上 下
15 / 175
第1章 歓迎! 戦慄の高天原

015

しおりを挟む
 高天原学園は土日が休みとなるが、土曜日は補習と部活動の日だ。
 といっても仮所属の1年生は部活動を強制されるものではない。
 しばらくの間は土曜日はお休みというわけだ。

 毎朝、身体を動かすという俺の目標は早くも崩れ去っていた。
 というのも魔力を消費すると異様に眠くなる。
 昨日、丹撃を練習した俺は一気に魔力を消耗していたらしい。
 らしい、というのは消耗に自覚がないからだ。
 寝て起きる時に気怠くなるので、そこで気づくという有様だった。

 つまり、土曜日の朝を怠惰な惰眠を貪るということに費やした。

 コンコン・・・。

 コンコン・・・。

 微睡みの中で聞こえてはいたが、俺は反応できなかった。
 ああ、誰かが来た、という鈍い理解だけだった。

 ・・・眠ぃんだよ。
 ・・・放っておいてくれ。

 がちゃり。

 ん・・・。
 鍵、閉めてなかったっけ。
 誰か入ってきた・・・?
 ・・・。

 気付いていても頭も身体も反応してくれない。
 すべてを放棄して睡眠を取りたいと主張していた。

 ・・・。
 静かになった。もう帰ったかな。
 ・・・。
 ・・・。
 ふわり・・・。
 ん?
 唇になにか触れた・・・?


「んあ・・・」


 さすがに少し意識が戻ってくる。
 けれどとても覚醒に至らない。


「武さん」

「・・・んー?」

「ふふ・・・お疲れですね。お休みなさい」

「・・・すぅ」


 ・・・。
 ああ、眠ぃよ。
 お休みなさい。
 ・・・。


 ◇


 コンコン・・・。

 ん・・・。

 コンコン・・・。

 あれ?
 さっきもノック無かった?
 え?
 今、何時!?

 がばっと勢いよく起き上がり覚醒したばかりの頭を働かせる。
 感覚的に寝過ごしたことはわかる。
 なにせ日が高い。

 コンコン・・・。

 さくらさんか、起こしてくれてるのは。


「ごめん、今、起きたから!」


 声をかけてからベッドから降り着替えながら時間を見る。
 え!?
 11時50分!?
 寝過ごしたどころの時間じゃねぇぞ!?
 うへ、どんだけ疲れてんだよ、俺は。
 顔を洗って頭を完全に覚醒させて廊下に出る。


「おはようございます」

「おはよう! ありがとな、また起こしてくれて」 

「ふふ、ゆっくりお休みできましたか」


 いつも可愛いにこにこ顔のさくらさん。
 すっかり見慣れた銀髪も白い肌もいつも綺麗だ。
 いつの間にかあどけなさは消えて大人の美しさを感じる。
 当初からこういったヒロインパワーを感じていたが、ゲーム開始の年齢になったら益々磨きがかかったように思う。
 ほんと、油断するとすぐに流されそうで怖い・・・。


「? どうしました?」


 やっべ、また見惚れてたよ!
 なんか今日は艶がある? ちょっと頬に朱がかっている気がする。
 こてんと頭を傾けて聞いてくるその仕草。やばい。


「アハハ、まだ寝惚けてるみたいで・・・」


 掠れ声!
 俺、また赤くなってねぇよな!?


「それよりお腹減ったよ。食堂へ行こう」

「はい、行きましょう」


 なんだか上機嫌な彼女に若干の気後れを感じながら。
 俺は虫が鳴いたお腹に急かされ食堂へ向かった。


 ◇


 食堂は土曜日も混雑していた。
 全寮制でここしか食べるところが無ければ当然か。
 何とか席を、と探していたら遠くにレオンの姿が見えた。
 手を軽くあげてくれているところから座れるようだ。
 よくこんな遠くでわかるな。


「あそこ、空いてるみたいだな。行こう」


 さくらさんを連れて行くとSS協定のメンバーが揃っていた。


「ご機嫌よう、武様」

「おはよ、武くん」


 ソフィア嬢にリアム君が出迎えてくれる。
 ふたりともにこりとしてくれる。
 挨拶に軽い笑顔は嬉しいね。


「武、午前中は寝ていたのか」

「あ~、眠くて仕方ねぇんだ」

「武さん、そんなに激しい訓練をしてるんですか?」

「んん、全然だ。まだ初歩の初歩なんだけどなぁ。情けねぇ」


 レオンと結弦も気にかけてくれている。
 男友達としてはとても良い関係になれそうだ。


「なに、あんたずっと寝てたの?」


 そして蔑むような視線のジャンヌ。
 これ、こういうプレイが好きな人にはたまらねぇんだろうけど。
 俺はその趣味がないので普通にストレスだな。


「疲れてんだよ。体力と魔力の使い過ぎだ」

「へぇ。遊んでばかりかと思ったけれど本格的にやってるのね」

「やらねぇと誰かさんにボコられるからな」

「誰よ、そいつ。あたしが話をつけてあげるわ」


 ・・・これ、突っ込んだほうが良いの?
 護衛対象をターゲットにする奴のセリフとは思えん。
 まぁこいつだけじゃなくて生徒会連中も当面の敵だからな。
 相手はひとりじゃねぇ。


「誰でもいいだろ。どうにかしねぇと駄目なんだ」

「あまりご無理をされては逆効果です。適度にお休みになってください」

「うん、ありがとう、さくらさん」


 ああ、優しい心遣いが暖かい。
 完全に俺サイドで考えてくれる人って、さくらさんだけだからな。


「武様、今日はどうされるご予定ですの?」

「あ~・・・決めてねぇんだよな。部活というか練習をしてぇんだが」


 昨日、集魔法は自力でできた気がする。
 丹撃はまだ凛花先輩に流れを作ってもらわないと発動できない。
 前段である集魔法の共振をモノにしたい。
 集中できる環境が必要だろう。


「今やってることは身体を動かす必要はねぇから、自分の部屋にいると思う」

「では本日の随行は必要ありませんわね」

「ああ」


 順番からすると次はソフィア嬢と結弦か。


「そうだ、明日は用事があるんだ。緑峰市まで行くから明日も必要ねぇぞ」

「あら、遠出ですわね。1番の方とお逢いになられるのですか?」

「ん、そういうことだな」


 ここは宣言しといたほうがいい、牽制になるし。
 ソフィア嬢は澄まし顔だけどさくらさんの表情が曇った。
 ちょっと罪悪感はあるけども、人を好きになるって選択するってことだからな。
 ごめんよ。
 他の4人はどうでも良さそうな雰囲気。
 ん? 気にならないってこと?
 君たちの思考回路はよくわからん。まぁ狙ってもらわないほうが都合が良いけど。


「ねえ、武くん! このあとお部屋に遊びに行ってもいい?」

「・・・言っただろ、練習してぇんだよ」

「ええ~。ずっと練習するわけじゃないんでしょ?」

「そうだけどさ」

「じゃ、おやつしよ!」


 無邪気な感じで侵入宣言をするリアム君。
 俺の都合無視なのか。


「それよりお前らはどうすんだよ。仮所属でも土曜なら部活できるだろ」

「俺は午前中で終えた。午後は自主練だ」

「オレもそうです。午前中で終わる部活が多いみたいですよ」

「そうなの?」

「ええ、土曜日の午後は自由に勉学や部活動に励むという方針ですわ」

「土曜日は身体を動かして、日曜日に座学をする人が多いんだよ!」


 そういえばそんな事を初日に言われた気がする。
 こいつら絡みの衝撃が大きすぎてすっかり忘れてたよ。


「ソフィアとジャンヌも自主練か?」

「わたくしは多少、勉学を。のちほど、リアム様とご一緒にお邪魔しますわ」

「は? だから俺は練習すんだっての」

「おふたりが武さんのところへ行くのならわたしも行きます」

「・・・」


 いや、だからさ。
 練習すんだって。お前らの相手するために部屋に居るんじゃない。
 もう言っても無駄そうだから突っ込まねぇけど。


「あ、そうだ。レオン、自主練するなら付き合ってちょうだいよ」

「ああ、構わない。得物を使ってやるのか?」

「そうね。折角、部活の道具があるんだし使いましょ」

「わかった。場所は武器棟の第2フィールドで良いか?」

「ええ。13時半からでお願い」

「オレも一緒で構いませんか?」

「もちろん。バリエーションがあると楽しいから」


 レオンとジャンヌ、結弦は既に訓練らしい訓練を始めている様子。
 ああ、良かったよ。俺を中心に動いてるわけじゃない。
 レオンとジャンヌは互いに攻略する場合、こうやって訓練してたからな。
 結弦もこのふたり相手だと訓練をしていたはず。
 無事に関係性が進んでいるようでちょっと安心だ。


「おやつって言ってる奴は15時半以降にしてくれ。集中を途切れさせたくねぇ」

「承知いたしましたわ」

「はい、わかりました」

「うん、その時間に持っていくね!」


 そこから外れているこの3人・・・もう休憩時間と割り切っておこう。
 俺は遅い朝食に満足しながら彼らのやり取りを見守っていた。


 ◇


 高天原学園の寮は鍵をかけることができる。
 むしろ、かからなかった桜坂のときの寮の方が不思議だが、あれはおばちゃんの主義。
 鍵がかかるがゆえに、夜間の見回りなどもない。
 入り口に警備のおじさんが常駐しているだけだ。
 だから生徒同士は自由に行き来するし、防音の効いた部屋で何をやっていてもわからない。
 このへんはゲームのご都合主義かと思っていたけれど、よく考えればこの世界の常識なのかも。
 特にこの学園に限れば具現化の共鳴のため親しい相手を作るほうが都合が良い。
 男女関係なく積極的に交流をすべしという暗黙の空気を感じる。
 まさにラリクエ倫理を地で反映している。

 俺は中学の頃の癖で鍵をかけずにいることが多い。
 泥棒が来ても盗むものもないし、仮に来ても学園の生徒だろう。
 怖いと思わないから鍵をかけようとも思わない。
 だから勝手に部屋に入られる可能性について微塵も考えてもいなかった。


「まだ時間じゃねぇだろ・・・」

「あら、お部屋に入らないようには言われておりませんことよ」


 確かに念は押してねぇけどさ。
 まさかそういう解釈をするとは思わねぇだろよ。


「ちょうど終わったところでしょう? 少しくらい良ろしいのでは」

「むぐ!?」


 どういう状況かというと。
 俺は集魔法の訓練のため、ベッドの上で胡座で集中をしていた。
 そうして終わったと思ったところで目の前にソフィア嬢がいた。
 ベッドの、俺のすぐ目の前だったからびっくりした。
 集中してたから気配がわからなかった。
 目が覚めたら目の前に人が居るのと同じ状況なのだ。
 しかも15時半前。

 当然に文句を言ったところで、立っている彼女の胸に押し付けるよう顔を強引に抱擁をされたところである。


「ぶは!? おい、ふざけんな!」

「ふふ、ふざけてなどおりませんわよ」


 お前はお前で何で色仕掛けばかりなんだよ!!
 その豊かな胸から抜け出して距離を取る。
 驚きすぎてちょっと顔が熱い気がする。
 くそっ・・・やっぱり耐性下がってる。この程度で・・・。


「やはり武様はわたくしでも意識してくださるのですね」

「これは男の生理反応だろうが! 気持ちは違ぇぞ」

「ふふ。いつまでそう仰っておられましょうか」


 余裕そうな笑みで相対するソフィア嬢。

 さくらさんもそうなんだけど、ゲーム画面よりもこうやって目の前で見ると全然違う。
 肌の瑞々しさや髪の光沢、睫毛から覗く瞳。生き生きとした表情。
 現実として「理想の女の子」が目の前にいるのだ。
 何よりも匂い・・・ゲームと現実を区別するものがあるとしたらこの匂い。
 女の子の良い匂いが鼻腔を刺激する。
 当然に理性を煽られる。

 要するにこいつらに露骨に誘惑されるとやばい。
 ただでさえ主人公たちに感情移入してやりまくったゲームなのだ。
 理由はともあれ、その愛したキャラが目の前で俺にアプローチしている。
 意識するなというほうが無理だ。


「お前、今度から俺の部屋に出入り禁止にすんぞ」

「ふふ、それは困りますわね。さくら様に先を越されてしまいますわ」

「・・・」


 ・・・うん、さくらさんも危険だよな。
 レオンと結弦は「まだ」大丈夫だろう。
 いや、結弦もちょっと怪しいか。
 リアム君は弟分かな。平気そうな気がする。
 幸いにしてジャンヌは俺のことを恋愛対象にしてないっぽい。
 やっぱり露骨なソフィア嬢とさくらさんだな、マークしておく必要があるのは。


「はぁ。言っても無駄そうだから今は良いけど。露骨すぎると引くからな」

「承知いたしましたわ」


 にやりという表情を隠しきれていないソフィア嬢。
 ああね、「露骨すぎるほうが効果があります」って言ってるようなもんだし。
 どっかでお灸を据えないとだめかな。

 コンコン・・・。

 ソフィア嬢と裏の読み合いをしていたところでノック音がした。
 ようやく来たか・・・。


「開いてるよ、どうぞ」

「お邪魔します・・・え!?」

「武くん、来たよ! あ、ソフィア、早いね」


 がちゃりと扉を開けてさくらさんとリアム君が入ってきた。
 さくらさんは先に居るソフィア嬢を見て驚いた顔をした。


「ソフィアさん、どうしてお時間より前にいらしたのですか?」

「あら、お時間より前に入るなとは言われておりませんでしたわ」

「それは勝手な解釈でしょう。武さんも迷惑です」

「ふふ、それはどうかしら」


 そこで俺に流し目しないでもらいたい。
 さくらさんは素直なんだから。
 ほら、俺にターゲットが移ったじゃないか。


「武さん。ソフィアさんとご一緒は楽しかったのですか」

「どういう意味だよ。勝手すぎて困ってんだよ」

「・・・」


 ん!?
 そこで俺の言葉を信じられませんってジト目になるのは何故?
 ちょっと、さくらさん?


「ね、お菓子ここでいいかな? お湯沸かすね!」

「ああ、うん。頼むよ」


 そしてKYなリアム君。
 ああ、その安定のKY具合が嬉しいよ。
 是非お茶にしていただきたい。

 個室には勉強用の小さな机しかない。
 だから食べるものは机に置いて、ひとつしかない椅子とベッドに腰掛けるしかない。
 お湯は・・・どこかから持ってきたケトルでリアム君が沸かしている。
 人数分のマグカップもどこから持ってきたのやら。
 不思議ちゃんはもう彼の個性だと思うようにしよう。


 ◇


「できたよ~!」

「サンキュー」

「ありがとうございます」

「感謝いたしますわ」


 彼が持ってきたクッキーを口に運ぶ。
 香ばしさが口いっぱいに広がる。
 ここの食堂、食堂と言いながらカフェも万全だな。
 それなのに自室でティータイムをしようというのも贅沢な話か。


「ねぇ武くん。武くんの1番の人ってどんな人?」

「ん? ああ」


 その話を聞きたかったのか。
 そしてその話を言いたくない筆頭メンバーなんですがね。
 さくらさんのジト目が復活。
 そしてソフィア嬢も澄まし顔ながら興味津々という雰囲気だ。


「わたしも聞きたいです」

「わたくしも是非、拝聴したいですわ」

「・・・」


 そんで話せ、と。さくらさんまで。
 どうなっても知らねぇぞ。


「彼女は香さんって言うんだ。気高い人だよ」


 香の評価。俺はほかの人へ口にしたことはない。
 言う必要もなかったし惚気けたこともないから。
 目を閉じて顔を思い浮かべる。


「見た目を言うなら、艶のある黒髪ポニーテールがトレードマークで、ちょっと吊り目だけど長い睫毛が綺麗で、黒い瞳が宝石みたいでさ」

「日本人だね! 武くんみたいに黒髪で黒い瞳なんだね」

「うん。見た目の綺麗さならソフィアの金色も、さくらさんの銀色も、リアムの栗毛色も綺麗だよ」

「え、僕、綺麗? ありがと!」


 世辞に反応するんじゃない。
 頬を赤らめんな!
 さくらさんもね?
 ソフィアみたいに・・・ってお前もかよ。


「俺にとって、香はもっとだな。好きになると余計に綺麗に見えるもんだから」

「うんうん! だよね!」

「性格はリアムみたいに元気な人だ。でも俺の様子に合わせてくれるから、静かにしたいときは静かにしてくれる」

「へ~、武くんのことよく見てくれてるんだね」

「うん。辛抱強くて頭も良くて・・・俺が本当に・・・して欲しいことをわかってくれる人だ」


 俺、惚気けるのって初めてだな。
 でも悪い気はしない。彼女を知ってもらうことが嬉しい。
 女子高生が恋バナを好きな理由がちょっとだけわかった。


「すごいな~その人。武くんのことが大好きなのがよくわかるよ」

「うん。可愛いとか綺麗とか、ふとした時に言うと驚いて照れるんだよ。そこがまた可愛くて」


 うんうんと楽しそうなリアム君。俺も饒舌だな。
 今度はソフィア嬢がなんか赤くなってる。どして?
 さくらさんは真顔だ。そうだよな、さくらさんとの比較をしてるようなもんだ。
 ちょっと軽率だったか。


「さくらさんの弓道の先輩なんだよ。その伝手で知り合ったから」

「あら、そうなのですわね。ではさくら様もよくご存知の方ですか?」

「はい、橘先輩は素敵な方です。わたしに弓の心得を教えてくれました」


 ふわり、と笑みを浮かべて。
 少しだけ懐かしむような雰囲気でさくらさんが香の話を始めた。
 ソフィア嬢も俺の相手のことを知りたいのか聞き入っている。

 そうだよな。
 ただの恋敵というだけでなく、良い先輩と良い後輩だったから。
 俺が初めて耳にするさくらさんの香への想いは新鮮だった。

 明日、ようやくその愛しい彼女に会えるんだという期待が否応にも膨らんでいった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜

アーエル
ファンタジー
女神に愛されて『加護』を受けたために、元の世界から弾き出された主人公。 「元の世界へ帰られない!」 だったら死ぬまでこの世界で生きてやる! その代わり、遺骨は家族の墓へ入れてよね! 女神は約束する。 「貴女に不自由な思いはさせません」 異世界へ渡った主人公は、新たな世界で自由気ままに生きていく。 『小説家になろう』 『カクヨム』 でも投稿をしています。 内容はこちらとほぼ同じです。

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ
ファンタジー
トリアノン公爵令嬢のエリーゼは秀でた才能もなく凡庸な令嬢だった。 反対に次女のマリアンヌは社交界の華で、弟のハイネは公爵家の跡継ぎとして期待されていた。 嫁ぎ先も決まらず公爵家のお荷物と言われていた最中ようやく第一王子との婚約がまとまり、その後に妹のマリアンヌの婚約が決まるも、相手はスチュアート伯爵家からだった。 華麗なる一族とまで呼ばれる一族であるが相手は伯爵家。 マリアンヌは格下に嫁ぐなんて論外だと我儘を言い、エリーゼが身代わりに嫁ぐことになった。 しかしその数か月後、妹から婚約者を寝取り略奪した最低な姉という噂が流れだしてしまい、社交界では爪はじきに合うも。 伯爵家はエリーゼを溺愛していた。 その一方でこれまで姉を踏み台にしていたマリアンヌは何をしても上手く行かず義妹とも折り合いが悪く苛立ちを抱えていた。 なのに、伯爵家で大事にされている姉を見て激怒する。 「お姉様は不幸がお似合いよ…何で幸せそうにしているのよ!」 本性を露わにして姉の幸福を妬むのだが――。

私は逃げます

恵葉
ファンタジー
ブラック企業で社畜なんてやっていたら、23歳で血反吐を吐いて、死んじゃった…と思ったら、異世界へ転生してしまったOLです。 そしてこれまたありがちな、貴族令嬢として転生してしまったのですが、運命から…ではなく、文字通り物理的に逃げます。 貴族のあれやこれやなんて、構っていられません! 今度こそ好きなように生きます!

転生幼児は夢いっぱい

meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、 ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい?? らしいというのも……前世を思い出したのは 転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。 これは秘匿された出自を知らないまま、 チートしつつ異世界を楽しむ男の話である! ☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。 誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。 ☆ファンタジーカップありがとうございました!!(*^^*) 今後ともよろしくお願い致します🍀

女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。 麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。 使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。 厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒! 忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪ 13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください! 最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^ ※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!  (なかなかお返事書けなくてごめんなさい) ※小説家になろう様にも投稿しています

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が子離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

【改稿版】旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉ 

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのお話から始まります。  また設定はゆるっとふわふわ、また所々に胸糞な所も御座います。  前作より最寄り読みやすく書いている心算です。  誤字脱字はどうかご容赦くださいませ。    

処理中です...