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【幕間の物語・③】
深みに嵌る(弓ノ持棗)
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メランの様子がまたおかしい。ボクらが“肌を重ねた日”以降、ずっとだ。残念ながら今回は『まともなせいで、逆におかしい』ではなく、本当に『おかしい』方である。
『ねぇねぇ、今日はお休みして洋館で休まない?』
『休みません。ほら、行きますよ』
『イク方が楽しいのに……』と肩を落とす様子が見えたが、あの時のボクはそれを無視した。
また別の日。
『ねぇねぇ、もうこれでいいんじゃないかなぁ。もう切り上げてさ、昨晩の続きをしようよ!』と、ダンジョンに潜って一時間もしないうちにそうごねられた。
『何言ってんですか、ほら次行きますよ!』なんてやり取りがもう毎日の様に続いている。
…… 例に漏れず、今日もだ。
「——ねぇ、“クー”ぅぅ。ちょっと休憩にしない?何度か戦闘したから汗かいたよね?お風呂でも、どうかなぁ」
「……そんなにボクの汗の臭いが気になるって言うんだったら、勝手に魔法的なもので綺麗にしたらいいじゃないですか」
此処三階層目は水場が多いせいか湿度が高めではあるが、そもそもそんな汗をかくような行動はしていないんだから体は臭くはないと思う。……自分じゃわからないが、そうであって欲しい。
「“クー”は全然臭くないよ!むしろずっと芳しい香りがしているから、常にムラムラしちゃって困っているくらいだし!まぁ例え三日三晩ダンジョンに篭って全然風呂にも入れなくて汗臭くなっていても“クー”の匂いである時点で僕にとっては香水と同義だからずっと嗅いでいられるけども」
出逢い始めの頃に戻ったみたいにメランの発言が変態的だ。『もう前みたいに、記憶には浸ってくれないのか』と思うと少し残念になってしまうくらいに。
「ほら、行きますよ」
「いいや。今日こそは、昼間からもイイコトしたい!」
随分長い事彼の要求を流してきたからか、もうメランは我慢がきかないみたいだ。そのせいかまだダンジョンの中だっていうのにぎゅっと抱きついてきた。ボクの頭に頬を擦り寄せたりもしてくる。全て自動で録画されているからこの程度で済めばいいが。
「いやいやいや。……昨晩だって、十分しましたよね?」と録音されない様に小声で言う。昨晩だってかなり遅い時間まで散々ヤッた。なのにまだ足りないとでも言うのか。
(…… あ、言ってんだな、コイツは)
「発情期じゃあるまいし、何でそんなにお盛んなんですか、アンタは」
呆れながらそう言うとメランがちょっと拗ねるみたいに口を尖らせた。そんな表情が、目元に仮面をしていようが可愛いと思えてしまう。
「十年以上も我慢してきたに等しいんだから、このくらいは許して欲しいなぁ」
「……ちょ、それって、ボクが八歳の頃にはもう、そういう目で見ていたって事ですか⁉︎」
「まぁ……そうであると、言えなくもない。けどそういう欲を本気で抱き始めたのは流石に“クー”が精通した瞬間だけどね」と言い、ボクの頬にキスしやがった。そういう話は彼に好意を抱いていようが、それでもドン引き案件だからマジでやめて欲しい。
「……“クー”だって、好きでしょう?」
(ボクの場合はそういった行為が『好き』なんじゃなく、メランが『好き』だからしているだけ、なんだけどなぁ)
そうは思うも、残念ながら『それだけが理由である』とは断言出来ないのが悔しい。
「ねぇねぇ、ちょっとだけ。休憩程度の時間だけでもいいから、ね?」
余程我慢出来ないのか、今度は譲歩してきた。コレはもう夜まで我慢は無理そうだ。せめて午後までは待って欲しい所なんだが、それさえも無理であると彼の下半身が如実に語り始めた。
「んな!何勃たせているんですか!」と小声で指摘する。
「……だって、“クー”にずっと触っているから」
「——っ」
んなモンを外で勃たせてんのに、頬を染めて申し訳なさそうにしている姿まで可愛いとか狡い。下半身のアレはデカ過ぎてちっとも可愛くないけれども。
「わ、わかりましたから!ささっと移動しましょう!」
同意した途端、 メランは満面の笑みを浮かべて転移石を砕くフリをした。その途端、いつもの様にダンジョンの最下層に転移する。もちろんすぐに勤しむ為になのか今回もベッドの上だった。ダンジョンの土や泥で汚れている長靴は消え、着ている服も小綺麗になっている。
「時間も無いし、服は着たままでいいよね?その方が興奮もするし!」
上着と、その中に着ているワイシャツの裾のボタンを外されていく。自分の白くて薄っぺらい腹が見えて恥ずかしい。穿いているズボンの前側を開けられ、ボクサーパンツをずらして、既に緩く立ち始めてきた陰部を引っ張り出された事で一層羞恥心が強くなっていく。そのせいで頬が熱くなりボロボロと涙が出始めた。蝋燭の灯りしかないおかげで薄暗い部屋の中だとはいえ、そんな箇所を メランに見られているのだと思うと、不覚にも先走りが滲み出てくる。
顔を両手で覆い、見ないで欲しいと心底思っているはずなのに、その羞恥を糧にしてぐぐっと己の陰部が完全に勃起していく。その様子をじっと観察でもするみたいな目で見ているメランの姿が指の隙間からちらりと確認出来た。
「あぁぁぁぁ可愛い♡可愛い可愛い可愛いぃぃ!」
歓喜を少しも隠さずメランが指先でボクの亀頭を撫でる。綺麗なラインの唇を大きく開け、そのままの勢いで口に含みやがった。
「んあぁぁ!」
洗っていないんだから絶対に汚い!そう言おうと思っても、舌が持つ熱が裏筋を這った瞬間腰が跳ねてどうでもよくなっていく。もっともっとと快楽を求めて脳内がバカになっていく感覚すら心地いい。
じゅぽじゅぽと水音を立てながらメランがフェラを楽しんでいる。高揚した瞳には『美味しい』とでも思っていそうな色を浮かべ、相変わらずボクの反応を舐るみたいに観察していた。
「や、ぬい、もっ——んっ!」
ガクガクと体が震える。情けない事にもう今にもイキそうだ。人生初のフェラチオが想像以上に刺激的過ぎて全然持ちそうにない。
「で、出る、出るか、ら、もう口、はなっ!」
必死に訴え、メランの頭をぐっと押す。なのに彼は喉の方にまで届きそうなくらい根本までボクのモノを咥えて離してくれない。そのせいでイラマチオでもさせているみたいな状態になった。口淫の刺激ですらもボクには過剰だったというのに、それ以上をいきなり与えられた途端に快楽が彼の口内で弾け飛んだ。そして白濁とした液体をこれでもかってくらいにメランの細い喉にぶちまけてしまった。
小刻みに体が震え、中に残っている分まで容赦なく吸われていく。きゅぽんと音を立てながらメランが口を離してくれた時には、彼の口内にボクの吐精した液体は残っていそうにはなかった。
「な、え、まさか……飲んだんですか?」
「当然じゃないか、お嫁さんがくれるモノは何だって捨てたくはないからね」
肩で息をし、自らの濡れる唇をメランが舐める。極上の甘味でも食べた後みたいにうっとりとした瞳をされ、ボクは顔を真っ赤にしながら口元を震わせて視線を逸らした。彼の姿があまりにも色っぽ過ぎてとてもじゃないが見てなんかいられない。
前側を緩めてメランが己の怒張する熱塊をボクの前に晒す。痛そうなくらいに勃起しているソレは相変わらず腹につきそうなくらいにそそり立っていて、容赦なくボクの心音を早めていく。『もうボクはイッたからこれでおしまいだ』とか、そんなお断りを入れる隙もなくソレをボクの孔に当てがうと、魔素のせいで既にもうドロドロのトロトロになっているナカへ何の躊躇もなく押し入って来た。
「んあぁぁぁぁ!」
腰が跳ね、全身が歓喜に震えた。もうここからは記憶なんか完全にぶっ飛んで何もかんもが快楽に塗りつぶされていってしまう。何度吐精しても止めてなんかくれず、人をオナホ扱いでもしているみたいな動きで抽挿を繰り返し——
でも、当初の約束通り『休憩』と断言出来る程度の時間が経過すると急に全てを止めるもんだから、ボクの体は疼いたままだ。
「……め、めやん?」
参った。名前を呼んだはずなのに呂律までめちゃくちゃだ。
「んー?どうしたの?……あぁ、そっか。棗はまだもっとシたそうだねぇ。でもさ、もう冒険の続きに戻らないとだよね」
孔からドロリとメランの吐き出した精液が流れ出て、ベッドに水溜りを作る。なのに彼はボクの上半身を起こし、中途半端に着たままになっていた服をきちんと整え、優しい手付きでボタンをとめていく。だけどキュキュンッと腹の奥が疼くせいで体が全然まともに動いてくれない。『その通りだ』とは思いつつも気持ちを切り替えられず、ボクサーパンツを強制的に穿かされても尚、ボクの陰部は硬さを持ったままだ。
不意にベッドサイドテーブルに置かれているマッサージオイルの瓶と市販されている温湿布の箱が目に入った。メランの配下達の気遣いに感謝しつつも『此処で何をしているのかを彼らにまで知られているのか』という羞恥に襲われはしたが、それでも快楽の続きを欲する気持ちに蓋をする程のものではなかった。
そんなボクの両肩に手を置き、「続きは、また今夜にね」と言いながらメランが頬に優しいキスを贈ってくれ、ボクは「う、うん……」とぼんやりとした声で返答した。そんなボクの背後で、ニタリと口元に弧を描くような笑みをメランが浮かべているとも知らずに。
……その後。どうにかこうにか冒険の続きに戻りはしたものの、焦らされ放置プレイでもされているみたいな気分が抜けず、いつもよりも相当早い時間に今日は切り上げてしまった。そして気絶するまで性交にのめり込み、自分から進んで彼の勃起した凶器に舌を這わせて陶然とした気持ちになったのは、流石にこの日が初めてだったと思う。
『ねぇねぇ、今日はお休みして洋館で休まない?』
『休みません。ほら、行きますよ』
『イク方が楽しいのに……』と肩を落とす様子が見えたが、あの時のボクはそれを無視した。
また別の日。
『ねぇねぇ、もうこれでいいんじゃないかなぁ。もう切り上げてさ、昨晩の続きをしようよ!』と、ダンジョンに潜って一時間もしないうちにそうごねられた。
『何言ってんですか、ほら次行きますよ!』なんてやり取りがもう毎日の様に続いている。
…… 例に漏れず、今日もだ。
「——ねぇ、“クー”ぅぅ。ちょっと休憩にしない?何度か戦闘したから汗かいたよね?お風呂でも、どうかなぁ」
「……そんなにボクの汗の臭いが気になるって言うんだったら、勝手に魔法的なもので綺麗にしたらいいじゃないですか」
此処三階層目は水場が多いせいか湿度が高めではあるが、そもそもそんな汗をかくような行動はしていないんだから体は臭くはないと思う。……自分じゃわからないが、そうであって欲しい。
「“クー”は全然臭くないよ!むしろずっと芳しい香りがしているから、常にムラムラしちゃって困っているくらいだし!まぁ例え三日三晩ダンジョンに篭って全然風呂にも入れなくて汗臭くなっていても“クー”の匂いである時点で僕にとっては香水と同義だからずっと嗅いでいられるけども」
出逢い始めの頃に戻ったみたいにメランの発言が変態的だ。『もう前みたいに、記憶には浸ってくれないのか』と思うと少し残念になってしまうくらいに。
「ほら、行きますよ」
「いいや。今日こそは、昼間からもイイコトしたい!」
随分長い事彼の要求を流してきたからか、もうメランは我慢がきかないみたいだ。そのせいかまだダンジョンの中だっていうのにぎゅっと抱きついてきた。ボクの頭に頬を擦り寄せたりもしてくる。全て自動で録画されているからこの程度で済めばいいが。
「いやいやいや。……昨晩だって、十分しましたよね?」と録音されない様に小声で言う。昨晩だってかなり遅い時間まで散々ヤッた。なのにまだ足りないとでも言うのか。
(…… あ、言ってんだな、コイツは)
「発情期じゃあるまいし、何でそんなにお盛んなんですか、アンタは」
呆れながらそう言うとメランがちょっと拗ねるみたいに口を尖らせた。そんな表情が、目元に仮面をしていようが可愛いと思えてしまう。
「十年以上も我慢してきたに等しいんだから、このくらいは許して欲しいなぁ」
「……ちょ、それって、ボクが八歳の頃にはもう、そういう目で見ていたって事ですか⁉︎」
「まぁ……そうであると、言えなくもない。けどそういう欲を本気で抱き始めたのは流石に“クー”が精通した瞬間だけどね」と言い、ボクの頬にキスしやがった。そういう話は彼に好意を抱いていようが、それでもドン引き案件だからマジでやめて欲しい。
「……“クー”だって、好きでしょう?」
(ボクの場合はそういった行為が『好き』なんじゃなく、メランが『好き』だからしているだけ、なんだけどなぁ)
そうは思うも、残念ながら『それだけが理由である』とは断言出来ないのが悔しい。
「ねぇねぇ、ちょっとだけ。休憩程度の時間だけでもいいから、ね?」
余程我慢出来ないのか、今度は譲歩してきた。コレはもう夜まで我慢は無理そうだ。せめて午後までは待って欲しい所なんだが、それさえも無理であると彼の下半身が如実に語り始めた。
「んな!何勃たせているんですか!」と小声で指摘する。
「……だって、“クー”にずっと触っているから」
「——っ」
んなモンを外で勃たせてんのに、頬を染めて申し訳なさそうにしている姿まで可愛いとか狡い。下半身のアレはデカ過ぎてちっとも可愛くないけれども。
「わ、わかりましたから!ささっと移動しましょう!」
同意した途端、 メランは満面の笑みを浮かべて転移石を砕くフリをした。その途端、いつもの様にダンジョンの最下層に転移する。もちろんすぐに勤しむ為になのか今回もベッドの上だった。ダンジョンの土や泥で汚れている長靴は消え、着ている服も小綺麗になっている。
「時間も無いし、服は着たままでいいよね?その方が興奮もするし!」
上着と、その中に着ているワイシャツの裾のボタンを外されていく。自分の白くて薄っぺらい腹が見えて恥ずかしい。穿いているズボンの前側を開けられ、ボクサーパンツをずらして、既に緩く立ち始めてきた陰部を引っ張り出された事で一層羞恥心が強くなっていく。そのせいで頬が熱くなりボロボロと涙が出始めた。蝋燭の灯りしかないおかげで薄暗い部屋の中だとはいえ、そんな箇所を メランに見られているのだと思うと、不覚にも先走りが滲み出てくる。
顔を両手で覆い、見ないで欲しいと心底思っているはずなのに、その羞恥を糧にしてぐぐっと己の陰部が完全に勃起していく。その様子をじっと観察でもするみたいな目で見ているメランの姿が指の隙間からちらりと確認出来た。
「あぁぁぁぁ可愛い♡可愛い可愛い可愛いぃぃ!」
歓喜を少しも隠さずメランが指先でボクの亀頭を撫でる。綺麗なラインの唇を大きく開け、そのままの勢いで口に含みやがった。
「んあぁぁ!」
洗っていないんだから絶対に汚い!そう言おうと思っても、舌が持つ熱が裏筋を這った瞬間腰が跳ねてどうでもよくなっていく。もっともっとと快楽を求めて脳内がバカになっていく感覚すら心地いい。
じゅぽじゅぽと水音を立てながらメランがフェラを楽しんでいる。高揚した瞳には『美味しい』とでも思っていそうな色を浮かべ、相変わらずボクの反応を舐るみたいに観察していた。
「や、ぬい、もっ——んっ!」
ガクガクと体が震える。情けない事にもう今にもイキそうだ。人生初のフェラチオが想像以上に刺激的過ぎて全然持ちそうにない。
「で、出る、出るか、ら、もう口、はなっ!」
必死に訴え、メランの頭をぐっと押す。なのに彼は喉の方にまで届きそうなくらい根本までボクのモノを咥えて離してくれない。そのせいでイラマチオでもさせているみたいな状態になった。口淫の刺激ですらもボクには過剰だったというのに、それ以上をいきなり与えられた途端に快楽が彼の口内で弾け飛んだ。そして白濁とした液体をこれでもかってくらいにメランの細い喉にぶちまけてしまった。
小刻みに体が震え、中に残っている分まで容赦なく吸われていく。きゅぽんと音を立てながらメランが口を離してくれた時には、彼の口内にボクの吐精した液体は残っていそうにはなかった。
「な、え、まさか……飲んだんですか?」
「当然じゃないか、お嫁さんがくれるモノは何だって捨てたくはないからね」
肩で息をし、自らの濡れる唇をメランが舐める。極上の甘味でも食べた後みたいにうっとりとした瞳をされ、ボクは顔を真っ赤にしながら口元を震わせて視線を逸らした。彼の姿があまりにも色っぽ過ぎてとてもじゃないが見てなんかいられない。
前側を緩めてメランが己の怒張する熱塊をボクの前に晒す。痛そうなくらいに勃起しているソレは相変わらず腹につきそうなくらいにそそり立っていて、容赦なくボクの心音を早めていく。『もうボクはイッたからこれでおしまいだ』とか、そんなお断りを入れる隙もなくソレをボクの孔に当てがうと、魔素のせいで既にもうドロドロのトロトロになっているナカへ何の躊躇もなく押し入って来た。
「んあぁぁぁぁ!」
腰が跳ね、全身が歓喜に震えた。もうここからは記憶なんか完全にぶっ飛んで何もかんもが快楽に塗りつぶされていってしまう。何度吐精しても止めてなんかくれず、人をオナホ扱いでもしているみたいな動きで抽挿を繰り返し——
でも、当初の約束通り『休憩』と断言出来る程度の時間が経過すると急に全てを止めるもんだから、ボクの体は疼いたままだ。
「……め、めやん?」
参った。名前を呼んだはずなのに呂律までめちゃくちゃだ。
「んー?どうしたの?……あぁ、そっか。棗はまだもっとシたそうだねぇ。でもさ、もう冒険の続きに戻らないとだよね」
孔からドロリとメランの吐き出した精液が流れ出て、ベッドに水溜りを作る。なのに彼はボクの上半身を起こし、中途半端に着たままになっていた服をきちんと整え、優しい手付きでボタンをとめていく。だけどキュキュンッと腹の奥が疼くせいで体が全然まともに動いてくれない。『その通りだ』とは思いつつも気持ちを切り替えられず、ボクサーパンツを強制的に穿かされても尚、ボクの陰部は硬さを持ったままだ。
不意にベッドサイドテーブルに置かれているマッサージオイルの瓶と市販されている温湿布の箱が目に入った。メランの配下達の気遣いに感謝しつつも『此処で何をしているのかを彼らにまで知られているのか』という羞恥に襲われはしたが、それでも快楽の続きを欲する気持ちに蓋をする程のものではなかった。
そんなボクの両肩に手を置き、「続きは、また今夜にね」と言いながらメランが頬に優しいキスを贈ってくれ、ボクは「う、うん……」とぼんやりとした声で返答した。そんなボクの背後で、ニタリと口元に弧を描くような笑みをメランが浮かべているとも知らずに。
……その後。どうにかこうにか冒険の続きに戻りはしたものの、焦らされ放置プレイでもされているみたいな気分が抜けず、いつもよりも相当早い時間に今日は切り上げてしまった。そして気絶するまで性交にのめり込み、自分から進んで彼の勃起した凶器に舌を這わせて陶然とした気持ちになったのは、流石にこの日が初めてだったと思う。
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