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第二章 再会

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 パーンッ……パーンッ……!!

 晴れ渡る秋空の下、色とりどりの線を描いて空高く花火が打ち上がった。あれから一ヵ月と少しが経過し、今日はついに学園祭当日。学園祭は今日の朝から晩まで開催されるらしく、学園の許可証があれば生徒以外でも参加することができる。俺の知り合いではシュリー家とシーラン家、それからティルアード王家が来るという話を聞いている。生徒の家族であっても許可証が必要なくらい警備面に気を使っているから貴族でも安心して楽しめるんだと思う。

 でもティルアード王家が許可証を求めた時は学園も驚いただろうねぇ……なんでも、アルフォンスくんが俺に会いたいって言っていたらしい。アルフォンスくんが王城に帰って以来まだ数回しか会っていないから楽しみだね。成長期だろうから前に会った時と全然違うってこともありそう。

 それと食べ物のお店?をやるクラスもあるって精霊たちの噂で聞いた。楽しいことが好きな精霊は俺が学園祭に参加している以上絶対遊びにくるよねー。

「ねー、エリオットくん。君のクラスの演劇は何時から?」
「最後から三番目、午後の部だったはずだ」
「僕たちのクラスは一番最後なんですよ。良かったら観に来てくださいね」
「もちろんだ。というか、二年一組の出し物は全校生徒が観に行くと思っておいた方が良いぞ。ステージでの練習時間がお前らの前後だったクラスは練習風景を少し見ている。知っていると思うがものすごい演劇になると国中がその話題で持ち切りだぞ。この学園は王立なだけあって何をするにしても規模が大きいんだ。それだけ注目を集める」
「だって!頑張ってね、ランスロットくん。俺、王子役を引き受けなくて良かったって心から思ったよ」

 仕事じゃないのに自分の演技を大勢に見られるなんて嫌だしね。ランスロットくんご愁傷様ってことで俺は気楽に遊ぼー。ランスロットくんの引き攣った笑顔は見えなーい。俺に向けられたものではないと信じたいからね!

「行こ、アリス」
「うん。お兄ちゃんたち、またあとでね!」

 相変わらずの天使な笑顔にエリオットくんは嬉しそうに笑顔を返していた。エリオットくんもエリオットくんでシスコンだよねぇ。

「どこ行くー?」
「うーん……まずはうちのクラスの出し物を見に行っても良い?私のクラスはお化け屋敷をやってるの。とは言っても私は準備係だったから学園祭中は自由に遊べるんだけどね」
「お化け屋敷……」
「そんなに暗くないよ。教室内だから少し狭いけど、ナギサが怖がるほどではないと思う」
「じゃあ行こうか」

 俺の心配していることもアリスには手に取るように分かるのだと自慢気に教えてくれた。こんな自慢は可愛いだけなんだけど、アリスはそこのところ分かってるのかな?多分分かってないよね。
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