見送り、ミカエルはペネムエルの待つ部屋に向かった。
ノックをして「しつれーシマス」でペネムエルの元へ行き、差し出された手を取りキスをする。彼の手は無骨なバラキエルと大違いだ。骨張った、冷たい手である。
「座りたまえ」
そこでようやくミカエルはソファに腰を落ち着ける。
「では始めよう」
「ヨロシクオネガイシマス。心を、魂を、力を尽くし、我が神、主を愛しマス。隣人も自分のように愛しマス」
こうして順調に補講は進んだ。
「毎日皆で唱える言葉くらい覚えているだろう。朝の祈りから言ってみたまえ」
これはいつか問われると思い、あらかじめしっかり練習したため、きちんと答えられた。ここまで鞭を食らうようなことは一つもない。
ペネムエルがどこか不満げな表情をしている。
そろそろ終わっても良い時間だが、ペネムエルはなかなか補講の時間を終わらせようとはしなかった。
「今日は一度も会わなかったとファロエルから聞いたぞ。君たちは同じ教室で講義を受け、同じ寮で生活している。にわかに信じがたい」
ミカエルは沈黙を貫く。そこでペネムエルは、思いついたように言った。
「ファロエルは由緒正しき貴族の家柄だ。古語も幼いころより学んでいる。礼儀や古語について、彼から学びたまえ」
「は? イ」
「ファロエルには私から伝えておこう」
「……俺は、」
「頭を下げて教えを乞え。さすれば、快く応じてくれることだろう。わかったな」
「……ハイ、センセー」
ミカエルはなんとか答えた。
廊下を進む足取りは重い。
時間が遅いため、共有スペースに誰もいないのがせめてもの救いだ。
部屋に戻ると、こちらを向いたサリエルが心配そうな顔をした。
「おかえり。また鞭で打たれたの?」
「今日は打たれてねぇ」
「それにしては暗い顔だね」
「明日を思うとな」
「……また明日?」
そういえば、こっ酷く鞭を振るわれた日も、前日に「明日」と言われていたのだった。
ミカエルは息を吐き、ファロエルの件を話す。
「学ぶってンなら、首席のおまえといる方がいいはずだろ」
「僕は貴族じゃないから」
サリエルは脱力して同情の眼差しを向けてきた。ミカエルは椅子にドカリと座り、上向いて口を開く。
「イヤだと思うことを避けて通ろうとすると、倍になって返ってきやがる」
「……教師は、君を思い通りにしたいんだ。反発すればより強く上から押さえつけようとするし、逃げようとすれば逃げ道を塞ぐ」
「かわす方法はねえのか」
「ここにいる限り、無理だと思う」
ペネムエルもファロエルも、決して恐ろしい存在ではない。ミカエルは闘ったら勝つ自信がある。こんな閉鎖空間で力を封じられていなければ、取るに足らない存在なのだ。それが権力を笠に着て、ミカエルを痛みで脅す。拒めば、最後に待ち受けているのはラファエルで、記憶の抹消なのである。
「あークソッ。風呂行く」
「その手で? お尻は大丈夫?」
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