上 下
35 / 175
第1章 歓迎! 戦慄の高天原

035

しおりを挟む
「彼女は我らが生徒会長のお墨付きだよ! 覚悟したまえ!」


 俺たちの前に出てきた人。
 ぼさぼさの黒髪に眠そうな目つき。着崩した制服に気怠そうな態度。
 俺とそう体躯も変わらないというのに異様な威圧感。


「凛花先輩・・・」

「よう落第生。補習の時間だな」

「やはり・・・そうなりますのね」


 あの・・無機質な表情。
 こうなることを彼女は知っていた。
 だけれども凛花先輩は可能性として、俺が彼女を上回ることを夢見た。
 だから俺を鍛えた。
 そういうことだろう。


「これまで何度かやったら合格できただろ。今回もこれで合格すんぜ」

「あ~、期待してるよ」


 いつものやる気のない返事。
 それだけ言うと凛花先輩が構えた。
 昨日の最後を思い出す。
 彼女の全力は、皆には止められない。
 対抗できるのは俺しかいないのだ。

 自然と俺は凛花先輩の前に出た。
 皆を守るにはこの位置しか選択肢がない。
 昨日の結果がそう教えてくれているから。
 だけれども1対1で勝てるビジョンが浮かばない。
 鬼ごっこは何とか触れただけ。
 丹撃のぶつけ合いだって、ようやく互角になったところだ。
 凛花先輩には岩を砕く技、それこそ普通の格闘技など、幾らでも攻撃手段があるはずだ。
 丹撃のみ、直進のみの俺とは雲泥の差だ。

 それでも。
 俺はそれでも彼女を誓約から解放すると決心したんだ。
 ほら、ラリクエって高難度じゃないか。
 勝てなさそうな相手でも勝つ方法がある。
 それを探すのが楽しいゲームなんじゃないか。
 そう、セーブ無しで、生身の身体で挑んでいるとしても!


「ははは! 数年にいちどの飛び抜けた能力を持つ3年の主席、楊 凛花だ。君たちごときが束になっても敵うまい」

「知らぬはお前の方だ。武と凛花の最終課題を邪魔するわけにはいかない。俺はお前を御すとしよう」

「ほー! 僕を相手にすると? はははははは!!」


 レオンが言い返すと、アルバート先輩はまた小馬鹿にするように高笑いをした。


「新入生の君たちが知らぬのも無理はない。僕は3年生の次席だ! 先の2年生どもとはレベルが違うのだよ! 見たまえ!」


 そう彼が叫ぶと、唐突に水が押し寄せた。
 そう、水だ。
 鉄砲水のようにアルバート先輩の前から、レオンたちだけに向かって流れてきたのだ。


「ぐっ!?」

「なんですの!?」


 レオンとソフィア嬢、さくらは舞台の端まで押し流された。
 あいつ・・・もしかして水の魔法が固有能力ネームド・スキルなのか!?


「レオン=アインホルン! お望み通り僕が相手をしよう! 次席同士、仲良くしようじゃないか!」


 中央に取り残されたのは凛花先輩と俺。
 ・・・混戦にならねぇだけマシか。
 これで凛花先輩だけ考えれば済む状況になったのだから。


「なぁ凛花先輩。手加減は無しなんだよな」

「当たり前だ。アタイは手加減なんかできない」


 彼女は変わらぬ無機質な表情で。
 そこになぜか聖女様を連想してしまった。
 少しだけ可笑しくなってしまった俺は先輩に微笑みかけた。


「先輩。もう昼寝の時間は終わりにしようぜ」


 ◇


 緊迫した壇上の俺たち。互いに動けずにいた。
 そんなしんとした体育館の一角がにわかにざわめいた。
 何処にいたのか生徒会長が姿を現したからだ。

 アレクサンドラ=メルクーリ。
 長いストレートの金髪に白い肌。
 鋭い碧眼が放つ眼光が只者ではないと示している。
 ほっそりとした、完成された美しい雰囲気はギリシャ神話の女神のようだ。
 その生徒会長がお供を伴って舞台の脇に陣取った。
 

「アルバート副会長、高天原生徒会是訓、第3条を覚えているか」


 硝子細工のような透明ながらも美しい声だった。


「アレクサンドラ会長! 『強きを以て序を列を示す』であります!」


 アルバート先輩が答える。
 なんとも高天原らしい是訓だぜ。

 ・・・俺はあいつの僕に成り下がるんだな。
 目の前の凛花先輩は例の無機質な表情だ。
 元凶はこいつらなんだ、そりゃそんな顔になる。
 せめてその顔をしなくて良いようにしてやるぜ。


「さあ、聞いてのとおりだ。壇上の者たちよ、今こそ示すがいい」


 それが合図だった。
 俺は全力で地を蹴った。
 凛花先輩とやり合うには足りないものばかりだ。
 見込みがあるのは正面から丹撃でぶつかり合うくらいだろう。
 だったらその状況まで持ち込むまで!


「いくぞ先輩!」


 小細工なし!
 正面から俺は突っ込んだ。
 丹撃合戦に持ち込むなら翻弄される前しかない。
 先輩が乗ってくることに賭けたのだ。

 だが先輩は横に飛んで避けた。
 くそっ!? 左か!?
 目で追ったところで先輩の蹴りが迫っていた。


「は!?」


 早すぎぃ!!
 横に避けて切り返すのがどうして1秒なの!!
 避けられないと悟った俺は防御姿勢のために胴に魔力を流す。
 くそ、受けに回ると効率悪いんだよ!

 ばちいいぃぃぃん!!


「がっ!?」


 白と緑の花火が煌めく。
 かなり衝撃を受けたが何とかダメージは抑えた。
 だけど身体で受けた俺は舞台の端まで吹き飛ばされた。

 吹き飛びながらも力を入れて姿勢を保つ。
 何とか体勢を整えて先輩の位置を確認する。
 今度は・・・飛んだ!?
 上から俺に目がけて向かって来ていた。

 ・・・空中なら避けられない。
 あれなら狙えるか?
 俺は丹撃のための魔力を集めた。
 今度こそ正面から・・・。
 と思っていたら先輩は脚に魔力を集めて・・・!?


龍雷ロンライ!!」


 空を斬る閃光蹴り!?
 脚から放たれた緑色の稲妻が俺に迫る。

 ぎゃあぁぁ!?
 咄嗟に溜めてあった魔力で全身防御!!

 バリバリバリバリ!! どおん!!

 うおおおぉぉぉぉ!!
 雷、雷だよ!! 魔法!?
 凛花先輩、格闘技専門じゃねぇのかよ!?

 雷は何とか防いだけれど、反射的に両腕で頭を庇ってしまったせいで視界が塞がった。
 不味いと思って腕をどけたところで目の前に凛花先輩の拳が迫っていた。
 例の無機質な表情と目が合った。


「ぐぅぅぅぅ!!」


 もう一度防御を、と考えたところで間に合わない。
 中途半端な魔力を込めた左腕で拳を受けたけれど、案の定、全身に衝撃が走った。
 くそ、丹撃だよ!
 また俺は数メートル吹き飛ばされ、今度は地面に片膝をついてしまった。


 ◇

■■レオン=アインホルン ’s View■■

 相手は3年生の次席。
 恐らくは凛花を除き、この場でもっとも実力のある敵対者だ。
 あれだけ尊大な態度をとれるのだ、心して臨む。


「さて、こちらも始めるとしようか」


 アルバートは懐からステッキを取り出した。
 魔法の指向性を補助する道具か。もしかしたらアーティファクトかもしれない。
 時間を与えるだけ不利、か。

 こちらの戦力はさくらの強弓とソフィアの刺突剣。
 どちらも奴の魔法の前にかき消される。直接に胴へ打ち込む他ない。
 とすれば俺が陽動を担うのが正攻法か。


「さくら、ソフィア。俺が引き付ける。隙をついてやれ」

「承知ですわ」

「はい」


 小声で動きを伝える。
 何度かやつに見せてきた行動だ、恐らくは読まれるだろう。
 だが1対1でないなら隙も生まれるというものだ。


「選択肢など無いと思うがね」


 奴の言葉と同時にステッキから直線状に水が放たれた。


「きゃっ!?」

「ソフィア!」


 レーザー光線のように伸びたそれは、ソフィアの左腕を撃ち抜いていた。
 ・・・やはり時間を与えると不利だ!
 奴の言うとおり選択肢はない!


「カリバーン! おおおおおぉぉぉぉ!!」


 俺はカリバーンを生み出すと突進した。
 ソフィアの傷も気になるが、この行動のほうがより安全を確保できる。
 また水鉄砲か? 洪水か?
 俺は奴の動きを観察する。
 だがアルバートはにやついたまま、ステッキを両手に持ち俺を待ち構えていた。
 俺の斬撃は止められないぞ!
 このまま一撃を入れてやる!

 手前まで走ったところで剣を横薙ぎに払う。
 この位置なら上に飛ぶか下にひれ伏すしか選択肢がない!
 さぁどうする!!


水城壁ウォーターランパート


 その言葉と同時に水壁が奴の前に現れた。
 透明な壁というのにカリバーンを受け止める!


「なに!?」


 遠慮などしていない。
 武と打ち合った時のように全力で振り抜いたのだ。
 対立属性とはいえそれを受け止めただと!?


「猪は山に帰るといい」


 奴が振りかぶったステッキは・・・水の剣!?
 あの剣は壁を突き抜けるのか!?
 まずい!


「ぐうぅぅぅ!!」


 反射的に身体を引いたが間に合わず、脇腹のあたりまで鈍い痛みが走った。
 その剣撃を左肩から受けた。


「さぁ、君の出番は終わり・・・!?」

「させませんわよ!」


 連撃を受けそうになったところに、側面からソフィアの突きが入る。
 奴は咄嗟に身を引きその一撃を躱す。
 そこに追撃で矢が迫った。


「くっ!? 水盾ウォーターシールド!」


 奴は俺たちの正面から少し離れ、連携を避けるべく壁の影に隠れた。
 良い連携だ、さすがさくらとソフィアだ。


「レオン様! まだ戦えますの!?」

「助かった。時間制限はあるがな」


 自分の状態を確認する。
 左肩から脇腹まで大きく斬られ出血している。
 結弦と同じような状況だ。
 だがここで引くわけにはいかない。奴を引き付ける役は俺の仕事だ。


「畳み掛ける。続け!」

「承知!」


 傷を受けたこの身体。
 昨日の武はきっと似たような状態だったのだろう。
 だがヤツは立ち上がり戦い続けた。
 ヤツにできて俺にできない道理はない!

 不思議と高揚感の方が強かった。
 同じ立ち位置に少しでも近付いたと思えたからだろう。
 限られた手数や条件を頭で展開する。
 どうすれば奴に届くのか。
 俺の答えは、友の見せてくれた動きにあった。

 俺たちの動きに合わせ、後ろからさくらの矢が奴を狙う。
 奴は水で盾を作り出し弾いていた。


「鬱陶しい! 大人しくしていろ!」


 突進を始めた俺たちの脇を狙って奴が放った水鉄砲。
 わざと外した・・・いや、後ろ!?


「ああっ!?」


 狙いはさくらか!
 その悲鳴じみた声からきっとどこかに当たってしまったのだろう。
 だが振り返る暇はない。
 俺は構わず地を蹴る!


「ソフィア!」

「左ですわ!」


 俺は右に飛び、奴をソフィアと挟み込むように左右から迫った。
 さぁどちらに壁を作る!?


水城壁ウォーターランパート


 奴は俺の目の前に壁を張った。
 ソフィアには水の剣で対抗するつもりか。具現化相手ではソフィアが不利だ。
 だがそれはこちらから意識を離すということでもある!
 この壁、打ち砕いてくれる!!


「ぐおおおぉぉぉぉぉ!!」


 渾身の力を込めて俺は壁にカリバーンを突き立てた。
 大量の赤と青の花火が視界を染める。

 バリバリバリバリ!!!

 魔力同士の衝突。
 魔力の強いほうが勝つ!

 貴様はその水の剣にも魔力を使っている。
 ならばこの壁を俺が破れぬわけがない。
 貴様の魔力は武よりも少ないのだから!!


穿つらぬけ!!」


 薄透明な壁の向こう側で、ソフィアがエストックを水の剣に弾かれ一撃を喰らっている!
 気付けば俺の身体から随分と血が流れ出ていた。
 だが! まだ俺は進める!!


「うおおおぉぉぉぉ!!」


 ばちぃぃぃん!!

 魔力同士が相殺して弾ける音。
 そう、武と相殺したあの最後の一撃で聞いた音だ。
 俺の剣と奴の壁が相殺した!


「なに!?」


 壁に絶対の信頼を置いていたのか。
 俺が壁を打ち消したとき、奴は俺に背を向けていた。
 無手にはなってしまった生身の人間同士だ!

 壁とカリバーンの魔力の残滓が視界を染め輝く霧となる。
 その霧を突き抜け、無防備な背中を目がけて渾身の蹴りを見舞う。


「くらえ!!」

「がはあぁぁぁぁぁ!?」


 奴の身体が背中からくの字に曲がり吹き飛んだ。
 入った! そう確信した瞬間。
 吹き飛ぶ奴の、不敵な笑みを浮かべた面が見えた。
 それと同時に奴の背を蹴り抜いた俺の右足に、突き立てられた水の剣が刺さっていた。


「ぬぐぅ!!」


 奴の手を離れた水の剣はすぐに水色の残滓となった。
 だが俺の右足に空いた穴は、さらなる出血を俺に強要していた。

 まだだ、まだ奴は立ち上がる。
 あと少しなんだ。
 奴に止めを!

 飛んでいった奴を追いかけようとしたところでふらついた。
 痛い。意識も少し危うい。血の出しすぎか?
 このまま場外に出れば治療を受けられる。
 そうしてしまいたい衝動に駆られる。
 俺にできることは十分にやった。

 ・・・だがそうするわけにはいかない。
 俺に果たすべき役割はまだ終わってなどいない!

 見ればソフィアが倒れていた。
 不利を承知で全力でひきつけてくれていたのだ。
 横を見ればさくらも蹲っている。
 きっとあの一撃を喰らってしまったからだ。
 
 くそ、動けるのは俺だけだ、早く前へ・・・!!


 ◇

■■京極 武 ’s View■■

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「・・・」


 何度目か。
 俺は苦し紛れの防御をして何とか姿勢を起こした。

 凛花先輩は正面から打ち合ってくれず、龍雷を交えて俺を翻弄した。
 都度、魔力を無駄に消費して防御をする。
 やってもやっても先が見えない。
 時間ばかりが過ぎていく。
 徐々に削られていっているのは考えずとも理解できた。

 目の前に立ち尽くす無表情な先輩の顔に、少しだけ笑みが浮かんだ。
 それは寂しげで、色々なものを諦めるときのような表情だ。
 なんだよそれ・・・その笑み。失笑か?
 俺に・・・失望してんのかよ!?


「諦めてんじゃねぇよ、先輩」

「・・・」

「期待してるって言ったじゃねぇかよ!」

「・・・」


 先輩は俺の声には反応しない。
 ただ、俺のその言葉を聞いたからか、笑みは消えまた無機質な表情に戻った。

 あれだけ一緒に訓練をしたんだ。
 俺の弱点はもとより、俺ができることだってぜんぶ把握してる。
 だからどうすれば負けるかもよく知っているわけだ。
 俺が正面から打ち合うしかないことも知っているのだから!

 ・・・だったら。
 先輩が想定しねぇ方法でやるしかねぇよ。
 彼我の差は正攻法で埋まるもんじゃねぇ。
 考えろ俺。
 彼女に見放される前に示すんだ!


「まだやるぜ、先輩!」


 俺は再度突進した。
 先輩は俺を引きつけると左に避けた。
 左からは・・・蹴り!!


「そこだ!」


 俺は完全に勘で右腕を振り向き様に振り抜いた。
 いちばん最初の攻防の焼き直し。
 そうなると直感したからだ。
 防御無視の強撃!
 安全な策が届かないなら一番危険な策だ!!
 空を切るかと思った右腕は奇跡的に先輩の脚を捉えた!

 ばしぃぃぃん!

 入った!!
 ダメージを与えたことに一縷の希望を得た俺。
 だが勢いを落とさず迫る蹴り。これも想定内!
 俺はその蹴りを甘んじて受け入れた。


「がひ!!」

「ぐっ!」


 我ながらなんて悲鳴!!
 顔をやられたらこんな音が出んのかよ!?
 俺はその蹴りをもろに顔面に食らった。
 頬から額に向けて踵が刺さり顔から吹き飛ぶ。
 ぐおおお!!
 意識保てよ!! 俺!!!

 何とか倒れず踏み止まる。
 先輩も俺の一撃で飛んでいったがこちらはかなり酷い。
 くそ、額が割れたか!? 痛ぇ!
 血が出てんな、視界が赤いぞ。

 額を腕で拭うと目の前に凛花先輩が戻って来た。


「ようやくか」


 ひとこと。
 先輩のそのセリフから、一撃が待ち望んでいたものであることを俺は悟った。
 見れば俺にやられた左脚が折れたのか、ぶらぶらさせていた。
 これで高速移動できねぇだろ。

 ここで一気に畳み掛ける!
 疲労や痛みが限界に来る前に俺は地を蹴った。
 が、次の瞬間、俺の脚がもつれて転倒した。


「うお!?」


 一気に身体から力が抜ける。
 どうしたんだ、俺!?
 慌てて立ち上がるが思うように力が入らなかった。


「あれ!? は・・・?」

「時間切れだな」

「えっ!?」


 時間切れ。
 時間って・・・疑似化の2時間!?
 このタイミングで!?
 身体に通していた魔力の出口が無くなり、行き場を失った魔力が巡る。
 少し目眩がした。ああ、軽い魔力酔いだ。

 バランスを崩さないよう意識を保つ。
 何とか持ち直した。
 が・・・ここからどうするのか。
 俺は少ない選択肢を頭の中で探ることとなった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クリスの物語

daichoro
ファンタジー
 地底世界や海底世界、空中都市や風光都市など世界中を駆け巡る壮大なスケールで描かれる冒険物語全4部作。剣と魔法の王道ファンタジーにスピリチュアル的視点を交えた、新しいカタチの長編ファンタジーストーリー。  小学校6年生のクリスは、学校でいじめに遭い人生に何も楽しいことが見出せなかった。唯一の生きる糧は愛犬ベベの存在だった。しかし、そんなベベがある日突然死んでしまう。悲しみに暮れるクリスだったが、ベベの死をきっかけに前世の人生を垣間見ることになる。  時代は紀元前。愛する人を救うべく、薬売りの老婆から指示されるまま地底世界へと誘われた前世の自分。運命に導かれるまま守護ドラゴンや地底人との出会いを果たし、地底図書館で真実を追い求める。  しかし、情報に翻弄された挙げ句、望む結果を得られずに悲しい結末を迎えてしまう。そんな前世の記憶を思い出したのは決して偶然ではなかった。  現代に戻ったクリスは自分の置かれた運命を知り、生まれ変わったかのように元の明るい性格を取り戻した。そして周囲の対応もまったく違った対応となっていた。  そんなクリスのもとへ、地底世界で出会ったドラゴンのエランドラや地底人のクレアたちがやってくる。その目的は、闇の勢力から地球を救うため。  現在、地球は次元上昇【アセンション】の時期を迎えていて、光の惑星へと目覚めつつある。ところが、闇の勢力が何としてもそれを阻止して、消滅させてしまおうと躍起になっているという。  アセンションを成功させるには、伝説のドラゴン【超竜】のパワーを秘めるドラゴンの石【クリスタルエレメント】を入手する必要がある。そして、クリスはそのクリスタルエレメントを手に入れる資格のある『選ばれし者』だということだった。  クリスは、守護ドラゴンや仲間たちと共に海底都市や風光都市へといざなわれ、各地にちらばるクリスタルエレメントを探し求める冒険へと旅立つ。  やがて、すべてのクリスタルエレメントを手に入れたクリスたちだったが、ひょんなことから闇の勢力にそれらすべてを奪われてしまう。  そして遂に闇の勢力の本拠地へ乗り込み、最終決戦に臨むことに─────  ぜひ、お楽しみください♪

ヤミのマギア~ヤンデレ♂がヤンデレしか登場しない乙女ゲームのヒロイン……の親友キャラ♀に転移した~

桜野うさ
ファンタジー
内藤宗護(ないとう しゅうご)には愛する女性(乙女ゲームにハマっている)がいた。 いつものように家を盗聴していたら彼女がピンチに…! 彼女を助けようとするも、刺されて死にかける。 目覚めたら、ずっとプレイしていた乙女ゲーム『ヤミのマギア~少女は孤島で溺愛される~』のヒロイン……の、親友キャラに転移していた。 そしてヒロインには宗護の愛する川合井陽彩が転移していた。 彼女を助けるためにはこのゲームのトゥルーエンドに到達する必要がある。 トゥルーエンドに到達するために、宗護は乙女ゲームの攻略キャラクターたちを全員攻略することにした。 ※BL作品ではありません。(主人公は攻略対象と恋愛しません) 胸キュンな甘い恋愛はありません。 学園恋愛ものに見せかけて、ダークな設定とホラーっぽい演出があるコメディのようなシリアスのような小説です。 作中に出て来るゲーム内容は乙女ゲームの皮を被った鬱ゲームです。 小説の前半は乙女ゲームですが、後半からはRPGになり戦闘シーンもあります。 ※男性→女性のTS要素を含みます。 ※女性同士の恋愛(百合)要素を含みます。 ※男性同士の恋愛(BL)要素はありませんが、そういう風に見える部分があるかもしれません。 ※カクヨム版とほとんど同じ内容です。

独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~

さとう
ファンタジー
 町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。  結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。  そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!  これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する

くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。 世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。 意味がわからなかったが悲観はしなかった。 花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。 そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。 奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。 麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。 周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。 それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。 お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。 全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が子離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。 最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。 自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。 そして、その価値観がずれているということも。 これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。 ※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。 基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。

転生幼児は夢いっぱい

meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、 ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい?? らしいというのも……前世を思い出したのは 転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。 これは秘匿された出自を知らないまま、 チートしつつ異世界を楽しむ男の話である! ☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。 誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。 ☆ファンタジーカップありがとうございました!!(*^^*) 今後ともよろしくお願い致します🍀

処理中です...