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第三章 水の都の大捜索
第三十四話 子供たちのアジト
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都市には必ずと言っていいほど、貧民街というものがある。この水の都の貧民街は多数の子供で構成されていた。大人が少ない理由は、ミカドの政策で徴兵されたり事業に動員されたりしたことが原因で、これにさえ溢れてしまった一部の老人がこの子供達に紛れていた。これらの政策には教会やギルドも加わっていたが、国策という点で他の都市と差別される。
この救済策は、水の都の治安を維持することに大いに貢献していた。このため、犯罪を取り締まる弾正台の規模はさほど大きくなく、子供達による犯罪も布施の一種と考えられているほどで、少なくとも貧民街に住む者へは寛容であった。
しかし犯罪行為が奨励される訳ではない。子供を中心とした集団に組織立った行為はないものの、常習者はそれなりに目をつけられていた。この少年ヴァレールも窃盗を繰り返し、目をつけられていた者である。
「今日のあがりはこれだけか」
彼の目の前には、芋が二つとパンが一つ。その周りに彼より幼い五人の子供が集まっていた。
「全員分無いね」
「仕方ないよ。分けよう」
「お腹減ったぁ」
路地奥の小屋に少年達はいた。親なしの彼らは身を寄せ合い、この街で細々と生きていた。食べ物を恵んで貰う者、盗む者、ごみを漁る者。いずれも彼らの生活の手段だ。
「ジュスランはどうした?」
「まだ戻ってないよ」
「遅いな。まさかパクられた?」
「ジュスランなら噛み付いてでも逃げ出すよ」
「うん、ジュスランなら」
全員が戻ってから分け前を分担することになっているので、戻りの遅い仲間に不満を募らせる。一番の問題は戻って来ない可能性があることだろうが、件の少年は逃げることには定評があった。
「こう少ないのも、あれが出てからだよね」
「お前ら、あれにはとにかく近づくんじゃないぞ。怪我じゃすまないからな」
「あ、ジュスランだ」
「誰かいるぜ」
「冒険者かな」
「ヴァレール、どうしよう」
「お前らここにいろ、俺が出る」
齢十二を迎えたくらいだろうか。ヴァレールはあどけない表情に鋭い眼光を秘めていた。それは幾度も彼を虐げた大人たちに向けられてるものであった。
青い帽子の少年を追いかけていた二人は路地奥の小屋を見て察した。大人では屈まないと入れないほど背丈の低い屋根。風が強く吹けば飛んでしまいそうなほど薄い板の壁。彼らの置かれた境遇を端的に物語っていたのだから。
「ねぇ君、ここがお家?」
「そうだよ。でも兄ちゃん達に頼みたいのは別のとこ」
「何がどうしたの?」
「化物が来てさ。ヴァレールも怪我しちゃったんだ」
「誰が怪我したって?」
小屋の前で青い帽子の少年と話をしていると、似たような年代の少年が出てきた。金髪に薄汚れた格好であることから仲間だとすぐに分かるが、その服は貴族などの身分の高い者だったと分かるシャツを身につけていた。何かの事情があってここに身を奴したのだろう。
「おい、そこの冒険者の兄ちゃん姉ちゃん。このへんは俺たちのシマだ。余計なことはしてくれるなよ」
「そんなことはしないよ。俺はジェロム。この子に荷物を取り返してもらった礼に、頼まれごとをされて来たんだ」
「へん、大人なんて上部だけで嘘ばっかりだからな」
「あら。わたしたちがズルい大人なら、この子の依頼なんて断ってるわ」
敵意剥き出しの少年に諭すよう、ディアナは自分たちの立ち位置を示す。
「まぁまぁ。ヴァレール、おいらたちもあれを倒して貰えれば良いんだしさ」
「・・・分かった。兄ちゃん姉ちゃん、こっちに来てくれよ」
利用できるだけしてやろう。そう考えて先導するために歩き出そうとしたところで、金髪の少年は小屋に戻り中に声をかけた。
「おいお前ら、分け前はお前らで分けて良いから先に食ってな。出かけてくるから、そこから出るんじゃないぞ」
「分かったよ、ヴァレール」
「はーい、いってらっしゃい」
このあばら屋に似つかわしくないその姿に、ディアナは頬を緩ませた。
幾つかの暗がりの路地を折り曲がり進んでいくと、石造りの小さな小屋があった。ヴァレールがその扉を開けると地下へ降りる階段が姿を見せた。
「ここは?」
「下水道の入り口だよ」
「下水道?」
「汚い水を集めて流す水路だよ。掘まで続いてるのさ」
「それで、この中に何があるんだ?」
「おいら達のアジトだよ」
「そこに化物が来た、と」
「そう。蜘蛛みたいなやつで、すばしっこいんだ。危ないからさっきのとこに逃げてるんだ」
二人は入り口から入ろうとはしない。暗いこともあるが、その化物とやらが怖いのだろう。
「そのアジトはどっちかな?」
「階段を降りて右に行くと、丁字路があるんだ。そこを左に曲がって少し行くと、左側に扉があるんだ。そこにあるよ」
「分かった。行ってくるから、君たちはここに居るんだよ」
そう言ってジェロムとディアナは階段を降りて行った。後ろ姿を覗いていた二人は、しばらく闇を眺めた後に顔を見合わせた。
「お前、どこであんなお人好し見つけたんだよ。俺たちみたいな奴の言うことを真に受けるなんて」
「へへ。財布をスられてたから田舎者だと思ってさ。上手くいったよ」
「・・・兎に角。本当に倒せるのか見に行ってみようぜ」
「え? 危ないじゃん」
「いいからいいから。冒険者が戦うところなんて、滅多に見られないだろ」
こっそりと階段を降りていくヴァレールに、独り取り残されることに不安を覚えたジュスランも後を追う。二人でくっつきながら、光もつけずに先行した冒険者の後をつけた。むわっと悪臭が漂う通路の先に、微かにランタンの明かりが見えたのでそう遠くない。しかしそこから先へ進まないため、少年二人もそれ以上は先に進めなかった。
「立ち止まってるな」
「赤く光ってない?」
「何だろう」
通路の先が薄い朱色に光り、しばらくすると元に戻る。冒険者の二人が何かを話している声が聞こえるが、反響してよく分からない。すると、その足音がこちらへ向かってきた。待てと言われてはいたが、いつものように犯罪をしているわけではないので焦ることはない。が、二人は何故か罪悪感を抱き、逃げ出そうと踵を返した。光が届かない通路のすぐ後ろにある階段を上がる。それだけのつもりだった。
「うわっ!」
「ひぃ!」
目の前に赤い八つの光が浮かび上がる。彼らが蜘蛛の化物と評していたその怪物の瞳が浮かんでいたのだ。その蜘蛛の化物は、一番手前にいたジュスランに飛びかかってきた。
「逃げろ!」
「うわ!」
再度、向きを変えて走り出すヴァレール。その後を追うはずだったジュスランは、足をその化物の足に押さえられ、駆け出す前にこけてしまった。
「助けて!」
振り返り相手を確認した少年の目の前に蜘蛛の牙が迫る。慌てて顔を伏せると、帽子が身代わりとなりばさりと数本の髪と共に持っていかれた。
「そのまま伏せて!」
遠くから女の冒険者の声がする。必死に顔を地面に伏せると、再び少年に牙を向けていた蜘蛛の紅い瞳に矢が突き刺さった。
ギシェェェェェ
呻き声をあげながら飛び退く蜘蛛に、今度はジェロムが追い縋る。大型の昆虫等の魔獣と戦う時の鉄則。関節や腹などの柔らかい部分を狙うこと。それを思い出しながら、鋼の剣を前足の付け根に突き刺す。がちり、と金属同士が擦れたような感触がした後に、剣先がその奥へとずぶりと進んだ。
ジェェェェェ
蜘蛛は怯んだ。足が使えなくなったせいか、動きが鈍い。それを見逃さず、剣を引き抜き、今度は背を向けたその腹目掛けて、逆袈裟で切り上げた。
ギジェエエェェェ
びしゃり、と何か臓物が飛び散り、苦し紛れに蜘蛛が暴れだした。少し離れていると、その動きは徐々に力が無くなり、やがて動かなくなった。
「これで終わったか。おい、大丈夫か」
頭を押さえて突っ伏している、帽子が無くなってしまった少年に声をかける。
「・・・」
気を失っているのか。そう思って近付いてみると、彼はガタガタと震えていた。
「兄ちゃん、姉ちゃん、助かったぜ。強えんだな。ありがと」
何とか正気を保っていたヴァレーンが、もう大丈夫とジュスランを起こす。震えが止まらないようで、ヴァレーンに捕まって座り込んでいる。
「あーあ、帽子がダメになったな」
「た、倒したの?」
「そっちで死んでるよ。魔獣だった」
「倒しちゃったんだ・・」
少年は信じられないといった様子で、それが倒れているのを確認する。
「兄ちゃんたち、ホントに強かったんだね!ありがとう」
意外に素直な少年たちに、二人は目を合わせて笑った。
少年たちがアジトのある奥へ進む。二人も着いて行くと、確かに部屋があり、幾つかの生活用品が置いてある。ここに集まっていたと言うのは間違いなさそうだ。
にゃーん
「あ、クラムベル!良かった、生きてた!」
ジュスランが駆け出す。部屋の奥から黒毛の子猫が這い出て来て彼に飛びついた。
「ここに隠れていたんだ」
「この部屋までは入って来なかったみたいね」
小さな命が無事だと喜ぶ少年の姿に、二人は疲れなど感じないくらいの達成感を得た。
願わくば、彼らの将来に幸が多からんことをー
この救済策は、水の都の治安を維持することに大いに貢献していた。このため、犯罪を取り締まる弾正台の規模はさほど大きくなく、子供達による犯罪も布施の一種と考えられているほどで、少なくとも貧民街に住む者へは寛容であった。
しかし犯罪行為が奨励される訳ではない。子供を中心とした集団に組織立った行為はないものの、常習者はそれなりに目をつけられていた。この少年ヴァレールも窃盗を繰り返し、目をつけられていた者である。
「今日のあがりはこれだけか」
彼の目の前には、芋が二つとパンが一つ。その周りに彼より幼い五人の子供が集まっていた。
「全員分無いね」
「仕方ないよ。分けよう」
「お腹減ったぁ」
路地奥の小屋に少年達はいた。親なしの彼らは身を寄せ合い、この街で細々と生きていた。食べ物を恵んで貰う者、盗む者、ごみを漁る者。いずれも彼らの生活の手段だ。
「ジュスランはどうした?」
「まだ戻ってないよ」
「遅いな。まさかパクられた?」
「ジュスランなら噛み付いてでも逃げ出すよ」
「うん、ジュスランなら」
全員が戻ってから分け前を分担することになっているので、戻りの遅い仲間に不満を募らせる。一番の問題は戻って来ない可能性があることだろうが、件の少年は逃げることには定評があった。
「こう少ないのも、あれが出てからだよね」
「お前ら、あれにはとにかく近づくんじゃないぞ。怪我じゃすまないからな」
「あ、ジュスランだ」
「誰かいるぜ」
「冒険者かな」
「ヴァレール、どうしよう」
「お前らここにいろ、俺が出る」
齢十二を迎えたくらいだろうか。ヴァレールはあどけない表情に鋭い眼光を秘めていた。それは幾度も彼を虐げた大人たちに向けられてるものであった。
青い帽子の少年を追いかけていた二人は路地奥の小屋を見て察した。大人では屈まないと入れないほど背丈の低い屋根。風が強く吹けば飛んでしまいそうなほど薄い板の壁。彼らの置かれた境遇を端的に物語っていたのだから。
「ねぇ君、ここがお家?」
「そうだよ。でも兄ちゃん達に頼みたいのは別のとこ」
「何がどうしたの?」
「化物が来てさ。ヴァレールも怪我しちゃったんだ」
「誰が怪我したって?」
小屋の前で青い帽子の少年と話をしていると、似たような年代の少年が出てきた。金髪に薄汚れた格好であることから仲間だとすぐに分かるが、その服は貴族などの身分の高い者だったと分かるシャツを身につけていた。何かの事情があってここに身を奴したのだろう。
「おい、そこの冒険者の兄ちゃん姉ちゃん。このへんは俺たちのシマだ。余計なことはしてくれるなよ」
「そんなことはしないよ。俺はジェロム。この子に荷物を取り返してもらった礼に、頼まれごとをされて来たんだ」
「へん、大人なんて上部だけで嘘ばっかりだからな」
「あら。わたしたちがズルい大人なら、この子の依頼なんて断ってるわ」
敵意剥き出しの少年に諭すよう、ディアナは自分たちの立ち位置を示す。
「まぁまぁ。ヴァレール、おいらたちもあれを倒して貰えれば良いんだしさ」
「・・・分かった。兄ちゃん姉ちゃん、こっちに来てくれよ」
利用できるだけしてやろう。そう考えて先導するために歩き出そうとしたところで、金髪の少年は小屋に戻り中に声をかけた。
「おいお前ら、分け前はお前らで分けて良いから先に食ってな。出かけてくるから、そこから出るんじゃないぞ」
「分かったよ、ヴァレール」
「はーい、いってらっしゃい」
このあばら屋に似つかわしくないその姿に、ディアナは頬を緩ませた。
幾つかの暗がりの路地を折り曲がり進んでいくと、石造りの小さな小屋があった。ヴァレールがその扉を開けると地下へ降りる階段が姿を見せた。
「ここは?」
「下水道の入り口だよ」
「下水道?」
「汚い水を集めて流す水路だよ。掘まで続いてるのさ」
「それで、この中に何があるんだ?」
「おいら達のアジトだよ」
「そこに化物が来た、と」
「そう。蜘蛛みたいなやつで、すばしっこいんだ。危ないからさっきのとこに逃げてるんだ」
二人は入り口から入ろうとはしない。暗いこともあるが、その化物とやらが怖いのだろう。
「そのアジトはどっちかな?」
「階段を降りて右に行くと、丁字路があるんだ。そこを左に曲がって少し行くと、左側に扉があるんだ。そこにあるよ」
「分かった。行ってくるから、君たちはここに居るんだよ」
そう言ってジェロムとディアナは階段を降りて行った。後ろ姿を覗いていた二人は、しばらく闇を眺めた後に顔を見合わせた。
「お前、どこであんなお人好し見つけたんだよ。俺たちみたいな奴の言うことを真に受けるなんて」
「へへ。財布をスられてたから田舎者だと思ってさ。上手くいったよ」
「・・・兎に角。本当に倒せるのか見に行ってみようぜ」
「え? 危ないじゃん」
「いいからいいから。冒険者が戦うところなんて、滅多に見られないだろ」
こっそりと階段を降りていくヴァレールに、独り取り残されることに不安を覚えたジュスランも後を追う。二人でくっつきながら、光もつけずに先行した冒険者の後をつけた。むわっと悪臭が漂う通路の先に、微かにランタンの明かりが見えたのでそう遠くない。しかしそこから先へ進まないため、少年二人もそれ以上は先に進めなかった。
「立ち止まってるな」
「赤く光ってない?」
「何だろう」
通路の先が薄い朱色に光り、しばらくすると元に戻る。冒険者の二人が何かを話している声が聞こえるが、反響してよく分からない。すると、その足音がこちらへ向かってきた。待てと言われてはいたが、いつものように犯罪をしているわけではないので焦ることはない。が、二人は何故か罪悪感を抱き、逃げ出そうと踵を返した。光が届かない通路のすぐ後ろにある階段を上がる。それだけのつもりだった。
「うわっ!」
「ひぃ!」
目の前に赤い八つの光が浮かび上がる。彼らが蜘蛛の化物と評していたその怪物の瞳が浮かんでいたのだ。その蜘蛛の化物は、一番手前にいたジュスランに飛びかかってきた。
「逃げろ!」
「うわ!」
再度、向きを変えて走り出すヴァレール。その後を追うはずだったジュスランは、足をその化物の足に押さえられ、駆け出す前にこけてしまった。
「助けて!」
振り返り相手を確認した少年の目の前に蜘蛛の牙が迫る。慌てて顔を伏せると、帽子が身代わりとなりばさりと数本の髪と共に持っていかれた。
「そのまま伏せて!」
遠くから女の冒険者の声がする。必死に顔を地面に伏せると、再び少年に牙を向けていた蜘蛛の紅い瞳に矢が突き刺さった。
ギシェェェェェ
呻き声をあげながら飛び退く蜘蛛に、今度はジェロムが追い縋る。大型の昆虫等の魔獣と戦う時の鉄則。関節や腹などの柔らかい部分を狙うこと。それを思い出しながら、鋼の剣を前足の付け根に突き刺す。がちり、と金属同士が擦れたような感触がした後に、剣先がその奥へとずぶりと進んだ。
ジェェェェェ
蜘蛛は怯んだ。足が使えなくなったせいか、動きが鈍い。それを見逃さず、剣を引き抜き、今度は背を向けたその腹目掛けて、逆袈裟で切り上げた。
ギジェエエェェェ
びしゃり、と何か臓物が飛び散り、苦し紛れに蜘蛛が暴れだした。少し離れていると、その動きは徐々に力が無くなり、やがて動かなくなった。
「これで終わったか。おい、大丈夫か」
頭を押さえて突っ伏している、帽子が無くなってしまった少年に声をかける。
「・・・」
気を失っているのか。そう思って近付いてみると、彼はガタガタと震えていた。
「兄ちゃん、姉ちゃん、助かったぜ。強えんだな。ありがと」
何とか正気を保っていたヴァレーンが、もう大丈夫とジュスランを起こす。震えが止まらないようで、ヴァレーンに捕まって座り込んでいる。
「あーあ、帽子がダメになったな」
「た、倒したの?」
「そっちで死んでるよ。魔獣だった」
「倒しちゃったんだ・・」
少年は信じられないといった様子で、それが倒れているのを確認する。
「兄ちゃんたち、ホントに強かったんだね!ありがとう」
意外に素直な少年たちに、二人は目を合わせて笑った。
少年たちがアジトのある奥へ進む。二人も着いて行くと、確かに部屋があり、幾つかの生活用品が置いてある。ここに集まっていたと言うのは間違いなさそうだ。
にゃーん
「あ、クラムベル!良かった、生きてた!」
ジュスランが駆け出す。部屋の奥から黒毛の子猫が這い出て来て彼に飛びついた。
「ここに隠れていたんだ」
「この部屋までは入って来なかったみたいね」
小さな命が無事だと喜ぶ少年の姿に、二人は疲れなど感じないくらいの達成感を得た。
願わくば、彼らの将来に幸が多からんことをー
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