1 / 42
異世界転生課、主任
しおりを挟む
最近は、ぽんぽん異世界に転生する奴が多すぎるから、俺たちの仕事も休みなしだぜ。
昔は、百年に一人いるかどうかだったのに、なんで最近は毎日のように転生する奴がいるんだ?
だれか、転生の技を吹聴しているんだろうか…
それともまさか、チラシの戸別配布とかやっている奴はいないよな?
「そういえば主任、オイラ、この間久しぶりの休みに町の本屋に行って来たのですけど……」
「ああ、この間有給使って遊びに行ってたって、その事か。お土産とか言って、薄いエッチな本を随分買って来てただろう?」
「まあまあ、主任。その件は置いといて………町の本屋には、ライトノベルとかのジャンルの棚が出来てて、そこの小説の半分ぐらいが転生の話でしたよ!結構買う人が多いみたいで、そこから転生の技がじゃじゃ漏れしてるんじゃ無いですか?だって、累計100万部とかですからね」
「なんだよーそれ。外の世界では、そんな物を本にしているのか?それじゃあ、この忙しさはこれからもずっと続くのか?」
係りの一人が文句を言うと。
「お願いだから、もうこれ以上忙しくしないでほしいな!俺たちだって、飯も食えば、トイレにも行くし。たまにはユックリ有給取りたいよ」
別の担当者も、それにつられるように愚痴をもらす。
「だいたい、なんでもかんでも、魔法で片付くほど世の中はうまく出来てないんだぜ?誰だって、そんな事考えれば、直ぐに分かるさ。異世界に転生すれば、チャラになるとか。異世界に転生すれば、好きな事出来るとか。そんな上手い話、ある訳無いじゃん。そんなの詐欺だよな」
「オレオレ詐欺じゃなくて、異世界サギか?それも面白いな。とにかくお願いだから、異世界とか転生とか、魔法とか、全部やめてほしいよ」
「だって、異世界に行くには、異世界側に転入届を出して、現在世界には転出届を出さなきゃあいけないのに、なんで最近の若者は誰もやらないんだ?」
「魔法だって、ちゃんと魔法許可証を申請しておかないと、無許可魔法として犯罪になるのを知らないのか?どこの世界にだって、その世界の法則があるから、その世界に行くには事前にオリエンテーションを受けないとだめなんだ」
「異世界から見たら、外来種と同じだからな。そんなものを野放しにしたら、その異世界を破壊しかねない。みんな、そんな事も考えずに、転生して好き勝手やっていやがる」
「主任~。なんか、溜まってませんか?凄く、心が黒いですよ。主任のオーラ、黒色を通りこして、どす黒色です。
これに触れたらどんな善人も悪に染まりそうな感じです」
「おはようございます~!」
別の担当者オフィスに入って来る。
「うわぁ!主任の背後から、冥界の門が開いてる。や、や、や、ヤバイ!誰か来てくれー、ボク1人では閉められないですー!冥界の住人が出てきちゃいますーー!」
ドヤ、ドヤ、ドヤ、………
「ヤバイぞ!塞げ!塞げ!塞げ!」
悲鳴を聞いて周りからみんな集まってきて、主任の背後の門を閉めた。
「主任ー!落ち着いてくださいー。お願いだからーッ」
ちょっと遅れて、受付の女の子も、髪を振り回しながら走り込んで来た。走るたびに、大きな胸が揺れて、可愛い顔立ちの女の子だ。でも、唯一の弱点は彼女の髪の毛一本一本が蛇になっている事だ………
普段は、髪の毛を後ろで束ねてシニヨン(ポニーテールみたいなお団子にした髪型)にしてから、キャップを被せている。時々、髪の毛が何本か解れてキャップから出ると、受付に来たお客様が石になってしまう事故が起きる。
転送課の大騒ぎを聞きつけて、大慌てで受付から走ってきたいみたいだ。途中でキャップが飛んで、シニヨンが解けて、髪の毛がボサボサになっている。
廊下で不用意に彼女の髪を見た者は、石になっていた。
転送課で最初に彼女が乱入した瞬間に、無意識に彼女の髪を見た犠牲者数名が石になった。しかし、皆んな慣れたもので、彼女の胸までしか見ない。顔は可愛いが、顔を見ようとすると彼女の髪の毛も見えてしまうからだ。
誰だって石になる危険を冒してまで、彼女の顔を見る度胸は無い………胸も大きくて顔も可愛いのだ。だから受付を任されている訳だ。
昔は、百年に一人いるかどうかだったのに、なんで最近は毎日のように転生する奴がいるんだ?
だれか、転生の技を吹聴しているんだろうか…
それともまさか、チラシの戸別配布とかやっている奴はいないよな?
「そういえば主任、オイラ、この間久しぶりの休みに町の本屋に行って来たのですけど……」
「ああ、この間有給使って遊びに行ってたって、その事か。お土産とか言って、薄いエッチな本を随分買って来てただろう?」
「まあまあ、主任。その件は置いといて………町の本屋には、ライトノベルとかのジャンルの棚が出来てて、そこの小説の半分ぐらいが転生の話でしたよ!結構買う人が多いみたいで、そこから転生の技がじゃじゃ漏れしてるんじゃ無いですか?だって、累計100万部とかですからね」
「なんだよーそれ。外の世界では、そんな物を本にしているのか?それじゃあ、この忙しさはこれからもずっと続くのか?」
係りの一人が文句を言うと。
「お願いだから、もうこれ以上忙しくしないでほしいな!俺たちだって、飯も食えば、トイレにも行くし。たまにはユックリ有給取りたいよ」
別の担当者も、それにつられるように愚痴をもらす。
「だいたい、なんでもかんでも、魔法で片付くほど世の中はうまく出来てないんだぜ?誰だって、そんな事考えれば、直ぐに分かるさ。異世界に転生すれば、チャラになるとか。異世界に転生すれば、好きな事出来るとか。そんな上手い話、ある訳無いじゃん。そんなの詐欺だよな」
「オレオレ詐欺じゃなくて、異世界サギか?それも面白いな。とにかくお願いだから、異世界とか転生とか、魔法とか、全部やめてほしいよ」
「だって、異世界に行くには、異世界側に転入届を出して、現在世界には転出届を出さなきゃあいけないのに、なんで最近の若者は誰もやらないんだ?」
「魔法だって、ちゃんと魔法許可証を申請しておかないと、無許可魔法として犯罪になるのを知らないのか?どこの世界にだって、その世界の法則があるから、その世界に行くには事前にオリエンテーションを受けないとだめなんだ」
「異世界から見たら、外来種と同じだからな。そんなものを野放しにしたら、その異世界を破壊しかねない。みんな、そんな事も考えずに、転生して好き勝手やっていやがる」
「主任~。なんか、溜まってませんか?凄く、心が黒いですよ。主任のオーラ、黒色を通りこして、どす黒色です。
これに触れたらどんな善人も悪に染まりそうな感じです」
「おはようございます~!」
別の担当者オフィスに入って来る。
「うわぁ!主任の背後から、冥界の門が開いてる。や、や、や、ヤバイ!誰か来てくれー、ボク1人では閉められないですー!冥界の住人が出てきちゃいますーー!」
ドヤ、ドヤ、ドヤ、………
「ヤバイぞ!塞げ!塞げ!塞げ!」
悲鳴を聞いて周りからみんな集まってきて、主任の背後の門を閉めた。
「主任ー!落ち着いてくださいー。お願いだからーッ」
ちょっと遅れて、受付の女の子も、髪を振り回しながら走り込んで来た。走るたびに、大きな胸が揺れて、可愛い顔立ちの女の子だ。でも、唯一の弱点は彼女の髪の毛一本一本が蛇になっている事だ………
普段は、髪の毛を後ろで束ねてシニヨン(ポニーテールみたいなお団子にした髪型)にしてから、キャップを被せている。時々、髪の毛が何本か解れてキャップから出ると、受付に来たお客様が石になってしまう事故が起きる。
転送課の大騒ぎを聞きつけて、大慌てで受付から走ってきたいみたいだ。途中でキャップが飛んで、シニヨンが解けて、髪の毛がボサボサになっている。
廊下で不用意に彼女の髪を見た者は、石になっていた。
転送課で最初に彼女が乱入した瞬間に、無意識に彼女の髪を見た犠牲者数名が石になった。しかし、皆んな慣れたもので、彼女の胸までしか見ない。顔は可愛いが、顔を見ようとすると彼女の髪の毛も見えてしまうからだ。
誰だって石になる危険を冒してまで、彼女の顔を見る度胸は無い………胸も大きくて顔も可愛いのだ。だから受付を任されている訳だ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる