193 / 236
第三章 黒幕と呪い
7
しおりを挟む
「ルー?」
「はい。……えっ?こ、これはどういう状況ですか……?」
「あー、ちょっと色々あったんだよ。取り敢えずめちゃくちゃ癪に障ったから再起不能にしておいた。しばらくは降りて来られないと思うよー」
「ナギサ様の魔力を感じますけど」
「俺がやったからね。そりゃあ俺の魔力も感じるでしょ」
すでに燃え尽きて消えちゃいそうになってるけど。っていうかさ、俺が言うことでもないんだけど世界が自分の管理する場所で生きるものに負けて良いわけ?絶対よろしくないよねぇ……それこそ秩序がどうちゃらこうちゃらってやつなんじゃないの?
「こんなにあっさり勝ってしまって大丈夫なのですか?」
乱闘をしているわけでもなさそうでしたし……と続けるルー。たしかに騒いでいるような感じはしなかっただろうけど……
「あっさりでは…、ないんだよねぇ……」
一応相手は俺を生み出した世界だからさ、無傷とはいかないんだよ。俺の圧勝に変わりはないけど一撃が重すぎる。
俺も負けず劣らずって感じだろうけど、やっぱり適わない部分もあるのも事実なんだよー。
「ほんと、癪に障るやつ。わざわざ俺の弱点を攻めてくることなくない?」
「大丈夫ですか!?」
「うん」
古傷だからか分からない。でも俺の鳩尾辺りにある傷、これだけは魔法も効かないし定期的に痛む。そのことを世界は知ってる。勝利のために手段を選ばないのは俺も同じだけどこれは辛いよー?
時間差での攻撃。俺の弱点を内側から思いっきり抉ってきた。普通に激痛だし吐血したよ。攻撃に気付いた時はもう遅かったけれどすぐに治したから問題ない。最終的には俺が勝ってるし?
「別に、一撃入れられたことを悔しいとか思ってないし……」
「思っているやつじゃないですか、それ」
「言わなくて良いの!次、行くよ」
「分かりました」
収穫はあった。世界をしばらくの間再起不能に出来たのは本当に良かった。腹癒せだけじゃない、俺の欠けていた記憶が戻り始めてる。世界の魔力を奪って消したからかな?俺の記憶は恐らく魔法で弄っていたんだろうねぇ……
俺の予想以上に記憶を奪われていたみたいで、いきなり膨大な情報が脳に流れ込んでくる。情報量が多すぎて頭が痛いけど頑張って処理しないと。
この欠けていた記憶の中に俺が黒幕に狙われている……恨まれている理由がありそうだし。ただ、完璧に処理しきるには時間がかかりそうだからそれまでは予定通り各地を調査しよっかな。
代償は大きいけど早速大きな情報を掴めたかもしれないねぇ。
「でも、俺の記憶が欠けているってことは他の精霊たちも少しは欠けている部分はあるってことなんだよねぇ……」
「はい。……えっ?こ、これはどういう状況ですか……?」
「あー、ちょっと色々あったんだよ。取り敢えずめちゃくちゃ癪に障ったから再起不能にしておいた。しばらくは降りて来られないと思うよー」
「ナギサ様の魔力を感じますけど」
「俺がやったからね。そりゃあ俺の魔力も感じるでしょ」
すでに燃え尽きて消えちゃいそうになってるけど。っていうかさ、俺が言うことでもないんだけど世界が自分の管理する場所で生きるものに負けて良いわけ?絶対よろしくないよねぇ……それこそ秩序がどうちゃらこうちゃらってやつなんじゃないの?
「こんなにあっさり勝ってしまって大丈夫なのですか?」
乱闘をしているわけでもなさそうでしたし……と続けるルー。たしかに騒いでいるような感じはしなかっただろうけど……
「あっさりでは…、ないんだよねぇ……」
一応相手は俺を生み出した世界だからさ、無傷とはいかないんだよ。俺の圧勝に変わりはないけど一撃が重すぎる。
俺も負けず劣らずって感じだろうけど、やっぱり適わない部分もあるのも事実なんだよー。
「ほんと、癪に障るやつ。わざわざ俺の弱点を攻めてくることなくない?」
「大丈夫ですか!?」
「うん」
古傷だからか分からない。でも俺の鳩尾辺りにある傷、これだけは魔法も効かないし定期的に痛む。そのことを世界は知ってる。勝利のために手段を選ばないのは俺も同じだけどこれは辛いよー?
時間差での攻撃。俺の弱点を内側から思いっきり抉ってきた。普通に激痛だし吐血したよ。攻撃に気付いた時はもう遅かったけれどすぐに治したから問題ない。最終的には俺が勝ってるし?
「別に、一撃入れられたことを悔しいとか思ってないし……」
「思っているやつじゃないですか、それ」
「言わなくて良いの!次、行くよ」
「分かりました」
収穫はあった。世界をしばらくの間再起不能に出来たのは本当に良かった。腹癒せだけじゃない、俺の欠けていた記憶が戻り始めてる。世界の魔力を奪って消したからかな?俺の記憶は恐らく魔法で弄っていたんだろうねぇ……
俺の予想以上に記憶を奪われていたみたいで、いきなり膨大な情報が脳に流れ込んでくる。情報量が多すぎて頭が痛いけど頑張って処理しないと。
この欠けていた記憶の中に俺が黒幕に狙われている……恨まれている理由がありそうだし。ただ、完璧に処理しきるには時間がかかりそうだからそれまでは予定通り各地を調査しよっかな。
代償は大きいけど早速大きな情報を掴めたかもしれないねぇ。
「でも、俺の記憶が欠けているってことは他の精霊たちも少しは欠けている部分はあるってことなんだよねぇ……」
20
お気に入りに追加
588
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
神々の仲間入りしました。
ラキレスト
ファンタジー
日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。
「私の娘として生まれ変わりませんか?」
「………、はいぃ!?」
女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。
(ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい)
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる