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日常ストーリー

15話 ローションガーゼ

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尾餅はいいものを見つけた。それと同時にいけないことも見つけた。マゾ男性向けの成人漫画をスマホで漁っていた時に見つけた『ローションガーゼ』。ローションでヒタヒタにしたガーゼで亀頭をこすってもらうその行為はマゾが非常に喜ぶあまりにも鋭い快感をもたらしてくれるのだとか。指や手のひらでクルクルと撫でられるだけで腰がビクビクと動いてしまう亀頭をぐちょ濡れのザラザラヌルヌルのガーゼでピカピカにしてもらう妄想をして尾餅は思わず股間が張った。やりたいやりたい、絶対にやりたい。けれど鎖原に教えるのは恥ずかしい。きっと鎖原ならこのローションガーゼをすでに知っているのだろうが、新しい遊びを見つけてきた子どもを見る微笑ましい目で見られるのには少し恥じらいがある。幸いガーゼなら手軽に薬局で買えるしローションは余るほど家にある。尾餅は一度抜いてからガーゼを入手しようと一旦ペニスを握ったのだった。

「……こ、これが……♡ローションガーゼ……♡」

そして準備したローションガーゼ。洗面器に張ったローションにガーゼを浸してぬちょぬちょにした物体はひんやりとしていて肌に乗せるだけでも気持ちよさそうだ。期待感からかビンビンに勃起したペニスがすでによだれを垂らしてこれからくる刺激を待ち望んでいる。ガーゼの左右を持って、垂れるローションに焦りながらぺちょ、とそれを亀頭に乗せた。亀頭を頂上に山になるようにガーゼを引っ張って、試しにひとこすりズリュ♡と左に引いてみる。

「ッッッおお゛!?♡うおっ、お゛~~~っ!?♡え、エグいこれっ、んぉおお゛……!♡やばっ、やばっ……!♡」

ペニスの頂点に電気を流されたのかと思った。神経が剥き出しの亀頭をずりゅずりゅになったガーゼが弾いていって、これは頭が馬鹿になってしまうとはっきり分かるほどの快感がペニスを通っていく。もうひとこすり、もうひとこすりと震える手でガーゼを左右に動かすと勝手に足がバタバタと暴れてオナニーどころではなくなってしまう。イクまでズリズリとこすりたいのにあまりの快感に手が勝手に容赦をしてしまって圧倒的な絶頂を迎えるには至らない。尾餅はグスグスと鼻をすすりながら「うぁああ……♡しゅごい……♡」と涙目でペニスを少しずつ削り始める。ぴゅるぴゅると反射的な射精は出来るものの漫画で見たような爆発的な射精や潮吹きをするのには尾餅に勇気が足りなかった。早くあれを再現したいのに、早くめちゃくちゃなイキ方をしたいのに、と焦燥感が胸を焼く。

「く、鎖原ぁ~!♡助けてくれ~!♡」
「どうしたの尾餅くん!あ!エッチなことしてる!僕にお任せ!」

さっそうと現れた鎖原がべそべそとオナニーをしている尾餅の隣に座り込む。可哀想なくらいパンパンに張り詰めたペニスを両手でお祈りするようにギュッと握りしめて「よしよし、僕が気持ちよくしてあげるからね♡」と話しかける鎖原はうっとりとした目をしている。この大きさ、硬さ、形をしている尾餅のペニスが鎖原は大好きなのである。

「それはローションガーゼだね?尾餅くんったらいいの見つけたね、絶対好きなやつじゃん!♡」
「手が勝手に止まるんだ……♡もっと容赦なくゴシゴシ磨いて欲しい……♡」
「オッケー、尾餅くんの亀頭を宝石かっていうくらいピカピカに磨いちゃうぞ♡」

さっそくガーゼの両端を持ちズル~っ♡ズル~っ♡と左右に動かし始めた鎖原に自分で加減しながらやるのとはまるで違う快感を得ることが出来た尾餅は「おほぉおお゛ッ!♡」と足をピンと伸ばして絶頂を迎えた。尾餅の腰が跳ねて逃げるのを鎖原が執拗に追いかけてはローションに浸ったガーゼで亀頭をいじめる。部屋の壁際まで逃げた尾餅はとうとうどこにも行くことが出来なくなってしまった。ひぃひぃと泣きそうな呼吸をしてはペニスに与えられる極悪な快感を受け止めることを強いられている。

「無理無理無理ィ゛ッ!♡おかしくなっちまうよォ゛!♡降参!♡降参だから一回ごしゅごしゅやめてぇえ゛!♡んぁあああ゛ッ!♡潮吹く!♡腰ゾワゾワして戻らない!♡助けてっ助けてぇ゛っ!♡」
「ローションガーゼはね~、裏筋を持ち上げてズリズリしてあげるのも気持ちいいんだよ♡これで玉をフキフキしてあげても気持ちいいし、いいプレイだよね~♡」

必死に制止する尾餅の叫びなどどこ吹く風でローションガーゼを続行する鎖原。ぷしゃぷしゃと潮を高く吹き上げる尾餅は壁にすがるようにして鎖原に慈悲を求めるが、これだけペニスも玉も膨らませておいて嫌がっているというのは無理があった。これがローションガーゼ!本当にマゾっ気がないと楽しめない行為だが尾餅にとってはご褒美だ。だがこの時決して尾餅は自分をマゾだと認めたつもりはない。あくまで快楽に強いから耐えられるのだと、自分では本気でそう思っている。尾餅の性癖を理解している鎖原からしてみればもっと早く提案してあげるべきだったというくらいマゾ向けの行為なので、尾餅はやはり実際マゾである。

「チンポッ♡使い物にならなくなる゛♡雑魚チンポになる゛、精子垂れ流しのだらしない棒きれになっちゃうぅ゛♡鎖原の中に入れてもお漏らし射精しか出来ないバカチンポになったらどうするんだよぉ゛♡」
「そうしたら一生かけて尾餅くんのチンポの面倒見るからね、安心して♡」

カリ首にガーゼを引っかけてキュッキュッとグラスのように磨き上げる行為に尾餅は腰をガクガクと浮かせて射精を繰り返した。ぶるんぶるんと逃げ回るペニスを的確に捕まえては何度もローションガーゼの餌食にする鎖原はそれはそれは楽しそうに尾餅のペニスの捕獲に勤しんでいる。尾餅はもう限界だと思ったのか「すまん無理だ!♡無理!♡本当に無理!♡」と鎖原にとうとう謝罪まで言い出すようになった。それに「無理って言えるうちはまだ大丈夫♡」と裏筋を下から上へ拭き上げる鎖原はマゾからしてみれば嬉しい女王様気質を兼ねそろえているかもしれない。

「もう゛ッ、出るぅうう゛~~~ッ!♡」
「わぷっ!♡わ、噴水みたい!♡」

プシャアアアアッ!♡とクジラのように見事な潮吹きをした尾餅は完全に背中を床につけて腰だけを高々と上げた格好で今日一番の絶頂を迎えた。自身の潮をかぶったせいで腹筋の溝に水たまりが出来た尾餅の周辺はびしょ濡れだ。かくいう鎖原も顔面にもろに潮がかかったおかげで目をこすっている。流石に力をなくした尾餅のペニスがへにゃりと曲がるのを鎖原はそっと手で支えて頑張りましたのキスをした。いつも以上にドロドロになったペニスが愛おしくて今すぐに自分の中に迎え入れたいと感じるがあれだけの責めを受けたあとでは休憩も必要だろう。満足そうな顔をしている尾餅に鎖原は「気持ちよかった?♡」と分かりきった質問をしてみた。

「すっ……ごくよかった……♡これあれだな、毎日やっているとチンポに支障が出るタイプのプレイだな。刺激に慣れないように週一回くらいがいいのか?」
「じゃあ僕は週に一回尾餅くんのおチンポ磨きが出来るってこと?♡」
「い、いや、自分で出来るようにする……♡詳しいやり方もお前から学べたし今度は上手くいくはずだから……♡」
「そうなの~?♡じゃあ上手に出来るようになったら僕のチンポでもローションガーゼやってよ♡尾餅くんに潮吹きさせられちゃうの楽しみ~♡」
「ああ、期待して待っててくれ♡」

その後性に勤勉な尾餅がローションガーゼオナニーに勤しんだ結果分かったのが『他人にしてもらうのが一番気持ちいい』だったのでやはりこのプレイはパートナーありきだということだ。鎖原も「そっか、エッチの真理だね……」と深いものを見た時の顔して頷き、尾餅は真面目な顔でローションガーゼのプレゼンをして「だろ?」と賢いような顔で胸を張ったのだった。
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