恋も知らぬ番に愛を注ぐ

月咲やまな

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【第四章】いやらしいのは隣のキミ一人

【第十話】二人の初めて④(十六夜・談)

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「…… 全然、足りないなぁ」と言いながら彼は白濁液でいっぱいになっている薄手のゴムを剥ぎ取ると、今さっき達したはずなのに、尚も怒張したままになっている屹立の方へ私を誘った。

「沢山気持ちよくしてあげたんだもん。次はコレ、舐めてくれるよね?」

 頬を赤くしながらニタリと笑うハデス君と目が合っただけでゾクッと背筋が震える。いやらしい要求をされているというのに、達したばかりの頭は仕事をしていないみたいで、従順に頷き返してしまう。だけどそんな私の様子を見て、ハデス君は複雑そうに眉を寄せた。

「…… 十六夜さんの方から、求めて欲しかったんだけどなぁ」

 私の頭を撫でながらハデス君がぽつりと呟く。そういえばさっきも同じ事を言われた様な気がする。二度とも、やけに気持ちのこもった切実な声だったせいか、今回も耳に残った。
 そんな彼の声に反して、目の前にある屹立は一度達したとは思えぬ姿で雄々しく奮い勃っている。コレをどうしたらいいのか分かってはいるものの、恥ずかしいという気持ちが先に立つせいでなかなか行動に移せないでいると、焦れた彼は私の後頭部を髪ごと掴んでぐいっと引き寄せた。互いの愛液や白濁液で濡れたままになっている猛りが唇に触れる。いやらしい匂いに鼻腔を刺激されながらゆっくり口を開けると、私は引き寄せられるみたいにして彼の陰茎を下から上に舐めてみた。…… とてもじゃないがコレは私の口に入りそうにはない。舐めるか手で扱くかの二択にしておかないと私の口の端は切れてしまうだろう。
 無茶は言わないで欲しい気持ちを込めながら恐る恐るハデス君の瞳を見上げ、根本を手で掴む。ゆるゆるとした動きで扱きながら鈴口付近にまで舌を這わせると、彼の腰がびくっと跳ねた。

「な、何で、んなに慣れてるのかなぁ」

 声は悔しそうなのに意外にも表情は嬉しそうだ。苛立ちよりも、興奮や気持ちよさの方が上回っているのかもしれない。
 白濁液の苦い味がするせいで美味しいとは言えないが、何故か舐めているだけでこっちまで興奮度が増していく。下っ腹の奥がコレをもう一度欲しいと訴えているみたいにきゅんきゅんと疼き、愛液がしとどに流れだす。自分の中に眠る雌の一面はすっかりハデス君の雄に魅了されているみたいだ。

 こんな事、許されるはずがないのに…… 。

 そんな考えが一瞬頭に浮かんだが、頭を撫でられながら「早く、またナカに挿れて欲しいのかな?」と彼に問われた私は二つ返事を返してしまった。ハデス君のせいで完全に理性が打ち砕かれた気がする。
「十六夜さんの小さな口じゃフェラまではお願い出来ないのが残念だけど、そのぶん、ナカをたっぷり可愛がってあげないとね」と言いながらハデス君は、私に彼の上に跨がるよう誘導する。促されるがままソファーに腰掛けている彼の上に跨ると、彼は私が着ているままになっていた上下の下着を脱がせ、靴下だけは履いているというかなり滑稽な姿にさせられた。
 文句を言う間も無く双方の胸を両手で揉まれ、秘裂には猛りを押し当ててくる。陰茎の裏筋で肉芽が擦れ、再び目の前で光が散った。

「あれ?まだ挿れてないのに、またイッたの?ボクの恋人は、いやらしいお姉さんだったんだね」

 クスクスと笑いながら私のお尻に手を回し、彼が体を軽々と持ち上げる。そして私の蜜口に己の切っ先を当てると、そのまま私の体を下からずんっと突き上げた。そのせいで反射的に仰け反ってしまい体が後ろに倒れそうになったが、すぐに抱きとめてくれる。助かったと思ったのも束の間、彼は私の体を容赦なく上下に揺さぶり、達したばかりの体をむしゃぶり始めた。

「こうやって、十六夜さんと繋がっていると…… やっと半身を取り戻したみたいな気がしてくるよ」

 ぎゅっと強く抱き締めながら絞り出すみたいに呟いた声は随分と切な気だ。心の悲鳴に近い気もする。彼は“ハデス様”じゃないのに、どうしてそんな事を言うんだろうか?
「こうやって激しくされるのと——」と激しく揺さぶっていたのに、今度は急にギュッと優しく抱き締め、ハデス君が動きを止める。
「じっくり抱かれるのとだったら、どっちが好き?」
 彼は私の耳朶を喰み、ふっと熱い吐息を吹き込む。『どっちも』と頭に浮かんだが、本音を言うのが恥ずかしくって私は彼の肩に顔を突っ伏した。顔も耳も真っ赤に染まり、返事をしないととと思ってはくはくと口を動かしたが言葉がきちんと出てこない。

「ナカ…… すごい締め付けてきてる。十六夜さんは体の方が饒舌なタイプなんだね」

 よしよしと頭を撫でてくれながらゆっくり腰を動かして緩やかな快楽をハデス君が私にくれる。最初は心地よくって素直に享受していたのだが、長く続くと段々物足りなく感じ始めた。
 無自覚なまま勝手に自分の腰が動いてしまう。ナカの一番気持ちが良い箇所を擦って貰いやすい体勢になるように自分からすがりつくと、ハデス君は嬉しそうに笑って「ココ、好きなんだね」とより強く擦り上げてくれた。
「んぐっ!あぁぁっ——んっ」
 気持ちよくって堪らず、声が我慢出来ない。腰振る事で大きな胸まで淫猥に揺れ、乳嘴はこっちも弄って欲しいと懇願するみたいにぴんっと立ってしまっている。
 全てを察しているみたいにハデス君は瞳を細めると、ナカだけでなく、胸まで揉んで器用な手付きで乳嘴を捏ねる。上も下も淫楽に染まった体は難なく堕ちていき、頭の中が真っ白になった。

 もう…… イキたくない。

 全身が気持ち良過ぎて、逆に苦しくってしょうがない。これ以上こんな事をされたら馬鹿になってしまいそうで怖いのにハデス君が止めてくれるはずがなく、繰り返される抽挿のせいでまた、彼の手で果てまで追い立てられる。

「愛してるよ、十六夜」

 “ハデス様”と似た容姿、同じ声、同じ匂いを持つ彼に耳元で囁かれたこの一言で、一度も感じた事のない絶頂が襲い掛かってきた。彼と繋がる事で“ハデス様”を感じていられるのなら、このまま一生体を繋げていたい。そんな馬鹿な事を考えながら私は、意識から手を離したのだった。
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