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【第五章】君は僕の可愛い獣
【第十七話】問い(ハデス・談)
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『先に会計をお願いします』と十六夜に促され、渋々待合室に戻って呼ばれるのを待つ。さっきよりも診察待ちの人達が随分と増えていて、今か今かとソワソワした様子だ。確かにこれでは『早く診て欲しい』と受付の目を掻い潜って診察室まで押し掛ける奴がいるのも納得である。鍵を掛けてから十六夜を診てくれたアイデースの配慮には改めて礼を伝えないといけないなと心に決めた。
小柄な十六夜を詰めて持って来たダッフルバッグを診察室に置いて来たままだった事に気が付き、一度診察室まで戻ろうかと考えていると、「おや、珍しい。体調でも悪いんですか?」とよく知った声が聞こえてきた。すぐさま振り返ると、そこには古書店の店主であるセフィルが意外そうな顔をしながら立っていた。
十六夜とよく似た銀髪を後ろにまとめているセフィルの姿を見て、押さえ切れない苛立ちが胸の中をじわりと焼く。ただ彼女と似た髪色だというだけで『ずるい』と思ってしまう。カラス並みに真っ黒な髪色、血を連想する真っ赤な瞳、褐色の肌、無駄に高い身長と筋肉質な体付き。どれを取っても自分には十六夜と共通する点が無いせいだろう。
「セフィルこそ、風邪でもひいたのか?」
「いいえ。ただ『ちょっと不眠気味』という体で睡眠導入剤でも、と思いまして。——ところでそちらは?」
「腕を怪我していて診てもらったんだ」
「おや。大丈夫なんですか?もうすぐ、“成人の儀”なのに」
“成人の儀”
その単語を聞き、眉間にシワが寄る。あぁ…… 今一番聞きたくない言葉だ。そのせいか、頭痛と吐き気が僕を襲う。
「…… まぁ、どうにかなるだろ」
腕を怪我しているのはそもそも十六夜だ。自分の怪我ではないから何も問題はない。ただ、問題が無い事が問題だとか言える。再起不能なくらいの大怪我を自分が負っていたのなら、“成人の儀”も回避出来ただろうに。
不快感と不機嫌を隠せずにいると、セフィルが急に変な言い回しの質問を投げかけてきた。
「…… この世界を楽しめていますか?」
——と。
「…… は?」
古書店を営んでいるクセに、彼はたまに意味不明な質問をしてくる事がある。本好き故の独特な問答なんだろうか?
「そうだなぁ…… 。僕の中の欠けたモノを見付けたから、今は楽しいよ」
大空を自由に飛んでいた大鷲姿の十六夜が脳裏に浮かぶ。
『アレが欲しい』
他者に対して強烈に惹かれるこの感情に名前をつけるなら、きっと『一目惚れ』という言葉が一番ふさわしい。産まれてからずっと死んだ様に生きてきた自分の心臓がやっと動き出した様な感覚だ。十六夜と添い遂げる為には解決しなければならない問題が色々と山積みだが、打開策はきっとあるはずだ。了承がなかろうが、今のうちに孕ませてしまえば、きっと…… 。
「そうですか、それは良かった。要望通りの展開なのに、『コレじゃない』と責任追求でもされたら、こっちは堪ったもんじゃないですからね」
やれやれとでも言うみたいにセフィルが肩をすくめる。だが、やっぱり彼の言葉の意味がわからない。
『さっきから何を言っているんだ?』
セフィルに対してそう言おうとした時、くいっと急に服の袖を引かれてタイミングを逃してしまった。『今度は一体誰だ』と思いながら振り返ると、可愛いの塊が上目遣いで僕を見上げている。
「お待たせしました」
膝までもある真っ黒なローブのフード部分を目深く被り、ダサいメガネと白い医療用のマスクで顔を隠している。銀色の美しい髪は後ろで全てまとめているのか全然見えない。きっとローブの中には僕が選んだ服を着ているのだろうが、まともに見えているのは白くて小さな愛らしい手だけだ。
(よし、今度は手袋も用意しておこう)
十六夜の、壊滅的に不審でダサ過ぎるのが逆に可愛い姿に一瞬で心を持っていかれた。が、我に返り、話し掛けられるまで十六夜が傍に居るとわからなかった事が悔しくって堪らない。人の気配には敏感な方なのに、何故だ?
「変じゃないですか?」
右に左にと軽く動いて格好の確認をする仕草までもが可愛くってしょうがない。ほんの数分離れていただけなのに、恋しさが更に募る。
「ハデスさーん。お会計お願いします」
『怪しい格好で逆に可愛い!』と、すぐにでも十六夜に言いたかったのに、診療所の会計に呼ばれてしまった。
「あ…… ちょっと待っていてくれますか?後でちゃんと伝えますから」
「あ、はい。でも、あ、診察のお金どうしよう…… 」
顔は全然見えないけど、慌てる仕草のおかげで十六夜が困りに困っている事が伝わってくる。『夜にたっぷり報酬を頂いているので心配ないよ』とはもちろん言えないので、「気にしないで。怪我が治ったら、家事でも手伝ってもらえればそれで」と答える。すると何故か十六夜の体が少し強張った。
「…… ?」
首を傾げていると、催促するようにまた名前を呼ばれた。今度は受付・会計担当者のものではなくてアイデースの声だった。
「十六夜は座っているといいよ」
頭を軽く撫でて座るように促す。一度頷くと、ダサ可愛いの塊と化している十六夜はセフィルの隣にちょこんと座った。
二人は一切面識が無いのに、昔からの知人みたいに仲良く話し出す。十六夜は『怪我をした』『ハデスさんのお世話になっている』だの話し、セフィルは『不眠症気味で薬をもらいに来た』と訊かれてもいない事を話している。
「おーい!早くしろって」
二人の会話に聞き耳を立てていたせいで、また呼ばれてしまった。
会計を済ませ、一週間分の薬を受け取る。
「睡眠薬はもう出ないのか?」
「もういらねぇだろ。順調に回復していて痛みはほとんどないんだから、眠れないって事はないはずだが?」
「痛みが原因とかじゃなく、慣れない場所なせいか寝つきが悪いんだ。彼女にはしっかり休んで欲しいから追加で出してくれないか?」
「なるほどな、わかった」
アイデースはてきとうな話は聞き流すが、納得出来る筋道の通った話ならあっさり騙されてしまう傾向がある。
どうも彼は人を疑う気持ちが薄いと言うか、考えの根底に性善説が根付いている感じがする。僕にはありがたい点ではあるが、あまりにあっさり信じられたせいで申し訳ない気持ちを少し抱いた。
「ほれ、きちんと飲ませてやれよ」
化膿止めや睡眠剤の入る袋を改めて受け取る。
「わかってるよ、大丈夫だ。ちゃんと看病するから心配するな」
「それと、ほれ」と言って、受付のカウンター越しに大きなダッフルバッグを渡してくる。十六夜の服が大量に詰まっているからか、彼女を詰めて来た時よりも大きくなっていた。
「あぁ、ありがとう」
ダッフルバッグも受け取り、ショルダーベルト部分を肩からかける。十六夜の方へ足を向けると、彼女はまだセフィルと何やら雑談を続けていた。待合所に居る他の奴らは全然彼女の存在を気にも留めていない。流民っぽい格好だから見慣れているからだろうと考えるにはあまりにも不自然なレベルなのにだ。
大型ゴミの廃棄場所では、たまに僕の知識程度では解明しきれない遺物を見付ける事がある。なんらかの構造を工夫しただけでは到底付与出来ない機能を持つ物を拾うことがたまにあった。数年に一個か二個という頻度で。それらみたいに十六夜の身に付けている衣類か小物のどれかに人を目立たなくさせる機能でもあるんじゃないだろうか?
一人思考の波に呑まれていたが、「——なぁ」とアイデースの声で引き戻された。
「…… 十六夜さんの看病に没頭するのは悪い事じゃないが、あとひと月程度で“成人の儀”だ。衣装は用意したのか?部屋の用意は?興味がなさ過ぎて、何もしてないとかはないだろうなぁ」
言われずとも忘れてはいないが、何もやっていないのは事実なので即座に返事が出来ない。十六夜を見付けていなければ淡々と用意を始めていただろうが、彼女の事を考えると、とてもじゃないがそんな事をする気にはなれなかった。
「おい。聞いてるのか?」
「あぁ、聞いてる。忘れちゃいないから、今は放っておいてくれないか?」
「そうもいかんから、こうやって声掛けしてんだろうが」
「…… まぁ、そうだよな」
歯切れの悪い返事をすると、アイデースがじっとこちらを黙視してくる。また小言でも言われるかと思っていたのだが、彼は後頭部を二、三度かくと「なぁ」と改まった顔でこちらに向けた。
「俺に何か、相談事があったりはしないか?」
「…… ?何も?…… 別に」
ギリッと歯を食いしばる。『言ってどうなる?何かが変わるのか?』と言いそうになった言葉を腹ん中にぐっと呑み込む。吐きそうになる程の苛立ちで胸の中が焼き切れそうだ。
「そうか。わかった」
まだ何か言いたそうな表情だが、アイデースはそれ以上何も追求はしてこなかった。
あとひと月…… 。
ひと月の間に、どうにかして十六夜を完全に僕のモノにしないと——
そんな焦りが頭の奥いっぱいに広がっていった。
小柄な十六夜を詰めて持って来たダッフルバッグを診察室に置いて来たままだった事に気が付き、一度診察室まで戻ろうかと考えていると、「おや、珍しい。体調でも悪いんですか?」とよく知った声が聞こえてきた。すぐさま振り返ると、そこには古書店の店主であるセフィルが意外そうな顔をしながら立っていた。
十六夜とよく似た銀髪を後ろにまとめているセフィルの姿を見て、押さえ切れない苛立ちが胸の中をじわりと焼く。ただ彼女と似た髪色だというだけで『ずるい』と思ってしまう。カラス並みに真っ黒な髪色、血を連想する真っ赤な瞳、褐色の肌、無駄に高い身長と筋肉質な体付き。どれを取っても自分には十六夜と共通する点が無いせいだろう。
「セフィルこそ、風邪でもひいたのか?」
「いいえ。ただ『ちょっと不眠気味』という体で睡眠導入剤でも、と思いまして。——ところでそちらは?」
「腕を怪我していて診てもらったんだ」
「おや。大丈夫なんですか?もうすぐ、“成人の儀”なのに」
“成人の儀”
その単語を聞き、眉間にシワが寄る。あぁ…… 今一番聞きたくない言葉だ。そのせいか、頭痛と吐き気が僕を襲う。
「…… まぁ、どうにかなるだろ」
腕を怪我しているのはそもそも十六夜だ。自分の怪我ではないから何も問題はない。ただ、問題が無い事が問題だとか言える。再起不能なくらいの大怪我を自分が負っていたのなら、“成人の儀”も回避出来ただろうに。
不快感と不機嫌を隠せずにいると、セフィルが急に変な言い回しの質問を投げかけてきた。
「…… この世界を楽しめていますか?」
——と。
「…… は?」
古書店を営んでいるクセに、彼はたまに意味不明な質問をしてくる事がある。本好き故の独特な問答なんだろうか?
「そうだなぁ…… 。僕の中の欠けたモノを見付けたから、今は楽しいよ」
大空を自由に飛んでいた大鷲姿の十六夜が脳裏に浮かぶ。
『アレが欲しい』
他者に対して強烈に惹かれるこの感情に名前をつけるなら、きっと『一目惚れ』という言葉が一番ふさわしい。産まれてからずっと死んだ様に生きてきた自分の心臓がやっと動き出した様な感覚だ。十六夜と添い遂げる為には解決しなければならない問題が色々と山積みだが、打開策はきっとあるはずだ。了承がなかろうが、今のうちに孕ませてしまえば、きっと…… 。
「そうですか、それは良かった。要望通りの展開なのに、『コレじゃない』と責任追求でもされたら、こっちは堪ったもんじゃないですからね」
やれやれとでも言うみたいにセフィルが肩をすくめる。だが、やっぱり彼の言葉の意味がわからない。
『さっきから何を言っているんだ?』
セフィルに対してそう言おうとした時、くいっと急に服の袖を引かれてタイミングを逃してしまった。『今度は一体誰だ』と思いながら振り返ると、可愛いの塊が上目遣いで僕を見上げている。
「お待たせしました」
膝までもある真っ黒なローブのフード部分を目深く被り、ダサいメガネと白い医療用のマスクで顔を隠している。銀色の美しい髪は後ろで全てまとめているのか全然見えない。きっとローブの中には僕が選んだ服を着ているのだろうが、まともに見えているのは白くて小さな愛らしい手だけだ。
(よし、今度は手袋も用意しておこう)
十六夜の、壊滅的に不審でダサ過ぎるのが逆に可愛い姿に一瞬で心を持っていかれた。が、我に返り、話し掛けられるまで十六夜が傍に居るとわからなかった事が悔しくって堪らない。人の気配には敏感な方なのに、何故だ?
「変じゃないですか?」
右に左にと軽く動いて格好の確認をする仕草までもが可愛くってしょうがない。ほんの数分離れていただけなのに、恋しさが更に募る。
「ハデスさーん。お会計お願いします」
『怪しい格好で逆に可愛い!』と、すぐにでも十六夜に言いたかったのに、診療所の会計に呼ばれてしまった。
「あ…… ちょっと待っていてくれますか?後でちゃんと伝えますから」
「あ、はい。でも、あ、診察のお金どうしよう…… 」
顔は全然見えないけど、慌てる仕草のおかげで十六夜が困りに困っている事が伝わってくる。『夜にたっぷり報酬を頂いているので心配ないよ』とはもちろん言えないので、「気にしないで。怪我が治ったら、家事でも手伝ってもらえればそれで」と答える。すると何故か十六夜の体が少し強張った。
「…… ?」
首を傾げていると、催促するようにまた名前を呼ばれた。今度は受付・会計担当者のものではなくてアイデースの声だった。
「十六夜は座っているといいよ」
頭を軽く撫でて座るように促す。一度頷くと、ダサ可愛いの塊と化している十六夜はセフィルの隣にちょこんと座った。
二人は一切面識が無いのに、昔からの知人みたいに仲良く話し出す。十六夜は『怪我をした』『ハデスさんのお世話になっている』だの話し、セフィルは『不眠症気味で薬をもらいに来た』と訊かれてもいない事を話している。
「おーい!早くしろって」
二人の会話に聞き耳を立てていたせいで、また呼ばれてしまった。
会計を済ませ、一週間分の薬を受け取る。
「睡眠薬はもう出ないのか?」
「もういらねぇだろ。順調に回復していて痛みはほとんどないんだから、眠れないって事はないはずだが?」
「痛みが原因とかじゃなく、慣れない場所なせいか寝つきが悪いんだ。彼女にはしっかり休んで欲しいから追加で出してくれないか?」
「なるほどな、わかった」
アイデースはてきとうな話は聞き流すが、納得出来る筋道の通った話ならあっさり騙されてしまう傾向がある。
どうも彼は人を疑う気持ちが薄いと言うか、考えの根底に性善説が根付いている感じがする。僕にはありがたい点ではあるが、あまりにあっさり信じられたせいで申し訳ない気持ちを少し抱いた。
「ほれ、きちんと飲ませてやれよ」
化膿止めや睡眠剤の入る袋を改めて受け取る。
「わかってるよ、大丈夫だ。ちゃんと看病するから心配するな」
「それと、ほれ」と言って、受付のカウンター越しに大きなダッフルバッグを渡してくる。十六夜の服が大量に詰まっているからか、彼女を詰めて来た時よりも大きくなっていた。
「あぁ、ありがとう」
ダッフルバッグも受け取り、ショルダーベルト部分を肩からかける。十六夜の方へ足を向けると、彼女はまだセフィルと何やら雑談を続けていた。待合所に居る他の奴らは全然彼女の存在を気にも留めていない。流民っぽい格好だから見慣れているからだろうと考えるにはあまりにも不自然なレベルなのにだ。
大型ゴミの廃棄場所では、たまに僕の知識程度では解明しきれない遺物を見付ける事がある。なんらかの構造を工夫しただけでは到底付与出来ない機能を持つ物を拾うことがたまにあった。数年に一個か二個という頻度で。それらみたいに十六夜の身に付けている衣類か小物のどれかに人を目立たなくさせる機能でもあるんじゃないだろうか?
一人思考の波に呑まれていたが、「——なぁ」とアイデースの声で引き戻された。
「…… 十六夜さんの看病に没頭するのは悪い事じゃないが、あとひと月程度で“成人の儀”だ。衣装は用意したのか?部屋の用意は?興味がなさ過ぎて、何もしてないとかはないだろうなぁ」
言われずとも忘れてはいないが、何もやっていないのは事実なので即座に返事が出来ない。十六夜を見付けていなければ淡々と用意を始めていただろうが、彼女の事を考えると、とてもじゃないがそんな事をする気にはなれなかった。
「おい。聞いてるのか?」
「あぁ、聞いてる。忘れちゃいないから、今は放っておいてくれないか?」
「そうもいかんから、こうやって声掛けしてんだろうが」
「…… まぁ、そうだよな」
歯切れの悪い返事をすると、アイデースがじっとこちらを黙視してくる。また小言でも言われるかと思っていたのだが、彼は後頭部を二、三度かくと「なぁ」と改まった顔でこちらに向けた。
「俺に何か、相談事があったりはしないか?」
「…… ?何も?…… 別に」
ギリッと歯を食いしばる。『言ってどうなる?何かが変わるのか?』と言いそうになった言葉を腹ん中にぐっと呑み込む。吐きそうになる程の苛立ちで胸の中が焼き切れそうだ。
「そうか。わかった」
まだ何か言いたそうな表情だが、アイデースはそれ以上何も追求はしてこなかった。
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