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本編

43(最終回後半)

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「よし、できた!」


ハサミやペンなどを片付け、私は悠くんの元へ走った。


「悠くん、できました!ちょっとみて貰えませんか?」

「ああ、いいけど……もう少し静かにしてくれよ、せっかく寝てるのに」

「ごめんなさいー」(小声)

「いや、逆に聞こえねぇよ」


ふっと笑った悠くんは、ベッドで横になっている。悠くんのすぐ横に腰掛け、先日生まれたばかりの娘を見た。
5日前の夕方頃、夕焼けが美しい時に生まれた女の子なので【夕凪ゆうな】と名付けた。

夕凪は、2人で寝るベッドのすぐ横にあるベビーベッドで、すぴーすぴーと変な鼻息を立てて寝ている。


「ふわぁあああ、かわいいなぁ……」

「見て欲しいのって何だ?」


そうでした、と悠くんに手渡したのは2冊の小さいアルバム。

ひとつは夕凪誕生の記念。
もうひとつは、瑞希の結婚式のもの。

「だいぶ時間かかったな」

「だって……悠くんが心配でしたし……」

「手先が器用じゃないから遅かった、とは言わないんだな」

「心外!」


あはは、と2人で笑い合う。

「今日の晩ご飯、雑炊にしておきます?」

「そうだな。ありがとう」

いいえ、と微笑んで悠くんの胸に寄りかかった。


「何だ、構ってちゃんか?」

「そうですバブー」

「色々混じってるぞ」


悠くんは呆れながらも、優しく私の髪を梳いたり撫でたりしてくれる。ーーー本当に、好きだなと思う。


「今週末に瑞希に渡しに行こうと思っているのですが、何か欲しいものありますか?ついでに買ってきます」

「ーーー新しいキャンバス」

「再開するのですね!かしこまりました!!」



この時「産むのはもういいかな」と思っていた悠くんが実は2人目の子供を出産することになるのですが、それはまだ数年後の話。

そして夕凪ちゃんはαと診断を受け、お父さん(雅)と同じような道を辿るのですが、それはまた別のお話ーーーーー




寝室でゆっくりと過ごす2人の指輪は、いつまでも優しく輝いていた。






ーーーーーーーーーーーーーーー

お疲れさまでございました!
何とか【完結】という形に持っていけました(泣)

毎回読んでくださった方、お気に入り登録してくださった方、本当にありがとうございました!!

まだまだ未熟な文章ですが、思いは全部込めました!満足です!


プロポーズとか、大学入試にあたって生じたであろうすれ違いとか、結構すっ飛ばしてしまったので、番外編をちょいちょい書いていきたいと思っております。

あと、悠くんのお母さんと宝条さんですね、ええ、忘れてませんよ?幸せに暮らしてるようです。これも番外編で書いていきたいと思います。


もし『こんなシチュみたい』とか『こんなifみたい』とかありましたら、ぜひリクエストしてくださいませ!感想箱に【リクエスト】みたいな感じのを付けて送ってくださると有り難いですm(_ _)m


それでは最後に、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!番外編お楽しみに!




※『悪役令嬢専門お悩み相談係』連載中です!良かったらそちらもどうぞ
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