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第二章 再会

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「観ていただけなのに疲れたぁ……」
「私は笑い疲れた」
「じゃあ笑うなって」

 もう全力で抗議したい。せめて名前くらいは変えてくれたら良かったのにねぇ。変えたところで精霊王って言葉がタイトルに入っている時点で俺のことだと分かるだろうけどそれでも!

「でも残念な演技だったのはナギサ役とその敵役くらいじゃない?」
「俺役って言わないでよ。どっちも重要な役なのになんでもっと練習しなかったのか不思議」
「お兄ちゃんが言うにはトラブルがあったらしいよ。直前になって主役とその敵役が怪我をしたとかなんとか。主役の人たちも頑張って練習してたらしい。馬鹿にしたわけではなくて、ナギサに重ねて見ると面白かっただけです。ナギサ役と敵役の方、ごめんなさい。クレームはナギサにどうぞ」
「やめてよー」

 どこに向かって謝ってるの?また俺役って言ってるしさぁ……

「ナギサのクラスは次の次だったよね。もう舞台裏では準備しているんじゃない?」
「たぶんね。見に行く?」
「うん」
「……アリスはさ、俺に何か隠してるよね。何か企んでるでしょ」
「そ、そんなことないよ…?」

 いや、顔に出ちゃってるし。鎌を掛けただけなんだけど本当に隠し事してたんだけど。それと隠し事をしていそうなのはアリスだけじゃなくて……

「セインくん、ランスロットくん、エリオットくん、アルフォンスくん、精霊たち。演劇」

 キーワードっぽいことを並べてみるとアリスの肩が跳ねた。この四人とクラスメイト、精霊たち、それからアリスは最近俺から隠れて何かコソコソやってたみたいなんだよねぇ。

 俺だけ仲間外れにするなんてひどいなー。

「え、えっと……ごめんね?」
「かわいく言っても誤魔化されないから。君は俺に隠れて何をしようとしていたのかな?」
「お…怒らない?」
「内容によるかなー」
「そこは怒らないって言ってよ……」

 なんで俺たちはいたずらがバレた子供とその親みたいな会話してるの?俺はいつからアリスの保護者になったんだろうねぇ?

「別に言いたくないなら言わなくて良いよ。どうせ今からセインくんたちの所に行くんだし、その時に皆から聞きだせば良いだけだからね?」
「うぅー……やっぱりナギサに隠し事が出来るわけないかぁ……うん、安心して。嫌がっても最終的にはやってくれそうなことを皆で考えてただけだから!」

 開き直ったねぇ。嫌がっても最終的にはやってくれそうなことって何なの?それをクラスメイト含む総勢数十人で考えてたってことー?嫌な予感。嫌な予感しかしないんだけど!?

 って言うか、いつの間にかアリスは俺のクラスメイトとも仲良くなってたわけ?仲良くなってないと協力して変なこと企んだりしないもんね。何人かはアリスの悪口を言ってたくらいなのにそれを黙らせるって……やっぱりアリスって人誑しだよねぇ……
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