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前篇
たまには、たまには
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試験期間中、学園内の空気はいつもより少しだけ研ぎ澄まされている。点数が低いと追試になるので、最低限の勉強は必要だ。
特級以外のクラスは魔力も学力も平等になるよう振り分けられているため競争意識はなく、そこまでピリピリした空気はない。
おれはこの期間が結構気に入っている。早く帰れるのが嬉しいのだ。
試験最終日の最後の科目は暗記系だった。開始の鐘の音と同時に、ペンを走らせる音が満ちる。
早々に諦めて突っ伏す者や、頭を抱えて答案と睨めっこする者。
おれはそのどちらでもなく、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
今度こそ、終わりの向こうの始まりが見れるといい。
おれが望んでも、意味はないけれど――。
鐘の音が試験の終了を告げる。途端にだらけた雰囲気になり、一気に教室が煩くなった。
おれにとって、三度目の今日の始まりだ。
「やっと終わったぜー」
アスファーが机にべたりと張りついた。
「どうだった?」
「追試は回避したと思う。……多分」
おれの答えに、ちょっと残念なものを見るような顔をするラウレル。彼は微かではあるが顔に出るので、打ち解けると分かりやすい。
「昼飯、行こうぜ」
ジンの一声で、いつもの如く購買へ向かった。
食後、足を投げ出して後ろ手に体重を預ける。
「この解放感がたまんないね」
「おまえ、言うほど勉強してねぇだろう」
「まあ、そうだけど」
呆れ顔のアスファーに素直に頷く。気持ちの問題ということだ。
「午後の講義がないのは嬉しいな」
微かに目許を緩めたラウレルに、つられるように頬が上がった。
「何する?」
「読書」
「おまえはたまには違うこと言ってみろよ」
アスファーの突っ込みに、ジンは面倒くさそうな顔をする。
「チェ」
「おまえも」
言い切る前に遮られ、おれは口を尖らせた。
「じゃあアスファー、何かあんのかよ?」
「ドッジとか」
「却下。疲れんじゃん」
「おまえは若さが足りねぇんだよ!」
「なあ、もう日向ぼっこでよくね?」
上を向いてダルそうに言ったジンに、アスファーが眉根を寄せる。
まだ暑くはない季節。食後は特に眠気に襲われるものだ。ぽかぽか陽気で、上向けば広がる清々しい青空。
「さんせー」
これはもう、寝るしかないでしょ。
寝転んで、ゆっくりと形を変える雲を眺めていれば、目蓋が自然に下がってくる。
「ったく、せっかく講義がないのによぅ」
「たまには良いんじゃないか?」
不満を溢すアスファーも、ラウレルの穏やかな声に絆され、仕方なく寝転んだ。微かに笑ってラウレルも横になる。ジンはすでに仰向けに倒れ、目を瞑っていた。
さらさらと葉の鳴る音や吹き抜ける風が心地好く、穏やかな気持ちで意識が薄れてゆく。
…―――最後まで寝ていたアスファーが起きた頃には、世界は橙色に染まっていて。
「夕日の色って暖かくていいよなー」
「少し切なくなる」
「……そうか?」
沈み行く暖かな光が山の向こうに消えるまで、みんなでぼうっと眺めていた。
寮へ向かい、とろとろ歩く。人影は少ない。
「よーぅ、君たち。こんな時間まで何してたんだ?」
ふと後ろから声がして、背中に重みが加わった。
振り返れば、暗闇に染まった銀の瞳が思ったより近くにある。
「ノヴァ、とリュイヴェ…」
ノヴァの向こうに銀髪が煌めいたので辛うじてつけ足すと、器用に片眉を上げたリュイヴェとも目が合った。
「あんたらは何を?」
アスファーの問いにノヴァがにんまり笑う。
「いい質問だな、土の杜人。俺らはルーフェスにパシられてたわけだが。おまえはなかったのか? 風、紀、の、集、ま、り」
途端に真っ青な顔になったアスファーへ、リュイヴェが追い討ちをかける。
「生徒会室に来たシェルツは実に不機嫌そうだったな」
「~~あ゙ー…」
「御愁傷様」
愉快に笑うノヴァ。アスファーは肩を落とす。
朝方、予定を聞いていたらしいジンが微かに首を傾げた。
「飯食う前までは覚えてたんだが」
「なんで忘れちまったんだ…!」
「まあまあ、シェルツさんも寝たら忘れるカモだし」
「ぜってぇない! あの人の記憶力、半端ねぇんだよ」
必死な顔で言われても、もうどうしようもないことだ。気休めしか言えない。
「ドンマイ」
「ジン。おまえ、どうでもいいと思ってるだろ」
「他人事だからな」
「くっそー、ハッキリ言いやがって…」
ジンの棒読みのエールもアスファーを元気に出来なかった。
「諦めてガッツリ説教されろ」
結局、ノヴァの言葉にみんな頷いたのだった。
ふと気になって後ろを歩くノヴァを見遣る。
「生徒会より風紀の方が大変なのか?」
「風紀は常に巡回やら定期報告会やらあるからな。生徒会は、行事がないときはそれほど忙しくないぜ」
「へー」
逃避して遠くを見詰めているアスファーに、つい哀れみの視線を向けてしまった。
◇◇◇
晩飯を食べ終え、まったり寛ぐ。朝晩の祈りが恒例となってから、食前の祈りもすっかり日常となっている。
ちなみに、アスファーの切った野菜の千切りはいつもより細かかった。
今日までこの時間は勉強会をしていたため、今日は何をしようと考える。放っておくとジンは本を読み出すし、おれは寝そうになってしまう。
「そうだ、人生ゲームやろう」
「……あれ、スゲェ時間かかるぞ」
「いいじゃん。明日休みだし」
暇潰しにと、いつか買った人生ゲームは、かなり作り込まれており、よい暇潰しになった。そして、余りにも時間が潰れるため、その時以来していない。
本棚の横に放置されていたそれを持ち出し、みんなの真ん中に置く。
「おれ青」
「俺、緑」
「じゃあ黄色で」
おれの言葉にジンが続き、ラウレルも乗った。
「……普通にやる気だなおまえら」
運よく淡々と進むおれに、たまに嬉しいハプニングが起こって素敵な人生を送るジン。ラウレルは堅実に進み、最初に飛ばしていたアスファーは何故かループに嵌まっている。
「アスファー、いつまでそこにいるの」
「俺だって居たくて居るわけじゃねぇよ」
「あ、賢者になった」
「おお」
一人で素晴らしい人生を築いていくジンとは対照的に、ラウレルは子宝に恵まれている。なんだかスゴくらしい展開である。
「イオ、おまえはなんでそんな淡々と進むんだよ」
「へへーん。おれは運が良いのさ」
「ちゃっかり色んな体験してるしな」
そんなこんなで朝日が昇る頃、一番でゴールしたジンは最後まで独り身ながら素晴らしい人生を謳歌した。
次にゴールしたおれは、財産や後世に残る偉業はないものの、充実した人生だった。
三番手のラウレルは子孫をたくさん残して、穏やかな一生を穏やかに終え、ビリのアスファーは思わぬアクシデントに見舞われながらも健闘したと思う。
「いやー、長い一生だったな」
「なかなか良い人生だった」
「ああ。思い残すことはない」
「おまえらなぁ…」
各自人生を満喫し、気だるい眠りに誘われる。
「……眠くなってきたな」
「充分楽しんだもんな」
「もう、寝てもいいよな?」
「違う意味に聞こえるだろうが。……ったく、ラウレルとイオは部屋戻れよ」
しっしっと追い払うようなジェスチャーをされ、口を尖らす。
「えー、なんでジンばっかり」
「ジンはこの部屋の住人だからだッ」
「ちぇー。仕方ないから帰る?」
「そうだな。仕方ない」
流し目を送れば、ラウレルが肩をすくめた。
「俺が悪いような言い方すんな」
アスファーを通り越して向こうで首を回していたジンに手を振る。
「じゃあねー、ジン」
「おやすみ」
「おう」
「テメェら…」
たまには、朝日が昇る頃に夢の世界へ旅立つのも悪くない。
特級以外のクラスは魔力も学力も平等になるよう振り分けられているため競争意識はなく、そこまでピリピリした空気はない。
おれはこの期間が結構気に入っている。早く帰れるのが嬉しいのだ。
試験最終日の最後の科目は暗記系だった。開始の鐘の音と同時に、ペンを走らせる音が満ちる。
早々に諦めて突っ伏す者や、頭を抱えて答案と睨めっこする者。
おれはそのどちらでもなく、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
今度こそ、終わりの向こうの始まりが見れるといい。
おれが望んでも、意味はないけれど――。
鐘の音が試験の終了を告げる。途端にだらけた雰囲気になり、一気に教室が煩くなった。
おれにとって、三度目の今日の始まりだ。
「やっと終わったぜー」
アスファーが机にべたりと張りついた。
「どうだった?」
「追試は回避したと思う。……多分」
おれの答えに、ちょっと残念なものを見るような顔をするラウレル。彼は微かではあるが顔に出るので、打ち解けると分かりやすい。
「昼飯、行こうぜ」
ジンの一声で、いつもの如く購買へ向かった。
食後、足を投げ出して後ろ手に体重を預ける。
「この解放感がたまんないね」
「おまえ、言うほど勉強してねぇだろう」
「まあ、そうだけど」
呆れ顔のアスファーに素直に頷く。気持ちの問題ということだ。
「午後の講義がないのは嬉しいな」
微かに目許を緩めたラウレルに、つられるように頬が上がった。
「何する?」
「読書」
「おまえはたまには違うこと言ってみろよ」
アスファーの突っ込みに、ジンは面倒くさそうな顔をする。
「チェ」
「おまえも」
言い切る前に遮られ、おれは口を尖らせた。
「じゃあアスファー、何かあんのかよ?」
「ドッジとか」
「却下。疲れんじゃん」
「おまえは若さが足りねぇんだよ!」
「なあ、もう日向ぼっこでよくね?」
上を向いてダルそうに言ったジンに、アスファーが眉根を寄せる。
まだ暑くはない季節。食後は特に眠気に襲われるものだ。ぽかぽか陽気で、上向けば広がる清々しい青空。
「さんせー」
これはもう、寝るしかないでしょ。
寝転んで、ゆっくりと形を変える雲を眺めていれば、目蓋が自然に下がってくる。
「ったく、せっかく講義がないのによぅ」
「たまには良いんじゃないか?」
不満を溢すアスファーも、ラウレルの穏やかな声に絆され、仕方なく寝転んだ。微かに笑ってラウレルも横になる。ジンはすでに仰向けに倒れ、目を瞑っていた。
さらさらと葉の鳴る音や吹き抜ける風が心地好く、穏やかな気持ちで意識が薄れてゆく。
…―――最後まで寝ていたアスファーが起きた頃には、世界は橙色に染まっていて。
「夕日の色って暖かくていいよなー」
「少し切なくなる」
「……そうか?」
沈み行く暖かな光が山の向こうに消えるまで、みんなでぼうっと眺めていた。
寮へ向かい、とろとろ歩く。人影は少ない。
「よーぅ、君たち。こんな時間まで何してたんだ?」
ふと後ろから声がして、背中に重みが加わった。
振り返れば、暗闇に染まった銀の瞳が思ったより近くにある。
「ノヴァ、とリュイヴェ…」
ノヴァの向こうに銀髪が煌めいたので辛うじてつけ足すと、器用に片眉を上げたリュイヴェとも目が合った。
「あんたらは何を?」
アスファーの問いにノヴァがにんまり笑う。
「いい質問だな、土の杜人。俺らはルーフェスにパシられてたわけだが。おまえはなかったのか? 風、紀、の、集、ま、り」
途端に真っ青な顔になったアスファーへ、リュイヴェが追い討ちをかける。
「生徒会室に来たシェルツは実に不機嫌そうだったな」
「~~あ゙ー…」
「御愁傷様」
愉快に笑うノヴァ。アスファーは肩を落とす。
朝方、予定を聞いていたらしいジンが微かに首を傾げた。
「飯食う前までは覚えてたんだが」
「なんで忘れちまったんだ…!」
「まあまあ、シェルツさんも寝たら忘れるカモだし」
「ぜってぇない! あの人の記憶力、半端ねぇんだよ」
必死な顔で言われても、もうどうしようもないことだ。気休めしか言えない。
「ドンマイ」
「ジン。おまえ、どうでもいいと思ってるだろ」
「他人事だからな」
「くっそー、ハッキリ言いやがって…」
ジンの棒読みのエールもアスファーを元気に出来なかった。
「諦めてガッツリ説教されろ」
結局、ノヴァの言葉にみんな頷いたのだった。
ふと気になって後ろを歩くノヴァを見遣る。
「生徒会より風紀の方が大変なのか?」
「風紀は常に巡回やら定期報告会やらあるからな。生徒会は、行事がないときはそれほど忙しくないぜ」
「へー」
逃避して遠くを見詰めているアスファーに、つい哀れみの視線を向けてしまった。
◇◇◇
晩飯を食べ終え、まったり寛ぐ。朝晩の祈りが恒例となってから、食前の祈りもすっかり日常となっている。
ちなみに、アスファーの切った野菜の千切りはいつもより細かかった。
今日までこの時間は勉強会をしていたため、今日は何をしようと考える。放っておくとジンは本を読み出すし、おれは寝そうになってしまう。
「そうだ、人生ゲームやろう」
「……あれ、スゲェ時間かかるぞ」
「いいじゃん。明日休みだし」
暇潰しにと、いつか買った人生ゲームは、かなり作り込まれており、よい暇潰しになった。そして、余りにも時間が潰れるため、その時以来していない。
本棚の横に放置されていたそれを持ち出し、みんなの真ん中に置く。
「おれ青」
「俺、緑」
「じゃあ黄色で」
おれの言葉にジンが続き、ラウレルも乗った。
「……普通にやる気だなおまえら」
運よく淡々と進むおれに、たまに嬉しいハプニングが起こって素敵な人生を送るジン。ラウレルは堅実に進み、最初に飛ばしていたアスファーは何故かループに嵌まっている。
「アスファー、いつまでそこにいるの」
「俺だって居たくて居るわけじゃねぇよ」
「あ、賢者になった」
「おお」
一人で素晴らしい人生を築いていくジンとは対照的に、ラウレルは子宝に恵まれている。なんだかスゴくらしい展開である。
「イオ、おまえはなんでそんな淡々と進むんだよ」
「へへーん。おれは運が良いのさ」
「ちゃっかり色んな体験してるしな」
そんなこんなで朝日が昇る頃、一番でゴールしたジンは最後まで独り身ながら素晴らしい人生を謳歌した。
次にゴールしたおれは、財産や後世に残る偉業はないものの、充実した人生だった。
三番手のラウレルは子孫をたくさん残して、穏やかな一生を穏やかに終え、ビリのアスファーは思わぬアクシデントに見舞われながらも健闘したと思う。
「いやー、長い一生だったな」
「なかなか良い人生だった」
「ああ。思い残すことはない」
「おまえらなぁ…」
各自人生を満喫し、気だるい眠りに誘われる。
「……眠くなってきたな」
「充分楽しんだもんな」
「もう、寝てもいいよな?」
「違う意味に聞こえるだろうが。……ったく、ラウレルとイオは部屋戻れよ」
しっしっと追い払うようなジェスチャーをされ、口を尖らす。
「えー、なんでジンばっかり」
「ジンはこの部屋の住人だからだッ」
「ちぇー。仕方ないから帰る?」
「そうだな。仕方ない」
流し目を送れば、ラウレルが肩をすくめた。
「俺が悪いような言い方すんな」
アスファーを通り越して向こうで首を回していたジンに手を振る。
「じゃあねー、ジン」
「おやすみ」
「おう」
「テメェら…」
たまには、朝日が昇る頃に夢の世界へ旅立つのも悪くない。
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