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本編
【第八話】犯されていく心と体⑤(アステリア談)
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最奥に当たるたびに出てしまう、大きな甘い声。彼が動く度に胸の先がベットのシーツで擦れて変な感じがする。ヒョウガの激しさから早く逃げたいという気持ちの表れか、気持ちよさに酔っての事か——私はシーツをギュッと強く掴み、彼の動きに同調するように腰を動かし始めてしまった。
「くっ…… 」
ヒョウガのこぼす吐息に心地よさを感じてしまう。もっと聞きたいなんて、巫山戯た事まで考えてしまった。
もっと甘い声が聞きたい。
その長い指に触れてもらいたい。
汗を流し、乱れた姿で私をもっと支配して——
自然と湧き出てしまうそんな考えが、本心からくるものなのか、快楽に溺れ過ぎて自分じゃわからない。不確かな言葉を口にしてしまわぬ様に、私はシーツを口に含み、思いっきりそれを噛んだ。
「んんっ!!」
シーツを噛む事で喘ぐ声は抑える事が出来ても、ヒョウガが膣壁をいたぶり続ける心地よさから逃げる事なんて到底無理で、段々と何も考える事が出来なくなってきた。
蜜が際限なく陰部から零れ落ち、ヒョウガと私を一つに溶かしていく。
「アステリア…… もっと、私の事だけを考えて。…… 気持ちいいって、沢山欲しいって叫んで」
その言葉に対して首を横に振ろうと思ったが、もうそんな体力なんてどこにもない。そのクセして、獣みたいに突き上げた腰だけはしっかり淫乱に動いてヒョウガを求め続けている。
「んっ、んんんっ!」
「気持ちいいでしょう?ね?」
ヒョウガが肉芽をくいっと指で軽く摘み、耳元で囁く。
熱い胸板が背に当たり、膣を擦る怒張の角度も少し変わってしまって、さっきよりも気持ちがよさが過剰になる。噛み付いていたシーツから口を離し、「だ、駄目!あぁっ」と叫び声をあげた瞬間、私の膣壁が無意識のうちにギュッとキツく彼の怒張を締め上げ、全身がビクッと震えだした。その後も何回も続く、軽い痙攣と、全身を満たす変な幸福感。
何コレ…… 。
こんな感覚、私は知らない——
ベットのシーツに横顔をつけ、肩で呼吸をしていると、ヒョウガが嬉しそうな顔で乱暴に私の頭を撫でてきた。
「初めてなのに、イッちゃいましたね。小細工の無い方が好きでしたか?それとも、いっぱい密着した方が感じます?」
…… この獣は何を言っているんだろう?
声は聞えるが、頭が真っ白だ。
「はしたないな、こんなに蜜を大量に漏らして」
私の内腿をヒョウガがそっと撫で、垂れ落ちる蜜を指ですくうと、それを私の頬へ擦り付けてきた。
「んなっ!」
文句を言おうと頭を軽く持ち上げると、その蜜を塗った頬をペロッとヒョウガが舐め取った。
「美味しい…… 」
ザラッとした舌の感触が頬に残るが、気持ち悪い感じじゃない。
むしろ——
かぁと耳まで赤くなる私に向かいニコッとヒョウガが微笑み、「さて、次は私ですね」と、ちょっと気合を入れた声で言った。
「次…… ?」
何の話?今ので終わったんじゃないの?
あんなにいっぱいアソコが濡れてるんだもの、貴方もだったんじゃないの?
「いいえ?アレは全部アステリアの流した蜜ですよ。私も先走りを少しは零してはいるでしょうけどね」
「——嘘っ!?」
ヒョウガは私の腰をガシッと強く掴み、奥ばかりをガシガシと突き始めた。
「あ!ああっ‼︎」
動く度に互いの肌ぶつかる音が部屋中に響き、混じる水音が蜜の量の多さを嫌でも私に知らしめてくる。『お前は淫乱なんだ』って責めてくるみたいに感じるが、擦れるヒョウガの存在感の大きさの方が凄くって、そんな事はものすごく些細な事に思えてきた。
「熱くて、気持ちいいですね…… アステリアの中は」
時折こぼすヒョウガの言葉が私の背に降るたび、身体がビクッと跳ね、膣壁がぎゅっと打ち震える。
「アステリアのココ、もっともっとって私を中へ招くみたいに動いていますね。わかります?」
そんな事、悔しいけど私が一番わかってるわ!
「…… また腰が動いてる。そんなに私が欲しいですか?」
一々言わないで!
「ふふ、可愛い人だ」
あぁ…… 駄目、もう意識が保てない。
「んああっ、いや!」
「おや、またイキそうなんですか?」
掠れる声で私に向かって訊き、ヒョウガが私の背中をざらつく獣の舌でぺろっと舐める。
「ふあああっ!」
「妻は背中も弱い、っと」
そう呟き、ヒョウガが私の背中を執拗に優しく舐める。右手を胸の方へ回し、膨らみを手で包むと指で先端を弄りながらゆっくり揉みだした。
「あぁっ!やぁ…… 」
「ツタに頼るよりも、あちこちを私に弄られるのが好きなんて、そんなに私の体がお気に召しましたか?」
「そんな訳が!」
「ツタが弄った時なんかの比じゃない程に、ココが固く尖ってますよ?」
「いいから!もうお前も——」
「早く出して欲しいんですか?わぁ、イヤラシイなぁ、そんなに獣の精液が欲しいだなんて」
意地の悪い声元で囁く。
「巫山戯るのも、大概にして!」
涙目で腕を振り上げ、叩くような仕草をしながら後ろへ振り返ると、ヒョウガがすごく辛そうな顔をしていて驚いた。
「え…… 」
どうしたの?
私の中、そんなに気持ちよくない?
「あ、いえ、ずっと我慢してるだけで、本当はもう入れただけでイキそうなくらいなんで心配しないで」
小声でヒョウガが呟く。
ん?待って。
この獣、さっきからなんで考えてる事わかっているの?
今更気が付いた疑問のせいで、頭の芯がすっと冷める。
「アステリアの言葉や気持ちをいっぱい全身に感じちゃって、よ過ぎて…… 、かえってイクのがもったいなくって…… 」
「き、聞えるの?考えが、全部?」
「体に戻っても、まだしっかり聞えちゃっていますね」
「や、やだ…… 嘘っ!」
「私の声が聞きたいって、もっと欲しいって…… 思ってもらえていると考えると、終われない。終わりたくない、このまままでいたい、一生アステリアと一つでいたい」
ギュッと背後から抱き締められ、心の奥がキュンッとときめいた気がするが、絶対に気のせいだ。
「む、無茶を言わないで。無理よそんな」
「わかってますよ、馬鹿じゃないんですから。でも——」
彼が言葉を途中で止め、私の唇にそっと触れる。
「私の事をアステリアが『好き』だって言ってくれたら、一時的には開放してあげる気になるかも」
好き?
私が、ヒョウガに?
今さっき会ったばかりの獣に、この私が?
冗談じゃないわ!!
大事な人の命を奪い、私を強姦してきている男の何処に惚れる要素があるというのよ!
「んあっ」
「考えは全部聞えているって言ってるでしょう?」
唇を撫でていた指が、私の口の中に入ってきた。
彼の細い指が私の涎で濡れ、上顎をそっと撫でる動きに身体がビクッと震える。歯や舌も指で弄られ、まるで口の中を犯されてるみたいだ。
「こんなに体は喜んでいるのに、私の事は好きではないんですか?ここまで許してるくせに、これはやっぱり強姦のまま?」
そ、そうよ!
私は別にお前の事なんて——
「ふむ。でも、強姦で子どもを腹に宿しても、アステリアは平気なのですか」
頭で何かを考えるよりも先に、反射的に首が横に動く。
「じゃあ、『好き』って言って」
ゆっくりとした動きで、私の膣壁を怒張で撫で上げる。口の中から指は抜かれ、ヒョウガが私の膣壁の、先程一番感じた部分を的確に擦り始めた。
「そ、れは、だ、駄目っ!」
「『気持ちいい、もっと』の間違いでしょう?」
腰の動きはとても遅いのに、的確に弱点を弄られ、全身に力が入ってしまう。
「口先だけでもいいじゃないですか。子作り交尾から早々に開放されたいんでしょう?たとえそれが、一時だけでも、ね」
駄目、口に出してしまったら、心の端で感じている気持ちを認める事になってしまうもの。
大事な…… 私の大事な侍女を殺したコイツには、感じちゃいけない気持ちを口にしたら、それこそ私は自分を許せなくなる。
「…… しょうがない人だ」
ぐいっと急に、私の陰部の最奥にヒョウガの怒張が深く刺さる。
「ひゃあ!!」
「今回は、許してあげますよ。そんな事を想っていてくれているだけで、今は満足してあげましょうか」
やだ、彼には全部聞こえてるのに、私——
「あ!アアアアッ!!」
嫌!擦れ…… んあっ。
再び部屋中に激しく響く肌のぶつかる音と、卑猥な水音。ヒョウガが快楽を求め、激しく私の膣壁に怒張を擦りつけてくる。絡まる互いの蜜が快楽を助長し、最奥に彼の滾るモノがぶつかるたび、私は甘い声を我慢できずに何度も叫んだ。
「アステリア、もう…… 」
ぐちゅぐちゅに溶けている陰部の中がヒョウガでいっぱいになっていて、私の思考が完全に停止する。我慢なんて出来ず、理性も完全に消し飛び、快楽を求めて腰が勝手に動くが、自分で制御出来ない。
「快楽を知ってしまうと簡単に理性が飛んじゃうのは、獣もお姫様も、同じですね」
クスクスと笑う声がしゃくに触る。
「さぁ、存分に味わって、アステリア姫」と掠れ声で言ったと同時に、私の中で何かが弾け、ひどく熱いモノが身体の中に入ってくるのを感じた。
「ぁ、あつぃ!」
瞼をぎゅっと閉じ、下腹部の奥に感じる熱いモノの流れ込む感触に必死に耐える。違和感でいっぱいなのに、何故か満足感が全身を駆け抜けた。
温かいモノが流れ込む感触が次第に心地よくなり、私の体がビクッと跳ねたかと思うと、またもや軽く達してしまった。
「はぁはぁはぁ…… 」
後ろに視線をやると、肩で息をするヒョウガが目に入った。獣耳まで真っ赤で、なんだかちょっと照れくさそうにも見える。
ドロッと白濁としたモノが私の陰部の中から流れ落ち、私の内腿を伝い落ちる。
よかった…… これで、やっと休める…… 。
私がベットに顔を預け、そんな事を考えながらほっと息をついた瞬間だ——
「へ?これからが本番でしょう?一回目なんて前座みたいなもんじゃないですか」と、けろっとした顔でヒョウガが言った。
解放してくれるって言ってたのにぃ!
所詮は獣か!
「や!抜いて!ソレもう抜いて!!」
もがき、彼の下から逃げようとした途端、私の背中にヒョウガが抱きつき、私の体をギュッと強く包んで放さない。
「た、体力に自信ないって、自分で言っていたじゃないですかっ」
「無いですよぉ?魔力に特化した生き物ですからね、私達は」
「じゃ、じゃあ——」
私の中でまた存在感を増している“ソレ”は何!?
「狼程じゃないってだけで、さすがに人間程は劣っていませんよ?もういっそ、懐妊するまで一気にアステリアの可愛い子宮をいっぱいにしてあげますね」
声を弾ませ、私の背中に頬ずりし、尻尾がパタパタと振っている音も微かに聞える。
「いやあああああああっ!」
「またまたぁ。気持ちいいくせに、何を言ってるんですか」
「無理です、私は人間ですから、無理!絶対に無理っ」
「私の下でよがっているだけでいいですよ、アステリアは。百十八年…… 溜めに溜めた私の愛情、“ココ”全て受け止めてもらいますよ」
そう言い、私の下腹部をヒョウガが軽く押す。彼はじゃれているつもりでいるのかすごく楽しそうで、でも私は必死に逃げようとしていて——大事な人を失った日だというのに、そんなやり取りがちょっと新鮮で、楽しいと感じてしまう自分がいるのが悔しくてならない。
彼女を私から奪ったのがヒョウガでなければ、私はもっと素直に彼を受け入れる事が出来たろうに。
そんな気持ちが一瞬心に湧いたが、ヒョウガが私の胸先に吸い付いてきた瞬間、私の体から思考する能力はすっぽり抜け落ちてしまったのだった。
「くっ…… 」
ヒョウガのこぼす吐息に心地よさを感じてしまう。もっと聞きたいなんて、巫山戯た事まで考えてしまった。
もっと甘い声が聞きたい。
その長い指に触れてもらいたい。
汗を流し、乱れた姿で私をもっと支配して——
自然と湧き出てしまうそんな考えが、本心からくるものなのか、快楽に溺れ過ぎて自分じゃわからない。不確かな言葉を口にしてしまわぬ様に、私はシーツを口に含み、思いっきりそれを噛んだ。
「んんっ!!」
シーツを噛む事で喘ぐ声は抑える事が出来ても、ヒョウガが膣壁をいたぶり続ける心地よさから逃げる事なんて到底無理で、段々と何も考える事が出来なくなってきた。
蜜が際限なく陰部から零れ落ち、ヒョウガと私を一つに溶かしていく。
「アステリア…… もっと、私の事だけを考えて。…… 気持ちいいって、沢山欲しいって叫んで」
その言葉に対して首を横に振ろうと思ったが、もうそんな体力なんてどこにもない。そのクセして、獣みたいに突き上げた腰だけはしっかり淫乱に動いてヒョウガを求め続けている。
「んっ、んんんっ!」
「気持ちいいでしょう?ね?」
ヒョウガが肉芽をくいっと指で軽く摘み、耳元で囁く。
熱い胸板が背に当たり、膣を擦る怒張の角度も少し変わってしまって、さっきよりも気持ちがよさが過剰になる。噛み付いていたシーツから口を離し、「だ、駄目!あぁっ」と叫び声をあげた瞬間、私の膣壁が無意識のうちにギュッとキツく彼の怒張を締め上げ、全身がビクッと震えだした。その後も何回も続く、軽い痙攣と、全身を満たす変な幸福感。
何コレ…… 。
こんな感覚、私は知らない——
ベットのシーツに横顔をつけ、肩で呼吸をしていると、ヒョウガが嬉しそうな顔で乱暴に私の頭を撫でてきた。
「初めてなのに、イッちゃいましたね。小細工の無い方が好きでしたか?それとも、いっぱい密着した方が感じます?」
…… この獣は何を言っているんだろう?
声は聞えるが、頭が真っ白だ。
「はしたないな、こんなに蜜を大量に漏らして」
私の内腿をヒョウガがそっと撫で、垂れ落ちる蜜を指ですくうと、それを私の頬へ擦り付けてきた。
「んなっ!」
文句を言おうと頭を軽く持ち上げると、その蜜を塗った頬をペロッとヒョウガが舐め取った。
「美味しい…… 」
ザラッとした舌の感触が頬に残るが、気持ち悪い感じじゃない。
むしろ——
かぁと耳まで赤くなる私に向かいニコッとヒョウガが微笑み、「さて、次は私ですね」と、ちょっと気合を入れた声で言った。
「次…… ?」
何の話?今ので終わったんじゃないの?
あんなにいっぱいアソコが濡れてるんだもの、貴方もだったんじゃないの?
「いいえ?アレは全部アステリアの流した蜜ですよ。私も先走りを少しは零してはいるでしょうけどね」
「——嘘っ!?」
ヒョウガは私の腰をガシッと強く掴み、奥ばかりをガシガシと突き始めた。
「あ!ああっ‼︎」
動く度に互いの肌ぶつかる音が部屋中に響き、混じる水音が蜜の量の多さを嫌でも私に知らしめてくる。『お前は淫乱なんだ』って責めてくるみたいに感じるが、擦れるヒョウガの存在感の大きさの方が凄くって、そんな事はものすごく些細な事に思えてきた。
「熱くて、気持ちいいですね…… アステリアの中は」
時折こぼすヒョウガの言葉が私の背に降るたび、身体がビクッと跳ね、膣壁がぎゅっと打ち震える。
「アステリアのココ、もっともっとって私を中へ招くみたいに動いていますね。わかります?」
そんな事、悔しいけど私が一番わかってるわ!
「…… また腰が動いてる。そんなに私が欲しいですか?」
一々言わないで!
「ふふ、可愛い人だ」
あぁ…… 駄目、もう意識が保てない。
「んああっ、いや!」
「おや、またイキそうなんですか?」
掠れる声で私に向かって訊き、ヒョウガが私の背中をざらつく獣の舌でぺろっと舐める。
「ふあああっ!」
「妻は背中も弱い、っと」
そう呟き、ヒョウガが私の背中を執拗に優しく舐める。右手を胸の方へ回し、膨らみを手で包むと指で先端を弄りながらゆっくり揉みだした。
「あぁっ!やぁ…… 」
「ツタに頼るよりも、あちこちを私に弄られるのが好きなんて、そんなに私の体がお気に召しましたか?」
「そんな訳が!」
「ツタが弄った時なんかの比じゃない程に、ココが固く尖ってますよ?」
「いいから!もうお前も——」
「早く出して欲しいんですか?わぁ、イヤラシイなぁ、そんなに獣の精液が欲しいだなんて」
意地の悪い声元で囁く。
「巫山戯るのも、大概にして!」
涙目で腕を振り上げ、叩くような仕草をしながら後ろへ振り返ると、ヒョウガがすごく辛そうな顔をしていて驚いた。
「え…… 」
どうしたの?
私の中、そんなに気持ちよくない?
「あ、いえ、ずっと我慢してるだけで、本当はもう入れただけでイキそうなくらいなんで心配しないで」
小声でヒョウガが呟く。
ん?待って。
この獣、さっきからなんで考えてる事わかっているの?
今更気が付いた疑問のせいで、頭の芯がすっと冷める。
「アステリアの言葉や気持ちをいっぱい全身に感じちゃって、よ過ぎて…… 、かえってイクのがもったいなくって…… 」
「き、聞えるの?考えが、全部?」
「体に戻っても、まだしっかり聞えちゃっていますね」
「や、やだ…… 嘘っ!」
「私の声が聞きたいって、もっと欲しいって…… 思ってもらえていると考えると、終われない。終わりたくない、このまままでいたい、一生アステリアと一つでいたい」
ギュッと背後から抱き締められ、心の奥がキュンッとときめいた気がするが、絶対に気のせいだ。
「む、無茶を言わないで。無理よそんな」
「わかってますよ、馬鹿じゃないんですから。でも——」
彼が言葉を途中で止め、私の唇にそっと触れる。
「私の事をアステリアが『好き』だって言ってくれたら、一時的には開放してあげる気になるかも」
好き?
私が、ヒョウガに?
今さっき会ったばかりの獣に、この私が?
冗談じゃないわ!!
大事な人の命を奪い、私を強姦してきている男の何処に惚れる要素があるというのよ!
「んあっ」
「考えは全部聞えているって言ってるでしょう?」
唇を撫でていた指が、私の口の中に入ってきた。
彼の細い指が私の涎で濡れ、上顎をそっと撫でる動きに身体がビクッと震える。歯や舌も指で弄られ、まるで口の中を犯されてるみたいだ。
「こんなに体は喜んでいるのに、私の事は好きではないんですか?ここまで許してるくせに、これはやっぱり強姦のまま?」
そ、そうよ!
私は別にお前の事なんて——
「ふむ。でも、強姦で子どもを腹に宿しても、アステリアは平気なのですか」
頭で何かを考えるよりも先に、反射的に首が横に動く。
「じゃあ、『好き』って言って」
ゆっくりとした動きで、私の膣壁を怒張で撫で上げる。口の中から指は抜かれ、ヒョウガが私の膣壁の、先程一番感じた部分を的確に擦り始めた。
「そ、れは、だ、駄目っ!」
「『気持ちいい、もっと』の間違いでしょう?」
腰の動きはとても遅いのに、的確に弱点を弄られ、全身に力が入ってしまう。
「口先だけでもいいじゃないですか。子作り交尾から早々に開放されたいんでしょう?たとえそれが、一時だけでも、ね」
駄目、口に出してしまったら、心の端で感じている気持ちを認める事になってしまうもの。
大事な…… 私の大事な侍女を殺したコイツには、感じちゃいけない気持ちを口にしたら、それこそ私は自分を許せなくなる。
「…… しょうがない人だ」
ぐいっと急に、私の陰部の最奥にヒョウガの怒張が深く刺さる。
「ひゃあ!!」
「今回は、許してあげますよ。そんな事を想っていてくれているだけで、今は満足してあげましょうか」
やだ、彼には全部聞こえてるのに、私——
「あ!アアアアッ!!」
嫌!擦れ…… んあっ。
再び部屋中に激しく響く肌のぶつかる音と、卑猥な水音。ヒョウガが快楽を求め、激しく私の膣壁に怒張を擦りつけてくる。絡まる互いの蜜が快楽を助長し、最奥に彼の滾るモノがぶつかるたび、私は甘い声を我慢できずに何度も叫んだ。
「アステリア、もう…… 」
ぐちゅぐちゅに溶けている陰部の中がヒョウガでいっぱいになっていて、私の思考が完全に停止する。我慢なんて出来ず、理性も完全に消し飛び、快楽を求めて腰が勝手に動くが、自分で制御出来ない。
「快楽を知ってしまうと簡単に理性が飛んじゃうのは、獣もお姫様も、同じですね」
クスクスと笑う声がしゃくに触る。
「さぁ、存分に味わって、アステリア姫」と掠れ声で言ったと同時に、私の中で何かが弾け、ひどく熱いモノが身体の中に入ってくるのを感じた。
「ぁ、あつぃ!」
瞼をぎゅっと閉じ、下腹部の奥に感じる熱いモノの流れ込む感触に必死に耐える。違和感でいっぱいなのに、何故か満足感が全身を駆け抜けた。
温かいモノが流れ込む感触が次第に心地よくなり、私の体がビクッと跳ねたかと思うと、またもや軽く達してしまった。
「はぁはぁはぁ…… 」
後ろに視線をやると、肩で息をするヒョウガが目に入った。獣耳まで真っ赤で、なんだかちょっと照れくさそうにも見える。
ドロッと白濁としたモノが私の陰部の中から流れ落ち、私の内腿を伝い落ちる。
よかった…… これで、やっと休める…… 。
私がベットに顔を預け、そんな事を考えながらほっと息をついた瞬間だ——
「へ?これからが本番でしょう?一回目なんて前座みたいなもんじゃないですか」と、けろっとした顔でヒョウガが言った。
解放してくれるって言ってたのにぃ!
所詮は獣か!
「や!抜いて!ソレもう抜いて!!」
もがき、彼の下から逃げようとした途端、私の背中にヒョウガが抱きつき、私の体をギュッと強く包んで放さない。
「た、体力に自信ないって、自分で言っていたじゃないですかっ」
「無いですよぉ?魔力に特化した生き物ですからね、私達は」
「じゃ、じゃあ——」
私の中でまた存在感を増している“ソレ”は何!?
「狼程じゃないってだけで、さすがに人間程は劣っていませんよ?もういっそ、懐妊するまで一気にアステリアの可愛い子宮をいっぱいにしてあげますね」
声を弾ませ、私の背中に頬ずりし、尻尾がパタパタと振っている音も微かに聞える。
「いやあああああああっ!」
「またまたぁ。気持ちいいくせに、何を言ってるんですか」
「無理です、私は人間ですから、無理!絶対に無理っ」
「私の下でよがっているだけでいいですよ、アステリアは。百十八年…… 溜めに溜めた私の愛情、“ココ”全て受け止めてもらいますよ」
そう言い、私の下腹部をヒョウガが軽く押す。彼はじゃれているつもりでいるのかすごく楽しそうで、でも私は必死に逃げようとしていて——大事な人を失った日だというのに、そんなやり取りがちょっと新鮮で、楽しいと感じてしまう自分がいるのが悔しくてならない。
彼女を私から奪ったのがヒョウガでなければ、私はもっと素直に彼を受け入れる事が出来たろうに。
そんな気持ちが一瞬心に湧いたが、ヒョウガが私の胸先に吸い付いてきた瞬間、私の体から思考する能力はすっぽり抜け落ちてしまったのだった。
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