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しおりを挟む久々にハードな運動をして疲れた体を引き摺って向かったのは、職員専用の駐車場。
高級車からボロい軽まで、車種は様々だ。
車通勤なのは知っていても、残念ながらヤツの愛車までは特定出来ていない。
噂じゃ厳ついランクルに乗ってるとか。
さっき体育館からの帰りついでに職員室を覗いたら、まだヤツはいて、丁度帰り支度をしているようだった。
そろそろ来る頃だろうか?
職員玄関に近い辺りでスマホ片手に待っていると、背後から声がした。
「清原か?こんな所で何やってるんだ?」
待ってましたとばかりにスマホをポケットに仕舞う。
「百田センセ、送ってって」
語尾にハートマークを付けて可愛くおねだり。
百田はわざとらしく溜め息を吐いてみせた。
「清原、お前は自転車通学だろ?」
呆れたように言って百田は俺の前をすり抜けて行く。
「チャリのカギ見当たらなくて」
「よく探せ。それか徒歩で帰りなさい」
足早に歩く百田の後を追う。
「えー久々にバスケ部に顔出したら、ハードな運動させられちゃってぇ。もう歩けなーい」
間延びした甘ったれた声で言うと、百田の足が止まった。
ヤツは大きく溜め息を吐くと、ゆっくり振り返る。
「……ったく。今日だけだからな」
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