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第二章 再会

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「シルフもノームも、些細なことって言ったけどなにで喧嘩したらあんなことになるの?」
「いえ、本当に恥ずかしいほど些細なことなので」
「それならまあ聞かないであげるけど。でもあれは問題だよ?君たち大精霊だよねぇ……」

 精霊は自然を愛しているし、同時に大切にしている。大切にしなければならないと言うのもある。俺たち精霊が使う魔法は自然に関するものばかりだからねー。
 その自然(庭園)を大精霊である二人が壊してどうするのって話だよ。

「ごめんなさい………」
「ごめんなさい、ナギサ様」
「謝罪は聞いたからもういーよ。もっと自分たちの立場を考えて行動しなさい。喧嘩は悪いことではないからそれには怒らない。でもちゃんと仲直りするんだよ?」
「はい」
「今後気を付けます」
「うん。じゃあ下がっていいよ。あーそうそう、庭園はちゃーんと元通りに直しておいてね?」

 にっこり微笑んで圧を掛けると二人ともすごい勢いで首を縦に振り、急いで部屋から出て行った。もうめちゃくちゃだったよ。綺麗に手入れされていたのに花は風で散りドロドロになって、辺り一面ジャングルみたくなってるし。どんな喧嘩をすればあんなことになるのか聞きたいくらい。
 その割に二人とも大怪我とかはなかったからお互いに手加減してたのは分かるんだけどねぇ。

「……?アリス、いないんだけど」

 私室に戻るとすでに風呂からは上がった痕跡があった。だと言うのにアリスの姿は見当たらない。ねぇ、もー……どこ行ったの?いないんだけど。

「まさか」

 部屋から出て迷子になったりしてないよね?宮の中に気配はある。いくら目が良いと言っても超能力者ではないから壁の向こうを見ることは出来ない。それなら音で居場所が分かるかと思ったけどこれ、すっごい遠くに行ってるし。なに?この部屋のちょうど反対側あたり?どうやったらこの短時間でそんな遠くまで迷い込めるかなぁ……

「アーリス」
「ひゃあっ!」
「あは、かわい」
「び、びっくりした……」

 急に話しかけないでよ!と涙目で懇願してくる。なんでこんなところにいたんだろうねぇ。お酒でも飲んだ?酔って彷徨ってきたわけじゃないよね。

 それにしても……こんな部屋あったんだ。初めて見たし入ったよー。

「なんでこんなところにいるの?」
「お風呂から上がったらナギサがいないからどこ行ったのかなと思って……」
「部屋から出たらいつの間にか迷子になってたって?」
「えへ」
「……呑気だねぇ。勝手に歩き回ったら迷子になるよって言ったのに」
「もしそうなってもナギサが見つけてくれると思って安心してた」

 頼りにされてると思えば良いのかも知れないけどさ。それってただ危機感ないだけじゃないの?ちゃんとに見つけられたから良かったものの、俺が知らない隠し部屋とかあったら助けられなかったかもしれないのに。祝福してるから魔力を辿れば見つけることは出来るけど、高い所でもあったとして、落ちて死んでしまったら俺にはどうにも出来ないんだけど。死んだ人までは治癒出来ないから。

 ……と、それをそのまま言うと反省したようで謝ってきた。なんか今日は謝られてばかりな気がするなー。
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