153 / 234
第二章 再会
80
しおりを挟む
「明日は学園休みだけどどうする?ここに泊まっていく?」
「そうしたいが今日は父さんが帰ってきてるしな……どうする?アリス」
「うーん……」
明日、日曜日は学園休みだし明後日は振替休日。どうしよっかなー……うん、魔法の件で精霊たちには色々手伝ってもらったし、しばらく仕事は俺が代わりにしようか。
「じゃあ今日は泊っていきなよ。しばらくはシルフ達に休みをあげるから今日じゃなくても会えるでしょ?」
「それならそうさせてもらおうかな。良いよね、お兄ちゃん」
「ああ」
「ルー、おいで」
今晩の予定も決まったことだし、早速精霊たちに伝えてもらおうとルーを呼び出す。すると何故か大人の姿で眼鏡を掛け、いつもと違う服を身に纏ったルーが疲れ切った顔で現れた。
「はい……」
「え、似合ってるけどその格好なに?かわいいね?」
「色々ありまして、リーに着せ替え人形にされてました。何か御用ですか?」
「あとでリーを褒めておこうかなー。用事ってほどでもないんだけど、最近は精霊たちに色々頑張ってもらってたからしばらくは俺が全員分の仕事をやるよ。だから皆はゆっくり休んでねって、そう精霊たちに伝えておいてくれない?」
シルフに頼もうと思っていた仕事については俺がしようかな。別にシルフじゃないと出来ない仕事ってわけじゃないしねぇ。
「分かりました。それとナギサ様とアリス様に一つ忠告と言うか…助言ですが、ミサには気を付けた方が良いですよ。害意はないですしどちらかと言うと好意的ですけど、何というか……」
「ん?」
「えっと、何と言えば良いのでしょうか……ナギサ様の前世でご家族以外で常に傍にいた……」
「そんな人いたっけ」
「旭さんじゃない?」
「あ、たぶんそうです!」
旭?旭がどうかしたのかな。旭っていつも俺の傍にいたから今のルーみたいな言い方されると分からないんだよね。小さい頃から仕えてくれてたから家族みたいな感じで。
ずっと一緒にいるとそれが当たり前のように思ってしまって印象が薄れたりしない?
「彼はお仕事以外ではナギサ様大好きって感じだったと思うんですけど」
「ナギサの大ファンだったからな」
「ええ。ミサはまさにそんな感じで……ナギサ様とアリス様が親しくしておられるのを見るのが好きだと言っていました。その話を聞いた時の勢いがすごかったので伝えてみたんですけど、聞き流す程度で構わないと思います」
つまり……どういうこと?旭のようにただ俺のファンって言うのは違う気がするんだけど。
「あっ、なるほどね」
「え、アリスは何の話か分かったの?どういうこと?」
「つまりその子は私とナギサが推しカプってことじゃない?」
「余計に意味わからないんですけどー?」
推しカプ……が何かは大体分かるけどさ。なんで俺たちにそれが当てはまるの?推されるようなことをした覚えはないよ?
「そうしたいが今日は父さんが帰ってきてるしな……どうする?アリス」
「うーん……」
明日、日曜日は学園休みだし明後日は振替休日。どうしよっかなー……うん、魔法の件で精霊たちには色々手伝ってもらったし、しばらく仕事は俺が代わりにしようか。
「じゃあ今日は泊っていきなよ。しばらくはシルフ達に休みをあげるから今日じゃなくても会えるでしょ?」
「それならそうさせてもらおうかな。良いよね、お兄ちゃん」
「ああ」
「ルー、おいで」
今晩の予定も決まったことだし、早速精霊たちに伝えてもらおうとルーを呼び出す。すると何故か大人の姿で眼鏡を掛け、いつもと違う服を身に纏ったルーが疲れ切った顔で現れた。
「はい……」
「え、似合ってるけどその格好なに?かわいいね?」
「色々ありまして、リーに着せ替え人形にされてました。何か御用ですか?」
「あとでリーを褒めておこうかなー。用事ってほどでもないんだけど、最近は精霊たちに色々頑張ってもらってたからしばらくは俺が全員分の仕事をやるよ。だから皆はゆっくり休んでねって、そう精霊たちに伝えておいてくれない?」
シルフに頼もうと思っていた仕事については俺がしようかな。別にシルフじゃないと出来ない仕事ってわけじゃないしねぇ。
「分かりました。それとナギサ様とアリス様に一つ忠告と言うか…助言ですが、ミサには気を付けた方が良いですよ。害意はないですしどちらかと言うと好意的ですけど、何というか……」
「ん?」
「えっと、何と言えば良いのでしょうか……ナギサ様の前世でご家族以外で常に傍にいた……」
「そんな人いたっけ」
「旭さんじゃない?」
「あ、たぶんそうです!」
旭?旭がどうかしたのかな。旭っていつも俺の傍にいたから今のルーみたいな言い方されると分からないんだよね。小さい頃から仕えてくれてたから家族みたいな感じで。
ずっと一緒にいるとそれが当たり前のように思ってしまって印象が薄れたりしない?
「彼はお仕事以外ではナギサ様大好きって感じだったと思うんですけど」
「ナギサの大ファンだったからな」
「ええ。ミサはまさにそんな感じで……ナギサ様とアリス様が親しくしておられるのを見るのが好きだと言っていました。その話を聞いた時の勢いがすごかったので伝えてみたんですけど、聞き流す程度で構わないと思います」
つまり……どういうこと?旭のようにただ俺のファンって言うのは違う気がするんだけど。
「あっ、なるほどね」
「え、アリスは何の話か分かったの?どういうこと?」
「つまりその子は私とナギサが推しカプってことじゃない?」
「余計に意味わからないんですけどー?」
推しカプ……が何かは大体分かるけどさ。なんで俺たちにそれが当てはまるの?推されるようなことをした覚えはないよ?
52
お気に入りに追加
581
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
【完結】帝国滅亡の『大災厄』、飼い始めました
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
大陸を制覇し、全盛を極めたアティン帝国を一夜にして滅ぼした『大災厄』―――正体のわからぬ大災害の話は、御伽噺として世に広まっていた。
うっかり『大災厄』の正体を知った魔術師――ルリアージェ――は、大陸9つの国のうち、3つの国から追われることになる。逃亡生活の邪魔にしかならない絶世の美形を連れた彼女は、徐々に覇権争いに巻き込まれていく。
まさか『大災厄』を飼うことになるなんて―――。
真面目なようで、不真面目なファンタジーが今始まる!
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
※2022/05/13 第10回ネット小説大賞、一次選考通過
※2019年春、エブリスタ長編ファンタジー特集に選ばれました(o´-ω-)o)ペコッ
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!
マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です
病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。
ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。
「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」
異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。
「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」
―――異世界と健康への不安が募りつつ
憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか?
魔法に魔物、お貴族様。
夢と現実の狭間のような日々の中で、
転生者サラが自身の夢を叶えるために
新ニコルとして我が道をつきすすむ!
『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』
※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。
※非現実色強めな内容です。
※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる