【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第二章 再会

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「あ、おかえ…り……？」
「ナギサが風呂で寝たから早めに切り上げてきた。アリス、一つ聞きたいことがある」

　驚くアリスの横を通り過ぎ、ベッドに寝かせた俺はアリスの向かいに座った。

「なに？」
「ナギサを抱きかかえた時……信じられないほどに軽かった。俺の握力や種族は関係ない。ただただあり得ない程に軽かった」
「ああ……それはね、ナギサって細いけどガリガリってわけではないでしょ？だけどナギサの体重って三十キロ台らしいの。なんでか分かる？」
「なぜだ？」

　たしかにそれくらいだろうな。普通の男子高校生ならそんな体重はほとんどないし、ナギサの場合はかなりの高身長だ。それなりに筋肉だってある。

「毒殺未遂事件。あの時から体重が三十キロ台まで減って増えなくなったんだって。でも見た目が変わるわけじゃないし、ダイエットしたらちゃんと見た目は変わるけど体重は変わらないんだって言ってたよ。どれだけ食べても太らない、太れない」
「……後遺症多すぎだろ」
「だよね。でもまあそれは前世の話。今では別の理由があるかも」

　◇

「なーに話してるの？」
「ひゃあっ！」
「うわあっ！」
「そんな驚く？あ、ごめん雅。俺のこと運ばせちゃって」

　正直に言うとこのベッドに置かれた時から起きてたんだよねー。しっかり二人の会話も聞いてたよー？

「たしかに俺は後遺症で何故か体型は変わっても体重は変わらなくなったよ？でも今はそういうのないから。……たぶん」
「聞いてたのか。多分って言うのはどういうことだ？」
「転生して体重測ったことないから分からない。でも毒の後遺症で治らなかったのはお腹の傷だけで、他は治癒魔法で治ってるはずだよー」

　体重が三十キロ台から変わらないからと言って困ることは別になかった。ダイエットしたりたくさん食べれば見た目は変わる。年齢にしては異常なくらいに軽いと言うだけのことなんだよー。

「さっき抱き上げた時は軽かったぞ？」
「俺は常に風魔法を自分に掛けてるからじゃない？俺は魔力量が多すぎるから色々と魔法を使って一定量は消費し続けてるんだよ」

　良くも悪くも回復が早いし。魔力量は少ないと不便だけど多すぎると暴走する。便利なものは同時に複雑だったりするよねぇ……

「そういうことか……心配して損したな」
「まあ良いんじゃない？今は健康だって分かったんだから」
「それもそうか」