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第二章 再会

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「そういえばナギサ、精霊達はいないの?いつも一人はいる気がするんだけど……」
「そうだねぇ……遊びに行ってるんじゃない?精霊は気まぐれだからね、たまに俺の軽い命令を無視することもあるくらいには」
「無視されちゃうんだ?ナギサの言うことを聞かないなんて度胸あるね~」
「ちょっと、それはどういう意味かなー?」

 隙あらば俺より優位に立とうとするアリス。そうするのは俺のペースに巻き込まれると大変なことになるからと前に言ってたかなぁ。でも精霊が気まぐれって言うのは周知の事実だし、俺を揶揄う材料には足りないんと思うんだよねー。

「言葉通りですっ!さてナギサ、デートを再開しようよ。もう夕方だけどお昼食べてないからお腹空いた」
「えぇー……今から外に出るの?俺はもう動きたくないんだけど。たまには大人しくイチャイチャしてよー?」
「外に出ないのは良いけどイチャイチャはしません」
「……なんで」
「じ…自分の魅力が分かってるっ!と言うより役者としての自信!?」

 いきなりどうしたんだろうねぇ、アリスは。人の顔を見て急に荒ぶらないでほしいよ。

「か、可愛いとは思ってないからね!」
「あーうん、思わなくて良いよ」

 自分の彼女に可愛いと思われたい男の方が少ないんじゃないのかなー?

 アリスの言葉には……まあ、ちゃんと自覚がありますけども。表情をコントロールするのは大得意ですので、はい。

「でもなんでダメ?」
「ナギサ、今日ちょっと甘すぎない?表情や行動に比例しているのか分からないけれど、いつも以上に声が甘いよ。今の段階で砂糖菓子に蜂蜜を二瓶ひっくり返したみたいな」
「毎度思うけど表現が独特だねぇ。俺ってそんな声してるかな。変えようか?」
「大丈夫。そこで声を変えることが出来るのもおかしいとはツッコまないであげるよ」

 ナギサの場合は地声の名残もないからね、としっかりツッコんでくるアリス。矛盾しているのは恐らくわざと。俺の声って甘いのかな?仮にそうだとしても砂糖菓子に蜂蜜二瓶は盛り過ぎなんじゃない?そこまで甘いと流石の俺でも食べきれないよー。お菓子やスイーツは甘ければ甘いほど良いというわけではないからねぇ。

 ちなみに、通常運転なら砂糖菓子に蜂蜜を一瓶かけたような感じらしい。例えの表現が一々長いね。

「もしかして、今日のナギサはいつも以上に私のこと好き?」
「いや、いつも以上に大好き」
「………あの、今日のデートはここまでってことで良いかな?これ以上一緒にいたらマズい気が……」

 身の危険を感じたとばかりに後ずさって行く。あのさ、俺はおかしなことを言った覚えはないんだよねー。ただいつもより甘いと言うのは───

「良いわけないでしょ。俺、最近すっごくアリスに飢えてるんだよねー。ふふ」
「さっ、さようなら!」
「なーに逃げようとしてんの。嫌がることはしないから大人しく俺の腕の中にいてくれない?明日からしばらく会えないんだし、たまには許してくれない?」
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