その声は媚薬.2

江上蒼羽

文字の大きさ
上 下
20 / 81

イケボと声フェチ①side:瑞希

しおりを挟む




超絶私好みの声の持ち主、シチュエーションボイス動画配信者のリュークが派遣先の会社と繋がりがある企業の社員、久世 竜生くぜ たつきさんである事が判明した。

甘々で微Sな雰囲気の自信家キャラ、リュークとは反対に、当の本人は至って真面目で控えめ。

どちらかというと、後ろ向きでウジウジタイプ。

そんな彼とは、私の不純な目的を達成する為に体の関係を持ったのだけれど、どういう訳かそのまま正式にお付き合いをする事となった。



『………て、事があってさ。その件に俺は直接関係ないんだけど、それでも同じ部署内で起こった事だから、知らん振りもどうかなって思うんだよね』


この声を聞くと、スマホを握る手に勝手に力が入る。


『上の人達もてんやわんやで……面倒事は本当勘弁して欲しい』


現在私は耳が幸せの真っ最中。


『話は変わるんだけど、この前会社の近くに新しいラーメン屋が出来て、上條さんと一緒に行ってきたんだけど……』


彼が話す内容は至って普通の世間話なのだけれど、私の脳内でそれら全てが18禁の内容に変換されている。

流石に電話越しに「はぁはぁ……」言いはしないものの、密かに1人で興奮している私がいる。

胸の高鳴りに悶え苦しまずにはいられない。


『ボリュームあるけど割りとあっさり系で女性でもペロリと………』


と、ここで電話の主の言葉が不自然に途切れた。

突然のサービスタイム終了を不思議に思いながら、一応受話音量の確認をしてみる。

興奮して気づかぬ内にうっかり音量調節ボタンに触れて音を小さくしてしまったのかもしれない。

サイドのボタンで音量を少し上げて、再度スマホを耳に当てたと同時に不満げな声が聞こえてくる。


『………瑞希、さっきから反応ないけど……聞いてる?』

「っ、」


音量を上げた所からの、ちょっぴり怒ったような低めの声は刺激が強過ぎた。


「き、聞いてる……ちゃんと聞いてる、うん……」


まるで今の私は夏場のキャラメル状態。

噛み応えのないふにゃふにゃ柔らかいキャラメルみたく、ベッドの上で溶けかかっている。


「あー………もう、ホント好き……」


思わず口走った言葉に、電話の主は声にならない声を出した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

両隣から喘ぎ声が聞こえてくるので僕らもヤろうということになった

ヘロディア
恋愛
妻と一緒に寝る主人公だったが、変な声を耳にして、目が覚めてしまう。 その声は、隣の家から薄い壁を伝って聞こえてくる喘ぎ声だった。 欲情が刺激された主人公は…

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

JC💋フェラ

山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……

ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました

宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。 ーーそれではお幸せに。 以前書いていたお話です。 投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと… 十話完結で既に書き終えてます。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

処理中です...