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第二章 再会

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「アリス、今日ってこれから用事ある?」
「え?別にないけど」
「それなら俺の宮に泊まらない?明日は学園も休みだしさ」

 ずっとしようと思ってたけど都合が合わなくて出来なかったことがある。今日なら予定とかないしちょうど良いと思ったんだけどどうかなー。無理強いするつもりはないんだけどねぇ。

「ナーギーサー?どういう意味だ、それは」

 こわ。お怒りモードエリオットくん。明らかにみんな引いてるんだけど気付いてないのかな。余計なこと言えば殺されそうな目つきしてるから言わないけど、でもこれ……

「勘違いしないでよ。前に言ってたでしょ。いつかアリスに魔法を教えるって。俺の祝福は全属性だから特に練習を重ねておかないといけないんだよ。じゃないと受けた方からしたら結構な負担になる。俺が祝福をしたせいでアリスの負担になるのは嫌だし、普通に危険。それにどうせならしっかり練習して色々魔法が使えたら便利でしょー」
「ああ……そういうことか」
「本当!?やりたいやりたい!」
「……母さんには言っておいてやる」
「ありがとう!お兄ちゃん大好き!」
「…………」

 ……俺には中々大好きとか言ってくれないのに。

 んー、お兄ちゃんとして好きって言ってるのは分かってるしアリスが恋愛的な意味で好きなのは俺だってちゃんと分かってるけどさぁ……それに言ってくれるときだってもちろんあるよ。それでもさー……

「ずるい」
「声低いな…落ち着け、ナギサ」
「見ての通り落ち着いてますー。いいなーって思っただけだよ。ちょっとね。別に実の兄相手に大好きとか言ってるからって嫉妬してるわけじゃないから」

 恋人には何も言わないのに兄には言うんだー、とか思ってないよ?ふふ、今ならエリオットくんを海の向こうまで投げ飛ばせそう!
 さすがに魔法は使わないといけないだろうけどねぇ。

「物凄く不穏な空気を纏っていますね。流石は精霊王ナギサ様」
「どういう意味だよ、それ。殺されるぞ」
「二人とも、しっかり聞こえてるんだけどもしかしなくてもわざと?」

 俺が耳良いの言ってなかったっけ?いや、言ったよね。言ってなかったかもしれないけど、分からないからどっちでもいいや。とにかくどちらにしても聞こえる距離なんだよねぇ?この二人、関わるようになったばかりの時は性格が正反対だしなんで仲良いのかなって思ってたけど、こういうところとか見れば見るほど似ているよねー。類は友を呼ぶって言うけど、まさにそれだと思う。

 昔の人は良いこと言ったよね。この世界ではなくて前世の、という言葉が先に来るけど。
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