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第2章 亜麻色の光
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「俺が佐倉凪だと知られていようが知られてなかろうがどうでも良いけどさ、その話し方どうにかしてくれない?いつものエリオットくんに戻ってほしいんだけど?」
「無理だろ」
「せめて努力するくらいは出来ないの?それと雅、今何歳?」
「十七歳だな。この体はエリオットだから」
まあそうだよねぇ。前世の雅と俺は三歳差だったしアリスとは同い年だったから、この三人の仲で一番年上が俺って変な感じー。俺からすると年齢なんてどうでもよくもあるんだけどね。だって精霊王は数千年生きるからね?見た目は変わらないけど。だから年齢を気にしないと言うよりも覚えられない。
すでに三、四百歳くらいかなーって感じで曖昧だし。
「んー……それなら弟扱いしないでね?」
「それは無理な相談だな」
「私はお兄ちゃんにお兄ちゃんが転生したからお兄ちゃんって呼ぶけど、ナギサは呼び方変えないといけないんじゃない?」
ややこしいねー。俺も同じこと考えてたけど。前世では雅って呼んでて今世ではエリオットくんって呼んでたからどうするべきだろうねぇ。普通はエリオットくんって呼んだ方が良いんだろうけど中身が雅だと思うと違和感しかない。
「……じゃあエリオットくんの中身を知ってる人の前では雅って呼ぶ。それ以外は今まで通りにしようかな。だから雅、人前ではエリオットくんでいられるよう言動に気を付けてねー。抱き着いてこようとすれば容赦しないから」
「お前が言うと冗談に聞こえないんだよな」
「当たり前でしょ。冗談で言ってるつもりはないんだから」
久し振りに抱き着かれたからね。会う度にほぼ毎回、抱き着いてこようとするから回避できるようになってたけど不意打ちだったし。
「それで、三人になりたいって言ってたのはこの話のため?」
「ああ。お前のクラスの演劇でナギサの演技を見てて思い出したから混乱した。転生者が同じ世界、同じ時期に三人ってヤバくないか?」
「二人いるなら三人目もいるって考えてもおかしくないけど、あの人は雅のことも知ってたのかな……」
「あの人?」
「世界だよ。自称息子大好きの神みたいなもの。一応、いちおう俺の親になるねー。血の繋がりはないけど」
魔力での繋がりもないようなものだけどね。だって俺が自分の魔力に変換したし。何の繋がりもないようなものだけど俺をこの世に生みだしたのはあの人だから一応親ではある。認めたくないけど!
お願いですからもうしばらくは会いに来ないでくださいね。出来れば一生会いに来ないでほしいですけど。
普段は考えていることが伝わらないようにしてるけど、今のはわざと聞かせた。暇人だからいつも俺の思考を読もうとしているしねぇ。「人」ではないけどさー。
「無理だろ」
「せめて努力するくらいは出来ないの?それと雅、今何歳?」
「十七歳だな。この体はエリオットだから」
まあそうだよねぇ。前世の雅と俺は三歳差だったしアリスとは同い年だったから、この三人の仲で一番年上が俺って変な感じー。俺からすると年齢なんてどうでもよくもあるんだけどね。だって精霊王は数千年生きるからね?見た目は変わらないけど。だから年齢を気にしないと言うよりも覚えられない。
すでに三、四百歳くらいかなーって感じで曖昧だし。
「んー……それなら弟扱いしないでね?」
「それは無理な相談だな」
「私はお兄ちゃんにお兄ちゃんが転生したからお兄ちゃんって呼ぶけど、ナギサは呼び方変えないといけないんじゃない?」
ややこしいねー。俺も同じこと考えてたけど。前世では雅って呼んでて今世ではエリオットくんって呼んでたからどうするべきだろうねぇ。普通はエリオットくんって呼んだ方が良いんだろうけど中身が雅だと思うと違和感しかない。
「……じゃあエリオットくんの中身を知ってる人の前では雅って呼ぶ。それ以外は今まで通りにしようかな。だから雅、人前ではエリオットくんでいられるよう言動に気を付けてねー。抱き着いてこようとすれば容赦しないから」
「お前が言うと冗談に聞こえないんだよな」
「当たり前でしょ。冗談で言ってるつもりはないんだから」
久し振りに抱き着かれたからね。会う度にほぼ毎回、抱き着いてこようとするから回避できるようになってたけど不意打ちだったし。
「それで、三人になりたいって言ってたのはこの話のため?」
「ああ。お前のクラスの演劇でナギサの演技を見てて思い出したから混乱した。転生者が同じ世界、同じ時期に三人ってヤバくないか?」
「二人いるなら三人目もいるって考えてもおかしくないけど、あの人は雅のことも知ってたのかな……」
「あの人?」
「世界だよ。自称息子大好きの神みたいなもの。一応、いちおう俺の親になるねー。血の繋がりはないけど」
魔力での繋がりもないようなものだけどね。だって俺が自分の魔力に変換したし。何の繋がりもないようなものだけど俺をこの世に生みだしたのはあの人だから一応親ではある。認めたくないけど!
お願いですからもうしばらくは会いに来ないでくださいね。出来れば一生会いに来ないでほしいですけど。
普段は考えていることが伝わらないようにしてるけど、今のはわざと聞かせた。暇人だからいつも俺の思考を読もうとしているしねぇ。「人」ではないけどさー。
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