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番外編
玩具遊戯
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本
未使用の安っぽいネクタイ
手錠——他等々
数々の物証を前につきつけられ、唯が頰を真っ赤にしたまま泣きそうな顔で目の前のソファーに座っている。
「何?これ」
俺まで顔を少し赤くしてしまい、まともに唯の顔を見る事が出来ない。
「ご、ごめんなさいっ。出来心だったんです!」
そう言った瞬間、ポロポロと唯が涙を流し出した。それを拭う姿にさすがにいたたまれない気持ちになり、唯の側まで近づき、妻の小さな身体をそっと抱き締めた。
「泣くなって責めてるわけじゃないんだ。怒ってないから」
「怖くて泣いてるんじゃないの、恥ずかしくて泣いてるの!」
ああ…… まぁ、それはわかる。
逆ならマシだったんだろうけど、もう見つけちゃったしなぁ…… 。
話はほんの三十分前に遡る。
大掃除の季節が近づいてきている事に気が付いた俺は、年末なのに仕事で大掃除が出来ないという毎年の経験を踏まえて、自分の持ち物だけでも整理し始めるかと思い立ち、服をしまってあるクローゼットの扉を開けた。
仕事にはスーツで行っているせいで、俺の服といえばほとんどが似たような形状のスーツばかりだ。私服はすっかり隅の方に追いやられており、着用率の低さを実感させられてしまう。
きっちり整頓されているクローゼットの中。
唯がちゃんと整理整頓してくれているおかげでとても見やすく、文句なしの状態だ。
——なのだが…… 。
下着や靴下なんかを入れておく大き目のケースの裏に、ヘンなスペースが開いている事がちょっと気になった。
「何だ?これ壁にきちんとくっつければいいのに…… 」
湿気防止のスペースかとも一瞬思ったが、それにしてはちょっと広過ぎる気がする。
一度湧いた疑問を放置しておける性質ではない俺は、ケースの裏に手を伸ばし、その空間が何なのか確かめる事にした。
ガサッ。手に感じたのは紙の感触。
「ん?」
形状を確かめる様に周囲も触ると、どうやらその空間に入っていたのは少し大きめの紙袋だったみたいだ。持ち歩く為の部分が指に触れたので、俺はそれをグイッと引っ張ってみた。
茶色く、何の変哲もない紙袋が目の前に現れる。店名もない、普通の紙袋だ。
「ウチにこんな物あったか?」
そんな場所に何かを隠した記憶のない俺は、自分の持ち物ではない=唯の物だとすぐに気が付き、元の場所にしまっておこうと考えた。
…… でも、中身は気になる。
駄目だって頭ではわかってはいるのだが、目の前にある妻の秘密?興味の湧かない夫はそうそういないだろう。
彼女の性格的にも、麻薬や犯罪の品が出てくる心配もないんだ。
見なかった事にして、そのまま元の場所にしまってしまえばいい。
大方見られたくない写真だとか、過去の黒歴史的な品だろう。
唯の秘密が見られる、かも。
その事にちょっとだけ心臓をドキドキさせながら、俺は紙袋の中を覗きこんだ。
「…… 手錠?」
黒い手錠が真っ先に目に入った。黒いのなんか俺は持っていないので、唯の私物なのだろう。
ものすごく、見ちゃいけない気がしてきた。
でもここまできて後戻りも出来ないと、もう一度紙袋の中に手を入れてみると、今度はB5サイズ程度の本が。カバーがされており、表紙の見えない本だった。
もちろん、中身の気になった俺はその本を開いてみた。
「——た、体位?」
いわゆる四十八手の本だった。四十八の体位がひたすら図解で細かく解説されている本の内容に、興味はありつつもちょっと眩暈がした。
なのに、無言で少し見入ってしまう。
「…… 今度やってみるかな」なんて呟きつつ、パタンッと本を閉じた。
ここまできたらもう怖いものはないと、もう一個づつ漁るのをやめて、紙袋の下を持ちひっくり返してみた。
バサバサと音をたてながら中身が大量に紙袋の中から滑り落ちてくる。そして目の前に広がる品々に——絶句した。
実物なんか一度も見たことのないような淫猥な品々が目の前で乱雑に並び、言葉が出なくなる。手に取ると、どれも全て未開封だった事に少しだけ安心し、一個づつ紙袋の中に戻していった。
「知らなかった…… 方が、よかったのか?」
見てしまった大人の玩具達を前に、どういう反応をしていいのは困り、ちょっとため息がもれる。個人的には夫婦生活に全く不満などなく、唯にもそんなふうに感じさせているとは思っていなかったのだが…… 。
こういった品々を目の前にしてしまうと、もしかしたらマンネリを唯に感じさせてしまっていたんだろうかと少し不安に。
「…… 実は、普通じゃない方が好きだとか?」
そういえば、一度も唯の性癖なんか訊いた事がない。妻にとって俺は始めての相手だし、特殊な趣味なんか俺は開発してないからあるはずもないと、勝手に思っていた。
気にもした事がなかったんだが、ふと唯が耳年増であることを思い出した。聞きかじりの知識で興味を持ち、買ってはみたが、恥ずかしさに使用願いを俺に言えないでいたとか?
ありうる、ものすごくこの可能性は高いぞ。
そう思った俺は、目の前に出したとしても辺り障りの少なそうな品を数点持ち、残りを紙袋の中へ。
そして、晩御飯を作っている最中の唯の居る居間へとそれらを持って移動した。
ちょっと尋問してやろうかと。
やっぱり妻の本心は訊いておかないとな。
何も知らない唯が、適当な歌を歌いながら台所で料理をしている。匂いからして今晩はチーズを使った料理みたいだが、グラタンか何かだろうか?
出来上がりを楽しみにしつつ、カバーのついたままの本や手錠、袋に入ったままのネクタイを居間の真ん中に置かれたテーブルの上に並べる。
テーブルの側に残りの品々の入った紙袋を置き、軽く咳払いをした後、調理中である唯の居る台所へと向った。
相変わらず唯が楽しそうに調理をしている。
なんだかとても嬉しそうで、今訊くのはマズイかなーともちょっと思ったが、気になった事を放置しておけない俺は、唯が背中を俺に向けたタイミングでそっと近づき、手で妻の視界を遮った。
「わぁ!ビックリしたぁ」
そう言いながらも、ちょっと楽しそうな声の唯。
「だーれだ?ってやつ」
なんて言いながら、そっと俺の手に手を重ねる。
「二人しか居ないのにやらないよ、そんな事」
「…… その発言は、たまにやる私への冒涜行為だよ、司さん」
「ごめんごめん。でも唯は可愛いからいいけど、俺には似合わないから」
「そうかもね」
にこやかな雰囲気で話す唯。これから何を訊かれるか、何もわからないのだから当然だ。そう思うと、唯を苛めたい衝動に、少しだけ火がついた。
唯の目を隠したまま、「ちょっと今いい?」と訊くと「大丈夫だよ、今丁度少し時間空いたし」と答えをもらえた。
「よかった、ちょっと確認したい事件があるんだ」
「やだ、事件だなんて。何?」
唯の小さな身体をギュッと前から抱き締め、持ち上げる。ちょっと息がしにくいかとも思ったが、彼女の頭を俺の胸に少しだけ押し付けて周囲を見れない状態にした。
居間の方まで彼女をそのまま運ぶと、唯を物証の並ぶテーブル側に置かれたソファーへと座らせた。最初は俺の方を見ていて、「どうしたの?」なんて笑いながら言っていた唯。
「あれ、見て?」と言いながらテーブルを指差すと、唯が促されるようにそっちに顔を向けた。
「 ……… 」
思考が停止したのか、唯から言葉の出てこない。
「何?これ」
無言の唯の側を離れ、対面に置かれたソファーに座ると、俺は膝に頬杖をついた。
——話は振り出しに戻り、恥ずかしさに泣く妻を今は優しく抱き締めている所だ。
「牛乳でも温めてくるか?」
気持ちを落ち着けるにはいいかもしれないと思いそう声をかけたが、無言で首を横に振られた。困ったな、ここまでへこむとは正直考えてなかった。
んじゃせめてこれくらいと思い、『別に嫌った訳じゃないんだぞ』と、気持ちを込めながら抱き締める腕に力を入れてみた。
すると、少し気持ちが落ち着いたのか、唯がボソボソと小さな声で「…… もらったの」と呟いた。
「男から⁈」
「まさか!」
唯が大声で即答する。
「…… 友達に。『マンネリ打開に買ったけど、必要なくなった』って」
「断れなかったのか」
「…… だってぇ…… 」
「そうだよな、うん。唯は友達が絡むとなかなか断れないもんなぁ」
ちょっと楽しくなってきた俺は、少し微笑みながらそう言い、唯の頭を撫でた。
「もらった物を捨てる事も見せる事も出来なくって、隠した。そんなところか」
その言葉に唯がコクッと頷く。
「んでもだ。さっきの『出来心だった』発言は気になるなぁ」と少し意地の悪い笑みを浮かべながら蒸し返すと、唯の体がビクッと震えた。
「あ、あれは別に深い意味なんかっ」
茹蛸みたいに顔を真っ赤にし、唯が叫ぶような声をあげる。
「本当は、『興味もあったから捨てれなかった』なんだろう?そうじゃないか?これだけの物証を前に嘘はいけないよ、唯」
クイッと唯の顎を軽く持ち上げると、唯の顔がひどく困ったと言いたげな表情になった。
——図星か。
口の端で少し笑うと、未開封だったネクタイに手を伸ばし、それを袋から出す。
「ネクタイか、どう使いたかった?手錠が別にあるから、目隠しか何かか?」
唯の目の前にそれをかざし、少し揺らしながら訊く。
恥ずかしさからなのか唯が視線を俺から反らしたので、ネクタイを妻の頭にクルッと巻きつけ、縛ってみた。
唯が「ひゃっ」と短い悲鳴をあげる。
視界を遮られ、少し動揺する唯の姿に気持ちが高ぶってきた俺は、今度は手錠を手に取った。
ネクタイに手をかけそれを取ろうとする唯の腕を掴むと、右手首に手錠をはめ、その腕を背の方へ移動させて、今度は左手首にも手錠をはめて後ろ手に拘束する。
「つ、司さん⁈」
焦ったような色を帯びる唯の声。外れるわけもないのに、唯は腕を動かして外そうとソファーの上でもがく。
「本物じゃないけど、その程度じゃ外れないんじゃないかな」
意地の悪い声でそう言いながら、テーブルに置かれた小さな鍵を手に持つと、その鍵でそっと唯の頬を撫でた。冷たい無機質の鍵が、高揚し、赤く染まる唯の肌の上をゆっくりと動くと、動かすたびに妻の体がビクッと動く。
「気持ちいんだ?自由も視界も奪われたこの状態が」
「べ、別にそういう訳じゃ…… 」
「意地を張るなんて唯らしくないな、いつもは素直に何でも喜んでくれるのに」
頬から首筋、鎖骨をなぞり、胸の膨らみを鍵で撫でる。
「だって、こんな事普通じゃ…… んあっ」
粗い息遣いでそう言う唯が可愛くてしょうがない。いつもとは違う行為に、俺まで少し息が粗くなってきた。
鍵を机に戻すと、今度は紙袋の中に手を伸ばす。
ガサガサッとたつ音に、唯の身体がビクッと反応した。
「…… 他のも、持ってきてるの?」
そう言う声がちょっと震えている。
「当たり前だろう?押収した証拠品は全て犯人“で”検証しないと」
「“で”?」
「この品々じゃ、“で”が正解だろう?」
「待って!全てって…… そんなにいっぱいあるのに?」
「そうだな、今日全部はちょっと無理だな。んでも大丈夫、明日休みだし。どれから確認しようか。やっぱり事の順番としては、このローションか?」
「イヤ!いらないよ、やめよ?怖いからイヤだよ、ね?」
「平気だって、使い方の難しいものじゃないんだ」
「待って!駄目!ご飯とかお風呂とかまだ——」と叫ぶ声を無視し、手に持ったプラスチック製の入れ物に入った液体を右手に少し垂らす。
乾いている左手で唯のスカートの捲ると、下着に手をかけた。
「きゃ!」と声をあげながら、唯が脚に力を入れて抵抗する。
「服汚しちゃうよ?」と言いながら下着を引っ張り脱がすと、ドロッとした感触の液体の付いた指を唯の秘部に軽く当てた。
「んあ!」
「ロープもあったけど、椅子に縛り付けて欲しい?それとも体を縛って、淫楽に耽るか?」
「イヤ‼︎」
「わかった、じゃあそれは後でね」
「後でなんて言ってな…… んんっ」
グチュグチュッと普段以上にたつ卑猥な水音に、唯の声が甘いものに変わる。
彼女の横にさっき置いた下着に目が行き、ショーツに濡れたシミがあった事に気が付いた俺は「何だ…… 手錠をされて、下着まで濡らしてたんじゃないか」と耳元で囁いてみた。すると唯が恥ずかしそうに顔をそらし、出てしまいそうになる喘ぎ声を必死に堪え始めた。
「誰も聞いてないよ、声抑えないで」
陰裂に入る指を優しく動かしながら囁く。だが、唯はブンブンと横に首を振った。
「…… わかった、そんなに声を出したく無いんなら、口も塞いであげようか?」
「そ、そんな物まで入ってたの⁈」
「あぁ。あれ、全部は見てないのか?」
「…… 見てない。何だか凄そうで、見れなかったから」
楽しくなってきた、その一言で余計に。
何が起こるのか、中身をほとんど知らなければ、視界も遮ってある状態である唯には推測すら出来ない。きっと全ての事に過剰に反応してくれるに違いないだろう。
これは相当苛め甲斐があるぞ…… 唯の過激な友達に感謝しないとな。
心で囁き、再び陰裂に入る指を動かし膣壁を撫でる。背を反らし、可愛い声をあげる唯の姿に、ついにやけ顔になってしまうのを必死に我慢しながら蜜とローションで濡れる肉芽を舐めた。
「…… 味はないのか」
「知らないよ!」
ピクッと震えた後、少し怒ったような声でそう言われた。が、軽く吸うとまたすぐ可愛いく唯が嬌声をあげる。動かす手を止めずに舐め続けると、「だ、だめぇぇ!いやあぁ!」という叫び声とともに、いとも簡単に唯が達してしまった。
最短記録?
今までで一番あっさり達してしまった事に、少しムカツク。
いつもよりもよかったって事だよな。
下手なつもりはなかったんだが…… 俺が気がつかなかっただけで、唯にとってはマンネリ化してたのかな。だとしたら、非常に残念だ。
力なくソファーに横になる唯の姿を上から眺め、今度は紙袋の中から小さな箱を取り出してみた。
「次はこれだな」
「え…… 次って、もういいよ!ヤダって!」
ガサゴソと音をたてながら箱の中から出したのは、半透明のローターとかいう玩具。
「実物は初めて見たけが、結構面白そうだな」
「…… 初めて?」
ちょっとそう言う唯の声が嬉しそうだ。
「そうだよ?こんな玩具使おうとか思った事もなかったしな」
「初めて…… 」
「二回も言う程嬉しいのか?」
唯の上に覆いかぶさり、ニヤッと笑いながら訊く。目隠しをしていてもわかるほどの困り顔をしながらも、コクッと素直に唯が頷いた。
「可愛いな、唯は」
嬉しくなり、唯に優しくキスをすると、珍しく妻の方から俺の唇に舌を割り込ませ、絡めてきた。
「ん…… 」
気持ちよさに声が漏れる。クチュッと水音が立つほど互いの舌を絡め、少し長めの深いキス。そっと離れると、持ったままになっていたローターに先程のローションを垂らし、スカートの捲れたままになっていた唯の陰部にそれを宛がった。
「冷たいっ」と言いながら、唯が逃げ様とする。
「駄目、最初だけだから」
脚を掴み、逃げれぬ様にすると、宛がっていたそれを唯のまだ濡れたままの陰部の中へと押し込んだ。小さなそれは、スルンッとあっさり中へと入ていく。
どこまで入れていいのかわからぬまま、ひとまずどんなものかと思いながら電源を入れてみた。すると唯の中から小さくモーター音が聞こえ始め「やだ!何入れたの⁈」と叫んだ。
「唯の、玩具」
「強調しないでぇ…… 」
「でも本当の事だしな」
段階的に動きを調節できそうだったのでひとまず1にしてみたんだが、結構話す余裕がありそうだったので、一気に最強にまで動く早さを上げてみた。
「きゃああああ!や!ちょっとまっ!んんっ」
ビクンッビクンッと震えながら声をあげる姿がすごく可愛い。
いつもと違う視点から唯の姿を見ている事に新鮮さを感じながら、妻の着る服を捲り上げ、小さな身体には似つかぬ大き目の胸に手を伸ばす。
粗い息で「あ…… んくっ」と声をあげる唯のブラジャーを上から軽く避け、弄る前から硬さを持っているとすぐにわかるピンク色の可愛い突起をペロッと舐めた。
「下も弄りながら両胸でも遊べるって、玩具も案外いいかもしれないな」
クスクスと笑いながらそう言うと唯が「よくないもん!」と文句を言う。
でも強がっているだけのようで、すぐに快楽に顔が歪む。胸の突起を少し強めに吸いながら、もう片方の手で膨らみを揉む上げる。
甘い声を漏らす唯の可愛い姿に興奮しながら陰裂の中に入ったままになているローターを少し奥へと押し込むと、気持ち良さそうに身体を震わせた。その姿に益々興奮し、少しコードを引っ張り抜いてはまた中へと押し込む。
すると、唯が無意識に脚をモジモジと動かし、より深い快楽を求め始めた。
「唯は可愛いな」
本心からそう囁き、ちょっとだけ側から離れると、今度はもっと大きな箱を手に取った。陰部の中で相変わらず激しく動き続けるローター。
でもその動きではちょっと物足りないのか、達するという処まではイケないみたいで、少しもどかしそうに腰を動かしている。
「物足りないみたいだな?」と訊くと、頬を染めながら、素直に唯がコクッと頷く。
胸の先をまたちょっと軽く吸ってあげると、嬉しそうに声をあげた。
「じゃあ可愛い唯にはもっといいモノをあげようか」
箱の中からバイブと書かれた商品シールの貼られたモノを取り出す。
へぇ…… これが話に聞く、アレか。
ちょっと関心しながら今度はそれにローションをかけて、唯の膣内に入るローターの電源を切った。止まる玩具にホッとしたのか、唯の表情が柔らかいものに。
「…… やめてくれるの?」と、恐る恐るといった感じの声で俺の居ると推測される方向へと唯が訊ねてきた。
「もっといいもの用意してるだけだよ」
「——え⁈」
「さっきそう言ったじゃないか」
後ろ手に拘束されたままの唯の陰部に、先程のローターよりもずっと大きなサイズであるバイブを宛がうと、彼女の表情が強張った。
「あ、何か想像ついたんだ?」
「やめようよぉ…… 」
ちょっと泣きそうな声で言われたが、その声に益々加虐心に火が付く。
「駄目だ。唯の玩具なんだ、持ち主が遊んであげないとね。それとも、“俺”が欲しくてたまらないとか?」と言いながら、グイッと唯の陰部の中へと押し込む。だが、流石に大きさがあるせいかさっきよりは簡単には入っていかない。
唯の身体が小さいせいもあるんだろうか。
無理に押し込んでも痛がらせてしまうかもしれない。苛めるのは好きだが、痛い思いまではさせたくないと考え、ゆっくりと優しく挿入していく。
唯の好きな首筋を舐め上げながら、少しずつ、少しずつ。
ローターを入れた時とは比べ物にならぬ声を、唯があげる。でも、痛いというよりは快楽にあげる声のようで少し安心した。
根元までしっかりそれを押し込むと、「痛い?大丈夫?」と訊ねる。
コクッと唯が力なく頷く。
口の端から涎を垂らし、膣いっぱいに入る感触に酔っているようだ。
嬉しい様な、悔しいような…… なんだか複雑な気分だ。そうさせているのは自分なんだが、自分自身じゃない。
入っていれば何でもいいのか?とか、唯に言ったら殴られそうな事までちょっと考えてしまった。でも、楽しいと感じている自分も確かにいる。これはヘンな意味でクセになりそうだ。
その事にクスッと笑い声が漏れると、唯が「つ、司さん?」と不思議そうな声で訊ねてきた。
「あ、ごめん。動かして欲しかった?」
「ち、違うの、抜いてほ…… きゃあぁぁぁっ!」
唯が最後まで言う前に、電源のスイッチを入れてやった。再び可愛く喘ぐ唯に感じる快楽。バイブの入る陰部の周囲を指で撫でながら、胸を舐める。
咬んだり、吸ったりしながら胸の柔らかな感触を堪能しつつ、電池で動くバイブを少し抜いたり入れたりとしてあげると、ローターの時の様に唯が腰を動かし始めた。
ああ、もう完全に虜になってるな。
自分とする時のように、唯が快楽に浸り貪る。恥じらいもなく求める姿に、背中にゾクッとしたものが走った。普段は自分も浸っているせいで客観的に見る余裕なんかなかったが、こんなに色っぽい姿になってたんだな。
そんな姿が可愛くって、自身の我慢が効かなくなってきた。バイブの入ったままの唯の身体をソファーから起こし、テーブルの上に置かれた鍵を手に取ると、手錠を外す。
すると手首にくっきりと痕がついてしまっていて、ちょっと申し訳ない気分に。
今度は包帯でも巻いた上にするか。
そう考えながら唯を床に下ろし、自分が今度はソファーに座った。
状態が変わる度に唯の膣壁を刺激する玩具のせいで、彼女が声をあげる。そんな彼女を自分の脚の間へと座らせ「舐めてもらってもいい?」と言いながら下半身の方へと唯の頭を促した。
ちょっと困った表情をしながらも、唯がコクッと頷く。
震える手で俺の穿くズボンのファスナーに手をかけると、ゆっくりそれを下ろしていく。小さな手で軽くズボンを下ろし、下着に手をかけた。見えないせいでおぼつかない手の動きが、興奮に拍車をかける。
唯で遊び続けていたせいで、先程から下着の中で窮屈そうにしていた怒張が姿を晒し露になる。亀頭からは先走りが垂れ、滴り落ちそうだ。
ネクタイで目元の隠れた唯が、恐る恐る俺の怒張へ向かい顔を近づけてきた。
カプッと先端を口に含む。手は震え、腰を少しモジモジとさせながらも、必死になって咥える姿に愛おしさまで感じてきた。
足で唯の陰部にズッポリと入っているバイブをグイッと押し込むと、小さな身体を震わせ、快楽に耐える。
「ん…… くふ…… んん」
声を漏らしながら、粗い息で俺の怒張を唯が必死に愛撫する。深く咥えたり、先端を舐めたりする動きにまだ不慣れな感じが残っていた。あまりやってもらってないせいもあるが、なかなか上達しない唯が逆に可愛くって、そんな妻の髪を優しく撫でた。
嬉しそうに俺の方へと手を伸ばしてきたので、握って答える。唯の可愛さに我慢できず「出してもいい?」と小声で訊ねると、口に含んでいたそれを離し「駄目っ」と言われてしまった。
「…… ちゃんと欲しい?」
見えないとわかりながらも、嬉しさに微笑みながら訊ねると、唯がコクッと頷く。
「いいけど、じゃあこっちでも終わっておこうか」
唯の身体を持ち上げ膝に座らせると、陰部を刺激し続けていたバイブを持ち、それを出し入れしてあげた。
「ああああああっ!」
激しい刺激に、声を抑える事の出来ない唯があられもない声で叫ぶ。必死に俺の身体にすがり、嬌声をあげ続けた。
「や!いやああ!」と言いながらも、腰を振り、気持ち良さそうに顔を歪めている。
「大丈夫、気持ちいいんだろう?これが終わったら、もっと気持ちよくしてあげるから」
耳元でそう囁き、軽く耳たぶを咬むと、唯が「ああああ!だめぇ!」という叫びと共に全身をビクッと震わせ、ふっと一気に力が抜けた。
膝の上で、小刻みに震えたままの唯を優しく抱き締めると、答えるようにして俺を力無く抱きしめ返してくれる。
まだ中で激しく動き続けていたバイブが、ズルッと唯の膣内から抜け落ち、床にゴトンッと音をたてながら落ちた。
「これからが本番だけど、唯ならまだいけるよね?」
意地の悪い声で訊ね、答えも待たぬまま、達したばかりの唯の陰部に自身を宛がう。ローションや蜜、達したせいで普段以上に濡れるソコは、いとも簡単に硬くそそり立つ怒張を受け入れていく。
玩具を入れた時にはあげなかった、嬉しそうな声を唯があげる。
「こっちの方が好き?」なんて笑いながら訊くと、正直に「…… すき」と言われ、恥ずかしくなってしまった。
蜜の垂れ落ちる太腿を軽く撫でながら、ゆっくりと中に入れようと思っていたのに、唯が自ら腰を落とし、一気に最奥へ。
驚きのあまり「うあっ」と声をあげると、「…… お返し」と口の端で笑いながら唯が言う。
「敵わないな、唯には」
ギュッと抱き締めながらそう言うと、「ふふっ」とちょっと楽しそうな声で唯が笑った。
「動くけどいい?」
駄目と言われても、今まで傍観していた反動からか、いつも以上に我慢がきかない。優しくする自信もないくらいに、衝動が強く身体を支配している。
朝までした程度で治まるかな…… なんて、少しの不安まで感じる始末だ。
嬉しそうに口元で微笑む唯の表情にホッとしつつ、俺は小さな妻の身体を存分に貪り始めた。
◇
「起きて、司さんっ」
ゆっさゆっさと背中を揺らされ、目が覚めた。
「…… 何?」
目覚めはいい方なのに、今日はどうも眠気がなかなかな取れない。
「ご飯食べないと、倒れちゃうよ?」
そう言う唯から視線をずらし、ベット横に置かれた時計を見ると、時間は朝八時。
「今さっき寝たばかりじゃないか…… 」
眠くてしょうがないのも当然か。
「昨日の晩御飯、食べちゃわないと。美味しく出来てたよ?」
…… そうだ、昨日の晩御飯食べてないんだった。その事実に気が付いた途端、今まで平気だったはずなのに急にお腹が空いてきた。
「食べる」
小声でそう呟くと、だるい身体を無理やり起こし、布団を剥いだ。
「きゃっ」と唯が短い悲鳴をあげ、顔を赤く染めながら視線を反らす。不思議に思いながら下を向くと、一切服を着ていなかった。どうやら全裸のまま寝てしまっていたようだ。
今更何を照れる?
こんな事なんて今までにも何回もあったろうに。
「早く服着て!」
クローゼットから唯が適当に服を取り出し、俺の方へとほおリ投げてきた。
「何も投げなくても」
「だって、そんな格好の司さんの側に行ったら、また押し倒してきそうなんだもん!」
「まぁ、そうだな」
「そうだなじゃない!ご飯食べるのが先なの!」
「…… 唯が食べたいのになぁ」
「アレだけしたのに、食べたりないのか貴方は!」
「あぁ」
「『あぁ』じゃなくって!」と叫ぶエプロン姿の唯の身体をギュッと抱き締めると、「服を着てぇ!」と叫びながらも抱き締め返してくれた。
「じゃあ、ご飯終わったら食べていいか?」
「日本語がヘンだよぉ」
「分かってるけど、間違ってはいないよ」
「…… 片付け、手伝ってくれる?」
「あぁ、もちろん」
「じゃ、じゃあ…… 」
照れくさそうにそう答え、唯がそっと俺から離れる。床に落ちる服を拾い上げると、俺の腕にそれを押し付けるように渡してきた。
「とにかく、一回着て!あ、シャワーもあびないと」と言いながら、パタパタを足音を立てながら寝室を出て行った。
ベットに腰掛け、のそのそとした動きでそれらを着ようとした時、ベットの横に置かれた紙袋が目に付いた。
今朝までの間に本を参考に体位も色々試したし、玩具も半分は使った。
次は何をして遊ぼうかな…… と、眠い頭でそんな事を考える。
どうやら妻の私物だというのに、自分の方がハマってしまったようだ。本気で今度、唯の過激な友人に礼でも言おうかと考えつつ、着替えを終えて妻の待つ居間へ。
今日という休日を、唯で遊べる事に喜びながら、俺は昨日食べるはずだった夜ご飯にありついた。
【終わり】
未使用の安っぽいネクタイ
手錠——他等々
数々の物証を前につきつけられ、唯が頰を真っ赤にしたまま泣きそうな顔で目の前のソファーに座っている。
「何?これ」
俺まで顔を少し赤くしてしまい、まともに唯の顔を見る事が出来ない。
「ご、ごめんなさいっ。出来心だったんです!」
そう言った瞬間、ポロポロと唯が涙を流し出した。それを拭う姿にさすがにいたたまれない気持ちになり、唯の側まで近づき、妻の小さな身体をそっと抱き締めた。
「泣くなって責めてるわけじゃないんだ。怒ってないから」
「怖くて泣いてるんじゃないの、恥ずかしくて泣いてるの!」
ああ…… まぁ、それはわかる。
逆ならマシだったんだろうけど、もう見つけちゃったしなぁ…… 。
話はほんの三十分前に遡る。
大掃除の季節が近づいてきている事に気が付いた俺は、年末なのに仕事で大掃除が出来ないという毎年の経験を踏まえて、自分の持ち物だけでも整理し始めるかと思い立ち、服をしまってあるクローゼットの扉を開けた。
仕事にはスーツで行っているせいで、俺の服といえばほとんどが似たような形状のスーツばかりだ。私服はすっかり隅の方に追いやられており、着用率の低さを実感させられてしまう。
きっちり整頓されているクローゼットの中。
唯がちゃんと整理整頓してくれているおかげでとても見やすく、文句なしの状態だ。
——なのだが…… 。
下着や靴下なんかを入れておく大き目のケースの裏に、ヘンなスペースが開いている事がちょっと気になった。
「何だ?これ壁にきちんとくっつければいいのに…… 」
湿気防止のスペースかとも一瞬思ったが、それにしてはちょっと広過ぎる気がする。
一度湧いた疑問を放置しておける性質ではない俺は、ケースの裏に手を伸ばし、その空間が何なのか確かめる事にした。
ガサッ。手に感じたのは紙の感触。
「ん?」
形状を確かめる様に周囲も触ると、どうやらその空間に入っていたのは少し大きめの紙袋だったみたいだ。持ち歩く為の部分が指に触れたので、俺はそれをグイッと引っ張ってみた。
茶色く、何の変哲もない紙袋が目の前に現れる。店名もない、普通の紙袋だ。
「ウチにこんな物あったか?」
そんな場所に何かを隠した記憶のない俺は、自分の持ち物ではない=唯の物だとすぐに気が付き、元の場所にしまっておこうと考えた。
…… でも、中身は気になる。
駄目だって頭ではわかってはいるのだが、目の前にある妻の秘密?興味の湧かない夫はそうそういないだろう。
彼女の性格的にも、麻薬や犯罪の品が出てくる心配もないんだ。
見なかった事にして、そのまま元の場所にしまってしまえばいい。
大方見られたくない写真だとか、過去の黒歴史的な品だろう。
唯の秘密が見られる、かも。
その事にちょっとだけ心臓をドキドキさせながら、俺は紙袋の中を覗きこんだ。
「…… 手錠?」
黒い手錠が真っ先に目に入った。黒いのなんか俺は持っていないので、唯の私物なのだろう。
ものすごく、見ちゃいけない気がしてきた。
でもここまできて後戻りも出来ないと、もう一度紙袋の中に手を入れてみると、今度はB5サイズ程度の本が。カバーがされており、表紙の見えない本だった。
もちろん、中身の気になった俺はその本を開いてみた。
「——た、体位?」
いわゆる四十八手の本だった。四十八の体位がひたすら図解で細かく解説されている本の内容に、興味はありつつもちょっと眩暈がした。
なのに、無言で少し見入ってしまう。
「…… 今度やってみるかな」なんて呟きつつ、パタンッと本を閉じた。
ここまできたらもう怖いものはないと、もう一個づつ漁るのをやめて、紙袋の下を持ちひっくり返してみた。
バサバサと音をたてながら中身が大量に紙袋の中から滑り落ちてくる。そして目の前に広がる品々に——絶句した。
実物なんか一度も見たことのないような淫猥な品々が目の前で乱雑に並び、言葉が出なくなる。手に取ると、どれも全て未開封だった事に少しだけ安心し、一個づつ紙袋の中に戻していった。
「知らなかった…… 方が、よかったのか?」
見てしまった大人の玩具達を前に、どういう反応をしていいのは困り、ちょっとため息がもれる。個人的には夫婦生活に全く不満などなく、唯にもそんなふうに感じさせているとは思っていなかったのだが…… 。
こういった品々を目の前にしてしまうと、もしかしたらマンネリを唯に感じさせてしまっていたんだろうかと少し不安に。
「…… 実は、普通じゃない方が好きだとか?」
そういえば、一度も唯の性癖なんか訊いた事がない。妻にとって俺は始めての相手だし、特殊な趣味なんか俺は開発してないからあるはずもないと、勝手に思っていた。
気にもした事がなかったんだが、ふと唯が耳年増であることを思い出した。聞きかじりの知識で興味を持ち、買ってはみたが、恥ずかしさに使用願いを俺に言えないでいたとか?
ありうる、ものすごくこの可能性は高いぞ。
そう思った俺は、目の前に出したとしても辺り障りの少なそうな品を数点持ち、残りを紙袋の中へ。
そして、晩御飯を作っている最中の唯の居る居間へとそれらを持って移動した。
ちょっと尋問してやろうかと。
やっぱり妻の本心は訊いておかないとな。
何も知らない唯が、適当な歌を歌いながら台所で料理をしている。匂いからして今晩はチーズを使った料理みたいだが、グラタンか何かだろうか?
出来上がりを楽しみにしつつ、カバーのついたままの本や手錠、袋に入ったままのネクタイを居間の真ん中に置かれたテーブルの上に並べる。
テーブルの側に残りの品々の入った紙袋を置き、軽く咳払いをした後、調理中である唯の居る台所へと向った。
相変わらず唯が楽しそうに調理をしている。
なんだかとても嬉しそうで、今訊くのはマズイかなーともちょっと思ったが、気になった事を放置しておけない俺は、唯が背中を俺に向けたタイミングでそっと近づき、手で妻の視界を遮った。
「わぁ!ビックリしたぁ」
そう言いながらも、ちょっと楽しそうな声の唯。
「だーれだ?ってやつ」
なんて言いながら、そっと俺の手に手を重ねる。
「二人しか居ないのにやらないよ、そんな事」
「…… その発言は、たまにやる私への冒涜行為だよ、司さん」
「ごめんごめん。でも唯は可愛いからいいけど、俺には似合わないから」
「そうかもね」
にこやかな雰囲気で話す唯。これから何を訊かれるか、何もわからないのだから当然だ。そう思うと、唯を苛めたい衝動に、少しだけ火がついた。
唯の目を隠したまま、「ちょっと今いい?」と訊くと「大丈夫だよ、今丁度少し時間空いたし」と答えをもらえた。
「よかった、ちょっと確認したい事件があるんだ」
「やだ、事件だなんて。何?」
唯の小さな身体をギュッと前から抱き締め、持ち上げる。ちょっと息がしにくいかとも思ったが、彼女の頭を俺の胸に少しだけ押し付けて周囲を見れない状態にした。
居間の方まで彼女をそのまま運ぶと、唯を物証の並ぶテーブル側に置かれたソファーへと座らせた。最初は俺の方を見ていて、「どうしたの?」なんて笑いながら言っていた唯。
「あれ、見て?」と言いながらテーブルを指差すと、唯が促されるようにそっちに顔を向けた。
「 ……… 」
思考が停止したのか、唯から言葉の出てこない。
「何?これ」
無言の唯の側を離れ、対面に置かれたソファーに座ると、俺は膝に頬杖をついた。
——話は振り出しに戻り、恥ずかしさに泣く妻を今は優しく抱き締めている所だ。
「牛乳でも温めてくるか?」
気持ちを落ち着けるにはいいかもしれないと思いそう声をかけたが、無言で首を横に振られた。困ったな、ここまでへこむとは正直考えてなかった。
んじゃせめてこれくらいと思い、『別に嫌った訳じゃないんだぞ』と、気持ちを込めながら抱き締める腕に力を入れてみた。
すると、少し気持ちが落ち着いたのか、唯がボソボソと小さな声で「…… もらったの」と呟いた。
「男から⁈」
「まさか!」
唯が大声で即答する。
「…… 友達に。『マンネリ打開に買ったけど、必要なくなった』って」
「断れなかったのか」
「…… だってぇ…… 」
「そうだよな、うん。唯は友達が絡むとなかなか断れないもんなぁ」
ちょっと楽しくなってきた俺は、少し微笑みながらそう言い、唯の頭を撫でた。
「もらった物を捨てる事も見せる事も出来なくって、隠した。そんなところか」
その言葉に唯がコクッと頷く。
「んでもだ。さっきの『出来心だった』発言は気になるなぁ」と少し意地の悪い笑みを浮かべながら蒸し返すと、唯の体がビクッと震えた。
「あ、あれは別に深い意味なんかっ」
茹蛸みたいに顔を真っ赤にし、唯が叫ぶような声をあげる。
「本当は、『興味もあったから捨てれなかった』なんだろう?そうじゃないか?これだけの物証を前に嘘はいけないよ、唯」
クイッと唯の顎を軽く持ち上げると、唯の顔がひどく困ったと言いたげな表情になった。
——図星か。
口の端で少し笑うと、未開封だったネクタイに手を伸ばし、それを袋から出す。
「ネクタイか、どう使いたかった?手錠が別にあるから、目隠しか何かか?」
唯の目の前にそれをかざし、少し揺らしながら訊く。
恥ずかしさからなのか唯が視線を俺から反らしたので、ネクタイを妻の頭にクルッと巻きつけ、縛ってみた。
唯が「ひゃっ」と短い悲鳴をあげる。
視界を遮られ、少し動揺する唯の姿に気持ちが高ぶってきた俺は、今度は手錠を手に取った。
ネクタイに手をかけそれを取ろうとする唯の腕を掴むと、右手首に手錠をはめ、その腕を背の方へ移動させて、今度は左手首にも手錠をはめて後ろ手に拘束する。
「つ、司さん⁈」
焦ったような色を帯びる唯の声。外れるわけもないのに、唯は腕を動かして外そうとソファーの上でもがく。
「本物じゃないけど、その程度じゃ外れないんじゃないかな」
意地の悪い声でそう言いながら、テーブルに置かれた小さな鍵を手に持つと、その鍵でそっと唯の頬を撫でた。冷たい無機質の鍵が、高揚し、赤く染まる唯の肌の上をゆっくりと動くと、動かすたびに妻の体がビクッと動く。
「気持ちいんだ?自由も視界も奪われたこの状態が」
「べ、別にそういう訳じゃ…… 」
「意地を張るなんて唯らしくないな、いつもは素直に何でも喜んでくれるのに」
頬から首筋、鎖骨をなぞり、胸の膨らみを鍵で撫でる。
「だって、こんな事普通じゃ…… んあっ」
粗い息遣いでそう言う唯が可愛くてしょうがない。いつもとは違う行為に、俺まで少し息が粗くなってきた。
鍵を机に戻すと、今度は紙袋の中に手を伸ばす。
ガサガサッとたつ音に、唯の身体がビクッと反応した。
「…… 他のも、持ってきてるの?」
そう言う声がちょっと震えている。
「当たり前だろう?押収した証拠品は全て犯人“で”検証しないと」
「“で”?」
「この品々じゃ、“で”が正解だろう?」
「待って!全てって…… そんなにいっぱいあるのに?」
「そうだな、今日全部はちょっと無理だな。んでも大丈夫、明日休みだし。どれから確認しようか。やっぱり事の順番としては、このローションか?」
「イヤ!いらないよ、やめよ?怖いからイヤだよ、ね?」
「平気だって、使い方の難しいものじゃないんだ」
「待って!駄目!ご飯とかお風呂とかまだ——」と叫ぶ声を無視し、手に持ったプラスチック製の入れ物に入った液体を右手に少し垂らす。
乾いている左手で唯のスカートの捲ると、下着に手をかけた。
「きゃ!」と声をあげながら、唯が脚に力を入れて抵抗する。
「服汚しちゃうよ?」と言いながら下着を引っ張り脱がすと、ドロッとした感触の液体の付いた指を唯の秘部に軽く当てた。
「んあ!」
「ロープもあったけど、椅子に縛り付けて欲しい?それとも体を縛って、淫楽に耽るか?」
「イヤ‼︎」
「わかった、じゃあそれは後でね」
「後でなんて言ってな…… んんっ」
グチュグチュッと普段以上にたつ卑猥な水音に、唯の声が甘いものに変わる。
彼女の横にさっき置いた下着に目が行き、ショーツに濡れたシミがあった事に気が付いた俺は「何だ…… 手錠をされて、下着まで濡らしてたんじゃないか」と耳元で囁いてみた。すると唯が恥ずかしそうに顔をそらし、出てしまいそうになる喘ぎ声を必死に堪え始めた。
「誰も聞いてないよ、声抑えないで」
陰裂に入る指を優しく動かしながら囁く。だが、唯はブンブンと横に首を振った。
「…… わかった、そんなに声を出したく無いんなら、口も塞いであげようか?」
「そ、そんな物まで入ってたの⁈」
「あぁ。あれ、全部は見てないのか?」
「…… 見てない。何だか凄そうで、見れなかったから」
楽しくなってきた、その一言で余計に。
何が起こるのか、中身をほとんど知らなければ、視界も遮ってある状態である唯には推測すら出来ない。きっと全ての事に過剰に反応してくれるに違いないだろう。
これは相当苛め甲斐があるぞ…… 唯の過激な友達に感謝しないとな。
心で囁き、再び陰裂に入る指を動かし膣壁を撫でる。背を反らし、可愛い声をあげる唯の姿に、ついにやけ顔になってしまうのを必死に我慢しながら蜜とローションで濡れる肉芽を舐めた。
「…… 味はないのか」
「知らないよ!」
ピクッと震えた後、少し怒ったような声でそう言われた。が、軽く吸うとまたすぐ可愛いく唯が嬌声をあげる。動かす手を止めずに舐め続けると、「だ、だめぇぇ!いやあぁ!」という叫び声とともに、いとも簡単に唯が達してしまった。
最短記録?
今までで一番あっさり達してしまった事に、少しムカツク。
いつもよりもよかったって事だよな。
下手なつもりはなかったんだが…… 俺が気がつかなかっただけで、唯にとってはマンネリ化してたのかな。だとしたら、非常に残念だ。
力なくソファーに横になる唯の姿を上から眺め、今度は紙袋の中から小さな箱を取り出してみた。
「次はこれだな」
「え…… 次って、もういいよ!ヤダって!」
ガサゴソと音をたてながら箱の中から出したのは、半透明のローターとかいう玩具。
「実物は初めて見たけが、結構面白そうだな」
「…… 初めて?」
ちょっとそう言う唯の声が嬉しそうだ。
「そうだよ?こんな玩具使おうとか思った事もなかったしな」
「初めて…… 」
「二回も言う程嬉しいのか?」
唯の上に覆いかぶさり、ニヤッと笑いながら訊く。目隠しをしていてもわかるほどの困り顔をしながらも、コクッと素直に唯が頷いた。
「可愛いな、唯は」
嬉しくなり、唯に優しくキスをすると、珍しく妻の方から俺の唇に舌を割り込ませ、絡めてきた。
「ん…… 」
気持ちよさに声が漏れる。クチュッと水音が立つほど互いの舌を絡め、少し長めの深いキス。そっと離れると、持ったままになっていたローターに先程のローションを垂らし、スカートの捲れたままになっていた唯の陰部にそれを宛がった。
「冷たいっ」と言いながら、唯が逃げ様とする。
「駄目、最初だけだから」
脚を掴み、逃げれぬ様にすると、宛がっていたそれを唯のまだ濡れたままの陰部の中へと押し込んだ。小さなそれは、スルンッとあっさり中へと入ていく。
どこまで入れていいのかわからぬまま、ひとまずどんなものかと思いながら電源を入れてみた。すると唯の中から小さくモーター音が聞こえ始め「やだ!何入れたの⁈」と叫んだ。
「唯の、玩具」
「強調しないでぇ…… 」
「でも本当の事だしな」
段階的に動きを調節できそうだったのでひとまず1にしてみたんだが、結構話す余裕がありそうだったので、一気に最強にまで動く早さを上げてみた。
「きゃああああ!や!ちょっとまっ!んんっ」
ビクンッビクンッと震えながら声をあげる姿がすごく可愛い。
いつもと違う視点から唯の姿を見ている事に新鮮さを感じながら、妻の着る服を捲り上げ、小さな身体には似つかぬ大き目の胸に手を伸ばす。
粗い息で「あ…… んくっ」と声をあげる唯のブラジャーを上から軽く避け、弄る前から硬さを持っているとすぐにわかるピンク色の可愛い突起をペロッと舐めた。
「下も弄りながら両胸でも遊べるって、玩具も案外いいかもしれないな」
クスクスと笑いながらそう言うと唯が「よくないもん!」と文句を言う。
でも強がっているだけのようで、すぐに快楽に顔が歪む。胸の突起を少し強めに吸いながら、もう片方の手で膨らみを揉む上げる。
甘い声を漏らす唯の可愛い姿に興奮しながら陰裂の中に入ったままになているローターを少し奥へと押し込むと、気持ち良さそうに身体を震わせた。その姿に益々興奮し、少しコードを引っ張り抜いてはまた中へと押し込む。
すると、唯が無意識に脚をモジモジと動かし、より深い快楽を求め始めた。
「唯は可愛いな」
本心からそう囁き、ちょっとだけ側から離れると、今度はもっと大きな箱を手に取った。陰部の中で相変わらず激しく動き続けるローター。
でもその動きではちょっと物足りないのか、達するという処まではイケないみたいで、少しもどかしそうに腰を動かしている。
「物足りないみたいだな?」と訊くと、頬を染めながら、素直に唯がコクッと頷く。
胸の先をまたちょっと軽く吸ってあげると、嬉しそうに声をあげた。
「じゃあ可愛い唯にはもっといいモノをあげようか」
箱の中からバイブと書かれた商品シールの貼られたモノを取り出す。
へぇ…… これが話に聞く、アレか。
ちょっと関心しながら今度はそれにローションをかけて、唯の膣内に入るローターの電源を切った。止まる玩具にホッとしたのか、唯の表情が柔らかいものに。
「…… やめてくれるの?」と、恐る恐るといった感じの声で俺の居ると推測される方向へと唯が訊ねてきた。
「もっといいもの用意してるだけだよ」
「——え⁈」
「さっきそう言ったじゃないか」
後ろ手に拘束されたままの唯の陰部に、先程のローターよりもずっと大きなサイズであるバイブを宛がうと、彼女の表情が強張った。
「あ、何か想像ついたんだ?」
「やめようよぉ…… 」
ちょっと泣きそうな声で言われたが、その声に益々加虐心に火が付く。
「駄目だ。唯の玩具なんだ、持ち主が遊んであげないとね。それとも、“俺”が欲しくてたまらないとか?」と言いながら、グイッと唯の陰部の中へと押し込む。だが、流石に大きさがあるせいかさっきよりは簡単には入っていかない。
唯の身体が小さいせいもあるんだろうか。
無理に押し込んでも痛がらせてしまうかもしれない。苛めるのは好きだが、痛い思いまではさせたくないと考え、ゆっくりと優しく挿入していく。
唯の好きな首筋を舐め上げながら、少しずつ、少しずつ。
ローターを入れた時とは比べ物にならぬ声を、唯があげる。でも、痛いというよりは快楽にあげる声のようで少し安心した。
根元までしっかりそれを押し込むと、「痛い?大丈夫?」と訊ねる。
コクッと唯が力なく頷く。
口の端から涎を垂らし、膣いっぱいに入る感触に酔っているようだ。
嬉しい様な、悔しいような…… なんだか複雑な気分だ。そうさせているのは自分なんだが、自分自身じゃない。
入っていれば何でもいいのか?とか、唯に言ったら殴られそうな事までちょっと考えてしまった。でも、楽しいと感じている自分も確かにいる。これはヘンな意味でクセになりそうだ。
その事にクスッと笑い声が漏れると、唯が「つ、司さん?」と不思議そうな声で訊ねてきた。
「あ、ごめん。動かして欲しかった?」
「ち、違うの、抜いてほ…… きゃあぁぁぁっ!」
唯が最後まで言う前に、電源のスイッチを入れてやった。再び可愛く喘ぐ唯に感じる快楽。バイブの入る陰部の周囲を指で撫でながら、胸を舐める。
咬んだり、吸ったりしながら胸の柔らかな感触を堪能しつつ、電池で動くバイブを少し抜いたり入れたりとしてあげると、ローターの時の様に唯が腰を動かし始めた。
ああ、もう完全に虜になってるな。
自分とする時のように、唯が快楽に浸り貪る。恥じらいもなく求める姿に、背中にゾクッとしたものが走った。普段は自分も浸っているせいで客観的に見る余裕なんかなかったが、こんなに色っぽい姿になってたんだな。
そんな姿が可愛くって、自身の我慢が効かなくなってきた。バイブの入ったままの唯の身体をソファーから起こし、テーブルの上に置かれた鍵を手に取ると、手錠を外す。
すると手首にくっきりと痕がついてしまっていて、ちょっと申し訳ない気分に。
今度は包帯でも巻いた上にするか。
そう考えながら唯を床に下ろし、自分が今度はソファーに座った。
状態が変わる度に唯の膣壁を刺激する玩具のせいで、彼女が声をあげる。そんな彼女を自分の脚の間へと座らせ「舐めてもらってもいい?」と言いながら下半身の方へと唯の頭を促した。
ちょっと困った表情をしながらも、唯がコクッと頷く。
震える手で俺の穿くズボンのファスナーに手をかけると、ゆっくりそれを下ろしていく。小さな手で軽くズボンを下ろし、下着に手をかけた。見えないせいでおぼつかない手の動きが、興奮に拍車をかける。
唯で遊び続けていたせいで、先程から下着の中で窮屈そうにしていた怒張が姿を晒し露になる。亀頭からは先走りが垂れ、滴り落ちそうだ。
ネクタイで目元の隠れた唯が、恐る恐る俺の怒張へ向かい顔を近づけてきた。
カプッと先端を口に含む。手は震え、腰を少しモジモジとさせながらも、必死になって咥える姿に愛おしさまで感じてきた。
足で唯の陰部にズッポリと入っているバイブをグイッと押し込むと、小さな身体を震わせ、快楽に耐える。
「ん…… くふ…… んん」
声を漏らしながら、粗い息で俺の怒張を唯が必死に愛撫する。深く咥えたり、先端を舐めたりする動きにまだ不慣れな感じが残っていた。あまりやってもらってないせいもあるが、なかなか上達しない唯が逆に可愛くって、そんな妻の髪を優しく撫でた。
嬉しそうに俺の方へと手を伸ばしてきたので、握って答える。唯の可愛さに我慢できず「出してもいい?」と小声で訊ねると、口に含んでいたそれを離し「駄目っ」と言われてしまった。
「…… ちゃんと欲しい?」
見えないとわかりながらも、嬉しさに微笑みながら訊ねると、唯がコクッと頷く。
「いいけど、じゃあこっちでも終わっておこうか」
唯の身体を持ち上げ膝に座らせると、陰部を刺激し続けていたバイブを持ち、それを出し入れしてあげた。
「ああああああっ!」
激しい刺激に、声を抑える事の出来ない唯があられもない声で叫ぶ。必死に俺の身体にすがり、嬌声をあげ続けた。
「や!いやああ!」と言いながらも、腰を振り、気持ち良さそうに顔を歪めている。
「大丈夫、気持ちいいんだろう?これが終わったら、もっと気持ちよくしてあげるから」
耳元でそう囁き、軽く耳たぶを咬むと、唯が「ああああ!だめぇ!」という叫びと共に全身をビクッと震わせ、ふっと一気に力が抜けた。
膝の上で、小刻みに震えたままの唯を優しく抱き締めると、答えるようにして俺を力無く抱きしめ返してくれる。
まだ中で激しく動き続けていたバイブが、ズルッと唯の膣内から抜け落ち、床にゴトンッと音をたてながら落ちた。
「これからが本番だけど、唯ならまだいけるよね?」
意地の悪い声で訊ね、答えも待たぬまま、達したばかりの唯の陰部に自身を宛がう。ローションや蜜、達したせいで普段以上に濡れるソコは、いとも簡単に硬くそそり立つ怒張を受け入れていく。
玩具を入れた時にはあげなかった、嬉しそうな声を唯があげる。
「こっちの方が好き?」なんて笑いながら訊くと、正直に「…… すき」と言われ、恥ずかしくなってしまった。
蜜の垂れ落ちる太腿を軽く撫でながら、ゆっくりと中に入れようと思っていたのに、唯が自ら腰を落とし、一気に最奥へ。
驚きのあまり「うあっ」と声をあげると、「…… お返し」と口の端で笑いながら唯が言う。
「敵わないな、唯には」
ギュッと抱き締めながらそう言うと、「ふふっ」とちょっと楽しそうな声で唯が笑った。
「動くけどいい?」
駄目と言われても、今まで傍観していた反動からか、いつも以上に我慢がきかない。優しくする自信もないくらいに、衝動が強く身体を支配している。
朝までした程度で治まるかな…… なんて、少しの不安まで感じる始末だ。
嬉しそうに口元で微笑む唯の表情にホッとしつつ、俺は小さな妻の身体を存分に貪り始めた。
◇
「起きて、司さんっ」
ゆっさゆっさと背中を揺らされ、目が覚めた。
「…… 何?」
目覚めはいい方なのに、今日はどうも眠気がなかなかな取れない。
「ご飯食べないと、倒れちゃうよ?」
そう言う唯から視線をずらし、ベット横に置かれた時計を見ると、時間は朝八時。
「今さっき寝たばかりじゃないか…… 」
眠くてしょうがないのも当然か。
「昨日の晩御飯、食べちゃわないと。美味しく出来てたよ?」
…… そうだ、昨日の晩御飯食べてないんだった。その事実に気が付いた途端、今まで平気だったはずなのに急にお腹が空いてきた。
「食べる」
小声でそう呟くと、だるい身体を無理やり起こし、布団を剥いだ。
「きゃっ」と唯が短い悲鳴をあげ、顔を赤く染めながら視線を反らす。不思議に思いながら下を向くと、一切服を着ていなかった。どうやら全裸のまま寝てしまっていたようだ。
今更何を照れる?
こんな事なんて今までにも何回もあったろうに。
「早く服着て!」
クローゼットから唯が適当に服を取り出し、俺の方へとほおリ投げてきた。
「何も投げなくても」
「だって、そんな格好の司さんの側に行ったら、また押し倒してきそうなんだもん!」
「まぁ、そうだな」
「そうだなじゃない!ご飯食べるのが先なの!」
「…… 唯が食べたいのになぁ」
「アレだけしたのに、食べたりないのか貴方は!」
「あぁ」
「『あぁ』じゃなくって!」と叫ぶエプロン姿の唯の身体をギュッと抱き締めると、「服を着てぇ!」と叫びながらも抱き締め返してくれた。
「じゃあ、ご飯終わったら食べていいか?」
「日本語がヘンだよぉ」
「分かってるけど、間違ってはいないよ」
「…… 片付け、手伝ってくれる?」
「あぁ、もちろん」
「じゃ、じゃあ…… 」
照れくさそうにそう答え、唯がそっと俺から離れる。床に落ちる服を拾い上げると、俺の腕にそれを押し付けるように渡してきた。
「とにかく、一回着て!あ、シャワーもあびないと」と言いながら、パタパタを足音を立てながら寝室を出て行った。
ベットに腰掛け、のそのそとした動きでそれらを着ようとした時、ベットの横に置かれた紙袋が目に付いた。
今朝までの間に本を参考に体位も色々試したし、玩具も半分は使った。
次は何をして遊ぼうかな…… と、眠い頭でそんな事を考える。
どうやら妻の私物だというのに、自分の方がハマってしまったようだ。本気で今度、唯の過激な友人に礼でも言おうかと考えつつ、着替えを終えて妻の待つ居間へ。
今日という休日を、唯で遊べる事に喜びながら、俺は昨日食べるはずだった夜ご飯にありついた。
【終わり】
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