【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第二章 再会

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「………」
「……やめよ。デート中だし」
「そうだね。お腹空いてるのにこんな下らない喧嘩をしてる場合じゃなかった。餓死しちゃう」

　うん、それは死なないから安心して良いと思うよ？それにアリスは一食抜いたくらいで栄養失調になることもないでしょ。

「それなら早く移動しよ。でも大丈夫、忙しすぎて四日間不眠不休で水以外胃に入れなかったことがある俺でも死ななかったから。仕事が終わった後の記憶は一日分くらいないんだけど」
「それは栄養失調になってるじゃないの」
「あれはねー……父さんと母さんと直人くんと、工藤さんと旭に怒られた。特に工藤さんが怖かったねぇ」

　出張中だったのかな？なんの仕事だったのかは忘れたけど、誰も俺が忙しくしていたことを知らなかったんだよ。だから家族はもちろん、医者である工藤さんは怖かったね。穏やかな人ほど怒ると怖いって、まさにその通りだなって思った。

「私もその話を聞いてたら怒ってたね」
「知られなくて良かったー」

　本気でやめてほしい。アリスとか本気で怒ったら絶対怖いでしょ。と言うより冷たくされそうだよねぇ……

　◇

「───それでね、私も結構魔法が使えるようになったんだよ。今ならナギサと共闘しても足を引っ張ることはないんじゃないかな」
「へぇ……練習してるんだね。雅はどうなの？」
「お兄ちゃんはそもそも練習する気がないかな。魔法なしでも精霊相手にある程度は戦えるだろうし、お兄ちゃんが言うには「魔法なんて複雑なもの、俺には向いてない」だって」

　そんなことないだろうに。雅って自分のことを脳筋だと思っている節があるよねぇ。完全に否定することは出来ないけど何気にスペック高いし覚えるの早いじゃん。練習すれば全然強くなると思うのに勿体ない。恥ずかしくて本人には言えないけどねー。

　でもアリスもすごいと思う。前に泊まり込みで教えた時にはそこまでだったのに、自分でここまで言えるってことは相当なんだろうねぇ。

「……で、アリスは何が言いたいのかな？」
「ん？」
「ん？じゃないよ。突然こんな話をしてきたってことは何か言いたいことがあるんじゃないんですかね、アリスさん」

　何年一緒にいると思ってるのかなー？そんな誤魔化しが俺に効くとはずがないと分かっているはずなんだけど……？

「無理を承知でお願いするんだけど」
「うん」
「ナギサが追っている相手について、私も一緒に調べたい」