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第二章 再会

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「イレーナ、いま入っても大丈夫?」
「あら、アリス。ナギサ様とデート中?仲が良いようで何よりだわ。今は空いているからどうぞ」
「もう……余計なこと言わなくて良いの!」
「はいはい。ナギサ様も楽しんでくださいね!」
「うん」

 イレーナ……ってどこかで聞いたことのある名前。イレーナ………あ、イレーナ·リーメントか。前にセインくんから聞いた。ランスロットくんの従妹でセインくんの婚約者候補。

「イレーナは私の友達なの。この学園に入学する前からの知り合いで、イレーナは常連さんなの。それで同い年だったから仲良くなった」
「へぇ……イレーナちゃんってランスロットくんの従妹らしいね」
「あ、たしかに言われてみれば家名が同じだし雰囲気が似てるかも。世間は狭いね」
「それはそうだけど従妹だってこと知らなかったんだね?てっきり聞いているのかと」

 アリスは特に気にしたことなかったらしい。ずっと一緒にいても気付かないのはアリスらしいなと思う。観察眼とか見る目がないとかそういうのことじゃなくて、単純に気が合う子なら家柄に興味がないんだと思う。そうじゃなかったら平民と公爵家、恐れ多すぎて友人なんて以ての外、話しかけることすら無理だろうし。

 何て言えば良いのかな……ある意味度胸がある?よね。

「わあ……すごいね。凝ってる」
「でしょ!お化け屋敷って言っても雰囲気だけそれっぽくして、お化け役は仮装をしてるだけ。可愛かったりかっこよかったりで怖いのはないでしょう?」
「そうだねー。こういうお化け屋敷も面白いかも」

 怖がらせるより仮装した自分たちと雰囲気で楽しんでもらおうって感じかな。中々ないアイディアでこれなら怖がりの人でも楽しめそうだね。実際、教室内では楽しそうに盛り上がっている声が聞こえてくる。学園祭だから楽しんでもらうことを重視した方が良いよねー。

「どのクラスが賞を取ることになるだろうねぇ」
「個人かグループで何かしている人もいるけど……そっちは関係ないか。皆が一番気にしているのはクラス部門の最優秀賞だし」
「名誉賞だから賞状くらいしかもらえないけど、名誉がどうのこうのは置いといて、普通に頑張って準備した出し物を評価されると嬉しいからね。こればっかりはみんな純粋に楽しもう、楽しませようと思っているみたいだから。今日みたいに平和な日は楽しい上に穢れが全然見えないから精霊も嬉しそう」

 俺も気分が良い。ハーフでも精霊の血が流れているアリスやエリオットくんは精霊と同じように穢れを感じると思う。精霊の血を持つ人にしか分からない不快感は、少しでも減るだけで本当に違うんだよ。
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