彼女の母は蜜の味

緋山悠希

文字の大きさ
上 下
2 / 14

待ち合わせ

しおりを挟む
めちゃくちゃ不貞腐れているが、こればかりはしょうがない。
お互いがホストをやっている以上割り切るしかないのだ。

多分ここで俺が辞めてもアイ君が辞めない限り別の問題が出てくるだろうし、2人揃って辞めるなんてもってのほかだ。
しっかり夜の世界に染まってしまった俺達が、急に昼の世界に戻るのは現実的に厳しい。
わかりやすいところで、普通に金銭感覚終わってると思う。

それに今辞めるのは普通に勿体無い。特にアイ君。
ホストは適当に始める人も多いが、本気でやっている人も多いのだ。
俺たちは後者で、どんどんと記録を更新し、目標に向かって突き進んでいるアイ君が辞めるのは本当に勿体無い。俺もまだ目標達成してないし。今やめたくはない。



「………チューするの?」

めちゃくちゃ不機嫌な声で聞いてくるけれど、アイ君だって本当はわかってる。
納得してません!って感じが声だけじゃなく顔からも滲み出てるけど。

「するかもね。」

「………。」

いや、めちゃくちゃ嫌そうな顔するじゃん。
眉間にすんげえ皺寄るじゃん。
なんか本当にわかってるのか心配になってきた。

………可哀想だからちょっとだけ飴をやるか。

「はぁ…じゃあさきにアイ君がしてよ。
明日会う子よりも先に。」

「!」

ぱああぁぁぁぁ…!
という効果音が聞こえてきそうなほど嬉しそうな顔をしている。

すんごい笑顔。単純か。

「さきさんから言われるの破壊力すごい。じゃあ先に失礼します。」

「ん。いいよ。…んっ…ぅん…はっ…」

アイ君の顔が近づいてきて、そのまま深いキスをされる。
いつもより少し荒っぽいのが意識してるみたいで可愛い。
こういう嫉妬深いところも嫌いじゃないどころか、むしろ好きだ。
俺のこと本当に好きって感じするから。

「ん。明日終わった後も来て下さい。消毒するから。」

頭をぽんぽんとしてくれる。
いつもよりどこか男らしくてキュンとしてしまった。
すごい単細胞だけど…。

アイ君は年下だけど、頭をぽんぽんとされるのは許してしまう。というかむしろ好きだったりする。

「ん、いっぱい消毒してね。」

納得はしてくれたけど、多分相当我慢してくれてるんだよね。
だからたまには甘やかしてあげないとね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まあ!今からもギャンギャンに抱きますけどね!泊まりだし。」

「うるせえよ。キスで終わっとけよ。ムード台無しかよ。」

「無理。明日俺のことしか考えられないようにする。抱き潰す。」

「やめろ。ホストが腰痛めてたらやばいだろ。」

「ちぇ。ケチ。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

偶然PTAのママと

Rollman
恋愛
偶然PTAのママ友を見てしまった。

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

処理中です...