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第3章 動き出す思惑
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「別にナギサ様のお好きなようにすれば良いと思いますけど、何故水の宮なのですか?」
「ん?だってウンディーネがこんな状態だから」
自分で言うのもなんだけど俺は魔力の回復速度が異常だから、あれだけ魔力を消費した直後でも自分で動くことくらいは出来るけどウンディーネはまだぐったりしてる。だけど本来、ウンディーネの方が正常なんだよ。俺がおかしいだけ。あれからまだ十分も経っていないんだから。
「俺が安心できるまでウンディーネの魔力が回復したら俺は移動するよ。サラマンダー、ノーム。来て」
「お、お久しぶり?です…」
「うん、久しぶり。見て分かると思うけど今ウンディーネがこんな状態なんだよね。だから簡潔に話させてもらいたいんだけど」
横になったまま力なく手を振るウンディーネに二人とも何かを察したのか、真面目な顔で頷いてくれた。
「まずはみんな、協力ありがとね。まだ足りないけどある程度の情報は集まったって感じかな。詳細はルーから聞いてねー。俺はまた日常に戻るからみんなも好きなようにして。ただし、身の回りに気を付けること。それから大事なことをひとつ」
ふふ、と笑いながら伝えるとそれぞれ表情が変わった。驚きや不安、ようやくかと言わんばかりの笑み。俺が彼らに伝えたのは最終決戦がいつになるか。『この冬、年の始まりが決着の時だよ』、と。
勝敗はともかく、この争いをいつまでも続けていられるほど俺も暇じゃない。事情を知っている人たちも不安だと思う。焦りは禁物だけど早めに決着をつけたい。
「俺からは以上!何か聞きたいこととかある?」
「質問ではありませんが……本格的に戦闘の準備が始まるまでの間、家族と一緒にいても良いでしょうか?もちろん仕事はします。彼女たちだけでも十分強いですが心配なので」
「そうだね、好きにしな。俺としてもアリスの傍にいてくれるのは助かるし、エルサちゃんも安心でしょ。……エリオットくんも」
そう、エリオットくんもね?……中身は雅だけど。彼はちょっと襲われても自分でどうにか出来そうだけどね……?
「ありがとうございます」
「あああの、じゃ、じゃあぼくも……」
「ん?誰だっけ、祝福してる人?」
「ジェフリー……」
「あ、そうそう。彼と一緒にいたいなら別に良いよー?というか、俺に許可取らなくて良いから好きにしてよ」
俺が許可出すことじゃないでしょ。家族と一緒にいるのは本来普通のことなんだし……
「おれはナギサ様の命令通りに動くぞ!」
「今は特にお願いしたいことないからゆっくり休んで体力を温存してて」
「分かった!」
「もう聞きたいことない?ないなら各自解散!」
騒がしいからさぁ……珍しくウンディーネが怒りそうになってたよ?まあ当然だよね。この意識を保っているのがすごいくらいの状態で騒がれたら怒るよねぇ。
「ん?だってウンディーネがこんな状態だから」
自分で言うのもなんだけど俺は魔力の回復速度が異常だから、あれだけ魔力を消費した直後でも自分で動くことくらいは出来るけどウンディーネはまだぐったりしてる。だけど本来、ウンディーネの方が正常なんだよ。俺がおかしいだけ。あれからまだ十分も経っていないんだから。
「俺が安心できるまでウンディーネの魔力が回復したら俺は移動するよ。サラマンダー、ノーム。来て」
「お、お久しぶり?です…」
「うん、久しぶり。見て分かると思うけど今ウンディーネがこんな状態なんだよね。だから簡潔に話させてもらいたいんだけど」
横になったまま力なく手を振るウンディーネに二人とも何かを察したのか、真面目な顔で頷いてくれた。
「まずはみんな、協力ありがとね。まだ足りないけどある程度の情報は集まったって感じかな。詳細はルーから聞いてねー。俺はまた日常に戻るからみんなも好きなようにして。ただし、身の回りに気を付けること。それから大事なことをひとつ」
ふふ、と笑いながら伝えるとそれぞれ表情が変わった。驚きや不安、ようやくかと言わんばかりの笑み。俺が彼らに伝えたのは最終決戦がいつになるか。『この冬、年の始まりが決着の時だよ』、と。
勝敗はともかく、この争いをいつまでも続けていられるほど俺も暇じゃない。事情を知っている人たちも不安だと思う。焦りは禁物だけど早めに決着をつけたい。
「俺からは以上!何か聞きたいこととかある?」
「質問ではありませんが……本格的に戦闘の準備が始まるまでの間、家族と一緒にいても良いでしょうか?もちろん仕事はします。彼女たちだけでも十分強いですが心配なので」
「そうだね、好きにしな。俺としてもアリスの傍にいてくれるのは助かるし、エルサちゃんも安心でしょ。……エリオットくんも」
そう、エリオットくんもね?……中身は雅だけど。彼はちょっと襲われても自分でどうにか出来そうだけどね……?
「ありがとうございます」
「あああの、じゃ、じゃあぼくも……」
「ん?誰だっけ、祝福してる人?」
「ジェフリー……」
「あ、そうそう。彼と一緒にいたいなら別に良いよー?というか、俺に許可取らなくて良いから好きにしてよ」
俺が許可出すことじゃないでしょ。家族と一緒にいるのは本来普通のことなんだし……
「おれはナギサ様の命令通りに動くぞ!」
「今は特にお願いしたいことないからゆっくり休んで体力を温存してて」
「分かった!」
「もう聞きたいことない?ないなら各自解散!」
騒がしいからさぁ……珍しくウンディーネが怒りそうになってたよ?まあ当然だよね。この意識を保っているのがすごいくらいの状態で騒がれたら怒るよねぇ。
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