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第四章
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しおりを挟む「あ! あぅう、ああ、あ、」
白蛇の愛撫は、そこからしつこく、ねちっこく、旭はぐずぐずに蕩かされた。
もう指は何本入っているか分からない。
ばらばらに動かされたり、そうかと思えば指を丸めるようにして抽挿される。
どこもかしこも、白蛇の触るところは全部気持ちが良くて、旭は口元が開きっぱなしだった。
ぞくぞくと這い上がる淫悦が、口から嬌声として零れ出る。
白蛇が与えてくれる全てが、旭の血流を逆立たせる快楽になった。
「し、しろへびさまの……っ。も、いれて、くださ……」
「――――まだだ」
自分ばかりが気持ちよくなっていることが許せず、旭は白蛇の腕を掴んだ。
もう、張形は簡単に入る広さに広がっているはずなのに、旭がねだっても白蛇は指での愛撫を止めてくれない。
それが白蛇の優しさだと分かっているのに、もどかしくて、旭は泣き言を言った。
「も、もう、はいる……っ! しろへびさまの、……っ。それ、とも、おれじゃ、やっぱり……あッ!?」
おれでは、やっぱり欲情に値しないのですか。
仄暗さを孕んだ言葉を拾った白蛇が、旭が最後まで言う前に指を引き抜いた。
ぐちゅんっと大きな水音が響く。
「――――っ、おま、えは……!」
起き上がって勢いよく襦袢の紐を解いた白蛇の姿に、旭は瞠目した。
長大な欲望の象徴が、はっきりと天を向いている。
張形など、比ではない。
(お、おれで……白蛇さまが、欲情、してる――!)
大きさに対する恐怖よりも、不安よりも、白蛇が旭の痴態を見て、その欲望を膨らませていたということに、旭は感じ入った。
嬉しい。旭は恍惚にうち震えた。
白蛇が、髪の毛をかきあげて、何かを耐えるように息を吐く。
「しろへびさま……、」
「分かっている」
旭のだらしなく開いた足の間、期待に収縮するそこに、白蛇の欲望が宛がわれる。
水音がくちゅりと淫靡な音を立てた。
「あ……、」
(やっと……っ)
十分に開いた後孔が、白蛇を呑み込もうと先端に吸い付く。
くぷ、と音がして、とうとう白蛇の陰茎が挿入された。
「ん、ぅう、あ……ッ」
嬉しくて、旭の後孔は淫らに蠕動する。
もっと、もっと。切なく疼く腹の奥へ、届かせてほしい。
ぎゅっと締まった中で、白蛇の熱を感じて旭は内腿を戦慄かせた。
「ああぁあっ」
「……ッ、おい、大丈夫か、」
がくがくと痙攣する旭に、白蛇が動きを止める。
「あ、う、ッ、だ、いじょぶ、です……っ、や、やめない、で……!」
まだ入っただけ。
それなのに大きくうねる快感の渦に、体中が甘く痺れる。
たっぷりと慣らされ、焦らされたそこが、褒美を与えられて歓喜していた。
馴染むまで待とうとしてくれている白蛇の忍耐を打ち崩そうと、旭の腰は無意識に動く。
「お、まえ……本当に……」
「は、……ぁ、あ……しろへび、さま……」
労るように、諫めるように、白蛇の唇が落とされる。
ぴったりとくっついた肌の心地よさに、旭はぴくぴくと小刻みに肌を震わせた。
「……あ、あ、っ、あぅ」
ゆっくりと、抽挿が開始される。
唇を吸われ、舌を絡め取られ、上顎を戯れに擦られ、旭は脳の随まで溶かされそうだと思う。
「ひ、あ……! ぁあ、あっ」
白蛇の陰茎が旭の後孔を擦る水音が響く。
雁首のところが、抜き差しの度に旭のしこりを掠めていった。
何度も絶頂させられ、旭の陰茎は緩く首をもたげたままになっている。
最初に達したきり刺激もろくに加えていないはずなのに、とろとろと色のない液を零しながら、たしかに快感を享受していた。
(きもちいい、)
あまりの気持ちよさに零れる目尻の涙を、白蛇が拭った。
後孔の入り口まで陰茎を引かれ、空白に切なさを覚えた後孔が、きゅうっと収縮した。
「んんっ、んぅ、……し、白蛇さま、……?」
「奥まで、入れていいか」
情欲に染まった深い赤の瞳に、旭はごくりと喉を鳴らした。
あんなに気持ちよかったのに、全部入ってなかった。
(おく、まで……)
「今、このあたりまで入っていた」
「あぅ、っ、」
下腹部を押され、旭はびくつく。
(もっと、奥に……、)
白蛇の指が、さっき押したところよりも上を押した。
「ひぁ……っ、」
「ここまで、入れていいか?」
もう一度聞かれ、旭は頷いた。
「……いれて、ください……っ。奥まで、ぜんぶ」
「――――――」
白蛇が、枕元を探って、丸薬を取り出した。
緑狸から貰って、白蛇に渡したものだ。
回復が足りたからと飲まずにいたそれをどうするのかと疑問に思っていると、旭の口元にそれが宛がわれた。
「飲んでおけ」
「お……おれが、ですか……?」
「……しばらく、離してやれそうにない。そろそろ、限界だ」
「……っ」
旭がおずおずと口を開くと、丸薬を入れられた。
「噛め」
言われたとおりに噛むと、甘ったるい蜜の味がする。
旭が飲み込んだのを確認して、白蛇が旭の膝裏を持ち上げた。
「止まってやれる保証はないが、止めろと言われたら善処はする」
「……い、言いません……。白蛇さまの、好きなように、してほしいです」
歯を食いしばるように眉根を寄せた白蛇が、ぐぷん、と陰茎を奥深くへ差し込んだ。
「~~~~~っ!」
旭は声も出せず、総身を引き攣らせる。
逃げ場を失ったつま先が、宙をかいた。
白蛇の皮膚が旭の尻たぶに触れて、全部入った事が分かる。
一度引いたと思った絶頂の波がぶり返す。
旭の後孔の蠕動に息を詰めた白蛇が、抽挿を始めた。
「ああぁ、あ、あ、あ!」
その力強い動きに、旭は今まで白蛇が容赦してくれていたのだと実感した。
――白蛇が、自身の快楽を求めて旭のことを揺さぶる。
嬉しくて、気持ちよくて、たまらない気持ちになった。
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