13 / 57
【13】
しおりを挟む先輩がノートを閉じた。
「そんな事より、百田先生から出された課題はどんなやつ?」
ノートとシャーペンを仕舞ったペンケースをリュックに押し込みながら聞く先輩の前に、待ってましたとばかりに課題を広げる。
「これっす。こっちの問題集か作文の提出なんですけど……」
助けて~!な意味合いを込めて、上目遣いに先輩をチラリ。
「………作文のテーマは?」
「Z世代を生きる者として、だそうで」
作文のテーマを聞いた先輩が軽く吹き出した。
「何それ。結構難しくない?」
「ですよね?!しかも原稿用紙5枚!!俺詰んでるんすよ~」
情けない声を出して大袈裟に肩を竦めてみせる。
「素直に問題集やったら?そっちの方が楽だよ、きっと」
先輩の提案は尤もだ。
だけど、俺としては
「20枚より5枚の方が圧倒的に少ないじゃないですか」
という理論を推したい。
先輩は目を大きく見開いた後、すぐに細める。
「いや内容的にさ」
肩を震わせる先輩の前で両手を合わせる。
「ご協力お願いします!」
先輩は「どうしようかな~?」とわざとらしく悩むような素振りをみせてから、笑って言う。
「ま、百田先生からの頼みだし?指導はビシバシいくよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる