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第二章 再会

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「なんで急に見たくなったの?」
「気になっただけだよ。この傷があると忘れたくても忘れられないんじゃない……?」
「そんなに辛いわけでも辛かったわけでもないから大丈夫。魔法の練習中のはずなんだけど、度々話が変わるねぇ?」
「もう夜だから続きは明日で良いんじゃない?」
「そうだねー」

 別に辛くないよ。辛くても辛くない。辛いから、痛いから、ショックだったからって過去が変わるわけではないから気にするだけ無駄だよ。

「ただ、次に同じようなことがあったら……」

 今度こそ俺は、本当に壊れるんだろうねぇ。

「夕食と湯浴み、どっちにする?」
「お風呂にしようかな。ここにお風呂なんてあるの?」
「当たり前でしょー」

 精霊に湯浴みは不要でも、清潔にしたいからって入る子は結構いるよ。俺だってそうだしねー。やっぱり前世日本人としては湯浴みなしで寝るのは絶対無理。

「一緒に入っちゃいますか、ナギサさん?」
「はいはい、冗談言わなくて良いから入っておいでー」
「私は本気なのに残念だなあ」
「良いから早く入って来な。俺の部屋の使って良いよ」

 わざわざ他の所に行くことないでしょ。って言うか、よくその顔で本気とか言ったね?完全に面白がってる顔なのにわざとでしょそれ。でもアリスといると飽きないよねぇ。お茶目?と言うより無邪気なのかななんかずっと楽しそうにしてるんだよねー。

 それに時々変なことやとんでもないことを仕出かすから見てて面白い。そして何をしてても可愛い。実は魔法の特訓なんて口実なんだけどアリスはそんなこと気付いてないだろうね。

 ただただ俺がアリスとゆっくり話したいと思っただけなんだけどねぇ。

 ◇

「ごめんなさい」
「ごめんなさい……」
「………………」
「喧嘩しないよう気を付けます」
「はぁ……そういうことじゃないんだよ。喧嘩するのは良いんだけどやり過ぎないで?周囲への影響を考えなさいって言ってるの」

 アリスが湯浴みをしている間、俺は読書でもしていようと思って本を手に取ろうとした時、地の宮の庭園の方からとんでもない轟音が聞こえてきた。何事かと思って急いで転移して向かうとそこに立っていたのはシルフとノーム。綺麗な庭園が悲惨なことになっていて、それでも庭園荒らしを続行しようとしていたので取り敢えず一撃ずつ入れて宮の中に連れ込んだ。話を聞くと二人が珍しく些細なことで喧嘩したらしい。
 それで気付いたらあんなことになっていたのだと説明された。精霊王としてではなく親として怒っているのを理解しているのか、二人とも「申し訳ありません」ではなく「ごめんなさい」になっている。

 アリスがお風呂から上がった時に怒られているのを見られるのはシルフがかわいそうだったから、ちゃんと別室に移動したよー。
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