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第十八話 トカゲ
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熱々と燃える灼熱のマグマ。
人間など決して立ち入ることのできない死の空間では今、一体の竜が長い眠りから目覚めていた。
「グロロロ」
その竜はかつて衛星クラスの途方もなく巨大な隕石を破壊したことで数千年の眠りについたが、地上にいる同じ竜の目覚めにいち早く気付き、木に擬態して地上を守護、支配している他の竜を差し置いて、目覚めた竜もろともこの星に入ってきた害虫を滅ぼしてやろうと、この星で最硬にして、最強の存在がマグマの海を泳ぎ地上へ向けて進んでいた。
地下で強大な力が蠢いている一方地上では。
ゴ、ゴゴゴ……。
「……ん…………なんだ?」
謎の揺れで目覚め、しょぼしょぼする顔をスッキリしたいのに水が見当たらなかったのでしょうがなくゴリラの心臓を引き抜いて潰し、じゃばしゃば流れる血で顔を洗ってついでに喉を潤し、くぅ~とお腹がなったので指パッチンで木に火をつけて削った木でゴリラを串刺しにして一頭丸ごと焼いて食べた。
「…………マズ」
ゴリラの肉は筋肉ばかりで硬く、味も薄くてあまり美味しくはなかったが。
「コイツは美味い!」
試しに串刺しにした一際目立つ金ピカのゴリラは芳醇で雷のようにスパイシーな味がしてとても美味しかった。
「なんでコイツ一頭だけしかいないんだ。ゴリラなら腐るほどこんなにいるのに」
不味いゴリラの死骸の山に座りながら周囲の骸を見渡し金ピカゴリラの肉を食う。そんな風に食べながら美味しい金ピカゴリラの死骸が他にはないか探したが無かった。今食べ終えた一頭だけのようだ。
「美味かった。腹も膨れたし、コイツらを回収しないとな」
袋をかざして食べたゴリラ二頭以外のゴリラを回収していくと、ポイントは一気に12,100まで増えた。
「確か試験は10,000ポイント貯めればいいんだったな。ということは、これで私の試験は終わりか。ただゴリラどもを撫でていただけなのに。まだゴリラしか戦っていないのに……ゴリラのバカ。アホ」
もう姿の無いゴリラどもへ文句を言いながら、私は元来た道を戻ろうと振り返ると、突風のように熱風が吹きかけ髪が揺れる。
「なんだコイツは」
ソイツはいつからいたのか、木々の間から見える正面の空には赤くて羽の生えた巨大なトカゲが浮いていた。
しかもそのトカゲは風船のようにその場に止まりながら私を親の仇のようにずっと睨んでいる。
「ゴリラの次は巨大なトカゲか。どうしてこちらを睨んでいるかは知らんが、やっとゴリラ以外の猛獣と会えたのは嬉しいな」
左手を腰に当てながら、この星で初めて出会ったゴリラ以外の生物を興味本位で観察していると。
「カアアアアアアアッ!!」
「うるさっ!」
トカゲの口から木々が震える程の轟音が鳴り響き、トカゲの口にゴリラと同じような光が溜まっていく。
「また光か。この星の生き物はみんなこうなのか」
ゴリラのお陰で見慣れた光をただただ見守っていると、ソレは大きく膨らみ私目がけて放たれた。
ゴリラとは比較にならない強大な光に飲まれ、全身に温いシャワーを浴びるような少しだけ心地いい感覚と、あまりの眩しさに右腕で目を覆う。
「トカゲ。そっちがその気なら私も――――なんだ?」
高い場所から落ちるような浮遊感を感じて下に顔を向けると、さっきまで立っていた大地はドロドロに溶けたように消えており、私は遥か下、光の無い暗闇の中へと落ちていた。
「トカゲめ、次会ったら覚えていろよ――」
落ちながら地上にいる豆粒のように小さくなったトカゲを視界に捕らえ、再び地上に戻った暁にはあのトカゲをボコボコにすると心に決めた。
それから数分間の浮遊の後、下から煙と赤い光が見えた。
「ん? アレは……」
落ちるごとに徐々に見えてきたのは、生物が住んでいないような赤い沼。
「おお、アレはマグマじゃないか。久しぶりに見――」
ドボッ――。
人間など決して立ち入ることのできない死の空間では今、一体の竜が長い眠りから目覚めていた。
「グロロロ」
その竜はかつて衛星クラスの途方もなく巨大な隕石を破壊したことで数千年の眠りについたが、地上にいる同じ竜の目覚めにいち早く気付き、木に擬態して地上を守護、支配している他の竜を差し置いて、目覚めた竜もろともこの星に入ってきた害虫を滅ぼしてやろうと、この星で最硬にして、最強の存在がマグマの海を泳ぎ地上へ向けて進んでいた。
地下で強大な力が蠢いている一方地上では。
ゴ、ゴゴゴ……。
「……ん…………なんだ?」
謎の揺れで目覚め、しょぼしょぼする顔をスッキリしたいのに水が見当たらなかったのでしょうがなくゴリラの心臓を引き抜いて潰し、じゃばしゃば流れる血で顔を洗ってついでに喉を潤し、くぅ~とお腹がなったので指パッチンで木に火をつけて削った木でゴリラを串刺しにして一頭丸ごと焼いて食べた。
「…………マズ」
ゴリラの肉は筋肉ばかりで硬く、味も薄くてあまり美味しくはなかったが。
「コイツは美味い!」
試しに串刺しにした一際目立つ金ピカのゴリラは芳醇で雷のようにスパイシーな味がしてとても美味しかった。
「なんでコイツ一頭だけしかいないんだ。ゴリラなら腐るほどこんなにいるのに」
不味いゴリラの死骸の山に座りながら周囲の骸を見渡し金ピカゴリラの肉を食う。そんな風に食べながら美味しい金ピカゴリラの死骸が他にはないか探したが無かった。今食べ終えた一頭だけのようだ。
「美味かった。腹も膨れたし、コイツらを回収しないとな」
袋をかざして食べたゴリラ二頭以外のゴリラを回収していくと、ポイントは一気に12,100まで増えた。
「確か試験は10,000ポイント貯めればいいんだったな。ということは、これで私の試験は終わりか。ただゴリラどもを撫でていただけなのに。まだゴリラしか戦っていないのに……ゴリラのバカ。アホ」
もう姿の無いゴリラどもへ文句を言いながら、私は元来た道を戻ろうと振り返ると、突風のように熱風が吹きかけ髪が揺れる。
「なんだコイツは」
ソイツはいつからいたのか、木々の間から見える正面の空には赤くて羽の生えた巨大なトカゲが浮いていた。
しかもそのトカゲは風船のようにその場に止まりながら私を親の仇のようにずっと睨んでいる。
「ゴリラの次は巨大なトカゲか。どうしてこちらを睨んでいるかは知らんが、やっとゴリラ以外の猛獣と会えたのは嬉しいな」
左手を腰に当てながら、この星で初めて出会ったゴリラ以外の生物を興味本位で観察していると。
「カアアアアアアアッ!!」
「うるさっ!」
トカゲの口から木々が震える程の轟音が鳴り響き、トカゲの口にゴリラと同じような光が溜まっていく。
「また光か。この星の生き物はみんなこうなのか」
ゴリラのお陰で見慣れた光をただただ見守っていると、ソレは大きく膨らみ私目がけて放たれた。
ゴリラとは比較にならない強大な光に飲まれ、全身に温いシャワーを浴びるような少しだけ心地いい感覚と、あまりの眩しさに右腕で目を覆う。
「トカゲ。そっちがその気なら私も――――なんだ?」
高い場所から落ちるような浮遊感を感じて下に顔を向けると、さっきまで立っていた大地はドロドロに溶けたように消えており、私は遥か下、光の無い暗闇の中へと落ちていた。
「トカゲめ、次会ったら覚えていろよ――」
落ちながら地上にいる豆粒のように小さくなったトカゲを視界に捕らえ、再び地上に戻った暁にはあのトカゲをボコボコにすると心に決めた。
それから数分間の浮遊の後、下から煙と赤い光が見えた。
「ん? アレは……」
落ちるごとに徐々に見えてきたのは、生物が住んでいないような赤い沼。
「おお、アレはマグマじゃないか。久しぶりに見――」
ドボッ――。
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