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最愛の君との未来を夢見る
仮眠室②
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仮眠室内に置かれたシングルベッドの上で、掛け布団に入る事もせぬまま奏がうつ伏せの状態で寝転んでいる。顔面を枕に沈めているせいで周囲の音はあまり聞こえず、自分の心音だけが耳奥で響いていた。
バクン、バクンと鼓動が早く、頭の中がのぼせ上がった感じがする。下っ腹の奥が変に疼き、お腹の中にはまだ何かが入っている様な違和感が金曜からずっと付き纏ったままだ。
(週末の間中、陽さんが中にいたせい…… とか?)
そう思った瞬間奏の体がびくっと跳ね、頬や耳が真っ赤に染まった。
(えっと…… コレって、何なんでしょう?)
自身の体の変調を受け止めきれず、戸惑いが隠せない。でも脚は心とは裏腹に勝手にもじもじと動いてしまい、ショーツのクロッチ部分が陰部に擦れてちょっと気持ちがいい。
「ふ…… んっ…… 」
変な声が自然と口から出てしまい、慌てて枕で口を塞ぐ。此処は仮眠室だとはいえ職場だというのに、何をしているんだ自分は!と我に返り、奏が枕から顔を少しだけ持ち上げた瞬間——大きな体が彼女の上に覆いかぶさってきた。
「何してるのぉ?ねーぇさん」
耳元で囁かれ、奏の体が硬直する。
間違いようが無く、すっかり聴き慣れた陽の甘ったるい声だった。
(…… い、い、いつの間に?えっと、どの辺から見られていたんでしょう?)
口から心臓が飛び出してしまいそうな程に驚き、走った後みたいにより一層心音が早くなる。どうしようどうしようどうしよう——同じ単語ばかりで奏の頭の中がいっぱいになり、体の奥に感じていた熱は一気にぶっ飛んだ。
「腰動いてたけど…… もしかして、一人でシテた、とか?」と言い、パクッと陽が奏の耳を甘噛みする。
「指で触ったりしようとしていたのかな?それとも…… 布団にクリを擦り付けちゃってたとか?」
ふふっと楽しそうに笑い、勝手にその姿を想像した陽が淫猥な笑みを浮かべた。
「知ってる?耳ってさぁ、えっちな箇所と密接な関係性があるんだって」
「え、え…… へ?」
「つまりはだ、ココって…… すごーく、気持ちいい箇所って事、だよねぇ」
ぬちゅっんという音と共に、奏の耳の中に陽の舌先が少しだけ入り込んできた。「ひゃああ!」と奏が叫び、声を抑えねばと咄嗟に枕のカバーを噛む。だが陽の行為は止まらず、甘噛みをしたり舐めたり息を吐き掛けたりと、好き勝手に奏の耳で遊び始めた。
「はう…… んっ…… うぐぅ…… っ」
「かーわぃぃ、そんなに喜んでくれると、もっともーっとちゃんと姉さんの事、喰べちゃいたくなるなぁ…… 」
そう言って、陽が奏の細い脚にごりっと硬いモノを擦りつける。何故そんな箇所がどえらい事になっているのか疎い奏にはわからず、ますます彼女のパニック状態は加速してしまった。
「会社で孕ませえっちとか…… シチュエーションとしてはかなり燃えるよねぇ…… 姉さんはどう思う?」
(え、えっち?…… ま、ま、まさか、陽さん…… 仮眠室で、あ、あ、アレな行為を、すす、す、する気だったりするんですか⁉︎)
やっと状況が読め、自分が今朝や連休中の時と、同等の危機的状況なのだと悟る。当然何の用意も無いし、また中出しだなんてとんでもない!結婚どころか付き合ってもいないのに、これ以上中にだなんて本当に子供が宿ってしまうかもしれない。もう遅い可能性も捨て切れないが、奏は決死の覚悟で頭を枕から起こし、「それは、い、嫌です!」と、少し吃りながらもハッキリと宣言した。
「…… イヤ?わかった」
陽の動きがピタリと止まる。今まで散々『駄目だ』『無理です』と言ってもなんだかんだと流されて強行突破しかしてこなったので、奏は要求が通ったかもしれない事の方にビックリしてしまった。
「…… もしかして、此処が仮眠室だから?」
陽の問い掛けに対し、キッパリと奏が「そうです!」と答える。
「そっか…… そっかぁ…… 」と残念そうにこぼし、陽が上半身を起こすと、体重をかけないまま奏の脚にペタンと座った。
「…… じゃあ、お手洗いで、とかなら」
「当然、む、無理ですよ⁉︎」
(…… 『無理』ならワンチャンいける)
ニヤッと笑った陽の笑みを見上げ、奏が慌てて「イヤです!お手洗いとか、誰がいつ来るかもしれない場所なんて!」と断固拒否した。
それを聞き、陽の顔が途端に渋くなる。「…… わかった」と答えはしているが、不満たっぷりである事は間違い無いみたいだ。
「じゃあ会議室!声を抑えればいけると思うんだよね」
「貸切にしようが、職場ですよね?その後誰かがその部屋を仕事で使うとか、どんな羞恥プレイ何ですかソレは!」
「…… 姉さんが、『羞恥プレイ』を知っている、だと?」
変な点がツボに入り、陽が胸元をギュッと掴む。興奮し過ぎて息が段々苦しくなっていく。だが奏の方は、あまり性的な発言をしたつもりは無かった。
「じゃあ、姉さんの研究室で、とか!」
「さっきよりもっと難易度上がっていますよ⁉︎」
「誰も居ない事は確認済みだし、いけるいける!」
「嫌ですよ、明日から仕事…… 手につかなくなるじゃないですか…… 」
硬い表情のままぽっと顔を染め、奏が視線を逸らす。
(それってもしかして、仕事のたびに私との事を思い出しちゃうから、かな?…… あー確かにそれはあるかも)
つられて陽も段々と照れ臭くなってきてしまう。興奮と勢いで、更衣室や医務室のベッドなども提案してみようと思っていた気持ちが、おかげでちょっと落ち着いてきた。
「えっと、わかった。つまり職場では『嫌』なんだね、了解」
その言葉を聞き、ほっと安堵の息を吐いて奏が頷く。
これでやっと安心して眠れる、のかな?
あれ、でも陽さんはどうするんでしょう?
そもそも何だって此処に?——と、奏が不思議に思っていると、陽が彼女の脚から降り、腕を引っ張って自身の腕の中に強く抱いた。
「タクシー呼ぶからさ、一緒に家に帰ろう?姉さん」
「で、でも私は…… 」
此処で寝ると申請も出したし、そもそも急にお邪魔するわけには、と奏が焦る。
「その、あの…… 正直、姉さんが此処で自慰をしてたんだって事思い出すだけでコレ…… 痛いんだよね」
気恥ずかしそうにしながら、陽が少し体を離し自身の下腹部を見る。
ついウッカリ奏もつられて下を見て、スラックスの上からでもハッキリ分かる勃起したモノに向かい、「いやいや、そもそもそんな事してませんよ⁉︎」と今更弁解した。
「『してた』『していない』の討議はまぁ今度にして、早く家に帰って姉さんを抱きたいな。このまま手取り早くホテルでもいいけど明日も仕事だし、家の方が何かと好都合だと思うんだけど…… 駄目?無理?」
眼鏡の奥にひそむ瞳を辛そうに潤ませ、陽が奏の顔を覗き込む。
本心としては是非とも心底奏に手伝ってもらって此処でこのまま一発出してから家まで移動したいくらいなのだが、それが可能そうかは今現在様子見状態だ。
「む、無理ですよ…… そんな、私達はお付き合いすらしていないのに、こうも何度もお泊まりだなんて」
「…… え?」
陽の鋼の精神に、綺麗なヒビがピシッと入る。
入籍は出来ていなかったので夫認定をされていない事までは想像出来ていたが、まさか彼氏とすら思われていなかった事に驚きを隠せない。
(お、おかしい…… 『好き』って言ったよな?何度も何度も何度も!告白だってして、あんな濃密で淫乱で卑猥な連休を共に過ごしたというのに…… え?私、何?まさか義弟のまま?ただの義弟と、孕ませえっちしちゃったって事になってるの?姉さんの中では!)
すんっと気持ちが冷め、滾っていたモノも当然元気を失う。その様子を目の前で見て、奏の方は「あ、落ち着いたみたいですね」とあっけらかんとした声で言った。
「うん、まぁ…… 」と短く答える陽の中で、『どこから間違っていたんだ?どうやり直せば姉さんが、奏さんが手に入る?…… やっぱり、監禁か?手枷だけじゃなく、もう足枷の出番なのか?長めの鎖なんかあったかなぁ。時間無かったから内鍵の用意もまだだし、そもそも今の部屋は賃貸だから内装をいじるとなると契約の問題が!くっ…… 奏さんが私との関係性の理解を深めるまでの間だけでも閉じ込めるとかは、今から急に実行に移すのは現実的じゃないのか——』と、暗い方向へ思考が動き始めた。
そんな彼の目の前で奏はちょこんと座りながら陽の匂いをこっそり楽しむ。何となくで確信は無いが、彼の言葉の規則性に薄々気が付き始め、『もしかしたら陽さんって、言葉さえ選べば懐柔出来る系のワンコ男子なのでは?』と、楽観的に見当違いの勘違いをしていたのだった。
バクン、バクンと鼓動が早く、頭の中がのぼせ上がった感じがする。下っ腹の奥が変に疼き、お腹の中にはまだ何かが入っている様な違和感が金曜からずっと付き纏ったままだ。
(週末の間中、陽さんが中にいたせい…… とか?)
そう思った瞬間奏の体がびくっと跳ね、頬や耳が真っ赤に染まった。
(えっと…… コレって、何なんでしょう?)
自身の体の変調を受け止めきれず、戸惑いが隠せない。でも脚は心とは裏腹に勝手にもじもじと動いてしまい、ショーツのクロッチ部分が陰部に擦れてちょっと気持ちがいい。
「ふ…… んっ…… 」
変な声が自然と口から出てしまい、慌てて枕で口を塞ぐ。此処は仮眠室だとはいえ職場だというのに、何をしているんだ自分は!と我に返り、奏が枕から顔を少しだけ持ち上げた瞬間——大きな体が彼女の上に覆いかぶさってきた。
「何してるのぉ?ねーぇさん」
耳元で囁かれ、奏の体が硬直する。
間違いようが無く、すっかり聴き慣れた陽の甘ったるい声だった。
(…… い、い、いつの間に?えっと、どの辺から見られていたんでしょう?)
口から心臓が飛び出してしまいそうな程に驚き、走った後みたいにより一層心音が早くなる。どうしようどうしようどうしよう——同じ単語ばかりで奏の頭の中がいっぱいになり、体の奥に感じていた熱は一気にぶっ飛んだ。
「腰動いてたけど…… もしかして、一人でシテた、とか?」と言い、パクッと陽が奏の耳を甘噛みする。
「指で触ったりしようとしていたのかな?それとも…… 布団にクリを擦り付けちゃってたとか?」
ふふっと楽しそうに笑い、勝手にその姿を想像した陽が淫猥な笑みを浮かべた。
「知ってる?耳ってさぁ、えっちな箇所と密接な関係性があるんだって」
「え、え…… へ?」
「つまりはだ、ココって…… すごーく、気持ちいい箇所って事、だよねぇ」
ぬちゅっんという音と共に、奏の耳の中に陽の舌先が少しだけ入り込んできた。「ひゃああ!」と奏が叫び、声を抑えねばと咄嗟に枕のカバーを噛む。だが陽の行為は止まらず、甘噛みをしたり舐めたり息を吐き掛けたりと、好き勝手に奏の耳で遊び始めた。
「はう…… んっ…… うぐぅ…… っ」
「かーわぃぃ、そんなに喜んでくれると、もっともーっとちゃんと姉さんの事、喰べちゃいたくなるなぁ…… 」
そう言って、陽が奏の細い脚にごりっと硬いモノを擦りつける。何故そんな箇所がどえらい事になっているのか疎い奏にはわからず、ますます彼女のパニック状態は加速してしまった。
「会社で孕ませえっちとか…… シチュエーションとしてはかなり燃えるよねぇ…… 姉さんはどう思う?」
(え、えっち?…… ま、ま、まさか、陽さん…… 仮眠室で、あ、あ、アレな行為を、すす、す、する気だったりするんですか⁉︎)
やっと状況が読め、自分が今朝や連休中の時と、同等の危機的状況なのだと悟る。当然何の用意も無いし、また中出しだなんてとんでもない!結婚どころか付き合ってもいないのに、これ以上中にだなんて本当に子供が宿ってしまうかもしれない。もう遅い可能性も捨て切れないが、奏は決死の覚悟で頭を枕から起こし、「それは、い、嫌です!」と、少し吃りながらもハッキリと宣言した。
「…… イヤ?わかった」
陽の動きがピタリと止まる。今まで散々『駄目だ』『無理です』と言ってもなんだかんだと流されて強行突破しかしてこなったので、奏は要求が通ったかもしれない事の方にビックリしてしまった。
「…… もしかして、此処が仮眠室だから?」
陽の問い掛けに対し、キッパリと奏が「そうです!」と答える。
「そっか…… そっかぁ…… 」と残念そうにこぼし、陽が上半身を起こすと、体重をかけないまま奏の脚にペタンと座った。
「…… じゃあ、お手洗いで、とかなら」
「当然、む、無理ですよ⁉︎」
(…… 『無理』ならワンチャンいける)
ニヤッと笑った陽の笑みを見上げ、奏が慌てて「イヤです!お手洗いとか、誰がいつ来るかもしれない場所なんて!」と断固拒否した。
それを聞き、陽の顔が途端に渋くなる。「…… わかった」と答えはしているが、不満たっぷりである事は間違い無いみたいだ。
「じゃあ会議室!声を抑えればいけると思うんだよね」
「貸切にしようが、職場ですよね?その後誰かがその部屋を仕事で使うとか、どんな羞恥プレイ何ですかソレは!」
「…… 姉さんが、『羞恥プレイ』を知っている、だと?」
変な点がツボに入り、陽が胸元をギュッと掴む。興奮し過ぎて息が段々苦しくなっていく。だが奏の方は、あまり性的な発言をしたつもりは無かった。
「じゃあ、姉さんの研究室で、とか!」
「さっきよりもっと難易度上がっていますよ⁉︎」
「誰も居ない事は確認済みだし、いけるいける!」
「嫌ですよ、明日から仕事…… 手につかなくなるじゃないですか…… 」
硬い表情のままぽっと顔を染め、奏が視線を逸らす。
(それってもしかして、仕事のたびに私との事を思い出しちゃうから、かな?…… あー確かにそれはあるかも)
つられて陽も段々と照れ臭くなってきてしまう。興奮と勢いで、更衣室や医務室のベッドなども提案してみようと思っていた気持ちが、おかげでちょっと落ち着いてきた。
「えっと、わかった。つまり職場では『嫌』なんだね、了解」
その言葉を聞き、ほっと安堵の息を吐いて奏が頷く。
これでやっと安心して眠れる、のかな?
あれ、でも陽さんはどうするんでしょう?
そもそも何だって此処に?——と、奏が不思議に思っていると、陽が彼女の脚から降り、腕を引っ張って自身の腕の中に強く抱いた。
「タクシー呼ぶからさ、一緒に家に帰ろう?姉さん」
「で、でも私は…… 」
此処で寝ると申請も出したし、そもそも急にお邪魔するわけには、と奏が焦る。
「その、あの…… 正直、姉さんが此処で自慰をしてたんだって事思い出すだけでコレ…… 痛いんだよね」
気恥ずかしそうにしながら、陽が少し体を離し自身の下腹部を見る。
ついウッカリ奏もつられて下を見て、スラックスの上からでもハッキリ分かる勃起したモノに向かい、「いやいや、そもそもそんな事してませんよ⁉︎」と今更弁解した。
「『してた』『していない』の討議はまぁ今度にして、早く家に帰って姉さんを抱きたいな。このまま手取り早くホテルでもいいけど明日も仕事だし、家の方が何かと好都合だと思うんだけど…… 駄目?無理?」
眼鏡の奥にひそむ瞳を辛そうに潤ませ、陽が奏の顔を覗き込む。
本心としては是非とも心底奏に手伝ってもらって此処でこのまま一発出してから家まで移動したいくらいなのだが、それが可能そうかは今現在様子見状態だ。
「む、無理ですよ…… そんな、私達はお付き合いすらしていないのに、こうも何度もお泊まりだなんて」
「…… え?」
陽の鋼の精神に、綺麗なヒビがピシッと入る。
入籍は出来ていなかったので夫認定をされていない事までは想像出来ていたが、まさか彼氏とすら思われていなかった事に驚きを隠せない。
(お、おかしい…… 『好き』って言ったよな?何度も何度も何度も!告白だってして、あんな濃密で淫乱で卑猥な連休を共に過ごしたというのに…… え?私、何?まさか義弟のまま?ただの義弟と、孕ませえっちしちゃったって事になってるの?姉さんの中では!)
すんっと気持ちが冷め、滾っていたモノも当然元気を失う。その様子を目の前で見て、奏の方は「あ、落ち着いたみたいですね」とあっけらかんとした声で言った。
「うん、まぁ…… 」と短く答える陽の中で、『どこから間違っていたんだ?どうやり直せば姉さんが、奏さんが手に入る?…… やっぱり、監禁か?手枷だけじゃなく、もう足枷の出番なのか?長めの鎖なんかあったかなぁ。時間無かったから内鍵の用意もまだだし、そもそも今の部屋は賃貸だから内装をいじるとなると契約の問題が!くっ…… 奏さんが私との関係性の理解を深めるまでの間だけでも閉じ込めるとかは、今から急に実行に移すのは現実的じゃないのか——』と、暗い方向へ思考が動き始めた。
そんな彼の目の前で奏はちょこんと座りながら陽の匂いをこっそり楽しむ。何となくで確信は無いが、彼の言葉の規則性に薄々気が付き始め、『もしかしたら陽さんって、言葉さえ選べば懐柔出来る系のワンコ男子なのでは?』と、楽観的に見当違いの勘違いをしていたのだった。
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