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第三章 黒幕と呪い
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「わぁお……なんかすごい」
「遅いです」
「魔力を貸してあげたんだから許してよ。一応情報は得られたし」
黒幕………の、お兄さんから情報を手に入れて戻ると残ってた全員がルーの前で倒れてた。結構強いとかなんとか言ってたのにしっかり倒してるじゃん。まだ起き上がろうとしてたから俺が止めを刺させてもらったけど。
「弱かった?」
「いえ、強かったです。でもナギサ様の魔力を遠慮なく使わせて頂いたのでこの通り」
「まあ怪我がないなら良いよー。どうしよ、黒幕については結構調べたからもう帰ろうかな。取り敢えず今はこれ以上の進歩はなさそうだし」
「何の情報を得られたのですか?」
「ん、なんか黒幕はさっき俺が連れ出した人の弟なんだってー。多分向こうの目的は俺に会うことだったんじゃないかな。自分たちの情報を話してでも確認したいことがあったんでしょ、きっと」
俺は黒幕の正体…とまでは行かないけど黒幕に関する情報、向こうは俺に関する情報。お互いに探りたいことがあったから二人で会ってきたわけだよ。逆に言うならあんな風に直接会ったときしか詳しいことは知れないということ。そして次に対面する時は恐らく最終決戦の時しかないと思う。
これ以上切り込もうとしてもほとんど役に立つ情報は出てこないだろうねぇ。だったらすぐにでも帰りたい。予定よりは少し早いけどあまりアリス達の元から離れていたくないし。
「そうですか。弟、とだけ分かっても居場所などは分かりませんよね」
「うん。でも王族や貴族ではないと分かっただけ十分だよ。俺が気にすることでもないけど、どこかの国の王侯貴族なら後が面倒だから」
「では帰る前に……この方々はどうなさいます?連れ帰りますか?」
「連れ帰ったところでお荷物にしかならないだろうからこのまま放置で。生きてるし、後のことは自分たちで何とかするんじゃないの」
洗脳は解けてないかもしれないけど、宮に帰りさえすれば追ってくることは出来ないから大丈夫なはず。とにかく、俺はあの人のせいで精神的に疲れたから今は何も考えたくないね。
「無駄に関わりたくないから帰るよー」
「分かりました。………あ」
「なに?」
「国を出る前に国王からナギサ様に伝言を預かっているのを忘れてました」
「んー……あのさ、ルー?」
「はい」
「笑顔で返事しないでよ。色々と聞きたいことはあるけどその前に、国を出る前っていつの話だと思ってるのかな」
ルーだけ時間の感覚がおかしいの?俺の聞き間違いじゃなければ何週間も前の話だよ?
「それともこのタイミングで伝えるように言われたの?」
そうじゃなければ不思議なくらい堂々としてる。意外に抜けてるところがあるから普通に忘れてた説が俺の中では濃厚だけど…どうなんだろうねぇ。
「伝え忘れていました。すみません」
「やっぱりねー。なんて言われた?」
「『嫌な予感がするのでお時間ある時にアルフォンスの様子を診ていただきたい』とのことです」
「もっと早く教えてくれない?」
また体調が悪化したのかな……?たしかに最近会いに行ってなかったから何かあってもおかしくない。アルフォンスくんは王太子だから、本当に危なそうなら俺に気を遣うことなくすぐにでも診てほしいと言うだろうから、今はまだ嫌な予感がするだけなのかも。
具合が悪いとか、そういうのじゃなかったら良いんだけど………
「遅いです」
「魔力を貸してあげたんだから許してよ。一応情報は得られたし」
黒幕………の、お兄さんから情報を手に入れて戻ると残ってた全員がルーの前で倒れてた。結構強いとかなんとか言ってたのにしっかり倒してるじゃん。まだ起き上がろうとしてたから俺が止めを刺させてもらったけど。
「弱かった?」
「いえ、強かったです。でもナギサ様の魔力を遠慮なく使わせて頂いたのでこの通り」
「まあ怪我がないなら良いよー。どうしよ、黒幕については結構調べたからもう帰ろうかな。取り敢えず今はこれ以上の進歩はなさそうだし」
「何の情報を得られたのですか?」
「ん、なんか黒幕はさっき俺が連れ出した人の弟なんだってー。多分向こうの目的は俺に会うことだったんじゃないかな。自分たちの情報を話してでも確認したいことがあったんでしょ、きっと」
俺は黒幕の正体…とまでは行かないけど黒幕に関する情報、向こうは俺に関する情報。お互いに探りたいことがあったから二人で会ってきたわけだよ。逆に言うならあんな風に直接会ったときしか詳しいことは知れないということ。そして次に対面する時は恐らく最終決戦の時しかないと思う。
これ以上切り込もうとしてもほとんど役に立つ情報は出てこないだろうねぇ。だったらすぐにでも帰りたい。予定よりは少し早いけどあまりアリス達の元から離れていたくないし。
「そうですか。弟、とだけ分かっても居場所などは分かりませんよね」
「うん。でも王族や貴族ではないと分かっただけ十分だよ。俺が気にすることでもないけど、どこかの国の王侯貴族なら後が面倒だから」
「では帰る前に……この方々はどうなさいます?連れ帰りますか?」
「連れ帰ったところでお荷物にしかならないだろうからこのまま放置で。生きてるし、後のことは自分たちで何とかするんじゃないの」
洗脳は解けてないかもしれないけど、宮に帰りさえすれば追ってくることは出来ないから大丈夫なはず。とにかく、俺はあの人のせいで精神的に疲れたから今は何も考えたくないね。
「無駄に関わりたくないから帰るよー」
「分かりました。………あ」
「なに?」
「国を出る前に国王からナギサ様に伝言を預かっているのを忘れてました」
「んー……あのさ、ルー?」
「はい」
「笑顔で返事しないでよ。色々と聞きたいことはあるけどその前に、国を出る前っていつの話だと思ってるのかな」
ルーだけ時間の感覚がおかしいの?俺の聞き間違いじゃなければ何週間も前の話だよ?
「それともこのタイミングで伝えるように言われたの?」
そうじゃなければ不思議なくらい堂々としてる。意外に抜けてるところがあるから普通に忘れてた説が俺の中では濃厚だけど…どうなんだろうねぇ。
「伝え忘れていました。すみません」
「やっぱりねー。なんて言われた?」
「『嫌な予感がするのでお時間ある時にアルフォンスの様子を診ていただきたい』とのことです」
「もっと早く教えてくれない?」
また体調が悪化したのかな……?たしかに最近会いに行ってなかったから何かあってもおかしくない。アルフォンスくんは王太子だから、本当に危なそうなら俺に気を遣うことなくすぐにでも診てほしいと言うだろうから、今はまだ嫌な予感がするだけなのかも。
具合が悪いとか、そういうのじゃなかったら良いんだけど………
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