極上αだった俺が突然Ωになって(本当はなってない)パリピαに面白がられる話

はるか

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07 αとαの攻防※

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 ちょっと湿った重い布団をベランダに干す。ジモンティでタダで貰ったせんべい布団だが、昨夜の風早とのエッチな行為で湿ってダニが活発化したらしい。



 昼も近いというのに朝の茶碗の片付けもしていない。ただれにただれた生活だ。だから番は嫌なんだ。人間は考える葦なのに、番が絡むと本能のままただの葦に成り下がる。



 カチャカチャと桶の中のお茶碗を洗う。この毛糸を編んで作ってあるお茶碗洗いは洗剤もいらないし最高だ。



 「フフフーン。フンフフ……」



 「――誘ってンのぉ?」



 ピタリ。「ひゃっ」





 背後から裸で下半身を擦りつけられ飛び上がった。



 「情事の後の布団干したりとかぁ。旦那に奉仕した後にぃ、お茶碗洗ったりとかぁ。紫貴ちゃん最高の嫁っしょ」



 「み、耳噛まないでぇ」



 やめろ。舌を入れるな。

 

 
 「見たことないくらい男前なのにぃ、なンでそんなにエロ可愛うぃの?」



 ギャップ萌えなの? 小悪魔過ぎるっしょ。



 「悪い子だねぇ。お仕置しちゃうゾ?」



 上下で500円だったスエットシャツの中に簡単に手を入れた風早は現実を知る事になる。だってそこにはたわわな胸なんてないんだから。



 「んんっ、あっ、なん、でぇ……」



 すりすりと肌をやらしくはい回った風早の手は俺の乳首に手を止め絶妙なさじ加減でこねくり回した。



 「んんっ、つまむなぁっ、あぁっ……」



 そこに山や谷はないというのに何故。番だからかTUGAI恐るべし。振り払いたいのに、両手は水に濡れて塞がっている。タオルは俺の股間に押されて拭けない。まさに四面楚歌。このままでは犯されてしまう。まさか今日が人生最後の日になろうとは。



 くにくに……



 「あっ、あっ」



 ぐにぐに……



 「んっ、んんっ……」



 コリコリ……



 「もっ、もうっ、やぁっ、ああっ……」



 「ビーチクたててるくせーにぃ。ワガママ言わない、の」



 風早は子供に言い聞かせるように耳元で卑猥に囁きながら、片手で俺のスエットズボンを下ろした。



 「はーい。足開こう、ね。」


 俺の股の間に熱くて硬いギンギンしたのを入れピストン運動を繰り返する風早。もうお股はグチョグチョだ。



 「んんっ、んあっ、ああっんっ……」



 風早と俺のが重なり合いヌチョヌチョとやらしい音を立てていく。



 コリコリ胸の刺激と下の激しい摩擦で犯されてる感満載の俺は「ああんっ」とか「やあんっ」とかΩ特有の喘ぎしか出ない。つまり最高に気持ち良かった。



 「イく? イきそう? イくの? イくとき紺って言って」



 「ああっ、んんっ、あっ、ああっ……んんっ……」



 ――俺の名前言ってイって。



 「――紺っ、こんっ、こぉんっ」



 俺は頭が真っ白になって風早の名前を連呼しながら射精した。



 「はぁ、はぁ、はぁ……」



 肩で息をしながら背中に感じる次なる恐怖に絶望を感じる。



 「先っちょだけ。先っちょだけだから」



 まだイってない風早は俺の股の間から自身を取り出すと未開の地へ先をあてがった。



 「う、そ。そ、そんな。や、やだ。お、犯さないって……」



 言った。風早は犯さないって言ったよ。言ったんだ。



 俺は洗い場にすがり付きながらだらだらと涙を流した。



 「ごめん、ね?」


 エロ可愛すぎてむり。



 ――ピト。



 ヌチャヌチャ……ヌポヌポ……



 「い、痛っ、いっ、いたたっ」



 ヌポヌポポ……



 「む、むりぃっ、」



 先しか入ってないのに痛すぎるっ。



 コリコリ……



 「んんっ、ああっ、あっ……」



 いや、今更乳首触ったってさ……。



 ヌポヌポ……



 「い、痛っ、いっ、いたたっ」



 ヌチャヌチャ……



 「あっ、ああっ、んんっ……」



 や、イったばかりのそこ触られたってさ……。



 ヌポヌポ……



 「い、痛っ、いっ、痛いっ、むりぃっ」



 ヌポ、、、ヌポ……



 「……ですよねぇ」



 俺の中に入れなかった風早はガックリと肩を落とすと、俺をひっくり返しておでこをくっつけた。



 「潤滑油買ってきてもいーい?」



 そしたらグチョグチョに犯すから。



 瞳が鼻が口が語る風早の本音。本能に支配された顔。


 「いや、だっ。犯さないって言った。嘘つきっ」



 「だよねっ。うーーっ。うがーーっ。俺のバカっ」



 目元を潤ませて恨めしそうに俺を睨む風早にそれはこっちの顔だと思う。



 「じゃあ、チュウして?」



 言うか言わないかのうちに下唇を噛まれた。



 「んんっ」



 後頭部を鷲掴みにされ角度を右に左に変え中を蹂躙していく風早に最初押され気味だった俺は――。



 ――火がついた。







 それから俺達は夕方までくんづほぐれつした。運命の番とはいえ爛れすぎてないか。



 「――風早」



 「こ、お、んっ」



 出すもの出しきった俺は畳にまっ裸で正座した。



 「こ、紺」



 「なぁにぃ?」



 畳に寝そべった風早は俺を気だるげに見上げた。こらっ。色気を振り撒くんじゃない。



 「分かってると思うが俺の尻は、かぜ、紺専用だ。」



 「俺専用なのっ?」


 風早は飛び起きると正座して俺の肩を掴んで激しく揺らした。



 俺は神妙な顔でうなずく。



 「だからヒートが来るまで待ってくれ。」



 「ヒート来るのっ?」



 これまた俺は神妙な顔でうなずく。



 すげぇ。極上αパねぇ。なんて訳の分からないことを言いながらガッツポーズをする風早。



 「お、俺。全然可愛くないし、こんなだからさ。かぜ、紺には申し訳ないと思ってる。」



 こんな俺が運命の番だなんて風早に悪い。



 「かぜ、紺には儚くてか弱くてそれこそ深窓の令嬢みたいなΩの娘が似合ってるのに。俺なんかと――」



 番だなんて。



 「――好きだよ」



 「えっ」



 「俺。極上な顔面で、大和撫子で、エロ可愛いい紫貴がだーい好き」



 ついでにシックスパックも好き。



 そう言って俺の腰に腕を回しへそにチュウする風早。



 「んっ。お、俺も好き……かも」



 「かもぉっ?」



 腰にすがりついたまま俺を見上げる風早の瞳は険呑。



 「う、嘘だよ。俺も好き。かぜ、紺が好き」



 じゃなきゃ男とこんな事出来る訳がない。



 そうして嬉しそうに目尻を下げる風早の頭を撫でながら俺は心に決めた。



 風早ならいいよ。



 俺の処女やるよ。
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