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二人での旅行
老舗旅館①(綾瀬・談)
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列車を降り、宿泊先まで向かう路線バスに数十分揺られて旅館の近くまではスムーズに到着した。時間に余裕があるのでこのままの流れで温泉街を観光するのかと思っていたのだが、「綾瀬の荷物が大きいから、一度旅館に置いてからまた来よう」と言われてしまった。まさか私のせいで予定が変更になったのだろうか?と思うと何だか申し訳ない気持ちになってくる。だけど「休憩、したいだろう?」と頭を優しく撫でられ、いとも簡単に私の気分は回復していった。
推しの手が持つヒーリーング効果、恐るべし。
宿泊先の部屋に入ったら早速メモ帳にこの感情を全て文字に起こして書き留めておこう。
今後の作品の参考に出来るわコレ。
そんな事を考えながら緩やかな坂道を登っていくと、老舗旅館っぽい門が少しづつ前方に見え始めてきた。その風貌を見た瞬間、デジャビュにも似た不思議な感覚に襲われる。知ってる気が…… でも、この辺りは一度も来た事なんか無い地域なのに何故だろうか?
周囲を見渡してみても、あるのは道路や林、あとは旅館をぐるりと囲む白い塀ばかりで見覚えは無い。でも正門に近づくにつれ、やっとこの既視感の正体がわかった。
「…… ここ、知ってる。ネットでこの間見たばっかりの旅館だ」
そう呟き、ぽかんと口を開けてしまう。本当に此処が目的地で合っているんだろうか?
「え。ちょ、待って。…… 本当に、今日は此処に泊まるの?」
「まずかったか?」と言う烏丸はきょとん顔だ。コイツは事の凄さを全くわかっていない様子である。
「こ、此処って…… 『全国・予約の取れない宿泊施設ランキング』で殿堂入りしてる旅館、だよ?」
この『何じゃこりゃ』と思ったランキングは、ネットで色々ネタを探していた時に偶然見付けた面白ランキング一覧から辿り着いた。冷やかし半分に開いたのだが、どれもこれも納得の老舗旅館や名高いホテルばかりで、内容は至って真面目な評価でわかりやすい。だがどこも『いつかは行ってみたい!』という夢すら見られない程のお値段と人気具合だった。なのにだ、本当にコイツは今夜此処に泊まると言う気なのだろうか。
「あぁ、そうらしいな」
さらりと言いやがったが、一体全体どうやってこんな旅館の予約を取ったんだコイツは。
とういか、ホント何故たかが幼馴染との旅行でここまでするんだろう?
…… こんなん、私が用意した五万円分の旅行券では到底足りなかったのでは?
などと、色々な疑問が頭を駆け抜けた。
「待って待って待って。あのね?此処は他にも、『ガチで幽霊に会える旅館』『美人過ぎる女将がいるヤバイ旅館』ランキングでも十位以内に必ず入るってので有名な老舗旅館じゃないっすか!無理でしょ、何かの間違いだよね⁉︎年単位で待たないと泊まれないらしい旅館だよ?」
「いや待て。んなランキングがある事の方が、何かの間違いじゃないのか?」
わかる、それな!
とは思いつつも、私は話を続けた。
「『大女将は何故か写真や画像に映らない』とか『大女将と女将は不老不死の吸血鬼』だなんて噂まである旅館じゃん、此処!」と叫び気味になりながら、門の横に飾られた“猫田旅館”と筆字で書かている看板を指さした。
敷地は全て白い塀に囲まれ、正門の奥には広大な日本庭園に囲まれた庄屋の屋敷を改装したような二階建ての家屋が広がっている。青黒い瓦屋根は趣があり、懐かしいながらも品のある佇まいのお屋敷はきちんと改装と整備をしているみたいで古さを感じさせない。門から建物まで続く細い石畳の両サイドには赤や白の彼岸花が所狭しと植えられており、とても美しいが、それと同時に物悲しい雰囲気もあるせいで『この旅館では幽霊に会える』と噂されている理由がちょっとわかった気がした。
「んなのはただの噂だよ、噂。どっちも普通の人間だって」
「…… まさか、知り合いなの?」
呆れ顔をしながら私の鞄を軽々と持ち上げ、烏丸が石畳を進んで行く。どうやら本当にこの旅館が今夜の宿泊先で間違いない様だ。当日キャンセル枠とかで部屋を取れたんだろうか。だとしたら相当運がいいぞ。
「そんな感じだな。ってか、さっきみたいな怪しい噂なんてよく知ってるな」
「旅館を舞台にしたお話もいいかなと思って、色々調べてる時に偶然知ったの。美容に気を付けている人や温泉好きの間でも憧れの旅館らしいね」
「女将達がアレなせいで何でか“不老の湯”としても有名だからな。そのせいで、宿泊客は長期滞在者ばっかだから」
そっか、温泉なんだから即効性なんかある訳ないもんね。つまり今日一日で同性愛者である烏丸が例外的に振り返ってくれる様な美肌美人に大変貌ってのは、夢のまた夢って事か。
◇
荷物を烏丸に運んでもらいつつ旅館の中に入って行くと、和服を着こなしている二人の女性がきさくな雰囲気で声を掛けてきた。
「あら、お帰りなさい。道中疲れたでしょう?」
「まぁまぁ、透ったらまた背が伸びたんじゃないの?」
「母さんったらぁ、流石にもう伸びないわよ。でも前よりも逞しくなった感じはするわね」
…… 旅館の方の台詞とは到底思えない内容だ。完全にテンプレ的な親戚のおばちゃんである。
「久しぶりです、お二人とも元気にしていましたか?」と返す烏丸はこのやり取りもすっかり慣れっこみたいで、珍しく笑顔で対応している。
「えぇえぇ、もちろんよぉ。…… あら、この子は?」と不思議そうに首を傾げたのは、優しそうな空気を纏った品のいい女性だ。傍に居るもう一人のご婦人よりも少し年若い様に見える。格好からして女将さんか従業員といった立場のお人なのだろうが、何故こうも烏丸に気安いのだろうか。
「あらぁ、やっと婚約者を連れて来てくれたのね?ばあば、嬉しいわぁ」
…… は?
見事にフリーズしてしまい声が出ない。そもそも私が直接声を掛けられた訳でも無いので返事をするのもおかしいのだろうが……
今のは聞き間違い、よね?
頬に手を当てて、嬉そうに微笑んだご婦人に対し、「ばあば、ち——」と烏丸が慌てながら何かを言おとしたのだが、ご婦人はそんな彼の言葉を遮るみたいにして「老い先短いばあばの為に連れて来てくれたんでしょう?じいじも喜んでいるわよ、透ちゃんの事は気に掛けているから」なんて言われたからか、顔を青くしながら彼は黙り込んでしまった。
「まぁ!じゃあ、やっと私も曾孫の顔が見られそうね。うふふっ」
口元に手をあてて、もう一人のご婦人まで楽しそうだ。
や、待って待って。完全に誤解なんですが…… え、どうするの?コレ。
そう思いながら隣に居る烏丸の顔を見上げると、向こうも酷く困った顔をしながらこちらを見ていた。
コレは…… 話を合わせるべき、なのかな?
『おい先短い』なんてワードを聞かされてしまったせいか、『違う』という言葉が口から出てこないから丁度良いのかも。
「自己紹介が遅れてしまったわね。私はね、この子の曽祖母で猫田綾子というの。どうぞよろしくね」
“曽祖母”なんてワードがこれっぽちも当てはまらない外見のご婦人だったせいで、返事も出来ずに目を見開いてしまった。どう上に見積ったって、六十代後半くらいにしか見えない。
じゃ、じゃあ、まさか隣のお方は?
と思いながらそちらを見ると、クスクスと楽しそうに笑いながら、「私は透の祖母で、恵美子といいます。歓迎するわ」と優しげな声を掛けてくれた。
え。烏丸の、足の不自由な透子さんのお母様が、この方なの?
…… マジか。
祖母だと話す御仁も肌が綺麗で五十代後半くらいの見た目である。烏丸のお母さんとは『ちょっとだけ歳の離れた姉妹なんですよ』と言われた方が納得出来るレベルの若さである。『女将達は吸血鬼』なんて噂は絶対に嘘じゃないって断言したくなってきた。
や、ちょ。
此処の温泉効果すごくね?美肌になれますよ、ホント、マジで。
「…… 私、今日から此処に住むわ」
お二人への自己紹介よりも先に真剣は声でボソッとこぼすと、腕を烏丸に肘打ちされてしまった。
推しの手が持つヒーリーング効果、恐るべし。
宿泊先の部屋に入ったら早速メモ帳にこの感情を全て文字に起こして書き留めておこう。
今後の作品の参考に出来るわコレ。
そんな事を考えながら緩やかな坂道を登っていくと、老舗旅館っぽい門が少しづつ前方に見え始めてきた。その風貌を見た瞬間、デジャビュにも似た不思議な感覚に襲われる。知ってる気が…… でも、この辺りは一度も来た事なんか無い地域なのに何故だろうか?
周囲を見渡してみても、あるのは道路や林、あとは旅館をぐるりと囲む白い塀ばかりで見覚えは無い。でも正門に近づくにつれ、やっとこの既視感の正体がわかった。
「…… ここ、知ってる。ネットでこの間見たばっかりの旅館だ」
そう呟き、ぽかんと口を開けてしまう。本当に此処が目的地で合っているんだろうか?
「え。ちょ、待って。…… 本当に、今日は此処に泊まるの?」
「まずかったか?」と言う烏丸はきょとん顔だ。コイツは事の凄さを全くわかっていない様子である。
「こ、此処って…… 『全国・予約の取れない宿泊施設ランキング』で殿堂入りしてる旅館、だよ?」
この『何じゃこりゃ』と思ったランキングは、ネットで色々ネタを探していた時に偶然見付けた面白ランキング一覧から辿り着いた。冷やかし半分に開いたのだが、どれもこれも納得の老舗旅館や名高いホテルばかりで、内容は至って真面目な評価でわかりやすい。だがどこも『いつかは行ってみたい!』という夢すら見られない程のお値段と人気具合だった。なのにだ、本当にコイツは今夜此処に泊まると言う気なのだろうか。
「あぁ、そうらしいな」
さらりと言いやがったが、一体全体どうやってこんな旅館の予約を取ったんだコイツは。
とういか、ホント何故たかが幼馴染との旅行でここまでするんだろう?
…… こんなん、私が用意した五万円分の旅行券では到底足りなかったのでは?
などと、色々な疑問が頭を駆け抜けた。
「待って待って待って。あのね?此処は他にも、『ガチで幽霊に会える旅館』『美人過ぎる女将がいるヤバイ旅館』ランキングでも十位以内に必ず入るってので有名な老舗旅館じゃないっすか!無理でしょ、何かの間違いだよね⁉︎年単位で待たないと泊まれないらしい旅館だよ?」
「いや待て。んなランキングがある事の方が、何かの間違いじゃないのか?」
わかる、それな!
とは思いつつも、私は話を続けた。
「『大女将は何故か写真や画像に映らない』とか『大女将と女将は不老不死の吸血鬼』だなんて噂まである旅館じゃん、此処!」と叫び気味になりながら、門の横に飾られた“猫田旅館”と筆字で書かている看板を指さした。
敷地は全て白い塀に囲まれ、正門の奥には広大な日本庭園に囲まれた庄屋の屋敷を改装したような二階建ての家屋が広がっている。青黒い瓦屋根は趣があり、懐かしいながらも品のある佇まいのお屋敷はきちんと改装と整備をしているみたいで古さを感じさせない。門から建物まで続く細い石畳の両サイドには赤や白の彼岸花が所狭しと植えられており、とても美しいが、それと同時に物悲しい雰囲気もあるせいで『この旅館では幽霊に会える』と噂されている理由がちょっとわかった気がした。
「んなのはただの噂だよ、噂。どっちも普通の人間だって」
「…… まさか、知り合いなの?」
呆れ顔をしながら私の鞄を軽々と持ち上げ、烏丸が石畳を進んで行く。どうやら本当にこの旅館が今夜の宿泊先で間違いない様だ。当日キャンセル枠とかで部屋を取れたんだろうか。だとしたら相当運がいいぞ。
「そんな感じだな。ってか、さっきみたいな怪しい噂なんてよく知ってるな」
「旅館を舞台にしたお話もいいかなと思って、色々調べてる時に偶然知ったの。美容に気を付けている人や温泉好きの間でも憧れの旅館らしいね」
「女将達がアレなせいで何でか“不老の湯”としても有名だからな。そのせいで、宿泊客は長期滞在者ばっかだから」
そっか、温泉なんだから即効性なんかある訳ないもんね。つまり今日一日で同性愛者である烏丸が例外的に振り返ってくれる様な美肌美人に大変貌ってのは、夢のまた夢って事か。
◇
荷物を烏丸に運んでもらいつつ旅館の中に入って行くと、和服を着こなしている二人の女性がきさくな雰囲気で声を掛けてきた。
「あら、お帰りなさい。道中疲れたでしょう?」
「まぁまぁ、透ったらまた背が伸びたんじゃないの?」
「母さんったらぁ、流石にもう伸びないわよ。でも前よりも逞しくなった感じはするわね」
…… 旅館の方の台詞とは到底思えない内容だ。完全にテンプレ的な親戚のおばちゃんである。
「久しぶりです、お二人とも元気にしていましたか?」と返す烏丸はこのやり取りもすっかり慣れっこみたいで、珍しく笑顔で対応している。
「えぇえぇ、もちろんよぉ。…… あら、この子は?」と不思議そうに首を傾げたのは、優しそうな空気を纏った品のいい女性だ。傍に居るもう一人のご婦人よりも少し年若い様に見える。格好からして女将さんか従業員といった立場のお人なのだろうが、何故こうも烏丸に気安いのだろうか。
「あらぁ、やっと婚約者を連れて来てくれたのね?ばあば、嬉しいわぁ」
…… は?
見事にフリーズしてしまい声が出ない。そもそも私が直接声を掛けられた訳でも無いので返事をするのもおかしいのだろうが……
今のは聞き間違い、よね?
頬に手を当てて、嬉そうに微笑んだご婦人に対し、「ばあば、ち——」と烏丸が慌てながら何かを言おとしたのだが、ご婦人はそんな彼の言葉を遮るみたいにして「老い先短いばあばの為に連れて来てくれたんでしょう?じいじも喜んでいるわよ、透ちゃんの事は気に掛けているから」なんて言われたからか、顔を青くしながら彼は黙り込んでしまった。
「まぁ!じゃあ、やっと私も曾孫の顔が見られそうね。うふふっ」
口元に手をあてて、もう一人のご婦人まで楽しそうだ。
や、待って待って。完全に誤解なんですが…… え、どうするの?コレ。
そう思いながら隣に居る烏丸の顔を見上げると、向こうも酷く困った顔をしながらこちらを見ていた。
コレは…… 話を合わせるべき、なのかな?
『おい先短い』なんてワードを聞かされてしまったせいか、『違う』という言葉が口から出てこないから丁度良いのかも。
「自己紹介が遅れてしまったわね。私はね、この子の曽祖母で猫田綾子というの。どうぞよろしくね」
“曽祖母”なんてワードがこれっぽちも当てはまらない外見のご婦人だったせいで、返事も出来ずに目を見開いてしまった。どう上に見積ったって、六十代後半くらいにしか見えない。
じゃ、じゃあ、まさか隣のお方は?
と思いながらそちらを見ると、クスクスと楽しそうに笑いながら、「私は透の祖母で、恵美子といいます。歓迎するわ」と優しげな声を掛けてくれた。
え。烏丸の、足の不自由な透子さんのお母様が、この方なの?
…… マジか。
祖母だと話す御仁も肌が綺麗で五十代後半くらいの見た目である。烏丸のお母さんとは『ちょっとだけ歳の離れた姉妹なんですよ』と言われた方が納得出来るレベルの若さである。『女将達は吸血鬼』なんて噂は絶対に嘘じゃないって断言したくなってきた。
や、ちょ。
此処の温泉効果すごくね?美肌になれますよ、ホント、マジで。
「…… 私、今日から此処に住むわ」
お二人への自己紹介よりも先に真剣は声でボソッとこぼすと、腕を烏丸に肘打ちされてしまった。
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