155 / 236
第二章 再会
82
しおりを挟む
「……まあ勝負するのは良いけど。でも俺が勝つと思うよー」
「それなら空手で勝負しよう」
「空手だとおれに勝ち目ないんだけど」
俺、空手だけは雅に勝てた試しがないんだよね。だって雅は最年少世界チャンピオンだよ?ニュースになってたからねぇ?その大会で俺は準優勝だったけど、手も足も出なかったわけじゃなくて割と接戦だったんだよ。でも接戦だったからこそ負けた時悔しかったんだよねー。手合わせした時とか、いっつも接戦だけど結局最後は雅が勝つ。
練習も本番も合わせて、0勝371敗。悔しかったからしっかり覚えてるんだよ!そのうちの七割くらいは接戦で、三割くらいはボロ負け。引き分けですらない。ヤバくない?俺だって結構強いのにさぁ……
「やってみないと分からないよ?」
「空手以外なら勝てるのに……」
「どうする?嫌なら強制的に一緒に風呂だが」
なんで俺に拒否権ないんだろうね。いくらなんでも強引すぎるでしょ。
「やるよ。何もせずに雅の望み通りになるのは嫌だし久し振りに手合わせしたい。でも俺、絶対弱くなってるよ」
魔法に頼ることが多いから体術なんて使う機会ないし。俺が魔法なしで戦わないといけないくらい消耗させられる相手って今のところいないと思う。
「とか言って、あっさり勝ったりしてな」
「いや、期待させてるようで悪いんだけど本当に弱くなってると思う。あっさり勝つ、じゃなくてあっさり負ける、の方が確率的には間違いなく高いよ」
「まあ良いだろ。やるか」
「やめて。ここではやらないよ。俺の部屋だから」
当たり前のように俺の部屋で戦う気だけど、俺の部屋の物を壊さないでほしいから絶対に移動するよ。直せるとしても手間だし。この調子だとお互いに本気でやり合うことになりそうだし、雅が本気出したら俺の部屋くらい余裕で半壊する。
「……にしても広い宮だな。迷子になりそうだ」
「アリスは迷子になったけどねー」
「あっ、ナギサ!それは秘密って言ったじゃない!」
「そんなこと言われてないし。それに雅は迷子になりそうって言った時にアリスの方を見てたからね?」
チラッと横目で。まあそうだよねー。アリスの方向音痴は俺の料理並みに酷いからさ。
前世では桜井の本家で何度か迷子になってるしねぇ。いっそ哀れなくらいだよほんと。なんでそんなに迷えるのか不思議なくらいだけど、俺も周りから見たら同じ感じなんだろうね。
「それなら空手で勝負しよう」
「空手だとおれに勝ち目ないんだけど」
俺、空手だけは雅に勝てた試しがないんだよね。だって雅は最年少世界チャンピオンだよ?ニュースになってたからねぇ?その大会で俺は準優勝だったけど、手も足も出なかったわけじゃなくて割と接戦だったんだよ。でも接戦だったからこそ負けた時悔しかったんだよねー。手合わせした時とか、いっつも接戦だけど結局最後は雅が勝つ。
練習も本番も合わせて、0勝371敗。悔しかったからしっかり覚えてるんだよ!そのうちの七割くらいは接戦で、三割くらいはボロ負け。引き分けですらない。ヤバくない?俺だって結構強いのにさぁ……
「やってみないと分からないよ?」
「空手以外なら勝てるのに……」
「どうする?嫌なら強制的に一緒に風呂だが」
なんで俺に拒否権ないんだろうね。いくらなんでも強引すぎるでしょ。
「やるよ。何もせずに雅の望み通りになるのは嫌だし久し振りに手合わせしたい。でも俺、絶対弱くなってるよ」
魔法に頼ることが多いから体術なんて使う機会ないし。俺が魔法なしで戦わないといけないくらい消耗させられる相手って今のところいないと思う。
「とか言って、あっさり勝ったりしてな」
「いや、期待させてるようで悪いんだけど本当に弱くなってると思う。あっさり勝つ、じゃなくてあっさり負ける、の方が確率的には間違いなく高いよ」
「まあ良いだろ。やるか」
「やめて。ここではやらないよ。俺の部屋だから」
当たり前のように俺の部屋で戦う気だけど、俺の部屋の物を壊さないでほしいから絶対に移動するよ。直せるとしても手間だし。この調子だとお互いに本気でやり合うことになりそうだし、雅が本気出したら俺の部屋くらい余裕で半壊する。
「……にしても広い宮だな。迷子になりそうだ」
「アリスは迷子になったけどねー」
「あっ、ナギサ!それは秘密って言ったじゃない!」
「そんなこと言われてないし。それに雅は迷子になりそうって言った時にアリスの方を見てたからね?」
チラッと横目で。まあそうだよねー。アリスの方向音痴は俺の料理並みに酷いからさ。
前世では桜井の本家で何度か迷子になってるしねぇ。いっそ哀れなくらいだよほんと。なんでそんなに迷えるのか不思議なくらいだけど、俺も周りから見たら同じ感じなんだろうね。
40
お気に入りに追加
588
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
神々の仲間入りしました。
ラキレスト
ファンタジー
日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。
「私の娘として生まれ変わりませんか?」
「………、はいぃ!?」
女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。
(ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい)
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる