【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜

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第2章 亜麻色の光

64 王弟とノーム

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「あれ? ナギサ、あそこにいるのって……」
「ノームと王弟殿下だねぇ」
「だよね。お二人は仲が良いの?」
「王弟殿下……ジェフリーさんはノームの祝福を受けているからねー。あのノームが祝福するくらいだから、相当仲良しなんじゃないかと俺は勝手に思ってる」

 ジェフリーさんはノームのことが好きって言ってたよね。あれから接触がなかったし、進展したかは分からないけど意外と脈ありだったりするかも。ノームは自分の恋愛事情を自分から話すタイプではないと思うから俺から聞いてみようかなー?

 と言っても、今二人の間に割って入ったらジェフリーさんに恨まれそうだから、聞くとしてもまた別の日にするけど。

「じゃあお二人はデートかな? 今日はお父さん達も学園祭に来るって言ってたから、そっちもデートだよね。火と水の大精霊様は恋愛関係のお話ないの?」
「少なくとも俺は聞いたことないね。ノーム達もデートとは限らなくない?」
「王弟殿下は見るからにノーム様のことが好きじゃないの。ご本人は隠しているつもりかもしれないけど、こういうのって周りからみたらすごく分かりやすかったりするでしょう?」
「まあそうだよね。うん、俺はノームのことが好きなんだって聞いたよー」

 一応アリスに言わないであげたのに意味なかったね。あの人、もう少し隠す気ないのかな? 別に隠す必要はないし、本人がそれで良いなら俺は何も言わないけどさ、この分だとジェフリーさんの恋心に気付いてないのはノームくらいだよね。

「この世界……なのかこの国だけなのか分からないけど、恋愛は結構自由だよね。おかげで私もナギサと婚約できたし、助かっているけれど」
「んー……たしかに恋愛は自由なところが多いよ? だけど俺達には関係ないかな」
「どうして?」
「俺は精霊王だよ? 精霊王の恋愛に口出しできる人がいると思う?」
「あ、うん」

 普通に考えたらいないね、とアリスが言う。世界が決めた、あるいは精霊達が決めたルールを除けば精霊は何にも縛られない。人族もエルフ族も魔族だって、精霊を敵に回したいとは思わないだろうに、戦うことになった原因が『恋愛に口を出したから』なんて絶対に嫌でしょ。そんなことで種族ごと滅ぼされるくらいなら口を出さない方が絶対良い。
 別種族との争いって、精霊との争いに限らず厄介だからね。特にここは四種族がいるからこそ成り立っている国だし、貴族社会の割に自由な面が多いのはそこに配慮しているのもあるかもね。

 どの種族が欠けても駄目。良く考えられているよね。圧倒的に数が多い人族が他の種族を見下さないのは、全ての種族あってこその政策にされているから。おかげで今のところそれなりに生きやすい世界だよ。
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