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【第三章】
【第四話】“人生”の選択
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「決まりですね」
満面の笑みでそう言われてカーネがハッと我に返ったがもう時既に遅く、メンシスは彼女の鞄をクローゼットの側に置くと、早々に寝具の用意を始めた。あわわっと動揺しながらもカーネが止められずにいると、キングサイズのベッドに枕が二つ並べられ、つい二人が並んで休む様子を想像してしまい顔が赤くなった。
「そうだ、契約書も書かないとですよね。ちょっと今から一階に書類を取りに行って来ます。なので、貴女は荷物をしまうなり何なり好きにしていて下さい。クローゼットの右半分は全く使っていなかったので、そちら側をどうぞ」
クローゼットの扉を開けながらメンシスが説明する。左側の方に男性物の服が数点あるものの、ほとんどのスペースが空いていて生活感に乏しい。完全に準備不足による失態だ。だが好都合な事にカーネ自身も荷物は少ないタイプである為、この違和感には全く気が付いていなかった。
「ありがとうございます」と返し、早速カーネが旅行鞄を開けて荷物を一点ずつ出してクローゼットの中にしまっていく。並んでいく服が、メンシスが侍女経由で贈った物ばかりである事を目敏く見付けた彼は、口元を緩ませながら寝室を出て一階に降りて行った。
ハンガーに服をかけ、クローゼットの中にある空っぽのローチェストの中に残りの衣類をしまって、ついでに旅行鞄も奥にしまい込む。隠し部屋で発見した小さな袋だけはまた、着ている服の上にベルトポーチっぽくして身に付けておいた。
(早いうちにちゃんとした小さな鞄も買った方が良さそうね。ついでにお財布も買おう)
夜に安心して眠る為にも、バリケード代わりになるらしい『猫型の抱き枕』とやらも今日中に買いたいし、服も靴も最低限の物しか無いから今後の為にももう少し追加で欲しい。折角自由になるお金があるのだ、このお金で必要な物くらい購入してもバチは当たらないはずだと自分に言い聞かせていると、いつの間にやらベッドの上で寛ぎながら待っていたララがじっとカーネの方を見上げてきた。
「あ、ごめんね。暇だった?」
『それはいいノ。でモ、ちょっと気になる事があッテ』
「…… 気になる事?」と訊きながら、カーネもベッドの端に腰掛ける。今まで自分が休んでいた古いベッドの残骸に壊れたマットレスを乗せた物なんかとは全然違う、宿屋のベッド以上に上質な程良い反発と座り心地で、カーネは一瞬にして心が奪われそうになった。何をどう作ったらこれ程までの逸品になるのだろうか?これは相当寝心地も良いに違いない。今夜から“シス”と共に寝るという事実はどうしたって気にはなりつつも、このベッドならゆっくり眠れるなと確信を持ってしまう。
『——カカ様?』
「ご、ごめん!ベッドが凄すぎて、ちょっと意識が飛んじゃった」
ははっと笑うと、ララも納得顔になる。
『あァ、確かに気持ちの良いベッドよネ。相当吟味したんじゃないかしラ』
ゴロンと寝転がり、ララが寝心地を堪能する。カーネもちょっと寝そべってしまいたい気持ちになったが、彼がいつ戻るともしれないのでぐっと堪えた。
「で、気になる事って?」
真っ白で愛らしいお腹をおしげもなく晒しながら、『そうだったわネ!』とララが我に返った。ぐるりと転がって体勢を元に戻すと、ララは真剣な色味を帯びた赤い瞳をカーネに向ける。
『ねぇ、カカ様』
「なぁに?」
『カカ様はあの方に——…… “シス”さんに、どちらの名前を名乗るノ?』
「…… あれ?もしかして、私、まだ名乗ってなかったっけ」
彼からの自己紹介は二度聞いた記憶があるのに、じゃあ自分は?となると一向に思い出せない。彼から名前はと訊かれてもいないし、ずっと『貴女』呼びだったのにカーネは気にもしていなかった。
『えェ、名乗っていないワ。向こうも気が付いていなかったみたいだからアタシも流していたけド、これから契約書にサインをする事になるでしょウ?』
「そっか、そうだよね」と言ってカーネが頭を抱える。対人スキルの低さは当然自覚していても、名乗り忘れるという初歩的ミスをしていた事が恥ずかしくってしょうがない。
『…… カカ様。これガ、この先の人生の一番大きな分岐点になるかもヨ。“ティアン”として生きるなラ、いずれはセレネ公爵家夫人となリ、シリウス公爵家も継ギ、地位も名誉も手にして大金持ちにだってなれるワ。神力も覚醒したから聖女としても認定されるシ、王様や大衆からも支持を受けて多くの者達を救う道が開けるでしょうネ』
「セレネ公爵…… 夫人…… 」
彼と知り合ったばかりだった頃の幼い“カーネ”だったなら、魅力的な提案であるとすぐに飛び付いただろう。だが今の彼女にはどうしたって、“ティアン“を激しく嫌う”メンシス”との冷め切った愛の無い結婚生活しか想像出来ず、“ティアン”として生きていく道が幸せそうには思えない。皆から愛されない事には慣れてはいても、メンシスからも嫌われる状況を想像するだけでカーネの心がずんと重くなる。どんなに彼に対して失望していても、初恋の感情までは捨てきれていないみたいだ。
『“カーネ”として生きていくとなるト、聖女としての人生は完全に絶たれる事になるワ。一生神殿や公爵家から逃げテ、影に隠れて生きていかないといけないだろうシ、嘘に嘘を重ね続けないといけなくなるけど…… カカ様は耐えられるノ?』
心配そうな瞳でじっと見詰められたが、カーネは苦笑を返す事しか出来ない。
聖女候補であったティアンと同じ年齢で、同じ顔で、でも別人として聖女と認めて貰うのは不可能に近いし、そもそも神官達に『カーネ』とは名乗れない。だが別に聖女という立場に憧れなんか微塵も無いカーネにとって、“ティアン”として生きねば聖女にはなれないという事実は正直どうでも良かった。
それにもう既に自分はシリウス公爵家とセレネ公爵から逃げた身だ。どう考えを巡らせようが、今更『やっぱり“ティアン”として生きよう』とはどうしたって思えず、カーネは、“カーネ”として生きていく決意を固めていく。
(運良く仕事も見付かったし、こうやって休める場所も確保出来た。物知りなララも側に居てくれるし…… 大丈夫、何とかなるわ)
この状況を楽観的に考え、カーネは優しい手付きでララの背中をそっと撫でた。
「心配してくれてありがとう、ララ」
『当然ヨ、アタシはいつだってカカ様の味方だもノ』
嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らし、ララがその小さな体をカーネに寄せる。
(“ティアン”と“カーネ”。どちらを選んでもそれぞれに欠点があるのなら、私は『私』として生きていきたい…… 。高位貴族であるメンシス様とはもう絶対に会えなくなるけど、そんなの…… これまでの十三年間と何も変わらないんだから、もう気にする意味もないしね)
既にメンシスがすぐ傍に居るとはこれっぽっちも思いもしていないカーネは、そっと目を閉じて少しだけ物思いに浸った。さらりとした金髪の髪を風に揺らし、宝石の様な碧眼で彼女を見付け、遠くから手を振ってくれる少年の姿が瞼の奥に浮かんだが、思い出を振り払うみたいにカーネはゆっくりと瞳を開く。
「——私は、この先何があっても、今まで通り“カーネ”として生きていくわ」
『…… そウ、わかったワ。じゃア、アタシはそれを全力で応援していくわネ』
「うん。本当にありがとう」と言い、カーネがララを膝に乗せてぎゅっと抱き締める。ララのくれた言葉は泣きたいくらいに嬉しいものだったのに、『泣く』という行為を長らくしていなかった弊害なのか、この体であってもカーネの瞳から涙は出てこなかった。
満面の笑みでそう言われてカーネがハッと我に返ったがもう時既に遅く、メンシスは彼女の鞄をクローゼットの側に置くと、早々に寝具の用意を始めた。あわわっと動揺しながらもカーネが止められずにいると、キングサイズのベッドに枕が二つ並べられ、つい二人が並んで休む様子を想像してしまい顔が赤くなった。
「そうだ、契約書も書かないとですよね。ちょっと今から一階に書類を取りに行って来ます。なので、貴女は荷物をしまうなり何なり好きにしていて下さい。クローゼットの右半分は全く使っていなかったので、そちら側をどうぞ」
クローゼットの扉を開けながらメンシスが説明する。左側の方に男性物の服が数点あるものの、ほとんどのスペースが空いていて生活感に乏しい。完全に準備不足による失態だ。だが好都合な事にカーネ自身も荷物は少ないタイプである為、この違和感には全く気が付いていなかった。
「ありがとうございます」と返し、早速カーネが旅行鞄を開けて荷物を一点ずつ出してクローゼットの中にしまっていく。並んでいく服が、メンシスが侍女経由で贈った物ばかりである事を目敏く見付けた彼は、口元を緩ませながら寝室を出て一階に降りて行った。
ハンガーに服をかけ、クローゼットの中にある空っぽのローチェストの中に残りの衣類をしまって、ついでに旅行鞄も奥にしまい込む。隠し部屋で発見した小さな袋だけはまた、着ている服の上にベルトポーチっぽくして身に付けておいた。
(早いうちにちゃんとした小さな鞄も買った方が良さそうね。ついでにお財布も買おう)
夜に安心して眠る為にも、バリケード代わりになるらしい『猫型の抱き枕』とやらも今日中に買いたいし、服も靴も最低限の物しか無いから今後の為にももう少し追加で欲しい。折角自由になるお金があるのだ、このお金で必要な物くらい購入してもバチは当たらないはずだと自分に言い聞かせていると、いつの間にやらベッドの上で寛ぎながら待っていたララがじっとカーネの方を見上げてきた。
「あ、ごめんね。暇だった?」
『それはいいノ。でモ、ちょっと気になる事があッテ』
「…… 気になる事?」と訊きながら、カーネもベッドの端に腰掛ける。今まで自分が休んでいた古いベッドの残骸に壊れたマットレスを乗せた物なんかとは全然違う、宿屋のベッド以上に上質な程良い反発と座り心地で、カーネは一瞬にして心が奪われそうになった。何をどう作ったらこれ程までの逸品になるのだろうか?これは相当寝心地も良いに違いない。今夜から“シス”と共に寝るという事実はどうしたって気にはなりつつも、このベッドならゆっくり眠れるなと確信を持ってしまう。
『——カカ様?』
「ご、ごめん!ベッドが凄すぎて、ちょっと意識が飛んじゃった」
ははっと笑うと、ララも納得顔になる。
『あァ、確かに気持ちの良いベッドよネ。相当吟味したんじゃないかしラ』
ゴロンと寝転がり、ララが寝心地を堪能する。カーネもちょっと寝そべってしまいたい気持ちになったが、彼がいつ戻るともしれないのでぐっと堪えた。
「で、気になる事って?」
真っ白で愛らしいお腹をおしげもなく晒しながら、『そうだったわネ!』とララが我に返った。ぐるりと転がって体勢を元に戻すと、ララは真剣な色味を帯びた赤い瞳をカーネに向ける。
『ねぇ、カカ様』
「なぁに?」
『カカ様はあの方に——…… “シス”さんに、どちらの名前を名乗るノ?』
「…… あれ?もしかして、私、まだ名乗ってなかったっけ」
彼からの自己紹介は二度聞いた記憶があるのに、じゃあ自分は?となると一向に思い出せない。彼から名前はと訊かれてもいないし、ずっと『貴女』呼びだったのにカーネは気にもしていなかった。
『えェ、名乗っていないワ。向こうも気が付いていなかったみたいだからアタシも流していたけド、これから契約書にサインをする事になるでしょウ?』
「そっか、そうだよね」と言ってカーネが頭を抱える。対人スキルの低さは当然自覚していても、名乗り忘れるという初歩的ミスをしていた事が恥ずかしくってしょうがない。
『…… カカ様。これガ、この先の人生の一番大きな分岐点になるかもヨ。“ティアン”として生きるなラ、いずれはセレネ公爵家夫人となリ、シリウス公爵家も継ギ、地位も名誉も手にして大金持ちにだってなれるワ。神力も覚醒したから聖女としても認定されるシ、王様や大衆からも支持を受けて多くの者達を救う道が開けるでしょうネ』
「セレネ公爵…… 夫人…… 」
彼と知り合ったばかりだった頃の幼い“カーネ”だったなら、魅力的な提案であるとすぐに飛び付いただろう。だが今の彼女にはどうしたって、“ティアン“を激しく嫌う”メンシス”との冷め切った愛の無い結婚生活しか想像出来ず、“ティアン”として生きていく道が幸せそうには思えない。皆から愛されない事には慣れてはいても、メンシスからも嫌われる状況を想像するだけでカーネの心がずんと重くなる。どんなに彼に対して失望していても、初恋の感情までは捨てきれていないみたいだ。
『“カーネ”として生きていくとなるト、聖女としての人生は完全に絶たれる事になるワ。一生神殿や公爵家から逃げテ、影に隠れて生きていかないといけないだろうシ、嘘に嘘を重ね続けないといけなくなるけど…… カカ様は耐えられるノ?』
心配そうな瞳でじっと見詰められたが、カーネは苦笑を返す事しか出来ない。
聖女候補であったティアンと同じ年齢で、同じ顔で、でも別人として聖女と認めて貰うのは不可能に近いし、そもそも神官達に『カーネ』とは名乗れない。だが別に聖女という立場に憧れなんか微塵も無いカーネにとって、“ティアン”として生きねば聖女にはなれないという事実は正直どうでも良かった。
それにもう既に自分はシリウス公爵家とセレネ公爵から逃げた身だ。どう考えを巡らせようが、今更『やっぱり“ティアン”として生きよう』とはどうしたって思えず、カーネは、“カーネ”として生きていく決意を固めていく。
(運良く仕事も見付かったし、こうやって休める場所も確保出来た。物知りなララも側に居てくれるし…… 大丈夫、何とかなるわ)
この状況を楽観的に考え、カーネは優しい手付きでララの背中をそっと撫でた。
「心配してくれてありがとう、ララ」
『当然ヨ、アタシはいつだってカカ様の味方だもノ』
嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らし、ララがその小さな体をカーネに寄せる。
(“ティアン”と“カーネ”。どちらを選んでもそれぞれに欠点があるのなら、私は『私』として生きていきたい…… 。高位貴族であるメンシス様とはもう絶対に会えなくなるけど、そんなの…… これまでの十三年間と何も変わらないんだから、もう気にする意味もないしね)
既にメンシスがすぐ傍に居るとはこれっぽっちも思いもしていないカーネは、そっと目を閉じて少しだけ物思いに浸った。さらりとした金髪の髪を風に揺らし、宝石の様な碧眼で彼女を見付け、遠くから手を振ってくれる少年の姿が瞼の奥に浮かんだが、思い出を振り払うみたいにカーネはゆっくりと瞳を開く。
「——私は、この先何があっても、今まで通り“カーネ”として生きていくわ」
『…… そウ、わかったワ。じゃア、アタシはそれを全力で応援していくわネ』
「うん。本当にありがとう」と言い、カーネがララを膝に乗せてぎゅっと抱き締める。ララのくれた言葉は泣きたいくらいに嬉しいものだったのに、『泣く』という行為を長らくしていなかった弊害なのか、この体であってもカーネの瞳から涙は出てこなかった。
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