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第二章 再会

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「二人ともお疲れ様。勝者はお兄ちゃんだね」
「そうだね」
「ナギサには頑張ったで賞をあげようかな」
「ありがとー」

 あまり嬉しくはないけどねぇ。だってどうせなら勝ちたかったし。久し振りに誰かに負けた気がするよ。

「……じゃあ俺は風呂に入ってくるよー」
「待て、ナギサ」
「…………はいはい」

 目的を忘れてくれてたりしないかと思ったけどダメだった。残念。

「じゃあお二人さんごゆっくり~」

 私はもう入ったからね、と俺の部屋……とは逆方向に歩いて行くのを止めて、取り敢えずアリスを部屋に連れて行くことにした。前にも一度来たし俺の部屋からそんなに距離はないんだけど、この距離で迷うのがアリスだからね。放っておいたら十秒後には迷子になってそう。

 また暗くて狭い場所に迷い込まれたら雅に迎えに行かせようと思う。シスコンだから妹のためなら喜んで動くでしょ。

「あー……アリス。暇ならそこの棚に入ってる本読んでて良いよ。しないと思うけどあまり部屋を漁らないでねー」
「はーい」

 見られたら困るものがいっぱいあるし。魔法をかけて隠しておいても良いんだけど、アリスはあれでもお嬢様だから注意する必要もないだろうからそれは良いかな。この宮には見られると困るものが多いから気を付けないとねぇ。特に俺の部屋は。

「で、風呂はどこなんだ?」
「俺の部屋にもあるけどアリスがいるし、別のとこ行くよ。話したいことがありそうだし」
「大したことではないけどな」

 この調子だと長風呂になっちゃうかもねぇ……男同士で語り合うってほんとに何を語り合うって言うの?俺は話すことなんてないんだけど。
 あーあ、精霊たちの仕事を引き受けたのと黒幕の件でしばらくはゆっくり出来なそうだしー……

「気が乗らないって顔だな」
「だって俺と風呂に入ることの何が楽しいか分からないし。はい、ここだよ。俺は先に入ってるから」
「服は?」
「脱がないよ。濡れないから大丈夫」

 体は洗えないけどあとで浄化魔法でもかけておけば良い。本来精霊は湯浴みをする必要なんてないんだからね。

「……よし」
「は、え、ちょ!やめろっ」
「こんな面白くないことないだろ。俺はナギサの体を見てみたしな」
「変態……」
「失礼な。お前絶対良い体してるだろ?」

 前世で踊っている時、たまに腹が見えてたからいつかちゃんと見てみたいと思っていたんだよ、なんて馬鹿げたことを言ってくる。でもさぁ……残念ながら俺は力では雅に負けちゃうんだよね。俺が力が弱いんじゃなくて雅が馬鹿力過ぎるから!こんなことで本気のやり合いをするつもりもないから魔法を使う訳にもいかないし……
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