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【監禁されちゃう覚悟ありで、このまま押し掛け旦那になってもいいんですよ】
この日がおまけ的扱いとか、納得がいかない
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次の日の朝。陽はいつも出勤する為に起きる時間に目が覚めた。ちょっともやっとする下半身の一部分は無きものとし、さっさとシャワーを浴びて全てをリセットする。今日は待ち合わせの約束なので絶対に奏の突撃訪問は無いとは思うのだが、それでも朝一から妄想に浸ってしまう事を彼に躊躇させてしまう。そのくらい、昨日の彼女の訪問は衝撃的だった。
「さてと、今日の時間をもう一回確認しておくか」
昨日の夕方近くに奏の弟である圭を経由して連絡先を交換し、二人は日曜日の流れを決めた。毎日職場で会っていた為、連絡先を交換していなかった事をすっかり失念していたからだ。
毎日監視カメラで奏の行動を把握し、休日には二人が会う予定も無く、仕事中は奏が一切携帯電話の類を使えないのでスマホを経由してどうこうしようという機会がそもそも無かった為、連絡先を交換し合っていなかった。それでも全く困る事なく会えていたのだから、余計に交換せねばと思う機会も無かったのだろう。
まさか数ヶ月もの間その事にどちらも気が付かなかったとか嘘みたいだねと、画面上で笑い合ったやり取りを思い出し、スマホの画面を見ながら陽がニヤけた。
「メッセージにスタンプどころか、顔文字すら使わず、文章も簡素とか…… イメージ通り過ぎて可愛さしか感じられ無いよ」
プロフィールのアイコンも初期のもののままで、それすらも陽は愛おしく感じてしまう。ここまでくるともう完全に病気だ。
「待ち合わせは十時で…… よし、間違いないな」
充分に用意をする時間がある事を確認し、陽がクローゼットを開ける。服に対しては香りと違って特にこだわりが無い為、今までは全て『あのマネキンが着ている服を一式ください』で済ませてきたが、今日は本気を出さねばと思い、色々と持ち物を漁る。行動が完全にデート前の女子状態だ。あれでもないこれでもないと鏡の前でコーディネートをして、試着し、苦労して選んだ後は当然髪型も整えた。眼鏡の姿が好きだと言われた事を思い出し、眼鏡も装着すると、陽は鏡の前でちょっとドヤ顔になった。
「もう今日の待ち合わせは、初デートって事でいいよな!」
平日に何とか休みを取って、二人でどこかに出かけようかと話していた約束は結局実行出来ていない為、陽が勝手にそう決めた。
(最初はまず調理器具を一式買って、それらは自宅に配送してもらおう。そしてお礼と称して食事に誘い、なし崩し的に他の場所も連れて行って、あわよくば夜ご飯も一緒に。その後はどうにか酒でも飲ませて…… 飲ませて…… )
ごくりっと陽が過剰に分泌されてしまった唾を飲み込む。出かける前なので妄想に対して咄嗟に自主規制をかけたが、色々な期待やそれ以外が膨らむ寸前だ。
「いかんいかん!もう出よう。外に居ないと、このままじゃやばい」
財布類を詰めた鞄を手に取り、陽が慌てて出掛ける。待ち合わせの時間まではまだかなり時間があったが、近くのカフェで朝食でも食べながら待てばいいか、と彼は思った。
◇
「おはようございます。待たせてしまいましたか?」
「いいや、私も今来たばかりだったから」と陽は答えたが、二時間以上は近隣で時間を潰していた。だがしかし、恋する乙女にも匹敵するくらいの恋愛脳なので全く苦ではなかった。むしろ待ち時間はご褒美であり、一種の放置プレ——
「これ、色々と調理器具一式買って来たので是非使って下さい。ちょっと重いですけど、陽さん結構筋肉質みたいですし、多少重いのは平気ですよね?」と、奏が陽の妄想をぶった斬る言葉を発した。
「…… え?」
「あ、料金をどうこうは無しでお願いします。一人暮らしをしている義弟へ、義姉からの贈り物的な品ですから。では、無事に渡しましたし、私はこれで」
そう言って、奏がすっきりした顔をしながら帰ろうとする。
「ま、待って待って待って!え?一緒に買い物しようって、ご飯も一緒にって話だったよね?何で先に、こんなに買ってるの⁉︎」
よくまぁ小柄な奏が一人で運んで来たものだと、感心したくなる大きさの紙袋が大量に足元にあり、陽がそれらを見渡しながら驚きを隠せない。『小さくても男ってことか!』と彼は思ったが、奏は女性だ。
「その点は謝ります。そうだ、時間などを決める時に伝えるべきでしたよね。すみませんでした」
深々と頭を下げられたが、「謝って欲しいわけじゃないよ!」と陽が本音をぶつけた。初デートだと思い、意気揚々と来た自分がバカみたいに思えてくる。寝耳に水で、陽は当然納得がいかない。
「でも、『陽さんに頼るな』と圭君に指摘されたので、甘えてはいけないなと」
(あのバカァァァァァ!なんて事を言ってくれたんだ、畜生っ!)
義弟になる相手だろうが、陽は圭に対し初めて殺意が湧いた。
「では、私はこれで。是非それらを使って、きちんと三食食べて下さいね」と母親みたいな言葉を残し、身軽になった奏がさっさと帰って行く。
「マジかよ…… 」
残された荷物があまりに多く、陽はそれらを放置してまでは彼女を追う事が出来ない。せっかくのプレゼントを見捨てる真似はしたくなかった。
さっさと気持ちを切り替え、足元の荷物を一緒くたに掴み持って、待ち合わせをした場所を離れて路地裏近くへと陽が逃げ込む。明らかにデートで待ち合わせをしていた格好の者が、さっさと勘違いからフラれたようにしか見えない姿をあのまま晒していたくはなかった。
荷物を地面に置き、着ていたジャケットからスマホを取り出して奏の弟である圭に電話をかける。もう、一言文句を言ってやらないとこの気持ちは収まりそうに無い。
二、三コールで圭は電話に出て、『もしもし?』と言った声を聞いたと同時に、陽が彼に対して「バカァァァァァァ!」と叫んだ。
『…… え?どうしました?あれ?まさか、姉ちゃんと合流出来なかったとか?』
「違う違う!『陽さんに頼るな』とか、何で兄さんに言ったんだよ!頼ってよ、もういっそのこと仕事以外の面でも私に人生の全てを預けて欲しいくらいなのにー!」
『い、言ってませんって、そんな——』と即座に指定したが、次の瞬間には『あ…… 』と圭が言葉をこぼした。
「何?やっぱり何か言ったんでしょ!」
『「…… あまり陽さんの理性に頼らないであげて…… 。彼の理性ライフは、きっとほぼゼロだよ」とは、言いました。昨日電話で…… 』
「バカァァァァァ!兄さんの事だから頼るなだけ抜粋して実行するに決まってるじゃないか!」
「あはは…… 。流石ですね、ウチの姉ちゃんの性格をもう把握してるとか」
「好きなんだから当然だろぉぉぉ!」
半泣きになりながら必死に陽が訴える。期待値が高かった分、落胆も大きくなってしまった。
『…… すみません。その、この埋め合わせは、きっと』
「絶対だからね⁉︎写真程度じゃ誤魔化されないからね!」
——かなりキレながらそう言った陽だったが、同日の午後、奏が中学生の時に着ていた制服を一式横流ししてもらい、あっさりと機嫌が治った。それを通り越して有頂天になったと言ってもいいかもしれない。
「兄さんの、制・服!」
女性物の制服に対して何の違和感を持たぬまま高らかに掲げ、抱きしめては喜び、軽く小躍りをする。
そんな義兄(予定)の姿を陽の部屋で見ながら圭は、『何となくでも姉ちゃんの私物を全て捨てずに取っておいてよかったぁぁぁぁ!』と心底思ったのだった。
「さてと、今日の時間をもう一回確認しておくか」
昨日の夕方近くに奏の弟である圭を経由して連絡先を交換し、二人は日曜日の流れを決めた。毎日職場で会っていた為、連絡先を交換していなかった事をすっかり失念していたからだ。
毎日監視カメラで奏の行動を把握し、休日には二人が会う予定も無く、仕事中は奏が一切携帯電話の類を使えないのでスマホを経由してどうこうしようという機会がそもそも無かった為、連絡先を交換し合っていなかった。それでも全く困る事なく会えていたのだから、余計に交換せねばと思う機会も無かったのだろう。
まさか数ヶ月もの間その事にどちらも気が付かなかったとか嘘みたいだねと、画面上で笑い合ったやり取りを思い出し、スマホの画面を見ながら陽がニヤけた。
「メッセージにスタンプどころか、顔文字すら使わず、文章も簡素とか…… イメージ通り過ぎて可愛さしか感じられ無いよ」
プロフィールのアイコンも初期のもののままで、それすらも陽は愛おしく感じてしまう。ここまでくるともう完全に病気だ。
「待ち合わせは十時で…… よし、間違いないな」
充分に用意をする時間がある事を確認し、陽がクローゼットを開ける。服に対しては香りと違って特にこだわりが無い為、今までは全て『あのマネキンが着ている服を一式ください』で済ませてきたが、今日は本気を出さねばと思い、色々と持ち物を漁る。行動が完全にデート前の女子状態だ。あれでもないこれでもないと鏡の前でコーディネートをして、試着し、苦労して選んだ後は当然髪型も整えた。眼鏡の姿が好きだと言われた事を思い出し、眼鏡も装着すると、陽は鏡の前でちょっとドヤ顔になった。
「もう今日の待ち合わせは、初デートって事でいいよな!」
平日に何とか休みを取って、二人でどこかに出かけようかと話していた約束は結局実行出来ていない為、陽が勝手にそう決めた。
(最初はまず調理器具を一式買って、それらは自宅に配送してもらおう。そしてお礼と称して食事に誘い、なし崩し的に他の場所も連れて行って、あわよくば夜ご飯も一緒に。その後はどうにか酒でも飲ませて…… 飲ませて…… )
ごくりっと陽が過剰に分泌されてしまった唾を飲み込む。出かける前なので妄想に対して咄嗟に自主規制をかけたが、色々な期待やそれ以外が膨らむ寸前だ。
「いかんいかん!もう出よう。外に居ないと、このままじゃやばい」
財布類を詰めた鞄を手に取り、陽が慌てて出掛ける。待ち合わせの時間まではまだかなり時間があったが、近くのカフェで朝食でも食べながら待てばいいか、と彼は思った。
◇
「おはようございます。待たせてしまいましたか?」
「いいや、私も今来たばかりだったから」と陽は答えたが、二時間以上は近隣で時間を潰していた。だがしかし、恋する乙女にも匹敵するくらいの恋愛脳なので全く苦ではなかった。むしろ待ち時間はご褒美であり、一種の放置プレ——
「これ、色々と調理器具一式買って来たので是非使って下さい。ちょっと重いですけど、陽さん結構筋肉質みたいですし、多少重いのは平気ですよね?」と、奏が陽の妄想をぶった斬る言葉を発した。
「…… え?」
「あ、料金をどうこうは無しでお願いします。一人暮らしをしている義弟へ、義姉からの贈り物的な品ですから。では、無事に渡しましたし、私はこれで」
そう言って、奏がすっきりした顔をしながら帰ろうとする。
「ま、待って待って待って!え?一緒に買い物しようって、ご飯も一緒にって話だったよね?何で先に、こんなに買ってるの⁉︎」
よくまぁ小柄な奏が一人で運んで来たものだと、感心したくなる大きさの紙袋が大量に足元にあり、陽がそれらを見渡しながら驚きを隠せない。『小さくても男ってことか!』と彼は思ったが、奏は女性だ。
「その点は謝ります。そうだ、時間などを決める時に伝えるべきでしたよね。すみませんでした」
深々と頭を下げられたが、「謝って欲しいわけじゃないよ!」と陽が本音をぶつけた。初デートだと思い、意気揚々と来た自分がバカみたいに思えてくる。寝耳に水で、陽は当然納得がいかない。
「でも、『陽さんに頼るな』と圭君に指摘されたので、甘えてはいけないなと」
(あのバカァァァァァ!なんて事を言ってくれたんだ、畜生っ!)
義弟になる相手だろうが、陽は圭に対し初めて殺意が湧いた。
「では、私はこれで。是非それらを使って、きちんと三食食べて下さいね」と母親みたいな言葉を残し、身軽になった奏がさっさと帰って行く。
「マジかよ…… 」
残された荷物があまりに多く、陽はそれらを放置してまでは彼女を追う事が出来ない。せっかくのプレゼントを見捨てる真似はしたくなかった。
さっさと気持ちを切り替え、足元の荷物を一緒くたに掴み持って、待ち合わせをした場所を離れて路地裏近くへと陽が逃げ込む。明らかにデートで待ち合わせをしていた格好の者が、さっさと勘違いからフラれたようにしか見えない姿をあのまま晒していたくはなかった。
荷物を地面に置き、着ていたジャケットからスマホを取り出して奏の弟である圭に電話をかける。もう、一言文句を言ってやらないとこの気持ちは収まりそうに無い。
二、三コールで圭は電話に出て、『もしもし?』と言った声を聞いたと同時に、陽が彼に対して「バカァァァァァァ!」と叫んだ。
『…… え?どうしました?あれ?まさか、姉ちゃんと合流出来なかったとか?』
「違う違う!『陽さんに頼るな』とか、何で兄さんに言ったんだよ!頼ってよ、もういっそのこと仕事以外の面でも私に人生の全てを預けて欲しいくらいなのにー!」
『い、言ってませんって、そんな——』と即座に指定したが、次の瞬間には『あ…… 』と圭が言葉をこぼした。
「何?やっぱり何か言ったんでしょ!」
『「…… あまり陽さんの理性に頼らないであげて…… 。彼の理性ライフは、きっとほぼゼロだよ」とは、言いました。昨日電話で…… 』
「バカァァァァァ!兄さんの事だから頼るなだけ抜粋して実行するに決まってるじゃないか!」
「あはは…… 。流石ですね、ウチの姉ちゃんの性格をもう把握してるとか」
「好きなんだから当然だろぉぉぉ!」
半泣きになりながら必死に陽が訴える。期待値が高かった分、落胆も大きくなってしまった。
『…… すみません。その、この埋め合わせは、きっと』
「絶対だからね⁉︎写真程度じゃ誤魔化されないからね!」
——かなりキレながらそう言った陽だったが、同日の午後、奏が中学生の時に着ていた制服を一式横流ししてもらい、あっさりと機嫌が治った。それを通り越して有頂天になったと言ってもいいかもしれない。
「兄さんの、制・服!」
女性物の制服に対して何の違和感を持たぬまま高らかに掲げ、抱きしめては喜び、軽く小躍りをする。
そんな義兄(予定)の姿を陽の部屋で見ながら圭は、『何となくでも姉ちゃんの私物を全て捨てずに取っておいてよかったぁぁぁぁ!』と心底思ったのだった。
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