極上αだった俺が突然Ωになって(本当はなってない)パリピαに面白がられる話

はるか

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06 新婚さんいらっしゃい※

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 いりこの頭とはらわたを取り、一晩水につけておく。朝、火にかけ沸騰したら弱火で5分してから火を消して30分してから火をつけていりこを取り出し具を入れる。食べる直前に味噌とワカメを入れて出来上がりだ。



 「……はぉ」



 恍惚の表情で味噌汁を飲む風早。



 「美味しい、ね。」



 朝御飯はシンプルに味噌汁と白米。お金がないから食事はほぼ自炊だ。古本屋で100円になっていたトミおばあちゃんのレシピ集の通りに作れば間違いがない。パリピαの風早の口にあったなら良かった。



 「――昨日エッチにイっちゃった後、俺が寝てからいりこの頭とはらわた取ったの? なんかクるんだけど」



 昨日は俺のUtubaデビューを風早のスマホで5回見せてもらったが結局オーブは分からなかった。コメント欄を見ると、俺が人がいいと思っていた霊達は俺に消滅させられているらしい。「殺虫灯に吸い寄せられ自殺する虫みたい」というコメントを見て泣いたのは風早との秘密だ。



 「嫁に~こないか~……フンフンフフフン~」



 風早は朝から歌を歌ってさすがパリピ。テンション高いな。

 

 「ごちそうさまでした。さて、すずーきくんに悲しいお知らせがあります」



 ご飯時味噌汁をおかわり3杯した後、風早は神妙な面持ちで足を胡座から正座に変えて俺に向かい合った。



 「な、何?」


 俺は胡瓜の浅漬けをポリっと口に入れた。



 「――え、何で脱ぐの? 犯すの?」



 「朝から犯さないよ?」



 夜なら犯すのか。



 「これ見てぇ。すっっっごい痒いの」



 ランニングの裾をあげ上半身裸をさらす風早の体には赤い斑点がポツポツと見えた。



 「な、何だろう? さ、触ってもいい?」



 コクンと顎を引く風早の体にそっと触れてみる。



 「――大きさは1個につき0.5~1㎝くらいか。刺された部分だけ赤く腫れあがるっているな」



 「すずきくん? お医者さんごっこ。ふぅっ」



 風早は俺が患部を触るとウッヒャッん。エッチィ。なんて声を出して身をよじっている。



 「――結論としては、ツメダニだろう」



 柿の葉エキスを塗ると治まる。冷蔵庫から出した柿の葉で作ったエキスを風早の体に塗ってやる事にした。



 「――ほんとだ。痒くない。凄いねぇ。ああん。そんなところまで?」



 足のつけ根の患部を念入りに塗る。肌の弱い所を狙い打ちされている。これは痒いだろう。ぬりぬりぬり……気付けば垂れ目に間近で見つめられていた。



 「はぁ、山田く、ん。――しゃぶって?」



 目の縁を桃色に染め、潤んだ垂れ目で俺を見下ろす風早は、股を開けっ広げた状態で両手を後ろについて体を支え胸をつきだしていた。その広げた股の間に顔を埋める俺。風早の色気のある顔を見て察した俺は自分の手元を見直した。



 ギンギンだ。



 しまった。


 俺のΩに反応させてしまったのか。俺は朝っぱらから甲斐甲斐しく味噌汁つくった相手に処女を失うのか。治療をしている相手にまで盛ってしまうとは運命の番の見境なさは人間の尊厳を失っている。



 「犯さないよ? ちょっとオナニーするだけよ? 俺も舐めるから、ね?」



 ペロリと赤い唇を舐める風早は獰猛な肉食獣のそれで。Ωの俺が逃げられるはずもなく――



 ペロ、ペロペロ……



 ギンギンのそれを下着から出して恐る恐るペロっとしてみた。意外だが嫌悪感はない。さすが運命の番。風早のαが俺のΩを気持ちよくしてくれるのを本能で分かっているのだ。



 「えっ、マジ、で? 俺のを咥える山田君の顔見たいっ。目っ! 上見てっ! 咥えて目線は上っ!」



 パクり。



 「ほうこう?」



 ドクンっ。

 

 俺がギンギンをパクンすると風早の涙の膜の張った垂れ目が細くなり、眉を苦しそうに寄せ、赤い唇は半開きで熱い吐息を吐き出した。



 犯したいほどやらしい顔。



 何かが下半身を急かして、我を忘れかけた瞬間、口の中に広がる青臭い液体のお陰で辛うじて意識を繋いだ。



 運命の番の精液。Ω何だから美味しいはず。



 ゴックん。



 「マジかよ。」

 
 風早は顔を両手で覆っている。



 うん。不味い。運命の番の精液が美味しく感じないなんて俺もまだまだだな。



 「不味いでしょ? うがいしなきゃ」



 俺が顔をしかめていると恍惚の世界にいた風早が青くなった。



 「い、いや。もう少ししたら美味しくなると思う。だって風早のだし。」



 運命の番の精液は甘く感じるはずだ。



 パタン。



 「――俺、耐えられねぇかもしんねぇ」



 畳の上にゆっくりと仰向けに倒れた風早が途方にくれたように呟いた。
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