明楽日生

江上蒼羽

文字の大きさ
上 下
72 / 144

8月5日(木)

しおりを挟む


今日明日と1人出勤。

広い仕事場にいるのは私だけ。

息子さんの野球合宿について行ったリーダーから沢山仕事を頼まれたけれども、半日でほぼ終わった。

明日やる事ないかもー(笑)

自分のペースでのびのびと作業出来るって最高。

磨き作業をしながら鼻歌なんか歌っちゃったりしてね。

ずっとLiSAさんの『炎』歌ってた。

時にボカロ曲の『ロキ』と『テオ』も。

作業中、エアコンのパネルが触れてもいないのに勝手に光るのが何となく怖くて、歌で怖さをまぎらわせてた。

たまに家鳴りみたいな音もするし、誰もいない筈の隣の部屋からコンコンと軽くノックするみたいな音がしたような気もした。

古い施設だから何かしら居てるのかもしれない。

こういう時やたら大きな独り言を喋ったりする私。



「さぁて、今日の夜ご飯は何しようかなぁ」

「よし、やるぞ」



とか、端から見たら私の方が怖いかも。


怖い話といえば、先日会社の事務さんが面白い話をしていた。

事務さんのご主人は身長180㎝体重100㎏越えのガタイの良さに加え、かなりの強面。

中学生の息子さんは幼い頃から柔道をやっていて、大会に出れば必ず上位入賞する武道男子。

そんな二人が寝静まった時間にしていたやり取り…



「おい……何か下の部屋で人が歩く音がしたぞ。ちょっとお前見て来い」

「え、やだよ。父ちゃんが行ってきてよ」

「いや、お前が行けって」

「やだって、怖いもん」

「いいから行けって。父ちゃんもこえーんだよ」

「やだって言ってんじゃん。父ちゃんが行ってよ」



ずっと平行線のまま。

小声ではあったものの、こんなやり取りをされていたら事務さん目が覚めて眠れず……



「もういいよ!母ちゃんが見てくるから!」



仕方なしに自ら名乗りを上げて様子を見に行ったという。

その際、息子さんがビビりながらも木刀を持って母の後をついてきたらしい。



「母ちゃんはそっち見て。俺こっち見るから」



何故か指示までされたという。

見に行った結果何事もなく、物音はご主人の勘違いだったらしい。

ビビりな男二人に呆れていた事務さんだったけれど、事務さん家のご主人と息子さんの微笑ましいやり取りに私はたっぷり笑わせて貰った。

強面なのに霊的な物が怖いって、何とも可愛らしいご主人だこと。

案外男の人の方が怖がりなのだろうか。

生きてる人間が一番怖いんだよと言っていた事務さんの逞しさに共感の意を込めて拍手を贈りたい。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が場面緘黙症を受け入れるまで

お鮫
エッセイ・ノンフィクション
私が場面緘黙症で大変だったことや、こういうことを思っていたというのをただ話すだけです。もし自分が場面緘黙症だったり、身近にいるかたに、こういう子もいるんだって知ってもらえれば幸いです。もちろん場面緘黙症ってなんぞや、という方ものぞいてみてください。 ほとんど私の体験談をそのまま文字に起こしています。 初めての投稿になります。生暖かく見守りください

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【2024】イラスト帳★創作日記

双葉
エッセイ・ノンフィクション
いつか「双葉の絵柄が好き」と言ってくれる方に巡り合うことができたなら――そんな夢を見つつ、マイペースで更新していきます♪ ◆◆本作のイラストは全てAI学習禁止です◆◆ ※2022年~2024年の作品まとめ ※四コマ漫画風の小ネタあり ※絵は全て【アイビスペイント】で描いております(各イラストの背景・フレームなどにアイビスペイント内の素材を使用)

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

BL書籍の印税で娘の振り袖買うつもりが無理だった話【取らぬ狸の皮算用】

月歌(ツキウタ)
エッセイ・ノンフィクション
【取らぬ狸の皮算用】 書籍化したら印税で娘の成人式の準備をしようと考えていましたが‥‥無理でした。 取らぬ狸の皮算用とはこのこと。 ☆書籍化作家の金銭的には夢のないお話です。でも、暗い話じゃないよ☺子育ての楽しさと創作の楽しさを満喫している貧弱書籍化作家のつぶやきです。あー、重版したいw ☆月歌ってどんな人?こんな人↓↓☆ 『嫌われ悪役令息は王子のベッドで前世を思い出す』が、アルファポリスの第9回BL小説大賞にて奨励賞を受賞(#^.^#) その後、幸運な事に書籍化の話が進み、2023年3月13日に無事に刊行される運びとなりました。49歳で商業BL作家としてデビューさせていただく機会を得ました。 ☆表紙絵、挿絵は全てAIイラスです

長年の憧れ!さっぽろ雪まつり~ウポポイ(民族共生象徴空間)

夏目碧央
エッセイ・ノンフィクション
長年の憧れだったさっぽろ雪まつりに行く事に。しかし、寒さが心配。あれこれ準備するが……。予期せぬ前日の用事から始まり、あまりに幸先の悪い出来事。何とか到着したものの、お腹が……。最後まで目が離せない!……多分。

処理中です...