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第二章 再会

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 ◇

「───皆さんのおかげで学園祭の出し物、クラス部門で最優秀賞を獲得することが出来ました。皆さん、本当にお疲れさまでした!」

 セインくんの言葉で教室中が歓声で溢れる。俺たちのクラスの演劇が終わって少しして結果が発表された。自薦禁止の投票スタイルで二位と大きく差を付けて最優秀賞に選ばれたらしい。国中が俺たちのクラスの話で持ち切りなのが風に乗って流れてくる声で分かる。

 明るい噂だと嬉しいよね。それだけで俺たち精霊は幸せだから。穢れたものは嫌いだけど、綺麗なものは好きだよ。それは精霊に限ったことではないだろうけどね。

「お疲れ、ナギサ」
「君もね。魔法を使った演劇、大好評だよ」
「お前たち精霊の力あったから出来たことだから感謝しないといけないな。それにお前の演技すごかったな。演技とは思えないほどに何もかもが完璧だった」
「それは嬉しいな。ありがとー。でも皆もすごかったよ」

 俺から見ても本当に上手な演技だった。もしここが前世だったなら皆と仕事をしてみたかった。それくらい素晴らしかったと俺は思うよ。

「ナギサ様、お疲れ様です。まさかあそこまでお上手だとは思わなかったので驚きました。……ナギサ様、今日は楽しかったですか?あなたの心に残すことが出来たでしょうか」
「うん。一生忘れないだろうね。すごく楽しかったよ。………みんな、今日はありがとう!これは俺からのお礼だよ」

 夕方になって天気が少し悪くなってきてたから、快晴にして空に虹を掛けた。そして国中に花びらを降らす。窓から見える景色に再び歓声が上がった。
 自然を自在に操れる俺だから出来ることだから、しばらくの間これで楽しんでくれたら嬉しいかなー。

 自分でやっておいて何だけど、ちょっと結婚式みたいになってるねぇ。長い間使わない方が良いから少しの間だけど俺の気持ちが伝わったら良いね。

「ナギサ……ちょっと良いか?」
「あ、うん」

 隣にいたセインくんに断りを入れて教室から出る。俺を呼んだのは神妙な顔をしたエリオットくんとアリス。呼び出されることに心当たりはないんだけど何の用だろうね。しかも何かあったみたいだしさ。

「今日、俺たち二人でお前の宮にお邪魔させてもらえないか?三人で話したいことがある」
「良いよ。もう帰る?」
「そうしてくれると助かるが良いのか?」
「うん。セインくん!俺、ちょっと用事が出来たからもう帰るね!」

 教室の中から様子を伺っていたセインくんに声をかけると頷いてくれたので、俺たちは三人で地の宮に転移した。転移した直後、俺がエリオットくんを見た時には彼はもう……別人のような笑みを浮かべていた。


 ーー
 ご覧いただきありがとうございます。想定以上に長くなってしまって、一旦ここまでが一幕として区切ろうと思っていたのですが、長くなるのに変わりはないのでこのまま続けようと思います。
 もっと早く終わる予定の話だったので少し焦っているのですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです(^^)  山咲莉亜
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