眠り姫の憂鬱

月咲やまな

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本編

【第七話】犯されていく心と体④(アステリア談)

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「——んっ」
 絡まる舌が水音をたて、信じられない事に互いを求めてしまう。理性が消し飛び、膣の中にあった痛みも、もうすっかり感じなくなってしまった。
 全身が快楽に溺れ、私の全てを支配する。
 舌を絡めた激しいキスをしている間もヒョウガ腰を動かし続け、私の膣を凶器にも似た怒張で刺激し、ツタの拘束も、愛撫も止む事無く私の事を攻め続けた。
「駄目…… いや…… 」
 時折唇に自由が戻る度にそう呟きはするが、もう本心ではなかった。
 激し過ぎる快楽に抗う術などなく、陰部からは蜜がベットを濡らす程に零れ落ち、ヒョウガの動きを助けた。
「乱れるアステリアも、美しいですね」

 そっくりそのまま、その言葉をお前に返すわ——

 一瞬そんな言葉が頭の隅に浮かんだが、口からその言葉が出す事が出来ない。意味のない音ばかりを発する私は、まるで壊れた楽器みたいに五月蝿い音だけをたてている。
 もうすっかりタガが外れ、あられもない言葉ばかりが頭の中を埋め尽くしているのに、それらは全て私の中に浮かんでは消えていく。
「あはは…… 卑猥ですね、アステリア。でも…… そんな貴女でも…… いや、そんな欲望を抱えたお前は、なんて可愛いんだ」
 うっとりととろけた目を向けられ、焦りが体に走る。
「え…… ?」

 言葉なんて発してないのに、何を言ってるの?この獣は。

 ヒョウガに揺さぶられ続ける体では、そんな疑問が浮かんでも、すぐに消えていってしまう。
「あぁ!んやぁぁっ」
 子宮口までしっかり届くヒョウガのモノが、気持ちよ過ぎて大きなよがり声をあげてしまった。
「一番、奥に…… 出して、あげます、ね」
「え⁉︎——だ、駄目っ」
「でも、子供欲しいですし」

 この歳で子供なんて——

「百十八歳のお婆ちゃんが何を言ってるんですか」
「私は、お、お婆ちゃんじゃな——んああっ!」
 膣壁を容赦なくヒョウガが怒張で擦る。

 ツタの愛撫も止む気配がないし、私はいったい、いつまでこんなに激しく犯され続けていないといけないの?

「異種族間は残念ながら子どもが宿り難いそうですから、出来るまでいっぱい中に注ぎ続けてあげますよ。獣人も、人間と同じで万年発情期タイプですから。あ、私は子沢山な家庭に憧れていますので、この先ずーっと産み落とし続ける覚悟を、今からしていて下さいね」

 い、いっぱい?
 嫌!嘘っ!コレっきりじゃないの!?

「イヤだなぁ、貴女はもう私に純潔を奪われたんだ。私達は立派な夫婦です。毎朝毎晩なんて当然ですよ」
「いや!こ、こんな事続けらた死んじゃうわっ」
 逃げたい一身で、ツタに拘束された体を無理に動かす。でもやっぱり無駄な行為だったみたいで、拘束が少し強くなっただけだった。
「死んじゃうくらいに気持ちいって事ですよね。嬉しいです、体力にはあまり自信がないものでね」

 体力がないって…… さっきからずっと動き続けで、何を言ってるの!?
 膣壁を激しく突かれ、陰部の肉芽や胸の尖りをも弄られ続けて私はもう意識を保つのがやっとだというのに、この獣はどうかしてるわ!

「んー…… そのくせ、イク気配が無いですよね。ここも弄ります?」
 ヒョウガはそう言うと、脚を拘束していたツタの一本がするっと解け、私のお尻の方へと這い始めた。
「や!そんな所は——」
 つつっと内股に零れる蜜をすくい取り、ツタが自らを濡らす。十分湿った途端、双丘の奥に隠れる蕾をそっと撫で始めた。
「いやああああっ」
 ボロボロと情けなく涙を零しながら必死に悲鳴をあげる。叫んでばかりで、もう声が枯れそうだ。

 膣内をヒョウガに掻き混ぜられるまではまだ百歩譲って耐えられても、ツタなんかになんて絶対に嫌っ!
 助けて!
 ヒョウガ!苛めないで、せめて優しくされたい、普通にされた方がずっとマシよ!

 自由の無い状態の中、私がそれでも必死にもがいていると、「あんまり動かないで、アステリア。ソレ…… 気持ちよ過ぎますから」と、ヒョウガがうっとりとした目つきでぼそっと呟いた。
 ハッと我に返り、現状をよく考えてみる。確かに、私自身が動いて中に入る彼のモノをしごいているような状態になっているではないか。
「あ、あぁぁぁ…… 」
 恥ずかしさで裏返った声を出しながら、口元を震わせ、また涙で頰を濡らす。

 姫という立場にある私が、なんてはしたないっ。

 羞恥心で心が押し潰されそうになっていると、私の手足を拘束し、胸や肉芽を擦り続けていたツタ達がスッと一気に消え、自由を取り戻した私の手足がベットの上にドサッと落ちた。
「無理矢理に、の方が言い訳が出来る分、貴女の心を壊さないで済むかと思っていたんですが…… 」
 微笑んでいるのに、ヒョウガは微かに悲しそうな表情を浮かべ、私の頬を優しく撫でる。

 ま、まさか…… こんな形でも、彼なりの気遣いだったの?

「きちんと抱いたら、アステリアは私を受け入れてくれますか?」
 ヒョウガは私の片足をぐいっと持ち上げ、抜けてしまわぬよう怒張を膣の奥深くに押し込むと、私の体を一回転させ、うつ伏せの状態にした。
「え?え?」
 急に私の視界に枕が入る。戸惑いを隠せぬまま後ろを振り返ると、嬉しさに頬を赤くしているヒョウガと目が合った。

 …… この体位って、犬ネコの——

「交尾みたいですね、まさに。でも私にはこっちの方が自然なんで」と言ったかと思ったら、またヒョウガが激しく私の陰部を、滾る怒張で再度激しく穿ち始めたのだった。
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