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【第三章】
【第2話】猫屋敷さんのお仕事(賀村巴)
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「女子会ウェーイッ!」
猫屋敷さんが両腕を振り上げて高らかに叫ぶ。性格の問題で流石に同じノリを私が返すことは出来なかったが、一応腕だけは一緒にあげてみた。
今日はアパートの大家である服部さんを召喚はしていないみたいだ。気が付いていないだけで、部屋の何処かに実は居ましたとかは流石に無いと思う。だけど念の為周囲を確認し、いらっしゃらないと確信してから用意してくれていた座布団に腰掛けた。
既に何度かお茶をしてはいるが、お互いに出会ってまだ日も浅い。最初はいつも通りに当たり障りのない話から始まり、「お菓子出しまショウか!」の一言から、今回は猫屋敷さんの仕事についての話に行き着いた。
「お仕事先でいっぱいもらったデース。でもワタシこんなに食べられマセンから、好きなだけ食べていいデスよ」
大きなお皿をどんと置き、猫屋敷さんが紙袋を斜めにして中身をザッと出すと次々に個別包装されている色々な種類の小さなお菓子が沢山積まさっていった。
「差し入れで沢山集まるデス。でも、体型気にしてるヒトが沢山デス。美味しいお店のモノばかり、なのに正直誰も食べマセン」
「お仕事かぁ。猫屋敷さんは何のお仕事をしているんですか?」
「ワタシ、専属のバックダンサーしてます。“Snow Rain”というグループデス!」
「え、す、スゴイですね。でもめちゃくちゃ『っぽい』です!」
“Snow Rain”なら私でも知っているアイドルグループだ。まぁ、流石に同じ名前というだけで違うグループだろうけど、ちょっと懐かしさを感じた。
「懐かしいなぁ。私が生まれた時代にも同じ名前のアイドルが居たんですよ」
猫屋敷さんは既にもう、私が神隠しの被害者である事を知っている。その間に流れ去った三百年分の歴史はざっくりとした『知識』としてしか持っていない事も。なので気兼ねなく話せるのがありがたい。
「ソレ、同じグループだと思うデスよ」
「…… え?」
「ちょっと待って下さいネ」と言い、猫屋敷さんが押し入れの中から写真の束や雑誌を何冊も引っ張り出してきた。
「ワタシの知る限り、この国のアイドルで“Snow Rain”は後にも先にも、彼らだけデース」
出してきた雑誌類をドサッと床に置き、古そうな物から新しい物まで山積みになっていく。軽く震えながら古そうな雑誌を手に取って見ると、私が知る面々の写真が多数掲載されていた。由利翔、奈良泰二、朱古力の他には、職場で一番仲の良かった池沼先輩の最推しであった萌沼舞兎の姿も。合計九名がずらりと並ぶ写真の中には、池沼先輩経由で見た事があるものが何枚もあった。
「そちらは初期の頃のモノデスね」と言いつつ、「今はこの姿で、カツドウしてマース」と最近の写真も何枚も見せてくれた。
「…… え?」
顔や体格は知っている姿のままなのだが、全般的には記憶と一致しないその容姿を見て体が固まった。
「彼らは、こっちの姿が本来の姿なのデスヨ」
コンサートの様子を撮影したと思われる大きめな写真を手に持ち、猫屋敷さんがそう言った。
何でもこの“Snow Rain”というアイドルは、『人間のアイドル達の活動に感銘を受けた妖狐達が、デビューを果たしたグループ』なのだそうな。当時はその正体をひた隠し活動していたのだが、例の実験の失敗のせいで運悪く公演中に正体が暴露され、開き直った後は堂々と妖狐のアイドルグループとして活動しているらしい。
(…… まさか、先輩の推し達が妖狐だったなんて。池沼先輩も当時はさぞかし動揺したんだろうなぁ)
人間として活動していた時期しか知らない身としては、しばらくかなり狼狽してしまったが、パフォーマンスの凄さを鑑みると納得も出来た。
「その写真、綺麗ですね」
「コレは去年のお盆のコンサートの写真デスね。皆さんとってもキラキラしていて、毎年イイ感じデース!」
同じコンサートの写真を他にも何枚も見せてくれる。どれも“Snow Rain”の面々が楽しそうに写っていて、先輩にも見せてあげたいなぁと思った。
「…… あれ?この写真って、観客席に誰も、居ない、様な…… 」
観客席側はどこもキラキラとした光が星の数程大量に写っている。見た当初は、当然の様に全て観客達が持っているペンライトだと思い込んでいたのだが、よくよく写真を見ると、何故か観客席には誰も居ない。手前だけじゃない、何処まで行っても全ての席が空席だった。
「あぁ。だってコレ、全部古参ファン達の“人魂”デスからネ」
「…… (ひ、人魂)」
目の前がクラッと揺れた気がした。何でも、彼らはもう他界したファン達の為に、お盆には古参達のみを集めたコンサートを毎年開催しているそうだ。
(ファンサが過ぎる!)
過去には、彼等のコンサートのチケットがあまりにも取れず、このお盆コンサートならば誰でも行けるからと自殺未遂をしたファンまでいたらしい。それを知ったメンバーらは、そういった理由で亡くなったファンの魂は出禁にすると宣言した事により、問題は収束を迎えたという事件まであったそうだ。
(ファンの熱量がエグイ!)
他ではなかなかなさそうな話を聞き、ただただ驚くばかりだ。
眩しく輝くこれらの光の一つ一つが人魂なのかと思うと、不思議な気持ちになってきた。この輝きはきっと、『推し』を『好き』な気持ちが溢れているから発せられているものなのだろう。そしてきっと——
(この中の何処かに、池沼先輩も居るんだろうなぁ…… )
そう思った瞬間、目の奥がじわりと熱くなる。口元が少し震え、気が付いた時には涙がポロリとこぼれ落ちていた。
「…… 先輩っ」と小さく呟き、写真を一枚手に取る。観客席側を主軸として撮影された写真だ。
入社当時には教育担当にもついてくれて、一番苦しかった時も遅くまで愚痴に付き合ってくれた池沼先輩を必死に探す。そんな事したって私では差なんかわからない。皆とっても綺麗で、輝いていて、楽しそうで。今尚心から彼らを愛しているのだと伝わってはくるが、個々の区別なんかやっぱり無理だった。
(私の事、きっと沢山、探してくれたんだろうなぁ…… )
私が“神隠し”に遭った当時の背景などを調べずとも、そう確信出来るくらい池沼先輩はいつも親身で優しい人だったから、きっとすごく心配を掛けちゃったんだろうなぁと思うと、涙が止まらなくなった。
写真を片手に突如泣き出した私を、猫屋敷さんは笑顔で受け止めてくれた。
「…… す、すみません、急に泣いて」
「泣きたい時は、タクサン泣くべきデース!…… ちょっとは、スッキリしましたカ?」と慈しみに溢れた笑顔と共に頭を撫でてくれる。私よりもずっと年下のはずだが、何だか“お姉さん”みたいにとても優しい。
「はい。おかげさまで」
まだまだ空元気状態だし、作り笑いしか返せないが、確かに気持ちはスッキリした気がする。現世に戻ってからこんなに泣いたのは初めてだったが、無自覚なまま、色々溜め込んでいた気持ちが一気に爆発してしまったのだろうな。
「次年度の公演でも良ければ、池沼先輩に伝言くらいは出来ますヨ」
「…… え。で、出来るんですか?個々の識別が」
「余裕デス!」と言って、ぐっと猫屋敷さんが親指を立てている。流石は猫又だ、この人魂群が、私とは違った様子で見えているのかもしれない。
「じゃ、じゃあ…… 」とまで言って言葉が途切れた。会えるのなら、話したい事は山程ある。自分から消えた訳ではないが、心配を掛けた事を謝ったり、今の自分の状況を伝えて安心もしてもらいたい。だけど…… 『伝言』となると、どうしたって短くまとめねばならないから、なかなか言葉を選べない。
「じゃぁ、『ただいま』って、お伝え下さい」
いつか絶対先輩のお墓参りに行こう。そこで沢山、今までありがとうございましたって自分の口で伝えるんだ。
猫屋敷さんが両腕を振り上げて高らかに叫ぶ。性格の問題で流石に同じノリを私が返すことは出来なかったが、一応腕だけは一緒にあげてみた。
今日はアパートの大家である服部さんを召喚はしていないみたいだ。気が付いていないだけで、部屋の何処かに実は居ましたとかは流石に無いと思う。だけど念の為周囲を確認し、いらっしゃらないと確信してから用意してくれていた座布団に腰掛けた。
既に何度かお茶をしてはいるが、お互いに出会ってまだ日も浅い。最初はいつも通りに当たり障りのない話から始まり、「お菓子出しまショウか!」の一言から、今回は猫屋敷さんの仕事についての話に行き着いた。
「お仕事先でいっぱいもらったデース。でもワタシこんなに食べられマセンから、好きなだけ食べていいデスよ」
大きなお皿をどんと置き、猫屋敷さんが紙袋を斜めにして中身をザッと出すと次々に個別包装されている色々な種類の小さなお菓子が沢山積まさっていった。
「差し入れで沢山集まるデス。でも、体型気にしてるヒトが沢山デス。美味しいお店のモノばかり、なのに正直誰も食べマセン」
「お仕事かぁ。猫屋敷さんは何のお仕事をしているんですか?」
「ワタシ、専属のバックダンサーしてます。“Snow Rain”というグループデス!」
「え、す、スゴイですね。でもめちゃくちゃ『っぽい』です!」
“Snow Rain”なら私でも知っているアイドルグループだ。まぁ、流石に同じ名前というだけで違うグループだろうけど、ちょっと懐かしさを感じた。
「懐かしいなぁ。私が生まれた時代にも同じ名前のアイドルが居たんですよ」
猫屋敷さんは既にもう、私が神隠しの被害者である事を知っている。その間に流れ去った三百年分の歴史はざっくりとした『知識』としてしか持っていない事も。なので気兼ねなく話せるのがありがたい。
「ソレ、同じグループだと思うデスよ」
「…… え?」
「ちょっと待って下さいネ」と言い、猫屋敷さんが押し入れの中から写真の束や雑誌を何冊も引っ張り出してきた。
「ワタシの知る限り、この国のアイドルで“Snow Rain”は後にも先にも、彼らだけデース」
出してきた雑誌類をドサッと床に置き、古そうな物から新しい物まで山積みになっていく。軽く震えながら古そうな雑誌を手に取って見ると、私が知る面々の写真が多数掲載されていた。由利翔、奈良泰二、朱古力の他には、職場で一番仲の良かった池沼先輩の最推しであった萌沼舞兎の姿も。合計九名がずらりと並ぶ写真の中には、池沼先輩経由で見た事があるものが何枚もあった。
「そちらは初期の頃のモノデスね」と言いつつ、「今はこの姿で、カツドウしてマース」と最近の写真も何枚も見せてくれた。
「…… え?」
顔や体格は知っている姿のままなのだが、全般的には記憶と一致しないその容姿を見て体が固まった。
「彼らは、こっちの姿が本来の姿なのデスヨ」
コンサートの様子を撮影したと思われる大きめな写真を手に持ち、猫屋敷さんがそう言った。
何でもこの“Snow Rain”というアイドルは、『人間のアイドル達の活動に感銘を受けた妖狐達が、デビューを果たしたグループ』なのだそうな。当時はその正体をひた隠し活動していたのだが、例の実験の失敗のせいで運悪く公演中に正体が暴露され、開き直った後は堂々と妖狐のアイドルグループとして活動しているらしい。
(…… まさか、先輩の推し達が妖狐だったなんて。池沼先輩も当時はさぞかし動揺したんだろうなぁ)
人間として活動していた時期しか知らない身としては、しばらくかなり狼狽してしまったが、パフォーマンスの凄さを鑑みると納得も出来た。
「その写真、綺麗ですね」
「コレは去年のお盆のコンサートの写真デスね。皆さんとってもキラキラしていて、毎年イイ感じデース!」
同じコンサートの写真を他にも何枚も見せてくれる。どれも“Snow Rain”の面々が楽しそうに写っていて、先輩にも見せてあげたいなぁと思った。
「…… あれ?この写真って、観客席に誰も、居ない、様な…… 」
観客席側はどこもキラキラとした光が星の数程大量に写っている。見た当初は、当然の様に全て観客達が持っているペンライトだと思い込んでいたのだが、よくよく写真を見ると、何故か観客席には誰も居ない。手前だけじゃない、何処まで行っても全ての席が空席だった。
「あぁ。だってコレ、全部古参ファン達の“人魂”デスからネ」
「…… (ひ、人魂)」
目の前がクラッと揺れた気がした。何でも、彼らはもう他界したファン達の為に、お盆には古参達のみを集めたコンサートを毎年開催しているそうだ。
(ファンサが過ぎる!)
過去には、彼等のコンサートのチケットがあまりにも取れず、このお盆コンサートならば誰でも行けるからと自殺未遂をしたファンまでいたらしい。それを知ったメンバーらは、そういった理由で亡くなったファンの魂は出禁にすると宣言した事により、問題は収束を迎えたという事件まであったそうだ。
(ファンの熱量がエグイ!)
他ではなかなかなさそうな話を聞き、ただただ驚くばかりだ。
眩しく輝くこれらの光の一つ一つが人魂なのかと思うと、不思議な気持ちになってきた。この輝きはきっと、『推し』を『好き』な気持ちが溢れているから発せられているものなのだろう。そしてきっと——
(この中の何処かに、池沼先輩も居るんだろうなぁ…… )
そう思った瞬間、目の奥がじわりと熱くなる。口元が少し震え、気が付いた時には涙がポロリとこぼれ落ちていた。
「…… 先輩っ」と小さく呟き、写真を一枚手に取る。観客席側を主軸として撮影された写真だ。
入社当時には教育担当にもついてくれて、一番苦しかった時も遅くまで愚痴に付き合ってくれた池沼先輩を必死に探す。そんな事したって私では差なんかわからない。皆とっても綺麗で、輝いていて、楽しそうで。今尚心から彼らを愛しているのだと伝わってはくるが、個々の区別なんかやっぱり無理だった。
(私の事、きっと沢山、探してくれたんだろうなぁ…… )
私が“神隠し”に遭った当時の背景などを調べずとも、そう確信出来るくらい池沼先輩はいつも親身で優しい人だったから、きっとすごく心配を掛けちゃったんだろうなぁと思うと、涙が止まらなくなった。
写真を片手に突如泣き出した私を、猫屋敷さんは笑顔で受け止めてくれた。
「…… す、すみません、急に泣いて」
「泣きたい時は、タクサン泣くべきデース!…… ちょっとは、スッキリしましたカ?」と慈しみに溢れた笑顔と共に頭を撫でてくれる。私よりもずっと年下のはずだが、何だか“お姉さん”みたいにとても優しい。
「はい。おかげさまで」
まだまだ空元気状態だし、作り笑いしか返せないが、確かに気持ちはスッキリした気がする。現世に戻ってからこんなに泣いたのは初めてだったが、無自覚なまま、色々溜め込んでいた気持ちが一気に爆発してしまったのだろうな。
「次年度の公演でも良ければ、池沼先輩に伝言くらいは出来ますヨ」
「…… え。で、出来るんですか?個々の識別が」
「余裕デス!」と言って、ぐっと猫屋敷さんが親指を立てている。流石は猫又だ、この人魂群が、私とは違った様子で見えているのかもしれない。
「じゃ、じゃあ…… 」とまで言って言葉が途切れた。会えるのなら、話したい事は山程ある。自分から消えた訳ではないが、心配を掛けた事を謝ったり、今の自分の状況を伝えて安心もしてもらいたい。だけど…… 『伝言』となると、どうしたって短くまとめねばならないから、なかなか言葉を選べない。
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