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第二章 再会

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 ルール変更が認められ、早速雅は魔法で攻撃を仕掛けてきた。魔法で戦うなら遠距離の方が有利だから当然の如く距離を取られる。そして結界を張られる。

 結界って実力にもよるけど基本的に壊れないんだよ。でもね、俺は壊せるよ。大精霊が張った結界を素手で壊せって言われたら結構大変だろうけど、結界ってガラスのようなものだからコツを掴めば壊せるようになる。

「……綺麗な顔してどんな握力してんだ。もう壊れそうなんだが……」
「俺の攻撃を防ぐために結界を張るならこの強度の結界を五重くらいにしないと。握力に関しては人間離れした馬鹿力の雅にだけは言われたくないね」
「……うおっ!」
「さ、壊れたね。行くよー」

 結界が壊されたと焦った顔をしながらも至って冷静な目。俺は雅のこういうところが戦う時は嫌いなんだよねぇ。気さくな性格、ほんの少し軽薄そうな印象。見た目はそんな感じだけど中身はいつだって冷静。本気で焦ったことなんてあまりないんじゃないかなー。表面上は焦っているように見えることもあるんだけどね……

 結界が壊れた瞬間、雅の背後に回って手刀を叩きこむべく首筋を狙う。致命傷じゃないなら大体のことは違反にならない自由過ぎる勝負だからね。ちゃんとした試合なら一発で失格だったよ。

「…………やっぱり気に食わない。でも俺とここまで対等に戦えるのも雅くらいだから楽しい、よ!…っと」

 予想通りパシッと乾いた音をたてて、手刀が腕に防がれる。そのまま俺の腕を掴んで避けられないようにし、振り向いた勢いで回し蹴りを放ってきた。
 それを体を逸らして躱し、もう一度連続で回し蹴りを入れてこようとしていたので雅が動く前に膝で鳩尾に蹴りを入れた。一瞬顔を歪め、俺の腕を離した隙に身を捻って距離を取る。

「俺は一度で良いからナギサの余裕がない姿を見てみたいな。いつでも誰にでも、家族や恋人や友人にでさえ本心を隠すんだからどんだけ徹底しているのかとも思ってしまうが」
「んー?俺がいつどこで誰に本心を隠してるって言うの?俺は素直に感情を顔に出してると思うけど」

 どこかの誰かさんと違って。

 そうそう。こうやって戦ってる最中だと言うのに呑気に会話を出来るのも良いよねぇ。

「見た目だけだろ。どこまでも自然に表情を作る。お前にとっては大が付くほど得意技だ。心の中まで偽ることもあるんだろうが、俺たちは演技かそうじゃないかの区別くらい付くぞ。完璧に区別が付けられる訳ではないがそれでも長い付き合いだから基本的には、な」
「幼馴染は怖いねぇ」
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