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前篇
朱色の深淵
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生徒祭、二日目。
午前中のおれは宣伝担当で、ジンと衣装に着替えて学舎を巡る。
この役はラウレルやアスファーでもよかったけれど、ラウレルには「イオの方が身軽な格好だから」と言われ、アスファーには「教室にいた方がまだ人目がない」と断わられた。
「まぁ、おれはどっちでもいいけどさー」
「こっちの方が気が楽じゃないか?」
ジンは客対応が面倒らしい。こうして歩いている分には話し掛けられないので、視線を気にしなければ、たしかに楽かもしれない。
学舎をブラブラするのは二度目のジンに先導されて、クラスを見てまわる。
様々な食べ物が売られており、誘惑にかられたおれは、気付けば両手いっぱいに抱えていた。
「明日の午前に、客として来れるんだぞ」
そう言って、おれの腕からふわふわなお菓子を奪って食べるジン。
「おれは今食べたいの」
いつの間にか、人気のない廊下を歩いていた。
そこで、肝試しと書かれた教室を発見する。開催しているのが六年特級というところからして、嫌な予感しかしないのだが。
「なぁジン、」
「……ああ、俺昨日入ったからここで待っててやるよ」
ここに入った勇気に感心しつつ、昨日すっかり色々と満喫したらしいジンに顔を顰める。
「いいじゃん。もっかい入ろうぜ」
「遠慮する」
「なんでさ。……あ~、もしかして、怖かったの?」
――返事がない。
おれは首を傾げた。ジンの怖がるものとは一体何だろう?
「何があったんだい、ジン君」
「知りたきゃ、入ってこい」
ジンは腕を組み、断固として動くまいとする。
気になるが、一人で入ってもつまらない。どうしたものかと思案していると、後ろからがしりと肩を掴まれた。
「君たちはお客さんですね? ……おや、ジンじゃないですか。今日はおめかししてるんですね」
まじまじとジンを見てそんな事を言った人は、長い紺藍色の髪を紫の紐で束ねており、手に厚い本を持っている。真ん中で長めの前髪をわけ、すっと伸びている眉が知的な感じだ。
「……オーレン、これは衣装だ。今は宣伝中なんだよ」
「ああ、なるほど」
続いて浅縹の瞳をこちらへ向けたオーレンが、うっすらと口許に弧を描く。
「君のことは知ってますよ、イオ。今や知らない人の方が少ないでしょうがね」
他人とあまり関わらないジンに宗家関係以外の知り合いなんて珍しいと思っていたら、オーレンは図書委員会の委員長だったらしい。
「では諸君、楽しんでくれたまえ」
「ま、俺は、」
ジンの抗議も虚しく、おれたちは教室に押し込まれてしまった。
バタンと扉が閉まると、真っ暗な空間になる。――何も見えない闇だ。
「ジンー?」
「ここだ」
はぐれないよう、声がした方に手を伸ばし、マントと思われる物を掴む。
「よし、進もう」
「押すな。初めてなんだから、おまえが先行け」
くるりと後ろに回って見事におれのフードを掴んだジン。
おれは仕方なく、足を踏み出した。
長い長い暗闇の中、どれくらい歩いただろう。触れるものは何もない。
「なぁ、これ本当に出口あるのか?」
「なかったら、俺は今頃おまえと再会してねーよ。……おまえはよく落ち着いていられるな」
何も見えない暗闇というだけで、普通は不安になるだろうとジンが言う。
「普通に生活してたら、こんな闇には遭遇しないもんな」
「……昨日はこんなに長くなかったような…」
何か言いたそうに微妙な後味を残して、ジンの言葉は切れた。
この闇は幻術で造られている。
おれは今、それを造った人物目掛けて進んでいた。――もう少しという所で、辺りが唐突に光に満ちる。いきなり明るくなったので、目を細めてしまった。
瞬きをする内に、雲の中。
「空歩くって、不思議な気分だ」
「歩いてる…」
呆気に取られたように呟かれた声に振り返って笑う。
「昨日はどうしたんだよ」
「昨日は、」
ジンがそこまで言ったとき、急に浮遊感に襲われた。急激に落下し始める。風が耳許でごうごう唸り、立った体勢から背中が下になってゆく。
「ジン、鳥になったってイメージするんだ! 飛ぶんだよ!」
目を固く閉じて口を結んでいたジンの腕を掴んで叫ぶと、ようやく落下が収まった。
心地好い風を感じながら進む中、術師の腕の良さを実感する。
「気持ちいいー」
「すげぇ…」
鮮やかな青空の中、過ぎ行く雲を目で追うジンの瞳は子供のようにきらきらしている。
そうして、しばらく優雅な飛行を楽しんだ。
「ああ、時間切れだ」
呟いた瞬間、ベールが落ちるようにふわりと景色が消え、教室内に戻っていた。
目の前には、本を開いて机に腰掛け、目を見開いたオーレンの姿。
「……君は、一体…」
不思議そうに首を傾げたジンが、おまえかと言いたげな顔をこっちに向ける。
――おれに術は効かない。
おれにかけた術は、全て術者に跳ね返っていただろう。それに耐えながら今まで集中を保っていたとは、見事なものである。
「……そこの鏡をご覧なさい」
オーレンの言葉を聞いた瞬間、ジンが目をそらした。おれは首を傾げて鏡を見たが、そこには普通に自分たちが映っているだけだ。
「君は恐怖を持たないのですか…?」
「……あぁ。おれにはないかなー」
あれは恐怖を映す鏡だったらしい。
オーレンの驚異に満ちた視線を無視し、未だに顔を背けているジンの肩を掴んだ。それから、無理やり顔を向けさせようとするも、本気で抵抗される。
「ジン、何がそんなに怖いんだ」
「っ、別に、」
「教えてくれたら鏡見せるの諦めるよ」
おれはやると決めたらやる男だ。
そんな執念を感じたのか、ジンは抵抗を止め、俯いたまま小さく呟いた。
「……女の視線」
「なんで、」
「ガキの頃、襲われた」
ぼそぼそ話してくれたところによると、未遂だったものの、そのときの本気の女性の目が、実に恐ろしかったのだという。当時はこれがメデューサかと思ったほどらしい。
「化粧の匂いも苦手だ…」
「それはそれは」
ジンがあまり他人に目を向けないのは、そんなトラウマ経験が原因なんだろうか。そういえば、知り合った当初はよく俯いていたなと思い出す。
取り合えず、落ちてしまった帽子を拾ってジンの頭に被せ、軽く肩を叩いておいた。
「お邪魔しましたー」
何やら考え込んでいるオーレンに一声かけ、ジンの手を引いて廊下に出る。
「なぁ、アスファーは、」
振り返って鬱蒼とした朱色の瞳と目が合った瞬間、おれは素早く飛び退いた。
寸でで飛んできた蹴りをかわす。
「何者だ? お前」
「……水のエルレウムだけど」
「ああ…。お前が生き残りか」
彼はゆるりと辺りを見回す。
「ここは…?」
「学舎だよ。今はもう、どの属性も条約を結んで、戦はなくなったからな」
「なに?」
驚きに目を丸くした彼に近付き、近距離で深遠なる朱色の瞳を見詰める。
「なんで今ここに居るのか、思い出せよ、ジン」
瞬間、見開かれた瞳が徐々に透明度を増し、鮮やかな朱色に戻った。
「イ、オ」
「なに?」
「俺、今…」
揺れる瞳。どうやら記憶があるらしい。
「俺…?」
「ジン」
困惑したようにこちらを見てくる彼に、彼を形成する確かな響きを紡ぐ。彼が見失わないように、はっきり、大切に。
「ジン」
揺れの収まった瞳は微かに濡れていた。おれはそれに気付かないふりをして、優しく抱き締める。心を落ち着かせるにはこれが一番だ。
しばらくして、おれの背中に回っていた手がトントンと背中を叩いてきた。
それを合図に、ジンから離れて顔を見上げる。すっかりいつも通りで、平然としていた。
「さっきのは、俺の記憶か?」
古い景色や、浮かんだ思考を辿ったらしい。
「ジンのっていうか、魂の?」
「あー、そんな感じだ」
歩きながら、ジンは首を傾げる。
「でも、なんで…?」
「精神的に不安定になったからかな」
「おまえのせいか」
睨まれても困る。こちらとしても、予想外だったのだ。
「良かったじゃん。悩みの種が一つ減って」
たまに記憶が飛ぶのを、気にしているようだったから。
すると、胡乱な目をしてジンが言う。
「知ってたなら教えろよ」
「言っても、信じられないだろ?」
「そうかもしれないが…」
納得がいかない様子のジンに肩を竦める。
「結果オーライってね」
おれとしては、これでジンとしての意識を失うことがなくなってくれると嬉しいのだけど。
午前中のおれは宣伝担当で、ジンと衣装に着替えて学舎を巡る。
この役はラウレルやアスファーでもよかったけれど、ラウレルには「イオの方が身軽な格好だから」と言われ、アスファーには「教室にいた方がまだ人目がない」と断わられた。
「まぁ、おれはどっちでもいいけどさー」
「こっちの方が気が楽じゃないか?」
ジンは客対応が面倒らしい。こうして歩いている分には話し掛けられないので、視線を気にしなければ、たしかに楽かもしれない。
学舎をブラブラするのは二度目のジンに先導されて、クラスを見てまわる。
様々な食べ物が売られており、誘惑にかられたおれは、気付けば両手いっぱいに抱えていた。
「明日の午前に、客として来れるんだぞ」
そう言って、おれの腕からふわふわなお菓子を奪って食べるジン。
「おれは今食べたいの」
いつの間にか、人気のない廊下を歩いていた。
そこで、肝試しと書かれた教室を発見する。開催しているのが六年特級というところからして、嫌な予感しかしないのだが。
「なぁジン、」
「……ああ、俺昨日入ったからここで待っててやるよ」
ここに入った勇気に感心しつつ、昨日すっかり色々と満喫したらしいジンに顔を顰める。
「いいじゃん。もっかい入ろうぜ」
「遠慮する」
「なんでさ。……あ~、もしかして、怖かったの?」
――返事がない。
おれは首を傾げた。ジンの怖がるものとは一体何だろう?
「何があったんだい、ジン君」
「知りたきゃ、入ってこい」
ジンは腕を組み、断固として動くまいとする。
気になるが、一人で入ってもつまらない。どうしたものかと思案していると、後ろからがしりと肩を掴まれた。
「君たちはお客さんですね? ……おや、ジンじゃないですか。今日はおめかししてるんですね」
まじまじとジンを見てそんな事を言った人は、長い紺藍色の髪を紫の紐で束ねており、手に厚い本を持っている。真ん中で長めの前髪をわけ、すっと伸びている眉が知的な感じだ。
「……オーレン、これは衣装だ。今は宣伝中なんだよ」
「ああ、なるほど」
続いて浅縹の瞳をこちらへ向けたオーレンが、うっすらと口許に弧を描く。
「君のことは知ってますよ、イオ。今や知らない人の方が少ないでしょうがね」
他人とあまり関わらないジンに宗家関係以外の知り合いなんて珍しいと思っていたら、オーレンは図書委員会の委員長だったらしい。
「では諸君、楽しんでくれたまえ」
「ま、俺は、」
ジンの抗議も虚しく、おれたちは教室に押し込まれてしまった。
バタンと扉が閉まると、真っ暗な空間になる。――何も見えない闇だ。
「ジンー?」
「ここだ」
はぐれないよう、声がした方に手を伸ばし、マントと思われる物を掴む。
「よし、進もう」
「押すな。初めてなんだから、おまえが先行け」
くるりと後ろに回って見事におれのフードを掴んだジン。
おれは仕方なく、足を踏み出した。
長い長い暗闇の中、どれくらい歩いただろう。触れるものは何もない。
「なぁ、これ本当に出口あるのか?」
「なかったら、俺は今頃おまえと再会してねーよ。……おまえはよく落ち着いていられるな」
何も見えない暗闇というだけで、普通は不安になるだろうとジンが言う。
「普通に生活してたら、こんな闇には遭遇しないもんな」
「……昨日はこんなに長くなかったような…」
何か言いたそうに微妙な後味を残して、ジンの言葉は切れた。
この闇は幻術で造られている。
おれは今、それを造った人物目掛けて進んでいた。――もう少しという所で、辺りが唐突に光に満ちる。いきなり明るくなったので、目を細めてしまった。
瞬きをする内に、雲の中。
「空歩くって、不思議な気分だ」
「歩いてる…」
呆気に取られたように呟かれた声に振り返って笑う。
「昨日はどうしたんだよ」
「昨日は、」
ジンがそこまで言ったとき、急に浮遊感に襲われた。急激に落下し始める。風が耳許でごうごう唸り、立った体勢から背中が下になってゆく。
「ジン、鳥になったってイメージするんだ! 飛ぶんだよ!」
目を固く閉じて口を結んでいたジンの腕を掴んで叫ぶと、ようやく落下が収まった。
心地好い風を感じながら進む中、術師の腕の良さを実感する。
「気持ちいいー」
「すげぇ…」
鮮やかな青空の中、過ぎ行く雲を目で追うジンの瞳は子供のようにきらきらしている。
そうして、しばらく優雅な飛行を楽しんだ。
「ああ、時間切れだ」
呟いた瞬間、ベールが落ちるようにふわりと景色が消え、教室内に戻っていた。
目の前には、本を開いて机に腰掛け、目を見開いたオーレンの姿。
「……君は、一体…」
不思議そうに首を傾げたジンが、おまえかと言いたげな顔をこっちに向ける。
――おれに術は効かない。
おれにかけた術は、全て術者に跳ね返っていただろう。それに耐えながら今まで集中を保っていたとは、見事なものである。
「……そこの鏡をご覧なさい」
オーレンの言葉を聞いた瞬間、ジンが目をそらした。おれは首を傾げて鏡を見たが、そこには普通に自分たちが映っているだけだ。
「君は恐怖を持たないのですか…?」
「……あぁ。おれにはないかなー」
あれは恐怖を映す鏡だったらしい。
オーレンの驚異に満ちた視線を無視し、未だに顔を背けているジンの肩を掴んだ。それから、無理やり顔を向けさせようとするも、本気で抵抗される。
「ジン、何がそんなに怖いんだ」
「っ、別に、」
「教えてくれたら鏡見せるの諦めるよ」
おれはやると決めたらやる男だ。
そんな執念を感じたのか、ジンは抵抗を止め、俯いたまま小さく呟いた。
「……女の視線」
「なんで、」
「ガキの頃、襲われた」
ぼそぼそ話してくれたところによると、未遂だったものの、そのときの本気の女性の目が、実に恐ろしかったのだという。当時はこれがメデューサかと思ったほどらしい。
「化粧の匂いも苦手だ…」
「それはそれは」
ジンがあまり他人に目を向けないのは、そんなトラウマ経験が原因なんだろうか。そういえば、知り合った当初はよく俯いていたなと思い出す。
取り合えず、落ちてしまった帽子を拾ってジンの頭に被せ、軽く肩を叩いておいた。
「お邪魔しましたー」
何やら考え込んでいるオーレンに一声かけ、ジンの手を引いて廊下に出る。
「なぁ、アスファーは、」
振り返って鬱蒼とした朱色の瞳と目が合った瞬間、おれは素早く飛び退いた。
寸でで飛んできた蹴りをかわす。
「何者だ? お前」
「……水のエルレウムだけど」
「ああ…。お前が生き残りか」
彼はゆるりと辺りを見回す。
「ここは…?」
「学舎だよ。今はもう、どの属性も条約を結んで、戦はなくなったからな」
「なに?」
驚きに目を丸くした彼に近付き、近距離で深遠なる朱色の瞳を見詰める。
「なんで今ここに居るのか、思い出せよ、ジン」
瞬間、見開かれた瞳が徐々に透明度を増し、鮮やかな朱色に戻った。
「イ、オ」
「なに?」
「俺、今…」
揺れる瞳。どうやら記憶があるらしい。
「俺…?」
「ジン」
困惑したようにこちらを見てくる彼に、彼を形成する確かな響きを紡ぐ。彼が見失わないように、はっきり、大切に。
「ジン」
揺れの収まった瞳は微かに濡れていた。おれはそれに気付かないふりをして、優しく抱き締める。心を落ち着かせるにはこれが一番だ。
しばらくして、おれの背中に回っていた手がトントンと背中を叩いてきた。
それを合図に、ジンから離れて顔を見上げる。すっかりいつも通りで、平然としていた。
「さっきのは、俺の記憶か?」
古い景色や、浮かんだ思考を辿ったらしい。
「ジンのっていうか、魂の?」
「あー、そんな感じだ」
歩きながら、ジンは首を傾げる。
「でも、なんで…?」
「精神的に不安定になったからかな」
「おまえのせいか」
睨まれても困る。こちらとしても、予想外だったのだ。
「良かったじゃん。悩みの種が一つ減って」
たまに記憶が飛ぶのを、気にしているようだったから。
すると、胡乱な目をしてジンが言う。
「知ってたなら教えろよ」
「言っても、信じられないだろ?」
「そうかもしれないが…」
納得がいかない様子のジンに肩を竦める。
「結果オーライってね」
おれとしては、これでジンとしての意識を失うことがなくなってくれると嬉しいのだけど。
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※受けのカズユキは性に奔放な設定のため、攻めのコウ以外との体の関係を仄めかす表現があります。
※同性婚が認められている世界観です。
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