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【第四章】

【第十三話】魔法の呪文

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 メンシスが店を出てカーネ達の元に戻ると、そこに二人の姿は無かった。だが彼に焦りや慌てる気配は無い。簡単には外せず、壊すことも不可能な鈍色のブレスレットのおかげでカーネの居場所を完璧に把握出来ているからだ。

『トト様大変ダヨ、カカ様が誘拐さレタ!』

 何処からともなくロロが姿を現して猫の割に大きな体でズシッとメンシスの頭と肩に乗っかりながら叫ぶ。
「あぁ、わかってる」
 所在地を把握出来ているからすぐにでも魔法で転移も可能だが、いかんせん此処は表通りで人が多い。ブレスレットが知らせてくる危険度はまだ低く、カーネの側にはララも居る。距離的には五分も掛からぬ位置だから走って向かっても間に合うだろうと、メンシスが路地裏の方へ駆け出した。
『トト様急イデ。ララが激怒してイテ、この地域の人達を次々に傀儡化しているカラ!』
「犯人を襲わせる寸前か、それはマズイな」
 早々にカーネを助けたい気持ちはあるが、操られた一般人達に襲撃させて怪我を負わせてしまうのは本意ではない。その思いからメンシスの足が早くなる。次の角を曲がればもうカーネ達の姿を捉えられるだろう。

「——っ!」

 昼でも薄暗い路地で見知らぬ男に肩を抱かれているカーネの姿を見た途端、メンシスは『カーネ!』と叫びそうになったが、ぐっと堪えた。ただの誘拐犯であればまだいいが、カーネの正体を知った上で攫おうとしているのだとしたら厄介だ。聖女候補である“ティアン”として彼女に声を掛けたのであれば神殿が絡んでいるかもしれない。状況が読めていないこの状況では自分から下手な情報を与えない方がいい。ほんの一瞬の間に、メンシスはそう判断した。
「シス…… さん?」
 メンシスに気が付き、カーネが小声で呟く。明らかな安堵の表情を浮かべた事に男は憤りを感じ、カーネの肩を掴む手に力を入れて彼女の耳元に顔を寄せた。

「誰ですか?あの男は」

 静かだが、確実に怒気を孕んだ声がカーネの耳奥で響き、彼女の体がビクッと恐怖で跳ねた。
「…… あ、あの人は、私の、雇用、主です…… 」と、声を震わせながらカーネが答える。すると男の手に力が入り、カーネの肩骨がギシリと嫌な音を微かに鳴った。
「生粋の令嬢で、何も出来ない貴女を、雇用?…… どっちも何を考えているんだか」
 溜め息混じりに男が呟く。確かにティアンは我儘放題で何も出来ない箱入り貴族令嬢ではあったが、確かにそれは事実だけれども、姉の事を下に見ている様な発言をするこの男にカーネは違和感を抱いた。

(この人は“ティアン”の事が好きなんじゃないの?好きな相手をそんなふうに言ったりするのは、普通なの?)

 “シスさん”との違いに驚きを隠せない。同じ男性であっても、人が変わればこうも違うものなのかと。
「面倒だな。…… そうだ、『兄と会ったから、一度家に戻る』とでも言って下さい」と舌打ち混じりに男がカーネに指示をする。
「…… あ、兄?」
 “兄”という言葉を耳にしたカーネの顔色が一気に青くなった。もう既に他界したはずの実兄が側にでも居るみたいな気味の悪い錯覚が彼女に襲いかかる。心臓がバクンバクンと激しく不快な音を打ち、すっかり冷えた手が小刻みに震えていた。
「ほら、早くっ」
 急かすみたいに男はカーネの体をぐっと引き寄せた。他の男の腕の中に収まる姿を前にして、メンシス達の眉間に皺が寄る。握っている拳からは爪が肌に食い込んでいるのか血が滲んでいた。

『もういいわよネ?トト様』
『待ッテ、ララ。今のままじゃカカ様が近過ギル』

 怒りを抑えきれずにいる妹をロロが宥めた。だがロロも怒りがピークに達しつつあるのか、彼の赤い瞳には不穏な感情が滲み出ている。
「早くして下さい」
 男が小声でせっつき、背中を小突かれた。ちらりとカーネがマジックアイテムである眼鏡を通して視線だけを後ろにやると、男の周囲には真っ赤な薔薇が咲き乱れ、棘まみれの花柄が彼女の体をじわじわと包み始めていた。そんな幻想を前にしてゾワッとした悪寒がカーネの背中に走る。助けて!と心の中で希うが、元を辿れば自分の失敗だ。全然似ても似つかない男をメンシス公爵と間違った己が招いた失態なんだと、心が急速に追い詰められる。

(どうにかして隙を作らないと——)

 カーネが頭を必死に回転させる。何か、何か方法はないだろうかと。肘打ちの一つでもすれば済む話だと知らぬカーネはただじっと、男にされるがままの状態だ。
「あ、えっと…… 」とまで声を出したはいいが、指示された言葉が喉に詰まって出てこない。強い恐怖を胸に抱えたこの状況で『兄』というワードを口にする事に激しい抵抗を感じる。兄カーネにとっては碌な存在ではなかったせいだろう。

(そうだ、魔法を使えば)

 生活魔法は日常的に使ってきたから失敗する危険性はまず無いが、攻撃魔法はさっぱりだ。雷系の魔法を使ってみても、せいぜい静電気を発生させる程度までしか今までは発動しなかった。

 だけど今ならどうだろうか?

 あるべき器に戻され、神力も使える状態になっている今の自分なら、もう少しマシな結果になるのでは?とカーネは考えた。もし相変わらず静電気程度の魔法しか発生しなくても、隙が出来ればシスさん達に助けてもらえるかもしれない。——そう思ってからの行動は早かった。今の彼女には迷っている暇など無い。『呪文は声に出すな』と言われたばかりだが、緊急事態ならばきっとシスさんも理解してくれるはずだと、カーネは意を決す。

「——“我は望む”」

 カーネが口にした言葉を聞き、メンシス達の顔が強張った。
「“雷鳴を、落雷よ”」
 魔導書などを扱う店で立ち読みした本の中にあった雷魔法の呪文だ。初級者向けの魔法なのだが、現時点でもう不穏な爆音が遥か上空で鳴り響いている。

『『イヤイヤイヤ。コレ、かなりマズイヨ‼︎』』

 ロロとララが同時に声を上げる。「わかってる!」とメンシスは叫びながら答えたが、その声はカーネの耳に届く前に雷鳴が打ち消した。
「な、何の音だ⁉︎」
 状況が全く読めていない男は、急速に雲行きの怪しくなってきた空を見上げると、そこには強大な暗雲が立ち込め、バチバチと稲光が走っていた。明らかに様子がおかしいが、だからといって何をどうしていいのかわからず男の頭の中は真っ白だ。

 メンシス達が三人同時に周辺に対して無詠唱のまま結界を展開する。何もせずに放置でもしたらこの辺り一体が瓦礫の山にでもなりかねない程に巨大な魔力がカーネ自身から湧き上がっているが、彼女は現状をどうにかしないとの一心に集中し過ぎていて盲目状態だ。
 これなら無詠唱のまま、静電気程度の魔法しか打てないという『思い込み』という名の制御が効いている状態で魔法を使った方が安全に事が済んだだろうにと思ったメンシスが、珍しくカーネに対して舌打ちをした。
「“我が剣となり、矢となり、我の敵を——”」

「“穿て!”」

 大きな声でそう言ったと同時に、カーネ達の居る裏路地に強力な稲妻が激しい爆音を鳴らしながら落ちた。雷鳴が辺り一体に轟き、ララとロロが展開した結界にヒビが入る。想定以上の威力で耐えきれなかったみたいだ。だがメンシスがロロとララの結界を包む様に展開していた結界のおかげで路地裏を形成する両サイドの建物は何とか無事みたいだ。でも残念ながら地面まではどうにも出来なかったみたいで、酷く抉れて舗装はもうめちゃくちゃだった。

「大丈夫ですか⁉︎」

 メンシスがカーネの元に駆けて行く。
 彼女の背後に居た男は膝から崩れ落ち、そしてその場にどさりと倒れた。全身に火傷を負っていてすっかり虫の息である。カーネも気を失っているのか地面に倒れそうになった所をメンシスが受け止め、直様横向きにして抱き上げた。

 初級者向けの呪文を使用したとは思えぬ程の高出力の雷魔法を放ったのに、カーネは魔力を使い果たしてはいないみたいだ。だが初めて使った攻撃魔法だったからなのか、緊張の糸が切れたのか。メンシスがいくら声を掛けても目を覚ます気配が無い。耳からは血が流れ出ているのはきっと爆音のせいで鼓膜が損傷しているのだろうから、早く治療してやらねばとメンシスが耳に手を添える。

(これは、早くシェアハウスに帰った方が良さそうだ)

 そう判断したメンシスがその場を後にしようとする。するとロロが地面に転がっている男の上に乗っかり、『トト様、コレはどうスル?』と訊いた。ララは傀儡化させた住民の一人を公爵家に走らせてテオとリュカの二人を呼びに行かせる。だがもう二人は異変に気が付き、既にこちらへ向かっている所の様だ。
「確かこの男は、ミィシェーレ子爵家の三男だったな」
『ウン。神力があるからって神官になったタイプのヒトダネ』と言ってロロが尻尾で男に蹴りを入れた。
「ララ、神官を死なせると面倒だからこの男を回復してやってくれないか」
『わかったワ』とララが頷く。即座に了承しはしたが、嫌々なのか渋い顔をしている。

 メンシスは足元に転がっている男の近くに寄ると、無言のまま男の手を踏み抜いた。落雷による火傷のせいか、メンシスが自分にかけたの肉体強化魔法のおかげなのか、炭化したパーツが砕け散るみたいに踏み抜いた箇所が粉々になった。これではもう魔力による回復魔法も神力による治癒魔法を施してももう、男の手は元には戻らない。“祝福”持ちである“大神官”か“聖女”であればどうにか出来るのだが、“聖女”の力を持つ者はメンシスの腕に中で眠っており、“大神官”に当たる人物自身がその手を再起不能としたので、この男の手は一生再起不能なままだろう。

「もうこれで、一生彼女に触れる事は出来ないな」

 一瞬でも、自分からカーネを奪った男を冷ややかな目で見下すと、無事だったもう片方も踏み抜いて、メンシスが男の手の双方を木っ端微塵にする。そんなメンシスを見上げるロロとララの口元には満足気な笑みが浮かんでいた。
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