139 / 241
第2章 亜麻色の光
64 王弟とノーム
しおりを挟む
「あれ? ナギサ、あそこにいるのって……」
「ノームと王弟殿下だねぇ」
「だよね。お二人は仲が良いの?」
「王弟殿下……ジェフリーさんはノームの祝福を受けているからねー。あのノームが祝福するくらいだから、相当仲良しなんじゃないかと俺は勝手に思ってる」
ジェフリーさんはノームのことが好きって言ってたよね。あれから接触がなかったし、進展したかは分からないけど意外と脈ありだったりするかも。ノームは自分の恋愛事情を自分から話すタイプではないと思うから俺から聞いてみようかなー?
と言っても、今二人の間に割って入ったらジェフリーさんに恨まれそうだから、聞くとしてもまた別の日にするけど。
「じゃあお二人はデートかな? 今日はお父さん達も学園祭に来るって言ってたから、そっちもデートだよね。火と水の大精霊様は恋愛関係のお話ないの?」
「少なくとも俺は聞いたことないね。ノーム達もデートとは限らなくない?」
「王弟殿下は見るからにノーム様のことが好きじゃないの。ご本人は隠しているつもりかもしれないけど、こういうのって周りからみたらすごく分かりやすかったりするでしょう?」
「まあそうだよね。うん、俺はノームのことが好きなんだって聞いたよー」
一応アリスに言わないであげたのに意味なかったね。あの人、もう少し隠す気ないのかな? 別に隠す必要はないし、本人がそれで良いなら俺は何も言わないけどさ、この分だとジェフリーさんの恋心に気付いてないのはノームくらいだよね。
「この世界……なのかこの国だけなのか分からないけど、恋愛は結構自由だよね。おかげで私もナギサと婚約できたし、助かっているけれど」
「んー……たしかに恋愛は自由なところが多いよ? だけど俺達には関係ないかな」
「どうして?」
「俺は精霊王だよ? 精霊王の恋愛に口出しできる人がいると思う?」
「あ、うん」
普通に考えたらいないね、とアリスが言う。世界が決めた、あるいは精霊達が決めたルールを除けば精霊は何にも縛られない。人族もエルフ族も魔族だって、精霊を敵に回したいとは思わないだろうに、戦うことになった原因が『恋愛に口を出したから』なんて絶対に嫌でしょ。そんなことで種族ごと滅ぼされるくらいなら口を出さない方が絶対良い。
別種族との争いって、精霊との争いに限らず厄介だからね。特にここは四種族がいるからこそ成り立っている国だし、貴族社会の割に自由な面が多いのはそこに配慮しているのもあるかもね。
どの種族が欠けても駄目。良く考えられているよね。圧倒的に数が多い人族が他の種族を見下さないのは、全ての種族あってこその政策にされているから。おかげで今のところそれなりに生きやすい世界だよ。
「ノームと王弟殿下だねぇ」
「だよね。お二人は仲が良いの?」
「王弟殿下……ジェフリーさんはノームの祝福を受けているからねー。あのノームが祝福するくらいだから、相当仲良しなんじゃないかと俺は勝手に思ってる」
ジェフリーさんはノームのことが好きって言ってたよね。あれから接触がなかったし、進展したかは分からないけど意外と脈ありだったりするかも。ノームは自分の恋愛事情を自分から話すタイプではないと思うから俺から聞いてみようかなー?
と言っても、今二人の間に割って入ったらジェフリーさんに恨まれそうだから、聞くとしてもまた別の日にするけど。
「じゃあお二人はデートかな? 今日はお父さん達も学園祭に来るって言ってたから、そっちもデートだよね。火と水の大精霊様は恋愛関係のお話ないの?」
「少なくとも俺は聞いたことないね。ノーム達もデートとは限らなくない?」
「王弟殿下は見るからにノーム様のことが好きじゃないの。ご本人は隠しているつもりかもしれないけど、こういうのって周りからみたらすごく分かりやすかったりするでしょう?」
「まあそうだよね。うん、俺はノームのことが好きなんだって聞いたよー」
一応アリスに言わないであげたのに意味なかったね。あの人、もう少し隠す気ないのかな? 別に隠す必要はないし、本人がそれで良いなら俺は何も言わないけどさ、この分だとジェフリーさんの恋心に気付いてないのはノームくらいだよね。
「この世界……なのかこの国だけなのか分からないけど、恋愛は結構自由だよね。おかげで私もナギサと婚約できたし、助かっているけれど」
「んー……たしかに恋愛は自由なところが多いよ? だけど俺達には関係ないかな」
「どうして?」
「俺は精霊王だよ? 精霊王の恋愛に口出しできる人がいると思う?」
「あ、うん」
普通に考えたらいないね、とアリスが言う。世界が決めた、あるいは精霊達が決めたルールを除けば精霊は何にも縛られない。人族もエルフ族も魔族だって、精霊を敵に回したいとは思わないだろうに、戦うことになった原因が『恋愛に口を出したから』なんて絶対に嫌でしょ。そんなことで種族ごと滅ぼされるくらいなら口を出さない方が絶対良い。
別種族との争いって、精霊との争いに限らず厄介だからね。特にここは四種族がいるからこそ成り立っている国だし、貴族社会の割に自由な面が多いのはそこに配慮しているのもあるかもね。
どの種族が欠けても駄目。良く考えられているよね。圧倒的に数が多い人族が他の種族を見下さないのは、全ての種族あってこその政策にされているから。おかげで今のところそれなりに生きやすい世界だよ。
61
お気に入りに追加
605
あなたにおすすめの小説

異世界転生~目指せ!内乱を防いで、みんな幸せ♪
紅子
ファンタジー
いつの間にかこの国の王子に転生していた俺。物語の世界にいるなんて、想定外だ。このままでは、この国は近い未来に内乱の末、乗っ取られてしまう。俺、まだ4歳。誰がこんな途方もない話を信じてくれるだろうか?既に物語と差異が発生しちゃってるし。俺自身もバグり始めてる。
4歳から始まる俺の奮闘記?物語に逆らって、みんな幸せを目指してみよう♪
毎日00:00に更新します。
完結済み
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
15歳になり成人を迎えたリュカは、念願の冒険者ギルドに登録して冒険者になった。
そこで、そこそこ名の知れた冒険者Dランクのチームの【烈火の羽ばたき】に誘われる。
そこでの生活は主に雑用ばかりで、冒険に行く時でも荷物持ちと管理しかさせて貰えなかった。
それに雑用だけならと給料も安く、何度申請しても値段が上がる事はなかった。
ある時、お前より役に立つ奴が加入すると言われて、チームを追い出される事になった。
散々こき使われたにも関わらず、退職金さえ貰えなかった。
そしてリュカは、ギルドの依頼をこなして行き…
【烈火の羽ばたき】より早くランクを上げる事になるのだが…?
このリュカという少年は、チームで戦わせてもらえなかったけど…
魔女の祖母から魔法を習っていて、全属性の魔法が使え…
剣聖の祖父から剣術を習い、同時に鍛治を学んで武具が作れ…
研究者の父親から錬金術を学び、薬学や回復薬など自作出来て…
元料理人の母親から、全ての料理のレシピを叩き込まれ…
更に、母方の祖父がトレジャーハンターでダンジョンの知識を習い…
母方の祖母が魔道具製作者で魔道具製作を伝授された。
努力の先に掴んだチート能力…
リュカは自らのに能力を駆使して冒険に旅立つ!
リュカの活躍を乞うご期待!
HOTランキングで1位になりました!
更に【ファンタジー・SF】でも1位です!
皆様の応援のお陰です!
本当にありがとうございます!
HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。
しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。

知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる