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【最終章】
【最終話】幸せな夜
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実があるのかないのか不明な話が一階では続く中。棗が自分の部屋に入って後ろ手に扉を閉めた。
「ふぅ……」と息を吐き顔をあげる。使い慣れた物ばかりで溢れる部屋の中にメランが立っている光景が不思議でならない。だがメランにとっても馴染み深い部屋だからか、『棗の部屋だぁ♡』と喜びはしゃぐ様な真似はせず、大きな窓をガラリと開けて換気を始めた。
「ねぇねぇ。ちょっと屋上にでも行ってみない?きっと風が気持ち良いよ」
「それいいですね」
メランに差し出された手を棗が取ると、難なく腕に抱きかかえて窓から外に飛び出して行った。窓の縁や壁などを利用してトントンッと軽やかに屋上に上がり、そっと棗をその場に下ろす。そして「さぁどうぞ」と言いながら屋根の上にメランが敷物を敷く。『どっから出した!』というツッコミを胸の中にしまいつつ、棗は「……どうも」と言ってそこに座った。
二人が屋根の上に並んで座って夜空を見上げた。都心部だからか星は殆ど見えず、大きな月だけが浮かんでいる。
「……メランさんは、義兄達があぁいう人達だって最初から知ってたんじゃないですか?」
「まぁねー」
やっぱり、と思いながら棗が軽く息を吐いた。
「でもよく気が付いたね」
「そりゃ、前に『ウチの実家は煩い』的な事を誤爆してましたからね」
「あぁー。そういえばあったねぇ」
「まさか、あんなに喋る人達だったなんて全然知りませんでしたよ。両親が健在だった頃だって、あの二人は人並み程度の会話だけでしたからね」
「あの子達は会った時からあんなんだったな。彼らの念話的なものは僕には全部聞こえちゃっていたから、『早く何処かに行ってくれないかなぁ』って毎日思ってたよ。まぁ、会話の内容が『棗が可愛い』や『今日も尊い』とか、食事を前にして『米粒一つすらも残したくない』とかだったから何とか耐えられたけどね」
その話を聞き、すんっと冷めた表情で「え、普通にキモいんだけど」と棗が切り捨てる。義兄達が真顔のままそんな事ばかりを考えていたのかと思うと、驚きを通り越して気持ち悪い。だけど『嫌われていた訳じゃなかった』という事実のおかげか、じわじわと嬉しくもなってきた。
「そういや、森元先生の件も、もしかして知ってたんですか?」
「もちろん!でも悪い人じゃないって確証はあったし、行動はほぼほぼストーカーみたいではあったけど、責任感の暴走?過度な庇護欲?まぁ大体そんな所かなって感じだったから放置してたんだよね」
「……んでも、ボクにはインビジブル的な効力のある『妖精の加護』があるんですよね?なのに何であの三人はあぁなってるんです?」
「その加護も、どうしたって完璧じゃないからね。相手次第では効果が薄かったり効かない場合もあるんだー。君の祖父なんかには効果ゼロだったし。そのせいで、外界への好奇心でちょっとだけ村から出て来た棗の祖母に偶然一目惚れしちゃって、言葉巧みに騙くらかして家にまで連れ込んで監禁までしちゃった挙句に孕ませて、日本にまで連れ帰っちゃったらしいよ」
「何でそんな話知ってるんですか⁉︎」
「二人がまだご健在だった時に思い出話をしていたのを聞いたんだぁ。終わり良ければ的な感じで、ニコニコ顔で話していたな」
「……知りたくなかったなぁ、んな話」とこぼし、棗が額を押さえた。
「それにしても、守護天使以外をも魅了しちゃうだなんて、お婆ちゃんだけじゃなく、棗も罪深いねぇ。まぁでも、下に居る三人共、棗が好き過ぎて闇堕ちしちゃった僕には到底敵わないけどね!」
「いや、そこを競うな」と、棗はすかさずメランの肩を叩いた。
「んにしても、そこまで知ってたんなら最初から全部教えてくれていても良かったのに」
そしたら家出もせずに済んだだろうし、義兄達や森元先生などに心配をかけたり、自分と同じ髪色の人が増えるという変な流行が生まれたりもせずに済んだのにと棗は思った。
「んー。伝える手段があの時の僕には無かったっていうのが一番の理由ではあるけれど、『君はちゃんと義兄達に愛されているよ』って言葉で言われても信じてはもらえなかったと思うんだよね。それが『事実』とはいえ、ちゃんと自分の目で見て、聞いて、感じないと腑には落ちないでしょ?それに、僕のお嫁さんになってもらう為にも、棗には冒険者になってもらいたかったしね!」
(途中までは、良い話だっだのになぁ……)
と、遠い目をしながら棗は思った。
「まぁ……おかげで義兄達への誤解も解消して、冒険者仲間も出来たし、友達の存在にも気が付けたし、ボクの場合も祖父母と同じで『結果良ければ』ですね」
「あれ?僕は?僕との出逢いは嬉しくなかったの⁉︎」
半泣きになりながらメランが棗に抱きつく。ただでさえ体格差があるというのに、八翼もの翼を全て出して包み隠そうとまでしだした。
「う、嬉しいに……決まってるじゃないですか」と返して棗が頬を染める。耳まで赤くなっていて、その様子を見たメランが満足そうに口角を上げた。
「あぁぁぁぁ可愛い、可愛い可愛い可愛いっ。今すぐ此処で喰べちゃいたいっ」
棗の着ている服の中に手を入れて、メランが胸の辺りを触ろうとする。呼吸はもうすでに雑になっているし、瞳孔もハートマークと化していて暴走寸前といった様子だ。
「ステイッ!んな場所で盛るなっ!」
「あは♡本気だと敬語消えるとか、ホント可愛い♡ん、良いよ。でも帰ったらちゃんといっぱいいっぱいいっぱいいっぱーい、穴埋めしてね♡まぁ埋めるのは僕だけど」
「メランさんって、たまにマジでオヤジくさいですよね……」
「え、嫌?嫌い?」と焦るメランに、「……嫌いじゃ、ないですよ」と小声で棗が返す。
「……じゃぁ、好き?」
「——っ」
気恥ずかしさが勝って棗はなかなか言葉を返せない。
「僕は好きだよ、大好き、愛してる♡。この翼をもいで寄越せとか、力の全てを差し出せって言われたって一寸の躊躇もなく差し出せるくらいにね。あ、寿命の差とかも気にしないで良いからね。いずれ棗が死んでも、僕は絶対に君を離さないから」
見開いた目を向けながら言われたというのに、棗の体が歓喜で震えた。ここまで愛されているのかという喜びの方が恐怖よりも勝ってしまう。
「……ボクも、す、好き……ですよ。その、子供の件も、嬉しいなぁと思えるくらいに」
ボソボソとした声ではあったが、どうにか本心を伝える事が出来た。だがメランからの反応がない。声が小さ過ぎたか?と思いながら視線をやると、メランは輝かんばかりの笑顔を浮かべていた。
「嬉しい!好き!好き好きーっ!あぁもう、やっぱもう此処でこのまま——」
興奮気味にメランが棗の肩を掴む。
「が、我慢出来たら何でも好きな事してあげますんで、今日は耐えて!」と言い、棗がぐぐっとメランの胸を両手で押した。
「……何でも?」
「……は、はい」と答えはしたが、ちょっとだけ棗は後悔した。フェラの要求なんかされたらどうしようと冷や汗が背中を伝う。
「じゃあ、今夜は添い寝して欲しいな」
ちょっと拍子抜けしながら「……いつも一緒に寝てますよね?」と棗が訊く。
「まぁそうなんだけど、『あのベッドで』ってのが、僕的には特別なんだ」と言い、メランが下を指差した。
——早速場所を変え、寝衣を着た二人がベッドに寝転ぶ。シングルサイズのベッドに大人二人はかなり狭く、メランが横向きになって棗をその胸に抱いているような状態だ。
「……此処でまだ暮らしていた間中ずっとね、僕は毎晩こうやって眠っていたんだ。でも棗には僕が見えないし、触れないし……。それが当たり前だったからあの時はそれでも充分幸せだったんだけど、今はこうして触れられて……感慨深いなぁ。あの頃の僕に自慢してやりたくなってくるよ」
小声で、しんみりとした声でそう語るメランの服を棗がきゅっと掴む。そして、「ん?」と言いながら下を向いたメランの唇に、棗が自らの唇を押し当てた。
「……こ、これで、多少は昔の寂しさが消えたりはしましたか?」
顔を真っ赤にしながら棗が言う。そんな彼をぎゅっとメランが腕に抱き、「……うん」と言ってそっと瞼を閉じた。
「僕は世界一幸せな堕天使だね」
「……堕ちた責任は、ちゃんと取りますから、今日はもう寝ちゃいましょ!んで……明日は、早く、帰りましょうね」
「うん!そうだね、そうだね!」と言い、メランが更に強く棗を胸に抱いた。
(あぁ……やっと僕らは、本物の夫夫に慣れた気がする)
そう思いながら、メランは眠らぬ身でありながらそっと瞼を閉じ、幸せな未来に想いを馳せた。
【完結】
「ふぅ……」と息を吐き顔をあげる。使い慣れた物ばかりで溢れる部屋の中にメランが立っている光景が不思議でならない。だがメランにとっても馴染み深い部屋だからか、『棗の部屋だぁ♡』と喜びはしゃぐ様な真似はせず、大きな窓をガラリと開けて換気を始めた。
「ねぇねぇ。ちょっと屋上にでも行ってみない?きっと風が気持ち良いよ」
「それいいですね」
メランに差し出された手を棗が取ると、難なく腕に抱きかかえて窓から外に飛び出して行った。窓の縁や壁などを利用してトントンッと軽やかに屋上に上がり、そっと棗をその場に下ろす。そして「さぁどうぞ」と言いながら屋根の上にメランが敷物を敷く。『どっから出した!』というツッコミを胸の中にしまいつつ、棗は「……どうも」と言ってそこに座った。
二人が屋根の上に並んで座って夜空を見上げた。都心部だからか星は殆ど見えず、大きな月だけが浮かんでいる。
「……メランさんは、義兄達があぁいう人達だって最初から知ってたんじゃないですか?」
「まぁねー」
やっぱり、と思いながら棗が軽く息を吐いた。
「でもよく気が付いたね」
「そりゃ、前に『ウチの実家は煩い』的な事を誤爆してましたからね」
「あぁー。そういえばあったねぇ」
「まさか、あんなに喋る人達だったなんて全然知りませんでしたよ。両親が健在だった頃だって、あの二人は人並み程度の会話だけでしたからね」
「あの子達は会った時からあんなんだったな。彼らの念話的なものは僕には全部聞こえちゃっていたから、『早く何処かに行ってくれないかなぁ』って毎日思ってたよ。まぁ、会話の内容が『棗が可愛い』や『今日も尊い』とか、食事を前にして『米粒一つすらも残したくない』とかだったから何とか耐えられたけどね」
その話を聞き、すんっと冷めた表情で「え、普通にキモいんだけど」と棗が切り捨てる。義兄達が真顔のままそんな事ばかりを考えていたのかと思うと、驚きを通り越して気持ち悪い。だけど『嫌われていた訳じゃなかった』という事実のおかげか、じわじわと嬉しくもなってきた。
「そういや、森元先生の件も、もしかして知ってたんですか?」
「もちろん!でも悪い人じゃないって確証はあったし、行動はほぼほぼストーカーみたいではあったけど、責任感の暴走?過度な庇護欲?まぁ大体そんな所かなって感じだったから放置してたんだよね」
「……んでも、ボクにはインビジブル的な効力のある『妖精の加護』があるんですよね?なのに何であの三人はあぁなってるんです?」
「その加護も、どうしたって完璧じゃないからね。相手次第では効果が薄かったり効かない場合もあるんだー。君の祖父なんかには効果ゼロだったし。そのせいで、外界への好奇心でちょっとだけ村から出て来た棗の祖母に偶然一目惚れしちゃって、言葉巧みに騙くらかして家にまで連れ込んで監禁までしちゃった挙句に孕ませて、日本にまで連れ帰っちゃったらしいよ」
「何でそんな話知ってるんですか⁉︎」
「二人がまだご健在だった時に思い出話をしていたのを聞いたんだぁ。終わり良ければ的な感じで、ニコニコ顔で話していたな」
「……知りたくなかったなぁ、んな話」とこぼし、棗が額を押さえた。
「それにしても、守護天使以外をも魅了しちゃうだなんて、お婆ちゃんだけじゃなく、棗も罪深いねぇ。まぁでも、下に居る三人共、棗が好き過ぎて闇堕ちしちゃった僕には到底敵わないけどね!」
「いや、そこを競うな」と、棗はすかさずメランの肩を叩いた。
「んにしても、そこまで知ってたんなら最初から全部教えてくれていても良かったのに」
そしたら家出もせずに済んだだろうし、義兄達や森元先生などに心配をかけたり、自分と同じ髪色の人が増えるという変な流行が生まれたりもせずに済んだのにと棗は思った。
「んー。伝える手段があの時の僕には無かったっていうのが一番の理由ではあるけれど、『君はちゃんと義兄達に愛されているよ』って言葉で言われても信じてはもらえなかったと思うんだよね。それが『事実』とはいえ、ちゃんと自分の目で見て、聞いて、感じないと腑には落ちないでしょ?それに、僕のお嫁さんになってもらう為にも、棗には冒険者になってもらいたかったしね!」
(途中までは、良い話だっだのになぁ……)
と、遠い目をしながら棗は思った。
「まぁ……おかげで義兄達への誤解も解消して、冒険者仲間も出来たし、友達の存在にも気が付けたし、ボクの場合も祖父母と同じで『結果良ければ』ですね」
「あれ?僕は?僕との出逢いは嬉しくなかったの⁉︎」
半泣きになりながらメランが棗に抱きつく。ただでさえ体格差があるというのに、八翼もの翼を全て出して包み隠そうとまでしだした。
「う、嬉しいに……決まってるじゃないですか」と返して棗が頬を染める。耳まで赤くなっていて、その様子を見たメランが満足そうに口角を上げた。
「あぁぁぁぁ可愛い、可愛い可愛い可愛いっ。今すぐ此処で喰べちゃいたいっ」
棗の着ている服の中に手を入れて、メランが胸の辺りを触ろうとする。呼吸はもうすでに雑になっているし、瞳孔もハートマークと化していて暴走寸前といった様子だ。
「ステイッ!んな場所で盛るなっ!」
「あは♡本気だと敬語消えるとか、ホント可愛い♡ん、良いよ。でも帰ったらちゃんといっぱいいっぱいいっぱいいっぱーい、穴埋めしてね♡まぁ埋めるのは僕だけど」
「メランさんって、たまにマジでオヤジくさいですよね……」
「え、嫌?嫌い?」と焦るメランに、「……嫌いじゃ、ないですよ」と小声で棗が返す。
「……じゃぁ、好き?」
「——っ」
気恥ずかしさが勝って棗はなかなか言葉を返せない。
「僕は好きだよ、大好き、愛してる♡。この翼をもいで寄越せとか、力の全てを差し出せって言われたって一寸の躊躇もなく差し出せるくらいにね。あ、寿命の差とかも気にしないで良いからね。いずれ棗が死んでも、僕は絶対に君を離さないから」
見開いた目を向けながら言われたというのに、棗の体が歓喜で震えた。ここまで愛されているのかという喜びの方が恐怖よりも勝ってしまう。
「……ボクも、す、好き……ですよ。その、子供の件も、嬉しいなぁと思えるくらいに」
ボソボソとした声ではあったが、どうにか本心を伝える事が出来た。だがメランからの反応がない。声が小さ過ぎたか?と思いながら視線をやると、メランは輝かんばかりの笑顔を浮かべていた。
「嬉しい!好き!好き好きーっ!あぁもう、やっぱもう此処でこのまま——」
興奮気味にメランが棗の肩を掴む。
「が、我慢出来たら何でも好きな事してあげますんで、今日は耐えて!」と言い、棗がぐぐっとメランの胸を両手で押した。
「……何でも?」
「……は、はい」と答えはしたが、ちょっとだけ棗は後悔した。フェラの要求なんかされたらどうしようと冷や汗が背中を伝う。
「じゃあ、今夜は添い寝して欲しいな」
ちょっと拍子抜けしながら「……いつも一緒に寝てますよね?」と棗が訊く。
「まぁそうなんだけど、『あのベッドで』ってのが、僕的には特別なんだ」と言い、メランが下を指差した。
——早速場所を変え、寝衣を着た二人がベッドに寝転ぶ。シングルサイズのベッドに大人二人はかなり狭く、メランが横向きになって棗をその胸に抱いているような状態だ。
「……此処でまだ暮らしていた間中ずっとね、僕は毎晩こうやって眠っていたんだ。でも棗には僕が見えないし、触れないし……。それが当たり前だったからあの時はそれでも充分幸せだったんだけど、今はこうして触れられて……感慨深いなぁ。あの頃の僕に自慢してやりたくなってくるよ」
小声で、しんみりとした声でそう語るメランの服を棗がきゅっと掴む。そして、「ん?」と言いながら下を向いたメランの唇に、棗が自らの唇を押し当てた。
「……こ、これで、多少は昔の寂しさが消えたりはしましたか?」
顔を真っ赤にしながら棗が言う。そんな彼をぎゅっとメランが腕に抱き、「……うん」と言ってそっと瞼を閉じた。
「僕は世界一幸せな堕天使だね」
「……堕ちた責任は、ちゃんと取りますから、今日はもう寝ちゃいましょ!んで……明日は、早く、帰りましょうね」
「うん!そうだね、そうだね!」と言い、メランが更に強く棗を胸に抱いた。
(あぁ……やっと僕らは、本物の夫夫に慣れた気がする)
そう思いながら、メランは眠らぬ身でありながらそっと瞼を閉じ、幸せな未来に想いを馳せた。
【完結】
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